知らないと怖い!不動産広告の規制とWEB広告配信時の注意点を解説
本記事では不動産広告を配信する前に確認しておくべき規約や法令について解説します。万が一違反してしまった場合は「業務停止」や「免許取り消し」などの罰則を課せられます。違反のリスクを下げられるようにあらかじめ本記事を確認しておきましょう!
目次
不動産広告の規制に関わる規約と法令
不動産広告の規制に関わる「宅地建物取引業法」「公正競争規約」について解説します。
宅地建物取引業法とは?(略称:宅建業法)
国土交通省所管のもと、宅地建物取引業の適正な運営と消費者の利益保護を目的に制定されている法律です。
違反した場合は「指示」「業務停止」「免許取り消し」のいずれかの処置が行われます。
業務停止または免許取り消しの場合は公表されます。
公正競争規約とは?
消費者庁及び公正取引委員会の認定を受けて設定されている、不動産業界の自主規制ルールです。
一般消費者の利益を守り、事業者間の公正な競争を確保することを目的としています。
違反した場合は「注意」「警告」「厳重警告」「違約金課徴」のいずれかの処置が行われます。
不動産広告の規制に関わる項目5選
不動産広告を開始する前に確認しておきたい項目を5つまとめました。配信する広告が当てはまっていないか見直してみましょう。
①誇大広告等の禁止(宅地建物取引業法 第32条 )
誇大広告とは、事実と明らかに異なる表示や実際よりも有利だと誤認させるような表示を含む広告のことです。根拠のない表現も誇大広告に該当します。
例えば下記が該当します。
・バルコニー面積や共用部分の面積を含めて専有面積と表示する。
・設備の性能を過大に表示する。
②広告開始時期の制限(宅地建物取引業法 第33条)
未完成の宅地や建物の売買に関する広告を開始する時期が制限されています。造成完了前の宅地と工事完了前の建物に関しては許可を受けてからでないと広告を配信できません。
③広告表示の基準(公正競争規約 第6章 表示基準)
不動産広告に記載する情報には、特定の項目に関して表示基準が設けられています。特定の項目とは主に、物件所在地・交通アクセス・面積・写真・絵図などです。
例えば下記が該当します。
交通アクセスの徒歩時間の表示では80メートルで徒歩1分という基準が設けられています。そのため駅から400メートルの位置に物件がある場合に「駅から徒歩1分」と表記すると違反になります。
④禁止用語の使用(公正競争規約 第7章 特定用語等の使用基準)
消費者に誤解させるような抽象的な用語は原則として使用が禁止されています。
使用禁止用語は下記をご確認ください。
参考ページ:不動産の表示に関する公正競争規約・同施行規則(表示規約 第7章,第1節,第18条,2)
⑤二重価格表示(公正競争規約 第8章 不当表示の禁止)
二重価格表示とは、実際に販売する価格より高い価格を併せて記載する表示方法です。例えば、「8,000万円のところ今なら7,000万円」といった記載は二重価格表示にあたります。
二重価格表示は、実際の価格または競合よりも安いと誤認させる恐れがあるため、原則として禁止されています。
ただし、下記の5項目をすべて満たし、かつ当該期間、当該価格で販売していた客観的な資料がある場合に限り、二重価格表示を使用できます。
参考ページ:不動産の表示に関する公正競争規約・同施行規則(表示規約施行規則 第6章,第12条)
二重価格表示は不動産業界以外ではよく見かける訴求手法であり、依頼している代理店の知見が浅ければ、二重価格訴求を提案される可能性もあります。しっかり代理店と連携してチェックしましょう。
また法令の原文は下記よりご確認ください。
参考ページ:宅地建物取引業法 / 不動産の表示に関する公正競争規約・同施行規則
▼下記資料では宅建業法の広告規制に関わる項目を本記事より詳しくまとめております。
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WEB広告配信時の注意点
以下3つの手法でWeb広告を配信する場合は、意図せず違法な広告表示になってしまう可能性があるため注意が必要です。
①検索広告のカスタマイザ機能を利用する場合
広告カスタマイザ機能は検索語句に合わせて、広告文が自動で生成される機能です。そのため誤った情報や不適切な表現が意図せず広告に含まれる可能性があります。例えば「駅近」を含む語句で検索された場合、広告見出しに「駅近」と自動で表示されることがあります。自動生成された文言が実際の物件情報と一致しない場合は違法と見なされる可能性があります。
②ダイナミック広告で配信する場合
ダイナミック広告はユーザーのWebサイトの閲覧履歴に基づいて、そのユーザーに親和性の高い商品を訴求できる広告です。この形式で配信する場合は複数の商品(物件など)データを広告のシステムに設定する必要があります。商品データを最新情報に更新しておかなければ「すでに契約済みの物件情報」など広告掲載してはいけない情報を配信してしまう可能性があります。
③Googleのクリエイティブ自動生成機能を活用する場合
Googleには広告クリエイティブを自動生成する機能があります。この機能では設定したホームページの情報から広告の文言や画像、動画を自動生成できます。そのため、意図せず違反した表現の広告が自動生成されて掲載されるリスクがあります。自動生成機能はコントロールができないため使用せず、手動で広告を設定することをオススメします。
まとめ
競合他社の広告より魅力的な訴求を模索していく中で、気づかないうちに過剰な表現となり違反してしまうことがあるかもしれません。
実際に違反と判断された場合、コンプライアンス上の大きな問題に発展する可能性もあるため、都度表現を見直すようにしましょう。
また広告についてお困りのことがあれば、無料相談を承っておりますので下記よりお問い合わせください。