「品質スコア(QS)」からLP改善の方向性が分かるかもしれない
ランディングページ(LP)の改善はGoogleAnalyticsやヒートマップツールなどを用いて改善点を洗い出したり、顧客のペルソナから刺さるコンテンツを想定してみるなどの手法をとることが多いと思います。これ自体はセオリー通りで結果に結びつきやすい良い取り組みだとは思うのですが、これらの考え方を展開したABテストっていずれ行き詰ってしまうことありませんか?
このやり方をそのまま続けていくと、いずれ検証したところでたいして結果に結びつかない重箱の隅をつつくようなABテストをやり始め、良くなったんだか悪くなったんだかわからない。という結果になることも…。
一度視点をズラして、リスティング広告の指標からランディングページの改善点を洗い出すことで広告成果の改善を図る。というのも一つの手です。例えば、広告文のABテストでよかったものをWEBサイトのキャッチコピーへ展開したり、リスティング広告で利用しているキーワードをベースにして考えるなどという手が考えられますね。
しかし今回についてはちょっとひと味違う切り口として「品質スコア」を活用する。という方法について書いていこうと思います。
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目次
品質スコアとは
品質スコアとは、媒体が広告主の広告の品質を評価した指標です。品質スコアが良いと掲載順位が上がりやすく、更にクリック単価も安くなります。一方で品質スコアが低い場合は逆に掲載順位が下がり、クリック単価が高くなってしまいます。
この品質スコアは、入札しているキーワードごとに1~10段階の評価がつけられ、数字が高いほど品質が高いとみなされている。という数値です。なおGoogle広告では『品質スコア』、Yahoo!リスティング広告では『品質インデックス』と呼びます。
※ちなみに、内部的には品質スコアはキーワードではなく広告に紐づいている。という説もありますが、この点についてはまた機会を改めて書こうと思います。
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品質スコアはクリック単価と掲載順位の決定要因
ご存知のようにGoogleもYahooも掲載順位やクリック単価はオークションによって成り立っていますが、このオークションは入札金額ではなく、広告ランクといわれる指標によって順位づけられています。さらにこの広告ランクは以下のような計算式で算出されているのです。
広告ランク=入札額×品質スコア
例えば以下の表では、A社よりB社の方が入札額は高いですが、そのキーワードに対する品質スコアはA社の方が圧倒的に高いです。そこで、上記に記載した計算式に当てはめて広告ランクを算出してみると、入札額が低いA社の方が広告ランクは高くなる。というケースもありえるのです。この例ではもちろん広告ランクの高いA社の広告が上位に掲載されます。
入札額 | 品質スコア | 広告ランク | |
A社 | 200 | 10 | 2,000 |
B社 | 900 | 2 | 1,800 |
品質スコアの構成要素から読み解くランディングページ
ここまで記載した品質スコアですが、その構成要素は以下の3つであると明確にGoogleは公表しています。
① 推定クリック率
② 広告文の関連性
③ ランディングページの利便性
以下の図のように、品質スコアは管理画面で確認することができ、構成要素それぞれが果たしてどのように評価されているのかまで確認することができます。
▼Google管理画面_品質スコア
※管理画面の検索キーワードの項目から確認。表示項目で品質スコア、推定クリック率、ランディングページの利便性、広告の関連性を選択することを忘れずに。
※なお代理店へ発注している広告主の方々は、運用担当者へ「キーワード別の品質スコアとその内訳のレポートを出してください」といえば1-2営業日あれば出してもらえるでしょう。
管理画面では品質スコアは10段階で示されていますが、「推定クリック率」「広告の関連性」「ランディングページの利便性」の3つの構成要素については、「平均より上」「平均的」「平均より下」の3段階で確認することができます。
今回はランディングページの改善方針を見極める。というのがテーマですから、この中でも特に「ランディングページの利便性」に注目してみましょう。皆さまのアカウントでは「ランディングページの利便性」はどのように評価されていますか?
これらが「平均より上」が多いというようであれば、広告観点におけるランディングページに限れば問題はなさそうです。「平均より下」が結構あるなぁ。という方は何かしらのテコ入れが必要そうです。
さて、このランディングページの利便性を上げる方法ですが、Googleは以下のサポートページで公表しています。
https://support.google.com/google-ads/answer/2404197
ある程度具体的に書かれてはいるものの、自社のランディングページに対して手を加えていこうと考えたら途端に迷ってしまうこともあるかと思います。そこで、品質スコアのレポートから、簡単に打ち手を編み出せる方法をご紹介します!
「ランディングページの利便性」の傾向をつかむ
まず確認したいのは、「ランディングページの利便性」としている指標が「平均より下」となっているキーワードの傾向をつかむ必要があります。この指標をざっと眺めてみて以下2パターンいずれかの傾向が見えてきませんか?ここに傾向があれば、施策の方向性を見極めることができます。
キーワードに傾向がある場合
品質スコアレポートにおいて、「平均より下」という評価がされているキーワードには「〇〇」という文言が含まれている場合が多い
ランディングページに傾向がある場合
品質スコアレポートにおいて、「平均より下」のキーワードのリンク先の多くが〇〇ページである場合が多い
上記のような傾向が見えてくれば、ランディングページの改善方法もおのずと見えてくるのです。
キーワードに傾向がある場合
この傾向がある場合に考えられるのは、「〇〇」という文言に関連するコンテンツがランディングページに不足していることを意味しています。
例えば化粧品のECサイトを例に挙げてみましょう。
「平均より下」であるキーワード
「Tシャツ 着こなし」
「Tシャツ コーディネート」
「ジョガーパンツ 着こなし」
「ジョガーパンツ コーディネート」
上記のように、「着こなし」や「コーディネート」といった文言を含むキーワードに対して、ランディングページの利便性の評価が低い場合、リンク先として設定しているランディングページでは、上記で検索してきたユーザーが欲しい情報を提供できていない。という仮説を立てることができます。
そこで、
・ランディングページにコーディネートに関わるコンテンツを追加してみる。
・コーディネートに関連するページを新たに作成し、上記の文言は新しく作成したランディングページへリンクさせる。
といった対策をとることでランディングページの利便性を改善させることができます。
ランディングページに傾向がある場合
この傾向がある場合に考えられるのは、キーワードや広告文とランディングページの関連性とともに、ランディングページそのものにも問題がある。と考えるのが妥当でしょう。
例えば以下のようなケースが考えられます。
<想定される問題点>
・スマホ対応のレイアウトになっていない
・ページが重く、読み込みに時間がかかる
・適切にコーディングされていない
・コンテンツが全体的に不足している
等
上記のように、ランディングページそのものに問題がある状態である可能性が高いので、大きなてこ入れが必要になりますが、経験上よくあるケースとしては、
・ページの殆どが画像で作られている
・ページの読み込み速度が非常に遅い
というケースに出会うことがままあります。
テキストも含めてすべて画像を配置しただけのページの場合、媒体側が適切にテキストを認識できない、サイトそのものが遅くなる、といった問題によって著しく「ランディングページの利便性」が下がることがありますから、こういった場合はテキストコンテンツはテキストで、写真やイラストは画像で、しっかりとコーディングしなおす必要があります。また、SEOでも指摘されるmeta情報の記載も忘れずにやりましょう。
他方ページの読み込み速度が非常に遅い。という場合は、一度以下の手順で表示スピードの課題を洗い出すことをお勧めします。
▼PageSpeed Insights
https://pagespeed.web.dev/
ここでLPの速度を計ってみましょう
調べたいサイトのURLを入力するだけでこのように詳細な表示速度を出してくれます。
また、ページをさらに高速にするために具体的な修正案も提示してくれます。
しっかりコンテンツも作り込んでいるし、モバイルの対応もできている。というようであれば、上記の指摘事項に手を加えることで改善が見込めます。
サーバの反応速度やパックエンドのシステムが問題であったりすると、改善は大手術になってしまいますが、、、
広告レポートからもランディングページの改善施策が立てられる
WEB広告の成果改善におけるランディングページの重要性については、皆さまも十分ご存知のことかとは思いますが、改善の方法になると途端にアイデアが出てこないこともあるかと思います。
今回は広告の中でも品質スコアを切り口にして考えてみましたが、他にもやり方はいろいろあるでしょう。やり切って行き詰ったと思ったときは、広告レポートから改善策を考えてみると、意外な改善施策が見つかるかもしれません。
他にも広告運用に関するお悩みがありましたら、下記の「最近の投稿」「カテゴリー」からバックナンバー記事もご覧ください。きっとお悩みを解消できるはずです。