【Web広告】カスタマーマッチとは?顧客のデータを”そのまま”使えるターゲティング
カスタマーマッチとは、自社が保有する顧客の連絡先(メールアドレス、電話番号など)をもとにターゲティングする(広告の配信対象者を指定する)手法です。
本記事では、カスタマーマッチの基本情報と応用方法、各媒体での使い方をご説明します。
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目次
カスタマーマッチの基本情報
カスタマーマッチは自社が保有する顧客の連絡先(メールアドレス、電話番号など)をもとに行うターゲティングです。データを「ハッシュ化」という手法で暗号化して広告プラットフォームにアップロードすると、暗号化されたデータと自社のユーザーIDが照合され、一致したユーザーに広告が配信されます。
媒体によって呼び名が異なり、Googleでは「カスタマーマッチ」、Metaでは「カスタムオーディエンス」、LinkedInでは「Matched Audiences」などと呼ばれています。
各媒体での仕様は下記のとおりです。
| プラットフォーム | 識別子(使用できるデータ) | 必要な件数 | 主な注意点 |
| Google広告 | メール, 電話番号, 氏名, 住所,など | 100人(検索/YouTube/ディスプレイ) ※その他データは1,000人 | ・CSVのヘッダーは英語のみ ・電話番号は国際規格 ・「類似ユーザー」は廃止済 →「最適化ターゲティング」を利用 |
| Meta (FB/IG) | メール, 電話番号, 住所など | 非公表 (推奨:1,000人以上) | ・事前にデータを暗号化する ・類似オーディエンスの元リストは国ごとに100人以上必要 |
| メール, 企業名(アカウント) | 300人 | ・B2Bに強く、特に仕事用のメールアドレスとの相性が良い ・API連携も可能 | |
| TikTok | メール, 電話番号など | 1,000人 | ・公式提供のCSV/TXTテンプレートを使用する必要あり |
| Yahoo!広告 | メール, 電話番号など | 100件未満のファイルは取込不可 | ・リストの有効期間は最大60日 ・類似配信に使うリストは28日以内の再アップロードが必要 |
| LINE広告 | 電話番号, メール,IDFA/AAID | 非公表 (推奨:1,000人以上) | ・1~15%の範囲で類似オーディエンスを作成可能 ・データの暗号化(ハッシュ化)の有無で要件が異なるため注意 |
重要:プライバシーに関する注意事項
顧客データを収集・利用することは、個人情報保護の観点から注意すべき行為です。
プライバシーポリシーに情報の使い道を明記する、会員登録などフォーム入力時に広告配信目的での情報利用について同意を得るなど、顧客から明確な同意を得る仕組みを作っておきましょう。
カスタマーマッチでできること
カスタマーマッチは「顧客に配信対象を絞る」ターゲティングであるため、配信範囲が狭くなりがちです。しかし、媒体によっては類似オーディエンスや最適化ターゲティングなど、範囲を拡張する設定と併用することで新規顧客の開拓にも活かせます。
カスタマーマッチでは主に下記のことができます。
1.守り:無駄な広告費の削減(除外リスト)
目的: すでに購入済みの顧客や、採用応募者など、広告を見せる必要がない人たちへの配信を停止
手法: 対象者のリストを作成し、すべての広告キャンペーンで「除外設定」を行う
2.攻め:確度の高いユーザーへの再アプローチ(リピーター獲得)
目的: 特定の行動を取った見込み客に、再度アプローチして購入を促す
例:
「商品をカートに入れたが購入しなかった人(直近30日以内)」に、割引クーポン広告を配信する。
【BtoB向け】ターゲット企業リスト(ABM)と役職を組み合わせて、LinkedInで決裁者に直接アプローチする。
3.拡大:新しい見込み客の発見(拡張)
目的: 優良顧客と似た傾向を持つ新しいユーザーを見つけ出し、広告を配信する。
手法:
Meta/LINE/Yahoo!: 優良顧客のリストを元に「類似オーディエンス」を作成する。
Google: 「最適化ターゲティング」や「オーディエンス拡張」機能のシグナルとして顧客リストを活用し、配信の精度を高める。
各媒体での設定方法
顧客データをターゲティング(除外ターゲティング)に設定するには、リストを作成してそれを広告に紐づけるという方法をとります。
顧客の電話番号、メールアドレスのリストがあれば簡単にリストを作成できます。媒体によって取り込むファイルの仕様が異なるので、事前に調べて用意しましょう。Google、Yahoo!、LINE、Meta(Facebook・Instagram共通)の4媒体でのリストの作成方法をキャプチャでご紹介します。
それ以外の媒体で設定にお困りの方は、下記ボタンよりお気軽にご相談ください。
手順は下記にもまとめています。
Google広告の設定方法
① 「ツール」→「オーディエンスマネージャー」を選択
② 「+ボタン」→「顧客リスト」を選択
③ データソースを接続するか、ファイルを手動でアップロードするか選択
※設定を飛ばしてリストの枠だけ作成することもできます
※手動でアップロードする場合は公式ヘルプのフォーマットに沿って用意

④セグメント名、顧客タイプ、有効期間を設定

⑤作成したリストは「オーディエンスセグメントの編集で紐づけられる
※赤枠に表示される

Yahoo!広告の設定方法
①「ツール」内「ライブラリー」から「オーディエンスリスト」を選択

②「オーディエンスリストを作成」→「顧客データ」を選択

③ターゲットリスト名を入力し、連携するデータのタイプ(下記)を選択し、アップロードファイルを選択して完了


④作成したリストは広告グループの入稿画面「オーディエンスリスト」から紐づけられる
※赤枠内に表示される

LINE広告の設定方法(メールアドレスアップロード)
①左側メニューから「共有ライブラリ」内「オーディエンス」に入ります。

②「+オーディエンスを作成」から、作成したいオーディエンスを選択します。赤枠が顧客データを使ったオーディエンスです。例としてメールアドレスアップロードを取り上げますが、ほかの2つもアップロードの流れは共通です。

③オーディエンス名を設定し、アップロードするデータがハッシュ化(暗号化)してあるか否かを選択します。していない場合は自動でハッシュ化されます。

アップロードできるCSVファイルの例は下記です。

参考・画像引用:メールアドレスアップロード
④作成したリストは広告グループの設定画面「オーディエンス」で紐づけられる。
※赤枠内に表示される

Meta広告(Facebook・Instagram共通)の設定方法
①左側メニューより「オーディエンス」を選択

②「オーディエンスを作成」から「カスタムオーディエンス」を選択

③「カスタマーリスト」を選択

④テンプレートをダウンロードし、編集してアップロード

⑤作成したリストは広告セットの編集画面から「カスタムオーディエンス」の箇所で紐づけられる

配信・除外の両面でアプローチを検討すべし
カスタマーマッチは「その顧客を対象に配信する」活用方法がメインであると思われがちですが、「その顧客を配信から除外する」という活用方法も検討してみましょう。
また「優良顧客」のリストを保持しているのであれば、それをもとにターゲット範囲を拡張する機能もぜひ併用してみてください。同じ傾向をもつ、新たな優良顧客にアプローチできるかもしれません。
プライムナンバーズでは、Web広告に関するさまざまなご相談を無料で承っております。ターゲティング設定はもちろん、配信する媒体の選定やクリエイティブ制作、成果の改善までまるごと承ります。
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