ポートフォリオ入札戦略とは?初心者でもわかる、簡単かつ効率的に成果向上させる自動入札
近年、GoogleやYahooではビッグデータを活用した目覚ましい技術革新があり、媒体側は自動入札の導入を強く推奨するようになりました。事実、自動入札を導入した多くのアカウントで獲得効率が上がり、管理工数も減少しています。
しかし、ビジネスの規模やマーケティングの規模が大きくなるとキャンペーン数が増え、複数の自動入札の状況を把握しなければならず、かえって管理に手間がかかってしまうというケースもあります。また、キャンペーンそれぞれにKPIを設けて運用していたら、個々のキャンペーンでは一見目標を達成しているように見えても、全体で見たときに収益が下がってしまったなんてこともあるのではないでしょうか?
そんな広告主様におすすめの「ポートフォリオ入札戦略」をご紹介いたします。
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目次
ポートフォリオ入札戦略とは自動入札のグループ化ツール
Google広告、Yahoo検索広告には、例えば獲得単価○○円でコンバージョンを獲得していきたい、△△円の広告費用に対して××円の売り上げを達成したいなど、目標に応じてオークションごとに自動で入札を調整してくれる「自動入札」の機能があります。
この自動入札はキャンペーンごとに設定するものです。しかし広告戦略によっては、リスティング広告のキャンペーン全体で、獲得単価○○円以内という目標を立てて運用することもあるでしょう。その際に、利用できるのが「ポートフォリオ入札戦略」です。
「ポートフォリオ入札戦略」を使えば、複数のキャンペーンにまたがって、全体で1つの目標を達成するために、自動で入札単価を最適化することができます。
「なんとなく良さそうなことは分かったから、プロのアドバイスを受けながら運用したい」とお考えの方は、以下のボタンから弊社にご連絡ください。ご相談は無料ですので、いつでもお気軽にお問い合わせください。
ポートフォリオ入札戦略の導入メリット
ポートフォリオ入札戦略がどういうものかご理解できましたら、次はメリットについてご説明させていただきます。メリットは主に2つあります。
➀キャンペーンごとの自動入札戦略の管理工数が減る
例えば、商品Aの広告を配信するキャンペーンと商品Bの広告を配信するキャンペーンの2つを運用している会社があるとします。さらに商品Aは獲得単価5,000円、商品Bは獲得単価10,000円の目標があり、会社全体として獲得単価6,000円の目標を掲げているとしましょう。
このとき、それぞれのキャンペーンに別々の自動入札を設定していると…それぞれのキャンペーンごとに別々の目標を達成しようと動きます。上記の場合は、キャンペーンが2つあるため、2つ分の管理工数がかかります。
また、目標獲得単価の低い商品Aのキャンペーンで運用がうまくいかなかったとき、会社全体で掲げている獲得単価6,000円という目標は達成できなくなります。
ここでポートフォリオ入札戦略を使うと…
管理工数は1つの入札戦略を見ればいいわけですから、単純に先ほどの1/2に減らすことができます。
また、キャンペーン全体で目標を達成しようと、獲得数の多い商品への入札を自動で強化することや、キャンペーンをまたいで自動で予算配分の調整をするため、会社全体の目標も管理しやすくなります。
②入札(クリック)単価の上限、下限を設定できる
自動入札は、集積したデータをもとに、コンバージョンに至る可能性が高いと思われるユーザーの検索行動に対して入札を強化して広告を配信することがあります。しかし入札を強化しすぎた結果、クリック単価が2,000円というような驚きの数字が出てくることもしばしばあります。この記事を見ていただいている方の中にも、検索語句レポートを見て目を疑ったなどという経験がある方も多いのではないでしょうか?
ポートフォリオ入札戦略では、こんなことにも対処できるよう入札(クリック)単価の上限と下限を設けることができます。よく活用されるのは上限金額で、指定した金額より入札を強化して配信することはありません。
ポートフォリオ入札戦略は1つのキャンペーンにも適用できるため、1つのキャンペーンで自動入札を導入しようとしているが、クリック単価の高騰を懸念されている方にもおすすめです。
ただし、自動で動いているものに対して制限を設けるのは機械学習の妨げとなるため、媒体からはあまり推奨されていません。始めはクリック単価の上限を設定せずに運用を始めて、成果を見てクリック単価が高すぎると判断した場合に、上限を設けるというやり方が良いと思います。
ポートフォリオ入札戦略で設定可能な6種類の自動入札戦略
ポートフォリオ入札戦略では、Googleでは6種類、Yahooでは3種類の自動入札戦略が用意されています。自身のプロモーションの目標に応じて、最適なものを選択しましょう。設定可能な入札戦略とその内容は以下の通りです。
ポートフォリオ入札戦略の設定方法
続いてポートフォリオ入札戦略の設定方法について、管理画面のキャプチャを添えながら説明さえていただきます。
■Google広告
①「ツール」をクリック
②「入札戦略」をクリック
③「+」をクリック
④任意の入札戦略を選択
⑤ポートフォリオ入札戦略の名前を設定
⑥このポートフォリオ入札戦略を設定するキャンペーンを選択
⑦目標値を設定(目標コンバージョン単価、目標広告費用対効果、目標インプレッションシェアを選択した場合)
⑧「保存」をクリック
⑨入札(クリック)単価の上限/下限を設定する際は「詳細設定」をクリック
以上9ステップで完了です。
■Yahoo
①「ツール」>「ポートフォリオ入札ツール」をクリック
②「ポートフォリオ入札設定の作成」>任意の入札戦略を選択
③ポートフォリオ入札戦略の名前を設定
④目標値の設定(コンバージョン単価の目標理、広告費用対効果の目標値を選択した場合)
⑤「作成」をクリック
⑥入札の上限/下限を設定する場合は「入札価格の上限(下限)を設定する」を選択
⑦「キャンペーン管理」に戻ってポートフォリオを設定するキャンペーンを選択
⑧「キャンペーン設定情報」をクリック
⑨「設定内容を編集」をクリック
⑩「予算と掲載条件」の入札方法でポートフォリオと同じ自動入札を選択
⑪「ポートフォリオ入札設定」を選択
⑫先ほど作成したポートフォリオ入札戦略を選択
⑬「編集内容を保存」をクリック
以上13のステップで完了です。
ポートフォリオ入札戦略を使った方が良いケース
ここからはどういった場合にポートフォリオ入札戦略を使った方がいいのか、具体例を交えながらご紹介していきます。
①配信地域ごとにキャンペーンが分かれている場合
いわゆる“新電力”と言われる電力小売り事業会社を想定しましょう。
新電力の会社は電力を地域の大手電力会社から買って顧客に販売しているので、地域ごとに販売する価格が異なります。したがって「今の電気代から○○円安くなる!」といったような訴求のクリエイティブを出すときは地域ごとに価格の違うクリエイティブを作成し、出し分けなければなりません。
検索広告では広告グループごとのエリア設定ができないので、このケースのクリエイティブの出し分けをするには、キャンペーンを分けて作成しなければなりません。そうするとアカウント構造は下記のようになります。
このような場合、キャンペーンそれぞれに別の自動入札を設定していると、1つのキャンペーンで成果が悪化した場合、他のキャンペーンで目標を上回らせる必要があるため、キャンペーンをまたいだ分析と目標設定、調整をしなければなりません。これにはかなりの時間と手間がかかりますし、成果予測にはそれなりの経験と技術が必要になってきます。
そこでポートフォリオ入札戦略を使います。
1つの入札戦略で複数キャンペーンを一元管理することで、キャンペーン間の帳尻合わせや入札の調整も自動で行ってくれます。
また、通常キャンペーンごとに予算設定をしなければなりませんが、Google広告の「共有予算」という機能を使えば複数キャンペーンの予算も一元管理することができます。共有予算とポートフォリオ入札戦略を同時に使うことで、複数キャンペーンの予算配分も自動で調整してくれるようになり、管理工数の短縮及び全体成果の向上が期待できます。
②複数のキャンペーンで別商材を扱っているが会社としての収益を最大にしたい場合
複数の商品を販売しているECショップを想定しましょう。このショップでは定価500円の商品Aと定価3,000円の商品Bの広告を展開していますが、販売する部署が違うためそれぞれの広告にかける予算を分けられています。
商品Aの費用対効果は200%、商品Bの費用対効果は400%とそれぞれの部署で目標を掲げていますが、会社全体の目標としては費用対効果350%を目指さなければなりません。
それぞれの部署で広告を運用しているとき、アカウントの構造は下記のようになるでしょう。
このアカウント構造では、それぞれの目標を達成することはできますが、会社全体の目標を無視しています。一方の成果が悪化したり、外的要因で売れ行きが悪くなってくると予算のかけ方を見直す、目標の再設定、広告以外の別の手法を取らなくてはならなくなったりと何かと考え事が増えてきてしまいます。
そこでポートフォリオ入札戦略を使います。
今回は会社全体の目標として費用対効果350%を掲げているため、そのまま目標費用対効果の自動入札が使えます。この設定をすることによって、もともとの費用対効果が高い商品Bで多く獲得を取れるように入札を自動調整してくれたりするよう動いてくれます。会社の経営目標を考えたときもポートフォリオ入札戦略は有効な機能です。
ポートフォリオ入札戦略で媒体推奨のアカウント設計に
今回は、自動入札のグループ化ツール「ポートフォリオ入札戦略」についてご紹介してきました。同じ入札戦略を複数のキャンペーンで利用している場合、ポートフォリオ入札戦略を使うと効率よく管理ができ、成果向上も期待できるようになります。
AIや機械学習の発達は、我々の想像を上回る速度で進歩しています。その最先端技術をフル活用し、手の空いた時間で成果の分析や今後の施策を考えるなど、頭を使う作業に時間を割く方が良い結果をもたらすでしょう。是非、ポートフォリオ入札戦略の実施を検討してみてください。
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