
【AI初心者向け】ChatGPTに「役割」を与えるだけで精度が向上!活用のコツまとめ
ChatGPTを使っているけれど、思うような回答が得られない…
そんなとき、「役割」を与えるだけでChatGPTの回答精度が大幅に向上します。
役割を設定した場合とそうでない場合でアウトプットの質を比べてみました。なお、本記事ではChatGPT o3、Gemini 2.5Proを使用します。
プライムナンバーズでは、AIを積極的に活用する「AI駆動広告運用」に取り組んでいます。AIを広告運用に活かせていない!とお悩みの方は、下記ボタンよりお気軽にお問い合わせください。AI活用の支援も含めた、Web広告の運用代行を承っております。ご相談は無料です。
目次
ChatGPTに「役割」を与えるとは?
ChatGPTに質問する際に「あなたは〇〇の専門家です」と最初に伝えることで、その分野に特化した高品質な回答を引き出せます。
ChatGPTやGeminiなどのAIは、入力された文章を読んで、アウトプットに使う言葉の”選ばれる確率”を調整します。何も指示しないとAIが持つすべての語彙から言葉を探しますが、「あなたは専門家です」と最初に指示すると、専門用語や知識を優先して探すモードに切り替わります。その結果、一般的な説明が減り、専門的で筋の通った回答が得られます。さらに、この一言が「専門性と正確さを重視せよ!」という評価基準をAIに示す信号となるため、語彙や文体まで専門家らしく整えられる仕組みです。
役割設定なしと役割設定ありの違いを比較
同じ質問に対して、役割を設定した場合としなかった場合の回答を実際に比較しました。
ChatGPT(o3)
Web広告の仕事について質問してみます。
質問A
「Web広告を運用する」という作業がどのようなものか、200字以内で説明して!
回答A
Web広告運用とは、KPIと予算を設計し、Google広告やSNS広告等の配信設定・クリエイティブ制作・タグ実装を行い、入札調整やターゲティング最適化、効果計測とレポートで改善を繰り返し、ROIを最大化する業務です。
質問B
あなたはWeb広告運用の専門家です。「Web広告を運用する」という作業がどのようなものか、200字以内で説明して!
回答B
広告目標設定→媒体選定・アカウント構築→タグ実装で計測環境整備→クリエイティブと入札戦略設定→配信開始後に指標をモニタリングし、データに基づき予算・入札・クリエイティブ・ターゲティングを高速で改善し続け、目標ROASやCV数を最大化する一連のPDCA業務。
役割を設定しない質問への回答Aは「何をするか」を列挙しただけでした。一方、専門家と指定した回答Bは①作業手順を順序立てて示し、②成果指標(費用対効果や獲得件数)の名前を入れ、③改善を続ける姿勢を明確にしています。その結果、具体性と実務で役立つ情報が増え、仕事の流れをイメージしやすい説明になりました。
Gemini(2.5Pro)
同じ内容でGeminiにも質問してみました。
質問A
「Web広告を運用する」という作業がどのようなものか、200字以内で説明して!
回答A
Web広告運用とは、リスティング広告やSNS広告などを出稿し、その効果を最大化するために継続的に改善を行う作業です。広告の表示回数やクリック数、売上などの成果データを分析し、ターゲット設定やキーワード、広告文、予算配分などを最適化します。単に広告を出すだけでなく、分析と改善を繰り返して目標達成を目指す一連の活動を指します。
質問B
あなたはWeb広告運用の専門家です。「Web広告を運用する」という作業がどのようなものか、200字以内で説明して!
回答B
Web広告運用とは、Google、Yahoo!、SNS等に出稿した広告の効果を最大化するための一連の作業です。ターゲットやKPI(目標)を設定し、予算内で最適な媒体を選定。広告を作成・入稿し配信を開始します。配信後は表示回数やクリック率、成果(CV)等のデータを日々分析し、キーワードや入札価格、広告文、ターゲティングなどを継続的に改善・最適化します。このPDCAサイクルを回し、費用対効果の最大化を目指す専門的な業務です。
役割を持たない回答Aはやはり「広告運用でやること」を単に並べただけです。
専門家と指示した回答Bは流れがわかりやすく、予算内で広告や設定を直す(運用する)姿勢がより強調されています。ChatGPTの例と同様、役割を指定することにより具体性とわかりやすさが強化されますが、今回は特に「媒体選び」と「予算配分」が加わり、初心者でも広告運用の全工程をイメージしやすい説明になりました。
効果的な役割設定の3つのポイント
役割を設定する際に重要なポイントを解説します。
①タスクに合わせた最適な役割を選ぶ
同じAIでも、与える役割によって回答の質や視点は大きく変わります。何を知りたいのか、どのような作業を依頼したいのかに合わせて、最適な専門家像を設定しましょう。
■目的と役割が合っていない例
データ分析について知りたい場合「マーケター」という役割を与える
→一般的な説明に留まってしまう可能性があります。
■目的と役割が合っている例
データ分析について知りたい場合「統計学の博士号を持つデータサイエンティスト」という役割を与える
→具体的な分析手法や、その数値が持つ意味の解釈まで、専門的に解説してくれます。
目的に合わせて、以下のような役割を設定しましょう。
目的 | おすすめの役割設定 |
文章を作成・校正したい | 編集者、コピーライター、テクニカルライター |
技術的な問題について知りたい | 〇〇(特定技術)のエンジニア、技術コンサルタント |
事業の戦略を考えたい | 経営コンサルタント、事業開発マネージャー |
市場調査・競合分析をしたい | マーケットリサーチャー、アナリスト |
データを分析したい | データサイエンティスト、統計アナリスト |
契約書や法務リスクを確認したい | 弁護士、法務アドバイザー |
プロジェクトを計画・管理したい | プロジェクトマネージャー、PMOコンサルタント |
サイトやアプリのUI/UXを改善したい | UX/UIデザイナー、ユーザビリティコンサルタント |
教材を作成・講座設計をしたい | 教育コンサルタント、インストラクショナルデザイナー |
資産運用・投資相談をしたい | ファイナンシャルプランナー、投資アドバイザー |
多言語に翻訳したい | 翻訳者、言語のスペシャリスト |
健康や食事のアドバイスがほしい | 栄養士、健康コーチ |
②具体的かつ明確に設定する
「マーケティングの専門家」など曖昧にせず「BtoB(企業向け)のソフトウェア業界で見込み顧客の獲得を5年以上担当している、コンテンツマーケティングの専門家」など、できる限り具体的に示しましょう。
以下の要素を組み合わせるとAIがより状況を理解しやすくなり、回答の精度が高まります。
業界:例)製造業、金融業界、IT業界
専門分野:例)SEO対策、Web広告の運用
経験年数:例)5年以上、10年以上の経験
具体的な業務内容や実績:例)月額1,000万円以上の広告予算を管理するアカウントマネージャー
③架空の役割は要注意
役割は実際に存在しないものでも設定できますが、精度が高まるとは限りません。
下記の例(ChatGPT)では「30年後の実際を知っている人」として「未来人」の設定にしてみましたが、その設定のない回答Aの方がよりしっかり分析してくれました(未来人からの回答Bではタクシーが空を飛んでしまいました。実現する可能性もゼロではありませんが…)。
質問A
30年後の東京がどうなっているか、200字以内で教えて!
回答A
2055年の東京は、人口1400万人を維持しつつ高齢者比率40%。超高層木造ハイブリッド再開発が湾岸に集中。自動運転EVと地下物流チューブで地上交通半減。夏の平均気温+2℃、緑化義務化でヒートアイランド30%低減。水上太陽光発電が都心電力の15%を供給。
質問B
あなたは30年後の未来から来た未来人です。30年後の東京がどうなっているか、200字以内で教えて!
回答B
2055年の東京は、人口減少で都心部に空きビルが増加、一部は垂直農園と高齢者用スマート住宅へ転用。自動運転EVと超小型空飛ぶタクシーが主要交通を担い、荒川沿いには水上発電と洪水調整池が整備され、夏の平均気温は現在より1.5℃上昇。
「専門家」と指定するとまだファンタジー色は薄まりますが、未来から来た、など現実離れした役割だとどうしてもアウトプットが”創作寄り”になってしまうようです。(ChatGPT)
質問A
30年後にAIはどのように使われている?200字以内で説明して!
回答A
2055年、AIは全産業の意思決定自動化、個人の超高度パーソナルアシスタント、身体拡張ロボティクス、地球規模シミュレーションによる政策最適化、量子計算統合で新薬と材料を瞬時生成する基盤インフラです。
質問B
あなたは30年後の未来から来た、AI活用に特化した専門家です。30年後にAIはどのように使われている?200字以内で説明して!
回答B
AIは個人の神経インターフェースで思考をリアルタイム解析し、需要予測から政策決定・医療診断・創造活動まで自動連携します。都市インフラと家庭機器は常時エネルギー最適化し、人間は戦略設計と共感業務に集中します。
役割だけでなく「状況」も指定すべし
役割と同時に、「どのような状況に合った回答がほしいか」も指定しましょう。下記は想定される状況とプロンプトの例です。
想定される状況 | AIへの状況説明例(プロンプト用) |
新規顧客に新しい商品を提案する | 「新規顧客に初めて●●という商品を提案する前提で、提案資料の構成案を作成してください。」 |
既存顧客に解約されてしまいそう | 「既存顧客が契約更新を迷っている状況で、解約を防止しうるフォローアップメール案を作成してください。」 |
クレームが発生 | 「サービス障害により顧客からクレームを受けた直後の状況で、謝罪と対応策を示す公式声明文を作成してください。」 |
新サービスを社内で稟議にかける | 「社内稟議用に、●●サービス導入の目的・費用・ROIをまとめたプレゼン資料の構成案を作ってください。」 |
SNSキャンペーンを開始する予定 | 「来週開始するSNSキャンペーン用に、初めにする投稿の案とハッシュタグを提案してください。」 |
競合が価格を一斉に値下げした | 「主要競合が価格を20%引き下げた直後の市場で、当社が取るべき価格戦略と告知文を提案してください。」 |
海外市場に初参入 | 「米国市場へ初めて参入する前提で、ターゲット調査と現地向けコピーの初期案をください。」 |
月末までに広告費を使い切りたい | 「残り広告費を3日で効率的に使い切るための媒体配分と入札調整プランを提案してください。」 |
今すぐ実践!役割設定でChatGPTを最大限活用しよう
本記事で紹介した基本概念と実践例を参考に、まずは自分の業務で最もよく使うシーンから役割設定を試してみましょう。色々試してみるうちに、面白い発見があるかもしれません。
業務への活かし方がわからない方やWeb広告運用にAIを取り入れたい方は、下記ボタンよりお気軽にお問い合わせください!「AI駆動広告運用」を得意とする弊社が、AIの活用からWeb広告運用までまるごとサポートいたします。ご相談やお見積りは無料です。
Download