「ぶっちゃけ気にするな」…Googleコアアップデートへの即対応が“必須ではない”本当の理由
Googleはより良い検索結果を提供するために「コアアップデート」と呼ばれる改修を定期的におこなっています。通常は3か月~半年ほどのスパンで実施されるものですが、2023年は8月・10月と短いスパンで実施され、注目が集まっています。
Google検索は今や膨大なユーザーが利用するプラットフォームであり、企業にとってもビジネスを拡大・成長させるために欠かせないチャネルです。Googleの検索結果で上位に入ることは「信頼性が高いサイト・企業である」という印象をユーザーに与え、サイトへの流入率を高めます。そのため企業メディアはGoogleのアップデートに素早く「対応しよう」と考えがちですが、実はそれほどアップデートへの対応を意識しすぎる必要はないかもしれません。
本記事では、Googleのコアアップデートとは何なのか、Webサイトやビジネスにどのような影響を与えるのか、さらにコアアップデートの影響を受けにくいコンテンツの作り方をわかりやすく解説します。
目次
Googleコアアップデートとは?
Google検索の表示順位は「アルゴリズム」と呼ばれるルールで決まります。技術の発展や社会的価値観の変化などに対応するべく、アルゴリズムには大小さまざまなアップデートが日々実施されています。このうち、Google検索に特に大きな影響を与えるアップデートが「コアアップデート」です。
たとえば2010年代の「パンダ」や「ペンギン」と名付けられたアップデートは、特定の品質基準を満たさないサイトを下位にランクダウンさせるなど検索結果の質を向上させる目的で実施され、多くのWebサイトに強い影響を与えました。ただしこれらのアップデートで悪影響を受けたのは、おもに「検索順位を上げる目的で作られた低品質のコンテンツ」でした。
コアアップデートはGoogleの理念である「Googleが掲げる10の事実」にもとづき、Webの健全な成長とユーザーにとっての価値ある情報提供を目指しておこなわれています。
アルゴリズムが変化してもGoogleの評価基準や目指すところに変化はない(たとえばいきなり「ユーザーに可能な限り使いにくいツールを提供すること」を目指したりはしない)ため、普段からGoogleの理念に沿ったコンテンツ制作をしていればWebサイトへの評価が大きく変動する可能性は低いといえるでしょう。
コアアップデートがWebサイトに及ぼす影響
Googleのコアアップデートがおこなわれると、サイトの検索順位が大きく上昇したり、逆に大きく下落したりすることも珍しくありません。代表的なアップデートの影響として、以下のような例が挙げられます。
- 検索順位の変動
- トラフィックの増減
- コンバージョン率の変化
これらの影響を正確に把握するためには、コアアップデート後のサイトデータをしっかりと分析することが重要です。特に、Google AnalyticsやGoogle Search Consoleといったツールを活用することで、具体的な変動の様子や原因を探る手助けとなります。
日頃からチェックしておくことで変化に気が付きやすくなるため、アップデート直後だけでなくこれらのツールには定期的に目を通しておきましょう。
検索順位の変動
最も直接的な影響として、サイトの検索結果における順位が変わることが挙げられます。良質なコンテンツを提供しているサイトは評価され、逆に品質が低いと判断されるサイトは順位を下げられることがあります。
以下は2023年10月6日~20日の間に実施されたコアアップデート前後の、弊社ブログページの順位をGoogle Search Console上でチェックし、グラフに整形したものです。アップデートに対して特別な対応は取っていませんが、順位だけ変動しています。
▲23年10月のアップデート後に平均順位が1.1位上昇した。
トラフィックの増減
検索順位の変動に伴い、サイトへの訪問者数が増減する可能性が高くなります。一般的に順位の上下はそのままPV数の増減に反映されます。
以下は23年10月のコアアップデート前後の弊社サイト全体のPV数の推移をグラフにしたものです。アップデートを境に1日の平均PV数が大きく変化していることがわかります。
▲23年10月のアップデート後に平均視聴回数が200PV程度上昇した。
コンバージョン数の変化
PV数が増減することで、実際に商品を購入したり問い合わせたりするユーザー数も増減する可能性があります。特定のキーワードでの順位が上昇すれば、そのキーワードに関連する商品やサービスへの関心が高いユーザーが増えることが期待されます。
自然流入からのコンバージョン獲得を目指してWebサイトを運営している場合は、特に確認しておきたい数値です。アップデートにより順位が上がりPV数も増えているのに、コンバージョン数は増えないという場合は、流入したユーザーをコンバージョンに誘導する仕組みに課題がある可能性があります。
コアアップデートへの対応は「不要」?
コアアップデートがおこなわれたからといって「1秒でも早く対応しなくちゃ!」と焦る必要はありません。アップデート直後は一時的にイレギュラーな順位変動が起こりがちですが、ユーザーファーストでコンテンツを作っているならあまり一喜一憂せず、コンテンツの更新を進めましょう。アップデート以前からユーザーの利便性や情報の価値を高めることを第一にコンテンツを作っていれば、Googleのアップデートがおこなわれても大きな影響を受けにくくなります。
ただしアップデート情報は確実にチェックしておくべきです。Googleの公式発表や情報をチェックし、アップデートの内容や影響について公式な情報を確認しましょう。これにより、どのような点に注意すべきか、どの部分を改善すれば良いかのヒントを得られます。
Google検索の最新公式情報は、おもにX(Twitter)でキャッチアップできます。英語で運営されているので、英語が読めない方は翻訳ツールなどを駆使して最新情報を把握しましょう。
▲画像クリックでGoogle Search CentralのX(Twitter)アカウントに移動します。
アップデートに負けないコンテンツ制作法
Googleが最新情報をお知らせするときは、アップデート内容やアップデートによる影響を詳細に解説することはほぼありません。
そのためさまざまなデータから「このような方針でアップデートされたのだろう」と仮説を立てることしかできず、変更内容に直接対応する修正をおこなうことは困難です。
しかしGoogleは公式に公開しているSEOマニュアルに沿ってアップデートを実施します。以下のページに記載された評価基準に照らし合わせながらコンテンツを作ることにより、アップデートがあっても大きな順位変動を起こさない「強いコンテンツ」が作れるはずです。
参考ページ:SEO 改善に関するドキュメント | Google 検索セントラル | Google for Developers
Googleいわく「検索エンジンを第一に考えるな」
SEOを取り巻く状況は定期的に変わっていきますが、その時々のトレンドを追うことはSEOの本質ではありません。そもそもGoogleはSEOマニュアルの中で「検索エンジンを第一に考えたコンテンツ作成をするな!」と警告を発しています。
もちろんメディア運営者にとっては検索順位をできるだけ上げることが利益につながるため、「Googleに評価されること」を目的意識におきがち。しかし本来は「ユーザーに可能な限り有益な情報提供をおこなうこと」を目的とし、質の高いコンテンツを発信することでメディアの価値を高めるのが理想でしょう。
正攻法によるSEOは作業時間や費用など多くのコストを伴います。成果が見えてくるまでのスパンが長く、SEOの意義を疑いたくなることもあるかもしれません。しかし完成すれば小手先のテクニックに頼ったサイトでは実現できない、「強いサイト」ができあがるでしょう。
弊社でもご相談を受け付けております。SEOにお困りの際は、ぜひお問い合わせください。