【2024年版】金融業界のバナーデザイントレンド
ファッションや言葉などの流行は、時代とともに目まぐるしく変わります。それはデザインでも同じで、時代遅れに感じるものはユーザーにとって魅力的には映りません。ユーザーは新しいものに敏感で、新鮮なものを好む傾向があります。
デザインのトレンドは、媒体や業界によってその内容が微妙に違います。今回は金融業界のバナーデザインに限定して、「イラスト」「色」「全体の雰囲気」「特徴」の切り口でトレンドを解説します。古いバナーをそのまま使っているという方は、ぜひデザインをトレンドに合わせて再検討してみてください。
デザインを検討するにあたって、バナーに掲載しておきたい事項がいくつかあります。チェックリストにまとめた資料がございますので、当記事と合わせてぜひご覧ください。
バナーのトレンドを追うには、まず基本が分かっていることが重要です。初めてバナーを作る場合は、こちらの記事をご覧ください。バナーの基礎的な作り方を解説しています。
弊社では、HP・LPやバナーなどWeb制作全般を承っております。ご要望に応じてチラシやリーフレットといった印刷物の制作も可能です。ご相談は無料ですので、まずはお気軽にお問い合わせください。
目次
2024年の金融業界の傾向とは
まず近頃の業界傾向をおおまかにまとめました。現状について下記の3つが言えます。
- マイナス金利政策で、物価や賃金が上昇。しかし国民意識はデフレに根付いており、貯蓄傾向にある。
- 今まで人間が行っていた業務がAIやシステムに代替され、オートメーション化が進んでいる。
- キャッシュレスやスマホ決済が普及しつつあり、セキュリティリスクが高まっている。
以上を踏まえて実際の金融系バナーを見てみると、「資金運用」「キャッシュレス」「スマホ決済」などのキーワードが目につきます。金融業界はややこしくてわかりにくいというイメージを持たれがちです。そのため、ユーザーが身近に感じる簡単な言葉を意識的に使用しているようです。読んですぐに誰でも理解できる言葉を入れることで、普段金融に馴染みのないユーザーでもサービスの内容が分かるようになり、対象のユーザー層を広げることができます。ハードルを下げ、ユーザーの興味関心を引きやすくしましょう。
トレンドその1 アイソメトリック・太めのラインイラストを使う
イラストには、アイソメトリックや太めなラインを用いていることが多いです。アイソメトリックイラストとは、物を俯瞰して見たような視点で描かれたものを指します。全体像が分かりやすいため、お金の流れなどを説明するのに向いています。
ラインイラストは線だけで描かれたもののことです。ラインイラストは色味が少ないため、プレーンな印象で万人受けしやすい特徴があります。線を太くするとはっきりと強い主張ができ、アイキャッチにはもってこいのタッチになります。
アイソメトリックイラストやラインイラストは、キャッチーで親しみやすい雰囲気が特徴です。ユーザーの、「ややこしそう」なお金に関する話題への先入観を払拭するのに取り入れると良いでしょう。
イラストのタッチは、他にも種類がたくさんあります。トレンドだからといって上記のタッチだけに拘ると、他のバナーに埋もれてしまう可能性があります。訴求内容に合わせて、あえて違うタッチのイラストを使うのも良いでしょう。参考にしたいイラストの事例は、こちらの記事でまとめています。
トレンドその2 赤・青・緑・黄色などはっきりした色を使う
最近のバナーには、赤や青、緑といった原色系の色が使われていることが多い印象です。少しでもユーザーに親しみを感じてもらう工夫として、広い世代で視認しやすい色が使われています。文字と背景の明度・色味にはっきりと差をつけ、読みやすくしましょう。
お金というと金色をイメージするかもしれませんが、黄色ではっきりデザインするのが主流となってきています。もし金を使う場合は、明度差の少ない自然なグラデーションにしましょう。はっきりさせたいからといって、明度差が激しいグラデーションを使うのはNGです。ギラギラとした強い色味のグラデーションは、広い世代に受け入れられにくいからです。
トレンドその3 シンプルでキャッチ―な雰囲気
全体の文字量は少なくして、ユーザーへ訴求内容を端的に伝えているバナーが多い傾向です。シンプルにするには要素を減らすことが重要ですが、要素として一番大きい割合を占めるのが文字です。一番伝えたいことだけを短い文言でまとめ、そこに目がいくように周りは余白を確保します。
背景は1色にするか、1色に見えるくらいの微妙なグラデーションを用いていることが多いです。1色だけの背景だと味気なく感じる場合は、似た色味の2色でグラデーションにするのも手です。そうすることで、要素の量を増やさずに色に幅を持たせることができます。下の画像のように、青×紺や赤×濃いオレンジなどトレンド2で挙げた色をベースにすると良いでしょう。
人物画像を使う場合は1人〜3人までにすると収まりやすいです。人物画像も余分な要素を増やしてしまうため、できるだけ少ない人数を掲載します。人間の顔はユーザーの視線を集めてしまうため、メイン訴求でなくても目立ってしまいます。あくまでサブ程度に配置するなら、サイズ感や色味で他の要素よりも重要度を下げるようにしましょう。
トレンドその4 伝えたい数字は特に大きくする
金融系バナーは、数字がユーザーの興味を引くきっかけになりやすいです。利率や料金などが、扱う商材のメリットになることが多いからです。ユーザーのメリットになることはバナーの中で一番大きく扱います。数字はバナー全体の1/3〜1/4くらいに、数字に付随する単位などは数字の半分以下のサイズにすると良いでしょう。
数字にはテクスチャや飾りなどはつけず、何か工夫したい場合は影をつける程度にします。全体はできるだけシンプルに見せたいため、飾りなどで要素を増やすのは得策ではありません。また、太めのフォントを使用しインパクトが出るようにします。細いフォントよりも太いフォントの方が、広い面積で視線をより集めることができます。これにより、他の要素に比べて引き立たせることができます。
参考になる他社事例
これまで挙げてきたトレンド内容を、実際に他社の事例を見ながらおさらいします。参考にする際には、そのまま真似しないように注意しましょう。表現の引き出しを増やす程度にして、色や形などを取り入れると良いです。
PAY.JP
アイソメトリックなPCのイラストで、開発者向けのサービスであることが分かります。イラストを用いると、文字よりも視覚的にユーザーへ訴えかけることができます。このバナーのセールスポイントは、決済手数料です。決済手数料の数字を、コピーの文字サイズより2.5倍ほど大きくしています。目立たせたい数字がはっきり分かるため、ユーザーは見るべき場所をすぐに判断できメリットとして捉えやすいです。
電子マネーnanaco
ベースの赤と、メイン訴求であるnanacoポイントの黄色がはっきりと明度・彩度差を作り出しています。一番目立たせたい部分は、明度・彩度の差を激しくしましょう。
ユーザーに商材を強く印象付けるには、文字だけでは足りないことがあります。このバナーは、nanacoカードの画像でビジュアル面も訴求しています。バナー内に商材の見た目があることで、ユーザーは色などの特徴をもとに商材のことを覚えてくれる可能性があります。
SMBC Olive
背景はニュアンス程度の控えめなグラデーションにしています。これは1色の背景では画面が引き立たない時に使えるワザです。一番目立たせたい数字の「15」は、バナー全体の面積の中で一番占める割合が大きいです。要素の面積は、大きいほど訴求の優先順位が上がっていきます。ユーザーが混乱しないレイアウトにするには、面積の大きさで訴求に順番をつけていくと良いでしょう。
まとめ
2024年のトレンドポイントは「アイソメトリックもしくは太めのラインイラスト」「赤・青・緑・黄色などの目立つ色」「シンプルでキャッチ―なテイスト」「大きい数字が特徴的」の4つです。トレンドは常に変わっていくため、しばらくデザインを変更していない場合は上記を踏まえてデザインを見直すと良いでしょう。デザインを変えることで、クリック数が増えるかもしません。
変更すべき点がどこか分からない場合は、ぜひプライムナンバーズにご相談ください。訴求すべきポイントの洗い出しからお手伝いいたします。
金融業界はややこしいイメージを持たれてしまいがちなので、バナーに入れ込む内容は分かりやすく整理したいですよね。バナーにぜひ入れておきたい内容を、初心者向けにチェックリストにまとめました。チェックリストの資料はこちらからダウンロードできます。
バナーは静止画だけではなく、GIFで動くタイプのものもあります。分かりやすさが求められる金融業界では、動きで伝えることも検討すると良いでしょう。動くバナーのデザインアイデアはこちらでまとめています。