数分の面接で何を判断しているの?新卒採用の面接で見ているポイントを現役面接官が解説
「新卒採用の一次面接って、数十分で終わることが多いけど、この時間で一体自分の何が評価されているんだろう?」
就職活動をする中で、このような疑問や不安を抱えている方も多いのではないでしょうか。
短い面接時間では、十分に自己アピールができたか不安になることもあるかと思います。しかし、私たち採用担当者はその短い時間の中でも、みなさんが入社後に活躍できる人材かどうかを、いくつかの視点からしっかりと見ています
当記事では、一次面接はどのような基準で選考が行われているかについて、現役面接官の視点から、正直にお話しさせていただきます。
面接に臨むにあたってのご参考にしてください。
目次
新卒採用における一次面接の位置づけ
まずはじめに、新卒採用における「一次面接」が、どのような位置づけなのかについてお話しします。
当社の一次面接の目的は、「できるだけ多くの学生さんとお会いし、社会人としての基礎的なビジネスマナーやコミュニケーション力を見ること」です。なるべく多くの人とお会いしたいと思っているので、どうしても一人にかける時間は短くなります。
この短い時間では、みなさんの考えを深く掘り下げて聞くことは正直なところ難しいです。そのため、当社で活躍できるポテンシャルや、当社のビジョンとマッチするかについては、二次面接以降で確認します。
一次面接では、みなさんが提出したエントリーシートの記載内容をもとに、「学生時代に頑張ったこと」や「なぜこの業界を志望したの?」などの質問をさせていただくことが中心となります。その会話を通じて、最低限のビジネスマナーやコミュニケーション力が備わっているかを確認しています。
では具体的にどのような点を評価しているのか。私が選考基準としている3つのポイントについて解説します。
選考基準①端的かつ的確に回答できているか
1つ目の基準を簡単に説明すると「相手が何を知りたいのかを理解し、分かりやすく答える」ことです。ビジネスの場では上司やクライアントに対して、業務の結果の報告や質問された内容について、限られた時間の中で相手にわかりやすく情報を伝える能力が求められます。面接での短いやり取りにおいても、その能力があるかを確認させていただきます。
端的に的確に回答するとはどういうことか、詳細を解説します。
①端的に回答する
「結論ファースト」で話してください。必ず質問に対する回答(結論)を最初に述べてから、具体的な説明をしてください。
例えば、「あなたの強みは何ですか?」という質問に対しての良い回答例と悪い回答例を紹介します。
良い例)私の強みはリーダーシップが取れることです。この能力は居酒屋のホールのアルバイトでリーダーを任されたときの経験から身につきました。~
悪い例)私は居酒屋でホールのアルバイトをしており、3年目になった現在リーダーを任されるようになりました。そこでお店全体を見渡してメンバーに仕事の指示を振る経験をしたことから、リーダーシップが身につきました。
いかがでしょうか。
悪い例の場合面接官は「何の話をしているの?」「いつまでこの話続くの?」と思いながら回答を聞いています。最終的にリーダーシップがあると言いたかったことを理解するのに時間がかかります。
良い例は、最初に結論を出してくれると、その後に続く説明もわかりやすく聞き取れます。
答えにくい質問や、回答がパッと思いつかない質問をされる時があるかもしれませんが、その場合は少し考える時間を取っていいので話を整理し、結論を最初に決めてから話を始めるとよいでしょう。
②的確に回答する
的確に回答するとは、質問の意図を理解してそれに合わせた回答をすることです。
面接官は、「こういうことが聞きたい」という意図があって質問をします。「質問の意図」を正しく理解し、それに沿った回答をしてください。
意図を汲み取れていないケースとして多いのは、「自分が準備してきた話を、一方的に話してしまう」ことです。
例えば、「学生時代に苦労したことや、挫折した経験について教えてください」という質問をしたとします。この質問の意図は、困難なことにどのように向き合い、どう乗り越えたのか、その過程から人柄や考え方を知りたいという点にあります。
この質問に対して、次のような回答があったとします。 「私は学生時代、TOEICで高得点を取ることを目標に、毎日1時間の英語学習を1年間続けました。その結果、勉強を始める前は500点だったスコアを、1年間で800点まで伸ばすことができました。」
この回答から、「継続力」や「目標達成能力」があるということを読み解くことはできますが、高得点を取ったという結果をアピールすることに焦点が置かれており、面接官が聞きたかった質問の意図と回答がずれています。これは面接の評価としてはマイナスになります。
ではどうすればよかったのか。TOEICの例をとりあげるとこのような回答が望ましいです。
「私が学生時代に最も苦労したのは、TOEICのスコアを伸ばす過程で、目標に届かず伸び悩んだ経験です。ビジネスで使える英語力を目指し、800点を目標に毎日1時間の学習を半年続けました。しかし、スコアが600点台で伸び悩みました。そこで勉強方法を見直し、弱点だったリスニングを克服するためにシャドーイング中心の学習法に切り替えました。それを続けるうちに徐々に英語の音を正確に捉えられるようになり、結果的に学習方法を見直してから半年後の試験で、目標だった800点を達成することができました。」
上記の回答は、挫折した経験とそれをどうやって乗り越えたかを説明できていて、面接官の聞きたいことを押さえた回答になっています。
もちろん想定される質問に対して自分の回答を準備することは大切です。しかし、その準備した回答を発表することに必死になるあまり、面接官の質問の意図からずれてしまう方が見受けられます。
面接は用意した回答を発表する場ではなく、面接官との会話をする「コミュニケーションの場」です。自分が話したいことではなく、「面接官は何を聞きたいのか?」を考えて、面接官が求めている回答をすることを意識しましょう。
選考基準②相手に好感が持たれるような回答ができているか
2つ目のポイントは、「相手に好感が持たれるような回答ができているか」という点です。
ビジネスは、社内外で多様な立場の人と関わります。どんな人が相手だったとしても、「この人と一緒に仕事がしたい」と思ってもらえるような人間的な魅力があることは、ビジネスで活躍するための一つの要素となります。
もちろん、これは相手に媚びを売るという意味ではありません。私が考える好感が持てる人というのは、以下の特徴を持っています。
- 明るい表情で、ハキハキと元気よく回答する
- 馴れ馴れしすぎず、堅苦しくもない適切な言葉遣いをする
- 清潔感のある身だしなみができているか
どれだけ回答内容がしっかりしていても、暗くてボソボソ回答する方では、クライアントからも良い印象は得られにくいです。また友だちに話すような言葉遣いになっていたり、逆に敬語で話そうとしすぎて堅苦しくなっているなど、適切な距離感で話せていない方は、円滑なコミュニケーションを取るのは難しいと判断されがちです。
こういう話をすると、私の性格は暗いから無理だと思う方もいるかもしれませんが、別に性格が明るい人を採りたいわけではないです。心がけ次第で好感を持たれる雰囲気を作ることはできます。相手に良い印象を与えるように話すことは、ビジネスのコミュニケーションで重要なため、面接の場でもそれが行えるか、確認しています。
選考基準③正直な回答ができているか
面接官は様々な質問を通して「あなたがどんな考えを持っているか」を聞きたいと考えています。質問には正直に回答していただきたいです。
「こういう回答をした方が良い評価を得られるだろう」と思い本心ではない回答をされると、「何を考えているのかわからない」と判断され、かえって良い評価は得られないでしょう。
少し掘り下げた質問をするだけで、面接官は「この方は正直な回答をしている」かどうかを見抜くことができます。
良く思われようと考えるより、自分の考えに素直になって回答してください。
まとめ:なぜこの3つのポイントを重視しているのか?
さて、これまで3つの選考基準についてお話ししてきました。
今回紹介した選考基準はあくまで私の考えであって、すべての企業に当てはまるというわけではありません。企業によっては、「会社の理解ができているか」「入社したいという熱意を持っているか」など別の選考基準を設けています。
様々な基準がある中で何故私は今回挙げたポイントを重視しているか?それは入社後に活躍している社員の傾向がそれに当てはまるからです。お客様や社内の仲間に対して、相手の意図を汲み取り的確に、明るくハキハキと、そして正直なコミュニケーションを積み重ねることが、信頼の獲得と良好な関係構築に繋がっています。
「端的で的確に、好感を持たれるような雰囲気で、正直に回答する」ことはビジネスでコミュニケーションするうえで、非常に重要なスキルになりますので、学生のうちから身につけておいて損はないと思います。
この記事を読んで、私たちの考え方や仕事への姿勢に少しでも共感していただけたなら、ぜひ一度、弊社の説明会にご参加いただき、弊社の仕事内容や仕事への考え方についてより深く知っていただきたいです。
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