
DSPとは?仕組みとメリット、SSP・DMPとの関係を解説
DSP(Demand-Side Platform)とは、広告主がWeb広告の配信を効率化し、広告効果を最大化するためのプラットフォームです。
DSPを用いない広告運用では、Google広告ならGoogle広告の持つネットワークで、Yahoo!広告ならYahoo!広告の持つネットワークでオークションに参加する必要があります。
DSPを用いると、これらの媒体に加えて複数のアドエクスチェンジ(広告枠を取引する場)と連携でき、そこにある広告枠のオークションに一斉に参加できるため、効率よく広告を運用できます。
本記事ではDSPの利用に欠かせないSSP・DMPとの関係と、DSPの仕組みについて解説します。
目次
DSP・SSP・DMPの関係
DSPを用いた広告配信には、SSPとDMPの関わりが欠かせません。DMP・DSP・SSPは、それぞれ異なる役割を持ちながら、広告配信の仕組みの中で相互に連携しています。
DMP:データ管理プラットフォーム
DMPは、ユーザーの行動履歴や属性データなどを集めて整理・分析する「データの管理場所」です。広告主や広告代理店は、ここで集めたデータを使って、どんな人に広告を見せたいか(ターゲティング)を決めます。
DSP:「買い手」のプラットフォーム
DSPは、広告主が広告を「買う」ためのシステムです。DMPで集めたデータを使って、ターゲットとなるユーザーに最適な広告を自動的に購入します。つまり、広告主が自分の広告をどこに・どんな人に・どれくらい見せるかを決める場所です。
SSP:「売り手」のプラットフォーム
SSPは、広告スペースを「売る」側のシステムです。ウェブサイトやアプリを運営している側が、広告枠をSSPに登録します。SSPは、その広告枠をDSPに提供して、広告主がどこに広告を出すかを決める手助けをします。

DMPについて
DMP(Data Management Platform)とは、Web広告において、広告主が持つデータと外部データを統合・管理し、より精度の高いターゲティング広告を配信できるようにするプラットフォームです。
DMPには、以下の2種類があり、導入時にどちらを利用するかを目的に応じて選択できます。
1. パブリックDMP(外部データ)
パブリックDMPは、外部データ(ユーザーの行動履歴や属性データなど)を収集・分析し、広告配信に活用できるプラットフォームです。多様なデータを活用できるメリットがある一方で、ひとつひとつのデータの精度はそこまで高くないため広告主のニーズに完全に合致しない場合もあります。
2. プライベートDMP(内部データ)
プライベートDMPは、広告主が自社で保有するデータ(会員情報、購買履歴など)を一元管理し、広告配信に活用するためのプラットフォームです。外部データを利用しないため、パブリックDMPと比較してデータ量は限られますが、精度は高く広告がニーズに合致しやすくなります。

SSPについて
SSP(Supply-Side Platform)とは、Webサイトやアプリの運営者(メディア)が広告収益を最大化するためのプラットフォームです。広告枠を最適な価格で販売し、最も高額な入札を行ったDSPの広告を配信する仕組みを提供しています。
SSPは、複数のDSPと連携することで、メディア側が広告枠を効率的に販売できるようにします。これにより、広告枠の収益を最大化しながら、最適な広告をユーザーに表示することができます。
DSPとSSPの違い
DSPとSSPは、それぞれ異なる立場で広告配信に関わっています。
DSP(広告主側のプラットフォーム):広告主が最適な広告枠を購入し、効果的な広告配信を行うために利用される
SSP(メディア側のプラットフォーム):メディア(Webサイトやアプリ)が広告枠を販売し、収益を最大化するために利用される
DSPとSSPが連携することで、広告主とメディアの双方にとって最適な広告配信が可能になります。
広告が配信されるまでの仕組み
Web広告が配信されるまでに、リアルタイムで広告枠の売買が行われます。流れは以下のとおりです。
①ユーザーがWebサイトを訪問すると、そのWebサイトからSSP(Webサイト・アプリの運営者用プラットフォーム)に広告リクエストが送信されます。
②SSPが訪問したユーザーの情報(閲覧履歴やデモグラフィックデータなど)を分析し、複数のDSPに広告配信のリクエストを行います。
③各DSPはリクエストを受け、広告を配信するかどうかを判断し、入札金額を決定します。
④SSPは、最も高額な入札を行ったDSPの広告を選択し、Webサイトへ通知します。
⑤最も高額な入札を行ったDSPに対し、Webサイトが広告配信をリクエストします。
⑥ユーザーの画面に広告が表示されます。

この一連の流れは、わずか数ミリ秒の間に完了します。つまり、ユーザーがページを開いた瞬間に最適な広告が選ばれ、表示されるのです。
DSPを活用するメリット
DSPを活用する主なメリットは下記のとおりです。
リアルタイム入札(RTB)による広告配信の最適化
DSPでは広告枠がオークション形式で販売されるため、他の広告主と競り合いながら適切な価格で広告枠を購入できます。これにより、無駄なコストを削減して効率よく予算を活用できます。また、ユーザーの目に留まりやすい最適なタイミングで広告を配信できるようになります。
精度の高いターゲティング
ユーザーの行動履歴や属性データをもとに、広告が表示される対象を精密に絞り込めます。例えば、過去に特定の商品を検索したユーザーに、その商品や関連商品を再度アプローチすることができます。
広告運用の自動化
DSPは、入札額の設定やクリエイティブ(広告の内容)の最適化などを自動的に行います。そのため手動で調整を行う必要が減り、広告運用にかかる手間や時間を節約できます。
複数の広告媒体へ一括配信
DSPは、複数のWebサイトやアプリ、広告ネットワークに一括で広告を配信できます。これにより、広告主は広範囲にわたるユーザーに対して広告を展開でき、より多くのターゲットにリーチできます。
DSPで広告運用を最適化!
DSPは広告枠を購入して広告を配信するプラットフォームですが、DSPに広告枠を提供するSSP・データを提供するDMPとともに成り立っています。
三者の特徴を理解したうえでDSPを導入し、効率よく広告を配信しましょう。
具体的な導入方法や運用についてお困りの方は、ぜひ弊社までお問い合わせください。ご相談は無料で承っております。