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2025.10.30 更新
2025.10.30 更新

Google広告「目標コンバージョン単価」でCPAを制御!仕組み・挙動・活用方法まとめ

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N.F.

コンテンツプランナー

目標コンバージョン単価はGoogle広告で利用できる自動入札(AIが入札額を決めてくれる機能)の一種です。単価を抑えながら多くのコンバージョンを獲得したいときに向いています。
本記事では、目標コンバージョン単価の仕組みや設定・活用方法を解説します。

目標コンバージョン単価とは?

目標コンバージョン単価(Google広告での正式名称=「目標アクション単価制」)とは、広告主が設定した「1コンバージョンあたりに支払える平均費用(=目標CPA)」を達成できるように、GoogleのAIが入札単価を自動的に設定してくれる入札戦略です。

仕組み:オークションと自動入札

Web広告の配信は基本的に「オークション」で決まります。ユーザーが広告の表示対象になるたびに「そのユーザーにどの広告を見せるのか」瞬時に競い合います。オークションは広告ごとに設定された入札単価と広告の質との両方を考慮したスコアで行われます。

手動入札を利用している広告の入札単価は毎回固定額ですが、自動入札を利用している場合はAIが毎回最適な入札単価を決めてオークションに臨みます。つまり「このユーザーはコンバージョンに至る可能性が高い」と判断すれば入札単価を強め(勝ちに行く)、「可能性が低い」と判断すれば入札単価を弱めるという動的な調整を自動で行っています。

仕組み:目標コンバージョン単価の挙動

このとき、自動入札で「目標コンバージョン単価」を利用していると、AIは設定された「目標コンバージョン単価」をあくまで平均値として達成しようと動きます。※毎回のオークションにおいて常に「目標コンバージョン単価」と同じ金額で入札するわけではありません。

一部のコンバージョン単価は目標より高くなったり低くなったりしますが、キャンペーン全体としては広告主が設定した平均コンバージョン単価に収束するように自動で調整されるのです。

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目標コンバージョン単価を利用するメリット

目標コンバージョン単価を導入する主なメリットは以下の3点です。手をかけずとも安定した運用をしてもらえることが一番大きなメリットです。

①運用工数を大幅に削減できる

広告にかかわるたくさんの要素(キーワード・デバイス・地域・時間帯など)に応じた入札単価の調整作業をAIに一任できます。広告運用者は入札管理が不要な分、広告クリエイティブの改善や戦略立案などのより重要な業務にリソースを集中させられます

②24時間リアルタイムで調整できる

24時間常に監視することは人間には不可能です。早朝や深夜の配信傾向やコンバージョン獲得の動向を捉えて調整することはできないので、常に動きを止めずに調整し続けてくれるAIに代行してもらうほかありません。

③CPAを安定させCVを最大限獲得できる

広告主が設定した目標コンバージョン単価をもとに運用されるため、CPAの大きな高騰を抑えつつ、その単価内で最大のコンバージョン数を獲得できるように最適化されます。
コンバージョンの対象となるアクション(商品の購入や来場予約、資料請求など)に応じて、ROASを考慮した目標コンバージョン単価を設定しておくことが重要です。

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導入前に確認!目標コンバージョン単価の注意点

最大限活かすためには注意すべき点や前提条件があります。導入前に確認しましょう。

①十分なコンバージョンデータが必要

目標コンバージョン単価は、過去のコンバージョンデータをAIが学習し、未来のコンバージョンを予測する仕組みです。

AIが正確に学習するためには、ある程度のデータ量が必要です。Google広告のヘルプには具体的な数値は明記されていませんが、一般的に「過去30日間に30件〜50件以上」のコンバージョンデータが目安とされています。

データが少なすぎるとAIが正しく学習できず、かえって成果が悪化する可能性があります。開設したてのアカウントや初めての広告を配信する場合は、まずは「コンバージョン数の最大化」入札戦略などでデータを蓄積することから始めましょう。

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②「学習期間」中は成果が不安定になる

新しい入札戦略を導入したり、設定(目標額や予算)を変更したりすると、AIが新しい状況に適応するための「学習期間」に入ります。

学習期間中(管理画面のステータスに「学習中」と表示されている間)はAIが最適な入札パターンを模索しているため、CPAが一時的に高騰したり、配信量が不安定になったりすることがあります。
またこの間、成果が悪いからといって設定を変えてしまうと、学習がリセットされてさらに時間を要してしまいます。安定するまでそっと見守りましょう。

③目標CPAの設定値が低すぎると配信されない

AIは設定された目標CPAでコンバージョンを獲得しようと試みますが、いままで10,000円で獲得してきたキャンペーンに、いきなり3,000円の目標CPAを設定すると、AIは「その単価ではコンバージョンは獲得できない」と判断します。安く抑えたいからといって非現実的な金額を設定してしまうと、そもそも広告が配信されない(オークションに参加しない)状態になります。
また金額を突然(大幅に)変更すると挙動が不安定になり、広告が配信されない・単価が一気に高騰するなど極端な動きをするおそれがあります。

目標コンバージョン単価の設定方法

目標コンバージョン単価は、キャンペーン単位、または複数のキャンペーンをまとめた「ポートフォリオ入札戦略」として設定できます。ここでは、キャンペーン単位で設定する基本的な方法を紹介します。

Google広告の管理画面で、対象のキャンペーンを選択し、[設定] をクリックします。

[単価設定] で目標とする金額を入力して完了です。

※「入札戦略を変更」から別の戦略に切り替えることもできます。

初期設定値はどう決める?

AIが学習するためには「どのくらいの単価ならコンバージョンが取れるのか」という過去の実績データが不可欠であるため、設定方法は「過去のデータがあるかどうか」で大きく変わります。

ケース①既にコンバージョンデータがある場合(推奨)

これが最も一般的で、推奨される方法です。過去の平均CPAを確認する→その単価を最初の目標に設定するという流れで決めることをおすすめします。

まず対象のキャンペーンで(過去30日間など)直近の「コンバージョン単価(費用÷コンバージョン数)」を確認し、平均値を最初の単価目標にします全く同じか少し高めに設定するのがコツです。少し高くしておくと、AIが「どの入札単価ならコンバージョンが取れるか」をテストするための余地が生まれ、効率の良い配信を見つけやすくなります。

ケース②コンバージョンデータがない場合(新キャンペーン)

新しいキャンペーンで、まだコンバージョンが1件も発生していない場合、いきなり「目標コンバージョン単価」を使うのは推奨されません。AIが「コンバージョンが取れる単価」を知らないため、学習がうまく進まないからです。

「クリック数の最大化」などコンバージョンデータが少なくても機能する入札戦略から開始し、コンバージョンを蓄積します。
データが溜まったら平均コンバージョン単価を計算しましょう。例えば30件のコンバージョン獲得に150,000円かかった場合、平均CPAは5,000円です。
その後「目標コンバージョン単価」に切り替え、算出した平均CPA(例では5,000円)を、最初の目標コンバージョン単価として設定します。

ケース③データが無いが、ビジネス目標から設定する場合(上級者向け)

「どうしても最初から目標コンバージョン単価を使いたい」「クリック数の最大化では費用がかかりすぎる」という場合の最終手段です。まず「許容できるコンバージョン単価」を計算してみましょう。1件のコンバージョンにいくらまで広告費をかけられるかというものです(例:商品の利益が10,000円なら、コンバージョン単価は5,000円まで許容できる)。

その後、現実的な入札単価に落とし込みます。キーワードプランナーなどでターゲットとするキーワードの平均クリック単価を調べ、仮のコンバージョン単価を算出します。

CPCを100円、コンバージョン率(CVR)を2%と仮定した場合の計算
(CPC) ÷ (仮のCVR)=(仮のコンバージョン単価)
平均CPC 100円 ÷ 2% = 5,000円

この単価を設定します。ただし、これはあくまで「推測」です。市場の実際のコンバージョン単価が「許容CPA」より高かった場合、設定が低すぎて広告がほとんど表示されない可能性があります。

迷ったらお問い合わせください

目標コンバージョン単価は、安定した単価で手軽に運用できる優秀な入札戦略ですが、十分なコンバージョンデータ最適な目標CPA設定AIの「学習期間」の確保が不可欠です。
ポイントを押さえて、利用に適したキャンペーンでコンバージョン成果を最大化しましょう。

プライムナンバーズでは、入札戦略の選定や運用、成果の改善などWeb広告に関するさまざまな業務を代行しています。

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N.F.

コンテンツプランナー

広告運用コンサルタントとして新卒入社後、コンテンツプランナーに変身した。運用経験を活かしたコンテンツを制作できるよう日々奮闘中。好きなお菓子は知育菓子、好きなしらすは釜揚げ。右利き。「文中に余計な挿絵を入れたい」という衝動を常に抑え、真面目に執筆している。入ってたら抑えられなかったんだなと思ってください。