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2024.12.11 更新
2024.12.11 更新

Google広告の「オークション分析」の概要と分析方法を解説!

Written By
R.Y

コンテンツプランナー

Google広告のオークション分析とは、同じ入札オークションに参加している競合他社と掲載結果を比較できる機能です。オークション分析で競合他社の出稿状況を確認することで、自社広告の改善に役立てられます。
本記事ではオークション分析の概要と改善事例を紹介します。

Google広告のオークション分析とは

Google広告のオークション分析は、自社と競合他社の広告掲載状況を比較できる機能です。
オークション分析は下表のように表示され、自社と競合他社の広告掲載状況を確認することができます。左側の「表示URLドメイン」の「自分」が自社、ドメイン (◯◯.jp、◯◯.com)が競合他社です。右側にオークション分析の指標が表示されます。また表示率の高い競合他社のみ表示され、すべての競合他社が表示されるわけではありません。

オークション分析が利用できるキャンペーンタイプは検索広告、ショッピング広告、P-MAXの3つです。確認できる階層はキャンペーン、広告グループ、キーワードです。また配信メニューによって確認できる階層が異なります。詳細は下表をご確認ください。
(◯:確認できる ✕:確認できない)

オークション分析の指標

オークション分析で確認できる指標は下記です。

※注1 ページの上部とは、検索結果の上部の広告掲載枠の全体のことを指します。

オークション分析で競合分析する方法

オークション分析を活用することで、クリック単価の上昇やCV率低下の要因として、競合他社が影響しているかどうかを推定できます。
本章では、成果が悪化した要因の調査にオークション分析を活用する例をご紹介します。
前提として、本来は成果状況の変化は競合他社だけでなく、自社の施策や市況などの要因も考慮する必要があります。
今回は下記の条件で配信をしている想定とします。

(広告配信状況)
商材:パーソナルジム
広告メニュー:Google検索広告
配信目的:CV獲得
KPI:CV単価20,000円以内での新規申し込み
入札形式:個別クリック単価
配信状況キーワード「パーソナルジム 新宿」の成果が先週と比べてCV単価が約2倍に上昇し、悪化しています。このキーワードのCV単価を20,000円以内に抑える必要があります。さらに、CV単価以外にも以下の3つの指標が悪化していることが確認されました。

クリック率: 0.5%低下(3.00%→2.50%)
クリック単価: 50円増加(200円→250円)
CV率: 0.2%低下(1.00%→0.80%)

▼キーワード「パーソナルジム 新宿」の配信成果

1.キーワード「パーソナルジム 新宿」のオークション分析を確認する

直近15日は広告設定の大きな変更は実施していないため、内部要因は考えにくい状況です。そのため競合の影響を考え、オークション分析を確認します。
まずオークション分析で「先週7日間」と「今週7日間」のデータを見比べます。
すると下表のように競合企業「競合A社」のインプレッションシェアと最上部表示率の「上昇」および、「自社」のインプレッションシェアと最上部表示率の「低下」が確認できます。
また「パーソナルジム 新宿」のキーワードで検索してみると、競合A社が今週から期間限定の「初回体験無料キャンペーン」を実施していることが広告見出しから確認できました。

▼競合A社の動向
①「パーソナルジム 新宿」キーワードの最上部表示率は+17.31%上昇している
②「パーソナルジム 新宿」キーワードのインプレッションシェアは+19.55%上昇している
③今週から期間限定の「初回体験無料キャンペーン」を実施している

2.要因を推定する

競合A社の動向から下記が要因として推定できます。

①競合A社の最上部表示率が上昇したことで自社の「クリック率が低下」

検索画面の最上部に表示されている広告が最もクリックされやすい傾向にあります。そのため競合A社に最上部表示率のシェアを奪われたことで、自社の最上部表示機会が減少し、クリック率が0.5%低下したと考えられます。

②競合A社が入札を強化したことで自社の「クリック単価が増加」

広告のクリック単価はオークション形式で決まります。そのため同じキーワードを狙う競合が、より高い入札額を提示することで、クリック単価が押し上げられます。競合A社のインプレッションシェアが上昇していることから、今週から入札を強化していることが推定できます。その影響で自社のクリック単価が押し上げられていることが考えられます。

③競合A社が「初回体験無料キャンペーン」を訴求していることで自社の「CV率が低下」

競合A社が期間限定の「初回体験無料キャンペーン」を実施していることから、見込み顧客を奪われCV率が低下していることが考えられます
ユーザーは競合A社の広告やサービス内容を自社と比較し、競合A社に優位性を感じている可能性があります。

3.改善施策の例

現状の課題は、「パーソナルジム 新宿」のキーワードのCV単価が悪化(上昇)していることです。そのため、まず改善すべきなのはCV単価です。CV単価の要素を分解すると、以下の計算式で表すことができます。

CV単価=クリック単価÷CV率の関係から、「CV単価を下げる」には、「クリック単価を下げる」か「CV率を上げる」必要があることがわかります。そこで、それぞれに対する改善施策を検討していきます。

▼現状の整理
(結果)
「パーソナルジム 新宿」のキーワードのCV単価が先週比で15,000円→31,250円まで上昇した
(推定要因)
①競合A社が入札を強化したことで自社のクリック単価が増加した
②競合A社が「初回体験無料キャンペーン」を訴求していることで自社のCV率が低下した

▼対策
①クリック単価を下げる施策
キーワード「パーソナルジム 新宿」のCV単価は20,000円を上回っており、費用対効果が見合っていません。根本的な解決には至りませんが、一時的にクリック単価を150円まで抑制することも有効です。計算上では、クリック単価を150円まで下げれば、CV単価は20,000円以内に収まる見込みです。

また、「インプレッションシェアの損失率(ランク)」の指標で品質スコアの損失が確認できれば、品質スコアの改善施策を実施します。品質スコアを改善することで、入札単価を抑えることができます。
品質スコアの改善については下記記事をご参照ください。

②CV率を上げる施策
競合優位点を含む訴求内容を広告見出しやLPに追加することで、CVRの改善を図ります。
例えば、サービスの強みを具体的な数字やデータを用いて広告見出しに追加します。「〇〇%割引」「〇〇名限定」など、具体的な数字を入れることで、信頼感と説得力を高めます。
さらに、「今すぐ申し込む」「詳細はこちら」など、具体的な行動を促す言葉を入れることで、コンバージョン率の向上を狙えます。

上記は一例ですが、オークション分析を活用する際に参考にしてください。

オークション分析を確認する方法

Google広告の広告管理画面でオークション分析を確認する方法を解説します。

キャンペーン階層で確認する場合

次の順にクリックし、オークション分析を確認したいキャンペーンを選択します。
①左側の「キャンペーン」アイコン
②キャンペーンタブの「キャンペーン」
③キャンペーンのチェックボックス

④「オークション分析」をクリックすると確認できます

広告グループ階層で確認する場合

次の順にクリックし、オークション分析を確認したい広告グループを選択します。
①左側の「キャンペーン」アイコン
②キャンペーンタブの「広告グループ」
③広告グループのチェックボックス


④「オークション分析」をクリックすると確認できます

キーワード階層で確認する場合

次の順にクリックし、オークション分析を確認したいキーワードを選択します。
①左側の「キャンペーン」アイコン
②「オーディエン、キーワード、コンテンツ」タブの「検索キーワード」
③キーワードのチェックボックス

④「オークション分析」をクリックすると確認できます

まとめ

オークション分析では主に広告のインプレッションシェアに関わる指標を確認できます。
インプレッションシェアの改善方法については下記をご参照ください。

▼インプレッションシェアの改善方法とは?損失率から考える原因と対策

またオークション分析をキャンペーン単位で確認する場合は全体の傾向を把握できますが、具体的な要因を特定することは難しいです。そのためキャンペーン単位だけでなく、最小単位のキーワードまで確認することをおすすめします。
キャンペーン単位でしか確認できないP-MAXよりも、キーワード単位まで確認できる検索広告の方が、より活用しやすい機能といえます。

もしも「競合分析について困っている」「他社の影響で成果が改善しない」などお困りのことがございましたら、下記ボタンよりお気軽に弊社までお問い合わせください!
成果改善のお手伝いをいたします。

Written By
R.Y

コンテンツプランナー

広告運用コンサルタントとして入社後、2024年にマーケティングチームへ異動。広告運用の経験を活かし、自社サイトのコンテンツ制作を手掛けている。 幼少時代から尋常ならざる脚力を持ち合わせており、「本気を出せば徒歩でイタリアまで行ける」と豪語する。通称【プライムナンバーズの黒豹】