検索広告向けリマーケティング(RLSA)とは?低予算でもビッグワードで勝負する活用法
「ブランド名・自社名KWからは獲得できるけど、それ以外の一般KWからは獲得が伸びない」
「一般KWから獲得できるが、獲得単価が高すぎて費用対効果が合わない」
こうした課題を解決できる可能性があるのが「検索広告向けリマーケティング(RLSA)」です。本記事では、RLSAの仕組みや活用方法、運用時の注意点を解説します。
目次
RLSAは「検索広告で使えるリマーケティング」
RLSAとは、Remarketing Lists for Search Adsの略称で、「検索広告で利用できるリマーケティング機能」のことです。Google・Yahoo!ともに活用できる機能です。2022年以降Google広告では用語の変更が行われ、現在の管理画面上では「検索広告向けデータセグメント」という名称が使われています。また、従来「リマーケティング」と呼ばれていた機能は「広告主様のデータ」に、「リマーケティングリスト」は「データ セグメント」にそれぞれ名称が変更されました。本記事では広く浸透している「RLSA」「リマーケティング」という呼称も併用して解説します。
補足:リマーケティングについて
ユーザーを限定する方法として、よく活用されるのがリマーケティング(リターゲティング)です。リマーケティングとは、一度Webページに訪れたユーザーを追跡し、再度広告を表示してアプローチする仕組みを指します。すでに接点のあるユーザーに向けて配信できるため、効率的な施策として活用されるケースが多いでしょう。
RLSAは、このリマーケティングを検索広告で実施する手法です。通常の検索広告は「キーワード」に対して配信されますが、RLSAでは「過去にサイトへ訪問したユーザーかどうか」という条件を加えることができます。これが代表的な活用方法です。
補足:LINEヤフー広告での扱いについて
検索広告でデータセグメント(リマーケティングリスト)を使用して配信する手法は、Yahoo!広告(検索広告)でも「サイトリターゲティング」や「オーディエンスリストターゲティング」として利用可能です。
「ここまで読んだけど、なんかめんどくさそう…」と思った方は、以下のボタンから弊社にご連絡ください。貴社の広告の目的に応じ、RLSAを利用した広告運用のプランニングをいたします。ご相談は無料ですので、いつでもお気軽にお問い合わせください。
ディスプレイ広告のリマーケティングとの違い
一般的に、リマーケティングで活用されるケースが多いのはディスプレイ広告です。検索広告とディスプレイ広告のリマーケティングでは、仕組み自体に大きな違いはありません。いずれも、自社のウェブサイトに訪問したことがあるユーザーなどに対して目印を付け、再度広告を表示できます。
両者の主な違いは、広告が表示される「ユーザーの状態」にあります。
ディスプレイ広告は、YouTubeを視聴しているときや、さまざまなウェブサイトを閲覧している最中に、バナーなどの広告を受動的に表示します。このときユーザーは、自社の商品・サービス以外のコンテンツに関心が向いている状態です。そのため、広告を表示しても、すぐに強い興味を示すとは限りません。
一方、検索広告は、会社名や商品・サービス名などのキーワードが検索された際に表示されます。このときのユーザーは、すでにその商品やサービスについて積極的に情報収集している段階です。つまり、興味関心が高い状態にあると考えられます。
そのため同じリマーケティングでも、検索広告のリマーケティングはディスプレイ広告よりクリックされやすい傾向にあります。
リマーケティング広告を配信した際の成果は以下のような傾向になります。
| 媒体 | 表示回数 | クリック率 | クリック単価 |
| 検索広告向け リマーケティング | 少ない | 高い | 高い |
| ディスプレイ広告の リマーケティング | 多い | 低い | 低い |
RLSAの4つの利点
RLSAを活用すれば、競合の多いビッグワードでの効率的な獲得が可能になるだけでなく、本来は関連性の薄いキーワードでも訪問済みユーザーに絞って配信することで、新たな接点を創出できます。また、新規客には「お試し」、既存客には「リピート購入」を促すなどの属性別の出し分けや、蓄積されたデータを自動入札に反映させる最適化も図れます。限られた予算を効率よく使えるのが最大の強みです。
①競争率が高いビッグワードでも勝負できる
例えば「ホテル」「賃貸」「ペット」など、検索ボリュームが多いキーワードは「ビッグワード」と呼ばれます。検索回数が多い=広告の表示機会が多いキーワードです。
このようなビッグワードは、多くの競合他社も入札します。そのため、1クリックあたりにかかる費用(クリック単価)が高騰しやすくなってしまいます。「検索ボリュームが大きい」かつ「クリック単価が高い」という、競争率の高いキーワードといえるでしょう。特に対策を行わずに配信した結果、獲得につながりにくいまま広告費だけを消化してしまうことになりかねません。
こうしたビッグワードで効率よく成果を狙う方法としてRLSA(検索広告向けリマーケティング)が使われます。すでに興味関心を持っている可能性が高いユーザーに絞ることで、広告費を無駄なく活用しやすくなります。
「予算が限られている」「ビッグワードに配信するだけで予算を使い切ってしまう」といった場合は、ビッグワードの配信対象をRLSAに限定する方法を検討してみましょう。費用対効果の改善が期待できるでしょう。
②これまでと異なるタイプのキーワードにも広告を配信する
配信するユーザーを限定することで、商品・サービスと関連性の薄いキーワードでも、獲得につながる見込みがあります。
たとえば、お客様が家のリフォームを行うサービスの会社があるとします。リフォームを考えているユーザーは、大型の家具や、家電製品の買い替えも検討するため、そのようなキーワードを検索している可能性があります。このような場合、通常の検索広告で「家具・家電」のキーワードで配信しても、家具・家電を探しているユーザーばかり誘導されるため、広告効果はまず期待できないでしょう。しかし、一度自社サイトを訪問した=自社サービスに関心を持ったユーザーに限定して配信すれば、商品・サービスと関連性の薄いキーワードでも、獲得の可能性を見いだせる可能性があります。
③ユーザーの性質に応じて、訴求方法を変更することができる
RLSAは、過去に購入履歴があるユーザーなど、特定の条件に当てはまるユーザーに限定して広告内容を変えることも可能です。ユーザーの属性や行動に応じて、下記のように広告を出し分けられます。
例)美容系サプリメントを販売している企業の場合
通常の検索広告で商品のトライアル購入を訴求し、トライアル用のLP(商品を紹介する専用ページ)へ誘導
↓
トライアル購入を完了したユーザーに限定して、会社名や商品名で検索した際に、今度は継続購入を促す広告文を表示(誘導先もトライアルではなく本購入・定期購入向けのLPに切り替える)
④自動入札機能と併用することで、入札の最適化が図れる
スマート自動入札を使用しているキャンペーンにオーディエンスセグメント(データセグメント)を追加すると、コンバージョンに至る可能性が高いユーザーの情報が入札戦略に反映され、入札単価が自動的に最適化されます。たとえば、サイト訪問3回以上のユーザーがコンバージョンしやすいといった傾向を機械学習で把握し、そのようなユーザーがキーワードを検索した際に入札単価を自動で引き上げる調整が行われます。
なお、スマート自動入札ではセグメントのユーザー登録期間の長さも考慮されるため、期間に基づいてセグメントを細かく分類する必要はありません。
参考ページ:Google広告ヘルプ「自動入札戦略と検索広告向けオーディエンス セグメントを組み合わせる」
RLSAの3つの注意点
RLSA運用における注意点として、まずリスト数が1,000件以上(推奨1万件以上)ないと配信されない可能性がある点に留意が必要です。また、ターゲットを絞る分、通常の検索広告よりクリック単価が高騰しやすいため、入札単価を1.5〜2倍程度に強める調整も欠かせません。さらに、リストの有効期限は最大540日であるため、常に最新のユーザーデータを蓄積し、枯渇させない継続的な運用体制が求められます。
➀ユーザーの数が小さいと広告配信がされない可能性がある
RLSAは、ユーザーリストが1,000件を超えていないと設定できません。あらかじめ十分なリスト数を確保しておく必要があります。また、設定するキーワードの検索ボリュームや競合の出稿状況にもよりますが、リスト数が少ないと広告の表示機会は限られます。安定した配信を目指すのであれば、リストは10,000件以上あることが望ましいでしょう。
なお、近年はプライバシー保護の強化が進んでいます。AppleのATT(アプリトラッキング透明性)ポリシーや、各ブラウザによるCookie制限の影響で、従来のCookieを活用したリスト蓄積は以前より難しくなっています。
そのため、サイト訪問者ベースのリストだけに依存するのではなく、カスタマーマッチ(顧客データを広告媒体にアップロードして活用する手法)などを組み合わせる工夫が重要です。複数の方法でリストを構築し、一定のボリュームを確保していくことが、RLSAを効果的に活用するポイントといえるでしょう。
②クリック単価は高くなる
RLSAは、通常の検索広告と比べて配信対象が限定されます。つまり、あらかじめ自社サイトに訪問したユーザーなど、条件に合致する人にだけ広告が表示される仕組みです。そのため、表示機会自体が狭い範囲に限られます。限られたオークション(広告の掲載枠を競り合う仕組み)でしっかり表示させるには、入札単価を高めに設定する必要があります。その結果、クリック単価も通常の検索広告より高くなる傾向があります。
目安としては、通常の検索広告の1.5倍〜2倍程度で設定しないと十分に広告が表示されないと考えておきましょう。特に手動入札(自分でクリック単価を設定する方法)の場合は、入札額が低いと配信量が極端に少なくなるおそれがあります。
RLSAを活用する際は、配信ボリュームと成果のバランスを見ながら、入札単価を慎重に調整していくことが重要です。
③リストの保有期限には限りがある
リストの保有期限は、Google広告・Yahoo!広告(検索広告)ともに最長540日です。540日(約1年半)を超えると、それ以前に追加されたユーザーは自動的にリストの対象外となります。長期間放置していると、気づかないうちに配信対象が減っている可能性があるため注意が必要です。
そのため、リストは一度作って終わりではありません。定期的に新規ユーザーが蓄積されるような導線設計や、継続的なサイト集客を意識することが重要です。常にリストが更新される状態を保つ運用を心がけましょう。
プライバシー規制とRLSAの今後
2021年以降、デジタル広告を取り巻くプライバシー環境は大きく変化しています。AppleのATT(App Tracking Transparency)ポリシーの導入やブラウザ側のサードパーティCookie制限の強化により、従来のCookieベースのリマーケティングリスト蓄積に影響が出ています。
Google Chromeでも、サードパーティCookieの段階的な廃止が議論されてきました。2025年現在、GoogleはサードパーティCookieの完全な廃止は撤回したものの、ユーザーに選択権を与える方針に移行しています。こうした変化を受け、Googleはファーストパーティデータの活用を推進しており、カスタマーマッチ(自社の顧客データを使ったターゲティング)の重要性が高まっています。
RLSAを効果的に活用し続けるためには、Cookieベースのリストだけに頼らず、カスタマーマッチやGoogle広告のコンバージョンデータ連携など、複数のデータソースを組み合わせた運用が重要です。
低リスクで検索広告の幅を広げるRLSA
RLSAは、すでにリマーケティングを実施している場合、複雑な追加設定をせずに比較的スムーズに配信を開始できます。大きなデメリットは考えにくく、取り組みやすい施策といえるでしょう。特に、社名などの指名キーワード以外からの獲得を増やしたいとお考えの方にはおすすめです。
WEB広告の成果改善についてのご相談は、下記ボタンよりお気軽にプライムナンバーズまでお問い合わせください。アカウント状況を確認のうえ、改善すべきポイントをご提案いたします。







