アトリビューションモデルとは?”CV貢献度”の可視化で予算配分を改善
「アトリビューションモデル」という言葉、よく聞くけれどなかなかイメージしにくいですよね。
本記事では、アトリビューションとアトリビューションモデルについて解説します。
記事を見ながらご自身の広告のアトリビューションレポートを見直してみてください。
目次
アトリビューションとは
最終的にコンバージョンにつながった広告やメディアだけではなく、その前にユーザーに接触し間接的に成果に寄与した広告・メディアにも一定の評価をするという考え方です。
コンバージョンを改善する際に重要になります。
例えばユーザーがある製品を購入するまでに「広告Aを見る→数日間検討…広告Bを見る→購入を決定」という行動を取っていた場合、直接購入に繋がった広告Bのみがコンバージョンに貢献したとするのではなく広告Aもコンバージョンに貢献していると考えます。
アトリビューションモデルとは
コンバージョンに至る前にユーザーが接触した各メディアに、コンバージョンへの貢献度をどのように割り振るかを定めたルールのことです。
アトリビューションモデルが設定できる主なリスティング広告媒体であるGoogleとYahoo!について、それぞれで利用できるアトリビューションモデルを解説します。
Google広告
Googleで利用できるアトリビューションモデルは下記の2種類です。
・データドリブン
・ラストクリック
データドリブン
コンバージョンアクションの過去のデータに基づいてコンバージョンの貢献度が割り当てられます。アカウントのデータを利用して各広告インタラクションの実際の貢献度が計算されるため正確です。Googleはこちらのモデルを推奨しています。
データドリブンを選択すると、どの広告がどの程度コンバージョンに貢献しているかが把握できます。最も貢献度の高い広告に予算を多く使うなど、予算配分の参考にしましょう。
またコンバージョン重視の自動入札戦略(コンバージョンの最大化など)を利用している場合、このデータを使って入札額の最適化が行われます。その場合は特に選択することを推奨します。
ラストクリック
コンバージョン経路で最後にクリックされた広告とそれに対応するキーワードだけに貢献度を割り当てられます。
ラストクリックを選択すると、コンバージョンに最も近い広告(キーワード)を重視した配信になります。配信期間が短い場合や、広告配信を始めたばかりで貢献しうる広告(キーワード)がまだわからない場合などに利用すると良いでしょう。
また直前の広告までの各ポイントの貢献度はわからないため、検討期間が長い商材にはあまり向きません。検討期間が短い商材(日用品など)に向いています。
アトリビューションモデルの設定方法
Google広告では、コンバージョンアクションを作成する際にアトリビューションモデルを設定できます。
①管理画面>ツールと設定>コンバージョン>新しいコンバージョンアクションを選択
②コンバージョンの種類と測定するサイトのURLを入力しスキャン
③手動でコンバージョンアクションを設定
④設定項目の中にアトリビューションがあるので、データドリブンかラストクリックか選ぶ
アトリビューションの確認方法
「アトリビューションレポート」を利用すると、コンバージョン達成までにユーザーが通った経路を確認できます。またそれぞれの広告がどのように関係してコンバージョンにつながっているかを詳しく調べることも可能です。
アトリビューションレポートは管理画面「ツールと設定」の中の「アトリビューション」から利用できます。
レポートでは「経路の分析」「デバイスの分析」「モデル比較」「上位のアシストキャンペーン」を確認できます。それぞれの詳細は下記のとおりです。
経路の指標 | ユーザーがコンバージョンに至るまでにかかった時間(日数およびインタラクション)を確認できる |
コンバージョン経路 | デバイスや、キャンペーン、広告グループ、キーワードごとに、最も一般的なコンバージョン経路を確認できる |
モデル比較 | さまざまなアトリビューション モデルが広告、キーワード、キャンペーンにコンバージョンへの貢献度をどのように割り当てているかを確認できる |
アシストコンバージョン | 広告がコンバージョンの獲得やそのアシストに貢献しているかを確認できる |
参考ページ:アトリビューション レポートについて
Yahoo!広告
Yahoo!で利用できるアトリビューションモデルは下記の4種類です。
・ラストタッチ
・ファーストタッチ
・線形
・接点ベース
ラストタッチ
Googleのラストクリックと同様のアトリビューションモデルです。
最後に接点を持った広告だけに貢献度を割り当てられます。
詳細はラストクリックと同様です。
ファーストタッチ
最初に接点を持った広告だけに貢献度を割り当てます。
ユーザーが最初に接触した=認知するきっかけとなった広告が重視されます。認知段階のユーザーに積極的にアプローチできます。
初回の印象が重要な商材(ラグジュアリーブランドや高級車など)に適しています。
線形
接点を持った広告に貢献度を均等に割り当てます。
コンバージョンまでの各検討段階が均等に評価されます。
コンバージョンまでの検討期間が長く、各検討段階へのアプローチが重要である商材に適しています。
接点ベース
最初と最後に接点を持った広告の貢献度を40%ずつとし、残りの20%を途中に接点を持った広告に均等に割り当てられます。
認知のきっかけとなった広告とコンバージョンのきっかけとなった広告がそれぞれ重視されます。
検討行動に表れないものの、ブランドイメージや好感度が購入に寄与しやすい商材に適しています。
アトリビューションの設定方法
Yahoo!広告では、現時点でアトリビューションモデルを自由に選択することはできません。
特定のアトリビューションモデルを選択して配信するのではなく、配信後に各アトリビューションモデルの成果をレポートで確認する方式です。
アトリビューションの確認方法
Yahoo!でもアトリビューションレポートを確認できます。
アトリビューションモデル比較レポートは管理画面「レポート」の中の「アトリビューションモデル比較」から利用できます。
比較したいアトリビューションモデルを2種類選ぶと、それぞれのコンバージョン数、コスト/コンバージョン数、コンバージョンの価値、コンバージョンの価値/コストへの貢献度をキャンペーン単位で確認できます。
確認できる指標とその詳細は下記のとおりです。
指標 | 詳細 |
コンバージョン数(ビュースルーを含む)への貢献度 | 指定したアトリビューションモデルごとに算出した「コンバージョン数」への貢献度 |
コスト/コンバージョン数(ビュースルーを含む)への貢献度 | 指定したアトリビューションモデルごとに算出した「コスト/コンバージョン数」への貢献度※「コスト/コンバージョン数」は、1回の「コンバージョン」を獲得するのにかかった広告費用を指す |
コンバージョンの価値(ビュースルーを含む)への貢献度 | 指定したアトリビューションモデルごとに算出した「コンバージョンの価値」への貢献度※「コンバージョンの価値」は、コンバージョンによってもたらされた売り上げなどの価値 |
コンバージョンの価値(ビュースルーを含む)/コストへの貢献度 | 指定したアトリビューションモデルごとに算出した「コンバージョンの価値/コスト」への貢献度※「コンバージョンの価値/コスト」は、広告費用に対してどれだけの「コンバージョンの価値」がもたらされたかの割合を示す指標 |
変化率 | 指定したアトリビューションモデルのうち、比較元のモデルに対する比較先のモデルの変化率を表示 |
参考ページ:アトリビューションモデル比較レポートについて
アトリビューションモデルの活用方法
アトリビューションモデルの主なメリットは、予算をかけるべき広告をコンバージョン数以外の観点で判断できることです。
例えば直接コンバージョンに繋がっていない広告のアトリビューションモデルレポートを見て、”ラストタッチではコンバージョンに貢献していないがファーストタッチでは貢献していた”と判明することがあり得ます。
この場合コンバージョンが取れていなくても認知度の向上には貢献しているため、この広告に予算を多く使うと認知度が上がる可能性があります。
このように、広告の成果を多角的に見ることでより戦略的な予算配分が可能になります。
コンバージョン数やコンバージョン率・単価など管理画面ですぐに確認できる指標だけでなく、アトリビューションモデルのレポートも確認しながらより効率の良い広告配信を目指しましょう!
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