
【資料DL可】今更聞けない!広告運用に役立つExcel関数10選
Web広告の運用では、成果の分析やレポート作成でExcelを使う機会が多くあります。
本記事ではWeb広告の運用の際によく使う関数をご紹介します。
記事内で取り上げていないものを含む関数の一覧は下記よりダウンロードいただけます。Excel初心者の方はもちろん、インターンや新人研修などでExcelの基礎を教える機会がある方もぜひご利用ください。
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目次
AVERAGE
指定した範囲にある数値の平均を求める関数です。
使用例
=AVERAGE(A1:A5)
→セルA1~A5の平均を計算する

Web広告運用での活用方法
広告のクリック数、クリック率、クリック単価、コンバージョン率などの指標の平均を求め、複数の広告やキャンペーンの成果の良し悪しを判断・比較できます。
SUM
指定した範囲の合計を求める関数です。
使用例
=SUM(B3:B9)
→セルB3~B9にある数値の合計を計算する

Web広告運用での活用方法
表示回数、クリック数、費用などの合計を求める際に使います。レポートを作成する際にはほぼ必ず用いる頻出の関数です。
IF
「〇〇ならA、それ以外ならB」というように条件に応じて異なる値を返す関数です。
使用例
=IF(A2>=100, “高評価”, “低評価”)
→A2の値が100以上なら「高評価」、それ未満なら「低評価」を表示

Web広告運用での活用方法
クリック単価が一定以上の広告やキーワードに「要改善」とラベル付けするなど、
大量のデータを機械的に評価する際に役立ちます。「条件付き書式」とあわせて利用してセルの色を変えるとより見やすくなります。
SUMIF
条件付きのSUM関数で、指定した範囲の中で特定の条件を満たすセルの値を合計します。
使用例
=SUMIF(A:A, “=広告①”, B:B)
A列が「広告①」である行のB列の値を合計します。

Web広告運用での活用方法
特定のキャンペーンや広告の数値を抜き出して合計したい場合に活用できます。テキストだけでなく「A列が100以上の場合」など数値での指定もできるため、「表示回数が1,000回以上の広告のクリック数を合計する」ことも可能です。
また、「SUMIFS」という関数を用いることで、条件を複数にすることもできます。下記画像のように「表示回数が1,000回以上かつ動画の再生数が100回以上の場合のクリック数の合計」など、複数条件で絞って合算したい場合はSUMIFSを利用しましょう。

COUNTIF
指定した範囲内で、特定の条件に一致するセルの数をカウントする関数です。
使用例
=COUNTIF(A:A, “Google”)
→A列の中で「Google」と一致するセルの数をカウント

Web広告運用での活用方法
広告キャンペーンのパフォーマンスデータを一覧にした中から特定の数値や語句を含むものの数を求めるのに役立ちます。具体的には下記などを集計できます。
・特定のキーワードを含む検索クエリの件数
・デバイス別レポートにおいて、「モバイル」経由のデータの件数
COUNTIFS
COUNTIF関数と同様の使い方で「2つ以上の条件を指定できる」ものです。
使用例
=COUNTIFS(A:A, “>=300”, B:B, “>30”)
→A列(クリック数)が300以上、かつB列(コンバージョン数)が30より大きい行の数をカウント

Web広告運用での活用方法
クリック数やコンバージョン数、費用などの条件を指定し、複数の観点から成果の良し悪しを判断できます。
例えば「費用を多く使っているもののコンバージョン数やクリック数が少ない広告」を特定して、停止やクリエイティブ変更などの調整を加えることができます。
また1つ目の検索条件を”=〇〇(広告グループ名)”にすれば、特定の広告グループの中に絞って検索できます。
IFERROR
計算結果がエラーになった場合に、空欄にしたり指定した値を返したりできる関数です。
使用例
=IFERROR(B3/C3,0)
→B3/C3がエラーになった場合にエラーメッセージではなく0が表示されるようになる

コンバージョン数が0なので、IFERRORを用いないとエラーメッセージが表示される

IFERROR関数を設定しておくと0に置き換わり、コンバージョン単価を0円として計算できるようになる
Web広告運用での活用方法
エラーになることがわかっており、エラーメッセージを表示させたくないときに役立ちます。
広告運用では、データの分析時に計算エラーが発生することがあります。たとえば、ROAS(広告費用対効果)を計算する際、広告費が0だとエラーが出ることがあります。IFERRORを使うことで、エラー値を見やすい値に変えたり、別の計算に差し替えたりできます。
SUBTOTAL
指定した範囲内で合計・平均・カウントなどの集計を行う関数です。
集計方法を数字で指定します。対応は下記のとおりです。
集計関数番号 | 集計方法 | 概要 |
1 | 平均 (AVERAGE) | セル範囲の平均を求める |
2 | カウント (COUNT) | 数値が入力されているセルの個数を数える |
3 | カウントA (COUNTA) | 空白でないセルの個数を数える |
4 | 最大値 (MAX) | セル範囲の最大値を求める |
5 | 最小値 (MIN) | セル範囲の最小値を求める |
6 | 積 (PRODUCT) | セル範囲の積を求める |
7 | 標準偏差 (STDEV) | 標本標準偏差(母集団の一部である標本データのばらつき)を求める |
8 | 標本標準偏差 (STDEVP) | 母集団標準偏差(母集団全体のデータのばらつき)を求める |
9 | 合計 (SUM) | セル範囲の合計を求める |
10 | 分散 (VAR) | 標本分散(母集団の一部である標本データのばらつき)を求める |
11 | 母集団分散 (VARP) | 母集団分散(母集団全体のデータのばらつき)を求める |
使用例
=SUBTOTAL(9, A2:A100)
A2からA100までのデータの合計を計算する
※9はSUM(合計)の指定
フィルターを適用した際に、表示されているデータのみを対象に計算できるのが特徴です。
画像はフィルターで一部数値を非表示にしていますが、SUM関数だとその数値も計算に含まれます。

Web広告運用での活用方法
Web広告運用では、キャンペーンや広告グループごとの成果をフィルターしながら集計することが多くあります。フィルターを適用した際に、表示されているデータのみを対象にした合計や平均を求める際に役立ちます。関数を書き換えることなく条件を指定する数字を変更するだけで、合計や平均などをリアルタイムで集計できます。
VLOOKUP
2列以上横にデータが並んでいるとき、指定した値を特定の列から縦方向に検索して、別の列にある対応する値を返す関数です。
使用例
=VLOOKUP(“商品B”, A2:C4, 2, FALSE)
→商品名を縦に並べた列のうち”商品B”の価格を表示する

”2”は左から2列目「価格」の列のこと、”FALSE”は「完全一致」を指定するもの
※TRUEとすると完全一致でなくても近い値を検索して結果を返そうとするため、正確な結果が得られない。
Web広告運用での活用方法
使用例のように特定の商品や広告グループ名などに対応した価格・クリック数などのデータを抽出する際にも用いますが、シート間を横断して使用することも多くあります。
別のシートに管理画面からダウンロードしたローデータ(数値のみのデータ)を貼り付け、そこから参照するように関数を組んでレポート用シートに反映させます。
そうすることでローデータを貼り替えるだけでレポートの数値に反映され、レポートを書き換える手間を省くことができます。

広告名がランダムに書かれたローデータを参照するVLOOKUP関数を「レポート」シートに組む

「ローデータ」シートのA列が「広告①」であるデータの「表示回数」のみを「完全一致」で合計した数値が選択中のセルに反映されている。ローデータの数値を書き換えると、リアルタイムで合計の数値も変動する。
ROUND
指定した桁数で数値を四捨五入する関数です。
使用例
=ROUND(A1, 2)
→A1の数値を小数点以下2桁で四捨五入する

Web広告運用での活用方法
広告運用において、クリック率(CTR)、コンバージョン率(CVR)、ROASなどの指標は小数点以下の細かい数値になることが多く、そのままだと見づらくなることがあります。ROUND関数を使うことで、レポートの記載に適した精度に調整できます。
例えば、CTRを計算する =ROUND((クリック数/インプレッション数)*100, 2) とすることで、CTRを小数点以下2桁に統一できます。
類似の関数として、ROUNDDOWNとROUNDUPがあります。
ROUNDDOWNは指定した桁数で数値を切り捨て、ROUNDUPは指定した桁数で数値を切り上げます。
関数は広告運用のはじめの一歩
関数を知っているのと知らないのとでは作業の効率が格段に異なります。「手で計算したほうが速いから…」と思っている場合でも、関数を使えばスピートは確実にUPします。
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