ブランドセーフティとは?Web広告の配信先リスク管理と対策方法まとめ|Google、Meta、LY、TikTok
Web広告を運用する企業にとって、広告の掲載面を適切にコントロールすることは重要なテーマです。どれほど質の高いクリエイティブを用意しても、反社会的なサイトや不適切なコンテンツの近くに広告が表示されてしまうと、ブランドイメージを損なうおそれがあります。
こうしたリスクを管理する考え方が「ブランドセーフティ」です。本記事では、ブランドセーフティの基本的な定義に加え、なぜ重要視されているのか、そして具体的にどのような対策が考えられるのかについて、広告主として押さえておきたいポイントを整理して解説します。
目次
ブランドセーフティとは?
ブランドセーフティとは、広告出稿によって企業や製品のブランドイメージが損なわれるリスクと、その対処を指す考え方です。主にインターネット広告で使われており、マス広告とは異なるWeb広告特有のリスク管理です。
テレビや新聞・雑誌などのマス広告では、広告主が事前に掲載面を確認し、選定したうえで出稿できます。一方、Web広告(特に自動入札で配信先が決まる仕組みの広告)では、アルゴリズムによって掲載先が自動で決定されます。そのため、意図しないサイトやページに広告が表示される可能性があります。ブランドの価値観に合わないコンテンツの隣に広告が掲載されたら、ブランドそのもののイメージも同時に引き下げられるおそれがあります。

▲こう思われかねない
ブランドセーフティに関わる主なリスクの種類
ブランドセーフティのリスクは大きく3つに分類できます。「ブランド毀損リスク」と「反社会勢力への資金提供リスク」、そして「広告運用の透明性リスク」です。
ブランド毀損リスク
自社の広告が不適切なコンテンツに隣接して表示されることで、ユーザーに悪い印象を与えるリスクです。たとえば下記が典型例です。
・アダルトや暴力関連のページに一般企業の広告が表示される
・火災で住宅が全焼したニュースのページに住宅会社の広告が表示される
・自動車の危険性を解説するコラムページに自動車メーカーの広告が掲載される
こうした配信は意図したものではないとしても、ユーザーから見ればブランドと不適切なコンテンツが結びつく印象を与えかねません。
反社会勢力への資金提供リスク
広告主が支払った広告費の一部が反社会的勢力や違法コンテンツを制作する者に流れてしまうリスクです。広告媒体によっては、広告費の一部が掲載元のコンテンツ制作者に分配される仕組みになっています。YouTubeでは動画再生によって得られた収益が投稿者に支払われます。またX(旧Twitter)では表示回数に応じてクリエイターへ報酬が支払われるケースもあります。ブログに設置された広告がクリックされることで運営者に収益が還元される形式も一般的です。
反社会的勢力が運営するブログや動画に広告が配信された場合、広告主は意図せずその活動を金銭的に支援してしまうことになります。
広告運用の透明性リスク
「広告が実際に人間によって閲覧されているか」や「成果が不正に水増しされていないか」といった問題も、ブランドセーフティと密接に関係しています。たとえば、ボットなどのプログラムを使って人間が閲覧しているように装い、広告費をだまし取る「広告詐欺」を行うサイトがあります。こうした不正サイトは、掲載されているコンテンツ自体の品質も極めて低い傾向にあり、広告が掲載されると上記のリスク同様デメリットがあります。そのため、ブランドイメージを守る取り組みと、不正な広告費の支払いを防ぐ対策はセットで考えることが重要です。
業界の取り組みとJICDAQ
日本国内では、デジタル広告の品質向上を目的とした業界横断の取り組みが進んでいます。その中心的な存在が「一般社団法人デジタル広告品質認証機構(JICDAQ=ジックダック)」です。
JICDAQは、広告業界の健全さを守るための日本の審査機関です。信頼できる広告配信を行うための「誰と取引すべきか」「何を配信禁止にするか」の明確な基準が定められています。具体的には「広告詐欺を防ぐ対策ができているか」「不適切な場所に広告を出さない仕組みがあるか」を厳しくチェックしています。審査に通った企業は「認定マーク」を使えるため、広告主はこのマークをもとにして”安心できる代理店だ”と判断できます。
弊社プライムナンバーズも認定されており、ホームページ最下部にマークがあります。

各プラットフォームのブランドセーフティへの対応
主要な広告媒体では、独自のブランドセーフティ対策が用意されています。それぞれの違いを理解しておくことで、媒体ごとに適した配信管理がしやすくなります。
Google広告では、管理画面の「ツール」>「コンテンツの適合性」を中心に、広告主が自分で設定できる機能が豊富に揃っています。

広告枠のタイプ
3段階から選択してコンテンツの幅を調整できます。
拡張:リーチ最大化優先。一部センシティブなコンテンツにも配信
標準:ほとんどのブランドに推奨。極端な不適切コンテンツは除外
制限付き:厳格な基準が必要なブランド向け。ミュージックビデオ等も対象外になる場合あり

デリケートなコンテンツ
デリケートと見なされるカテゴリのコンテンツに広告を表示しないよう設定できます。ただし動画キャンペーン(YouTube広告)には適用されません。

タイプとラベル
コンテンツタイプによる除外設定では、ライブ動画ストリームやウェブサイトに埋め込まれた動画など、特定のカテゴリのコンテンツに広告を表示しないよう設定できます。
コンテンツラベルによる除外設定では、広告が掲載される(または広告が横に掲載される)コンテンツの対象年齢レベルを選択できます。

コンテンツテーマ
広告を表示したくないコンテンツをテーマごと除外できます。

コンテンツキーワード
広告を表示したくないコンテンツをキーワード単位で除外できます。

プレースメント
広告を表示したくない動画、チャンネル、ウェブサイト、アプリを具体的に指定できます。

Meta(Facebook・Instagram)
Metaでは「Metaブランドセーフティと適合性」が提供されており、広告主はブランド適合性に関する設定を一元管理できます。

主な機能としては、インベントリーフィルター(=広告が表示されるコンテンツのレベルを「拡張」「標準」「制限」から選択する機能)、パブリッシャーブロックリスト(=特定のサイトやパブリッシャーを除外するリストの作成・適用)、トピックの除外(=ギャンブル・アルコール・悲劇的な出来事など、特定のトピックへの広告表示を制御する機能)などが挙げられます。

▲アカウント単位で広告のそばに表示されるコンテンツの健全性の程度をコントロール

▲アプリ、ページ、Facebookプロフィールなど広告を表示したくないコンテンツを指定
また、配信レポートを通じて実際に広告が表示された掲載面を確認できます。
LINEヤフー
LINEヤフーは「広告品質のダイヤモンド」という独自の広告品質フレームワークを設けており、ブランドセーフティを「ブランド価値とメディアの信頼性の担保」と位置づけています。誹謗中傷や差別、反社会的勢力、著作権侵害といったコンテンツを配信先から除外するポリシーを定めることで、広告主が安心して配信できる環境の整備を進めているようです。
LINEヤフー広告の配信面は、LINEのサービス内各種・LINEファミリーアプリ、LINEヤフー広告ネットワークディスプレイ広告(LINE以外のアプリに配信される)のうちから選べます。自動配置として全配信面を対象に成果が良い面に自動で配信することもできます。

ファミリーアプリとネットワークディスプレイ広告を選択している場合、「許可リスト」を作成できます。配信したいアプリを追加して配信先を管理するもので、配信したくないアプリをまとめて除外することもできます。対象となるアプリの一覧はこちらのLINEヤフー公式ページからダウンロードできます。


▲CSVで一覧をアップロードする形式
TikTok
TikTokはブランドセーフティセンターを設け、コミュニティの安全の維持、ブランドセーフティとスータビリティ(適合性)の確保、透明性の維持という3つに取り組んでいます。
インベントリーフィルタ
表示されるコンテンツのリスクレベルを管理できます。※「おすすめ」、「フォロー中」、「プロフィールページ」フィード、「Lemon8」、「グローバルアプリセット」検索結果の横に広告が表示される「検索」フィードに適用されます



カテゴリーの除外
前後に広告を表示させたくないコンテンツのカテゴリーを「青少年向けコンテンツ」「格闘競技」「暴力的なテレビゲーム」「ギャンブルおよび宝くじ」から選択できます。

業界センシティビティ
広告の前後に表示を避けたい、センシティブな関連コンテンツを扱う業界を選択できます。除外対象となるのは下記カテゴリの「否定的・生々しいコンテンツ」です。
対象カテゴリ
美容、食品、ペット、旅行、テクノロジー、ファッション・小売、ファイナンシャルサービス、自動車、ゲーム、専門サービス、エンターテインメント

除外リスト
特定のプロフィールをプロフィールフィード広告から除外します。除外したいユーザー名と動画IDを手動で登録できるほか、CSVファイルで一括登録もできます。


安全な面のみに出す!ホワイトリスト配信
ブランド毀損のおそれがあるコンテンツを除外するという考え方もありますが、「広告を配信してもよい面のみを選択する」という方法もあります。これは「ホワイトリスト配信」とよばれる手法で、ブランドの規定が厳格な場合などに用いられます。
未知のサイトに出る可能性がないため安心ではありますが、配信ボリュームは非常に限定的になるため要注意です。ボリュームが小さすぎると単価が上がったり本来CVするはずだったユーザーを逃してしまったりするリスクがあります。
迷ったらお問い合わせください
せっかく広告を配信しているのに、それによってブランドイメージが悪化してしまったら逆効果です。
まずは自社のブランド価値や避けるべきコンテンツを明確に定義し、そのうえで各媒体のコントロール機能を組み合わせながら、継続的に配信環境を見直しましょう。
プライムナンバーズでは、ブランド毀損対策などの細かい設定から広告の配信成果全体の改善まで、幅広く運用代行業務を承っております。
配信中の広告の成果が頭打ちになっている
広告の配信状況やアカウントの設定状況に不安がある
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