
アクセス解析とは?初心者でもわかる基礎知識と効果的な活用方法
本記事では、「アクセス解析」の基本的な仕組みから、具体的にわかること・おすすめツール・実際の活用方法まで、初心者の方でもわかるように詳しく解説します。
アクセス解析を行うリソースが足りない!
配信中の広告を正しく分析できていない
広告運用からアクセス解析まですべて任せてしまいたい
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目次
アクセス解析とは何か
アクセス解析とは、Webサイトに訪問したユーザーの行動や属性を数値化し、サイトの改善に活用することを指します。「誰が」「いつ」「どこから」「どのページを」「どのくらい」見ているかを把握し、そのデータをもとにWebサイトをより良くしていく活動のことです。
たとえば実店舗であれば、来店客の数や年齢層・滞在時間・購入商品などを自分の目で観察できます。しかしWebサイトでは訪問者の顔が見えないため、アクセス解析ツールを使ってこれらの情報を収集する必要があるのです。
アクセス解析の目的
アクセス解析の主な目的は以下の3つです。
現状を把握する
自社のWebサイトがどのような状況にあるかを客観的に理解する
課題を発見する
改善すべきポイントを数値で明確にする
効果を測定する
施策の成果を定量的に評価する
これらの目的を達成すれば、勘や経験だけに頼らない、データに基づいた確実なWebサイト運営が可能になります。限られた予算や人的リソースの中で最大限の成果を出すためには、アクセス解析は欠かせません。
アクセス解析の基本的な仕組み
Webサイトにアクセス解析ツールを導入する際は、「トラッキングコード」と呼ばれる小さなプログラムをWebサイトの各ページに設置します。このコードは”JavaScript”という言語で書かれた数行のプログラムで、ページが読み込まれるたびに動作します。
ユーザーがWebサイトを訪問すると、このトラッキングコードが自動的に作動し、訪問者の情報を収集します。収集される情報には、使用しているブラウザやOS、画面解像度、アクセス元のWebサイト、閲覧したページ、滞在時間などが含まれます。
また、アクセス解析にはCookie(クッキー)も利用します。Cookieは、ユーザーのブラウザに保存される小さなデータファイルで、同じユーザーが再度訪問した際に新規訪問者なのかリピーターなのかを識別します。Cookieを利用すればユーザーの訪問頻度や行動パターンを追跡できるようになります。
トラッキングコードやCookieから収集されたデータは、アクセス解析ツールのサーバーに送信され、そこで集計・分析されます。そして管理画面上に見やすく整理された形で表示されるため、専門的な知識がなくても理解しやすくなっています。
アクセス解析でわかる主要な指標
アクセス解析を行うと、「ユーザーの基本情報」「ユーザーの行動パターン」「流入経路」「人気コンテンツ」「コンバージョンの成果」がわかります。それぞれで確認できる指標をご紹介します。
ユーザーの基本情報に関する指標
アクセス解析では、サイトを訪れたユーザーに関する下記の情報を詳細に把握できます。
・訪問者数
・新規訪問者とリピーターの割合
・地域
・デバイス
訪問者数
「ユーザー数」は、特定期間内にサイトを訪れた実際の人数を表します。一方、「セッション数」は訪問回数を表し、同じユーザーが1日に2回訪問すれば2セッションとカウントされます。
新規訪問者とリピーターの割合
新規訪問者の割合が高ければ新しいユーザーを獲得できていることが、リピーターの割合が高ければ質の高いコンテンツを提供できていることがわかります。
業界や目的によって理想的な比率は異なりますが、一般的には両者のバランスが取れていることが望ましいとされています。
地域
訪問者がどの国や都道府県からアクセスしているかがわかります。地域別のマーケティング戦略を立てたり、特定地域向けのコンテンツを作成する際の参考にできます。
デバイス
パソコン、スマートフォン、タブレットのどれを使ってアクセスしているかがわかります。デバイス別の直帰率や滞在時間を比較すれば、各デバイスでの使い勝手を評価できます。どのデバイスからアクセスしても最適な状態でコンテンツを見てもらえるように整備しておきましょう。
ユーザーの行動パターンに関する指標
ユーザーの行動パターンも下記の指標で把握できます。
・ページビュー数
・平均滞在時間
・直帰率
・離脱率
ページビュー数(PV)
サイト内で閲覧されたページの総数を表します。1人のユーザーが5ページ見れば5PVとカウントされます。PV数が多いほど多くのコンテンツが閲覧されていることになりますが、単純に多ければ良いというわけではありません。”目的のページにたどり着けずに迷っている”ような場合もカウントされるため、”良い”多さなのか他の指標と合わせて評価する必要があります。
平均滞在時間
ユーザーがサイトやページにどのくらいの時間滞在したかを示します。コンテンツの質が高く、ユーザーにとって価値がある情報が掲載されていれば、滞在時間は長くなる傾向があります。
ただし、ページの内容によって適切な滞在時間は異なります。詳細な解説記事での長時間滞在は問題ありませんが、問い合わせフォームに長時間滞在している場合はEFO(エントリーフォーム最適化)が足りていない可能性があります。
直帰率
サイトを訪問したユーザーが最初のページだけを見て離脱した割合です。直帰率が高い場合、ユーザーの期待どおりのコンテンツを提供できていない可能性があります。
一般的にはブログ記事で40-60%、ECサイトで20-40%程度が平均的な直帰率とされていますが、サイトの性質によって大きく異なります。
離脱率
特定のページからユーザーがサイトを離れる割合を示します。離脱はすべてのページで発生しますが、重要なコンバージョンページ(購入確認画面など)での離脱率が高い場合は、改善が必要です。離脱率の高いページを特定してその原因を分析すれば、サイト全体の成果向上につなげることができます。
流入経路と人気コンテンツに関する指標
どこからサイトに来ているか、どのページが人気なのかを把握できる指標は下記のとおりです。
・流入経路
・参照元サイト(リファラー)
・人気コンテンツ
流入経路
大きく分けて「自然検索(オーガニック検索)」と「直接流入(ダイレクト)」の2種類があります。
自然検索(オーガニック検索)は、GoogleやYahoo!などの検索エンジンから検索してきたトラフィックです。どのようなキーワードで検索されているかを知ることで、SEO対策の効果を測定できます。
直接流入(ダイレクト)は、URLを直接入力したり、ブックマークから訪問したりするトラフィックです。ブランドを知っていないと直接流入し得ないため、認知度の高さを示す指標となります。
参照元サイト(リファラー)
他のWebサイトのリンクから訪問したトラフィックです。どのサイトから多くの訪問者が来ているかを把握すれば、成果が出やすい広告掲載先を見つけられます。
”ソーシャルメディアからの流入”は、Facebook、X、InstagramなどのSNSから訪問したトラフィックです。SNSマーケティングの効果を測定する重要な指標となります。
人気コンテンツ
ページビュー数の多いページを把握できます。ユーザーのニーズや関心を掴めるため、コンテンツ作成の参考になります。また、平均滞在時間の長いページを分析すれば、質の高いコンテンツの特徴を把握して他のページも改善できます。
コンバージョンの成果に関する指標
問い合わせ、資料請求、商品購入、会員登録など、コンバージョンの成果を測る指標は下記のとおりです。
・コンバージョン率(CVR)
・目標達成プロセス
コンバージョン率(CVR)
サイト訪問者のうち、実際にコンバージョンに至った割合を示します。たとえば、100人が訪問して3人が購入すれば、コンバージョン率は3%となります。業界や商材によって平均的なコンバージョン率は異なりますが、一般的なECサイトでは1〜3%、B2Bサイトでは2〜5%程度が目安とされています。
目標到達プロセスの分析
コンバージョンに至るまでの各ステップのうち、どこで離脱されやすいか(離脱率が高いか)を把握できます。
たとえばECサイトの「商品ページ→カート→個人情報入力→確認画面→購入完了」という流れのうち「個人情報入力」での離脱率が高かったら、「入力項目が多すぎるかもしれない」など問題点の仮説を立てられます。離脱の多い箇所を改善することで、全体のコンバージョン率を向上できます。
また、コンバージョンに貢献したページを特定することも重要です。コンバージョンページに到達する前にどのページを経由したかを把握すると、コンバージョンに影響を与えているコンテンツがわかります。コンバージョンに繋げている「縁の下の力持ち」的なページを特定して改善・強化すれば、全体の成果が良くなるかもしれません。
Web広告運用への活用方法
アクセス解析をしっかり行えば、Web広告のターゲティング精度を上げられます。また広告が及ぼした影響を正確に測定した数値をもとに、地に足ついた(根拠のある)施策をこなして成果を着実に改善できます。
ターゲティング精度を向上する
実際にサイトを訪問し、興味を示したユーザーの特徴を把握すれば、より高い精度のターゲティングができます。
たとえば、アクセス解析の結果、(商品ページの閲覧や商品の購入などの)アクションを起こしているユーザーの多くが「30-40代」「東京・大阪在住」「スマートフォンユーザー」「平日の12時台と20時以降にアクセスが集中」という特徴を持っていることがわかったとします。この情報をもとにターゲティングを設定すれば、アクションを起こしやすいユーザー層にのみアプローチでき、無駄な広告費を削減できます。
購入や問い合わせに至ったユーザーとそうでないユーザーの行動パターンを比較し”質の高い見込み客の特徴”を調べ、その特徴を持つユーザーに広告を配信するとよいでしょう。
また、サイト内でよく見られているコンテンツやページの滞在時間から、ユーザーの興味関心を推測できます。たとえば、料理サイトで「時短レシピ」のページが特に人気であれば、そのページの需要があると思われる「主婦」や「料理初心者」をターゲットにするなどの戦略を立てられます。
広告効果を測定・改善する
どの広告がどの程度の成果を上げているかを正確に測定できます。
広告別のパフォーマンス分析では、それぞれの広告がどれだけ効果的かを数字で確認できます。たとえば、Google広告やFacebook広告など、使っている広告ごとに「何人がクリックしたか」「そのうち何人が商品を購入したか」「広告費に対してどれだけ売上があったか」などを測定できます。これにより、成果の良い広告にはお金をかけ、成果の悪い広告は内容を見直したり、配信自体をとりやめたりする判断ができます。
分析の結果はランディングページの最適化(LPO)にも活かせます。アクセス解析では、広告から来た人がどのような行動をとったか(長く留まったか・すぐ引き返したか)を詳しく調べ、改善点を見つけられます。
たとえば「50%OFF」という広告を見てクリックしたのに遷移先のページに割引情報がなければ、訪問者はすぐに引き返してしまいます。訪問者に留まってもらうためには、広告の内容とランディングページの内容を合わせる必要があります。
また、アトリビューション分析により、ユーザーが購入や申込などのCVに至るまでの道のりを理解できます。アトリビューション分析とは、購入までに接触したすべての広告の貢献度を評価する方法です。たとえば、最初にInstagram広告で商品を知り、数日後にGoogle検索から購入した場合、両方の広告に価値があります。この分析により、それぞれの広告の本当の価値がわかり、広告予算をより効果的に使えるようになります。
リターゲティング広告で活用する
リターゲティング広告は、一度サイトを訪問したユーザーに対して、再度広告を配信する手法です。靴の通販サイトを見た後、別のサイトを見ているときにその靴の広告が表示されることがありますが、これがリターゲティングです。
アクセス解析のデータを活用すると、リターゲティングをより効果的にできます。
まず、”行動履歴に基づくセグメント作成”が可能です。セグメントとは、似た行動をとったユーザーをグループに分けることです。たとえば「商品ページを見たけれど買い物かごに入れなかった人」「買い物かごに入れたけれど購入しなかった人」「洋服のページを何度も見ている人」など、それぞれの行動パターンごとにグループを作ります。そして各グループに合わせた広告を配信できます。買い物かごに商品を入れたまま購入しなかった人には「お忘れではありませんか?」という広告を、商品ページを見ただけの人には「もう一度チェックしてみませんか?」という広告を出すなど、状況に応じた適切なメッセージを送れます。
リターゲティングリストの最適化も重要です。サイトを訪れたすべての人に同じ広告を見せるのではなく、”購入する可能性が高い人”に絞って広告を配信します。たとえば、「3分以上サイトに滞在した人」「5ページ以上見た人」「価格ページや購入方法のページを見た人」など、興味の度合いが高いと考えられる人だけに絞ることで、広告費を効率的に使えます。
さらに、リーセンシー(最後にサイトを訪問してからどれくらい時間が経ったか)を考慮した配信も効果的です。サイトを訪問した直後は商品への興味が強いため積極的に広告を見せますが、1週間・2週間と時間が経つにつれて興味が薄れていくため、広告を見せる回数を減らしていきます。アクセス解析データを使えば、「訪問から3日以内に再訪問した人の購入率が最も高い」というように最適な頻度がわかるため、そのタイミングに合わせて広告配信のスケジュールを組むことができます。
主要なアクセス解析ツール比較|無料・有料おすすめ5選
実際に使えるアクセス解析ツールを、特徴や使いやすさと合わせて紹介します。
Google Analytics(無料)
Google Analytics(GA)は、世界中で広く使われている無料のアクセス解析ツールです。2023年7月からは、新バージョンの「Google Analytics 4(GA4)」が標準となっています。
GA4の最大の特徴は、無料なのに高機能であることです。基本的なアクセス解析機能はもちろん、ユーザーの詳細な行動分析、コンバージョン測定、カスタムレポートの作成など、有料ツールに劣らない機能を備えています。また、Google広告やGoogle Search Consoleなど、他のGoogleサービスとの連携も簡単で、マーケティング活動全体を一元管理できます。
導入方法も比較的簡単です。Googleアカウントを作成し、GA4のアカウントを開設したら、提供されるトラッキングコードをWebサイトの全ページに設置するだけです。WordPressなどのCMSを使用している場合は、プラグインを使って簡単に設置できます。また、Googleタグマネージャーを使用すれば、より柔軟に利用できます。
詳細は下記記事をご覧ください。
Google Search Console(無料)
Google検索における自社サイトのパフォーマンスを分析できる無料ツールです。GA4とは異なる「検索流入」に特化した視点からサイトを分析でき、SEO対策には欠かせないツールです。
主な機能として、検索クエリの分析があります。どのような言葉で検索されて自社サイトが表示されているか、またそのときの表示順位・クリック率などを詳細に確認できます。狙っているキーワードでの順位や予想外のキーワードでの流入などを調べられます。
サイトの健全性チェックも重要な機能です。対象サイトのURLを入力するだけで、クロールエラー・インデックスの状況・モバイルユーザビリティの問題など、検索結果への表示にかかわる技術的な問題を発見できます。検索順位に直接影響するため、定期的にチェックしましょう。
また、”被リンク”の分析も可能です。どのようなサイトから自社サイトにリンクが張られているかを確認でき、リンクの質を評価することができます。怪しいリンクを発見した場合は、否認ツールを使って対処することも可能です。
Google Search Consoleはサイトの所有権を確認するだけで簡単に利用開始できます。GA4と併用すると「検索エンジンからどのように見られているか」と「実際の訪問者の行動」の両面から分析でき、より包括的にサイトを評価・改善できます。
Adobe Analytics(有料)
大企業向けの高機能な有料ツールです。リアルタイムでの詳細な分析、高度なセグメント機能、予測分析などレベルの高い機能が備わっています。特に、オフラインデータとの統合や顧客行動の分析に優れています。ただし、導入・運用コストが高く、専門知識も必要となるため、大規模なECサイトや大企業で専門的に利用することが多いです。
Matomo(無料/有料)
プライバシー重視のオープンソース解析ツールです。自社のサーバーにインストールして使用できるため、データを完全に自社管理できます。GDPR(個人データ保護に関する規則)対応も容易で、ヨーロッパを中心に利用が広がっています。無料版と有料版があり、中小企業でも導入しやすい価格設定です。
SimilarWeb(無料/有料)
競合分析に特化したツールです。自社サイトだけでなく、競合他社のトラフィック推定値、流入元、人気ページなどを分析できます。市場調査や競合調査に活用でき、競合を意識したマーケティング戦略を立案できます。無料版では基本的な情報のみですが、有料版では詳細なデータも得られます。
正確なデータを得るための注意点
下記を実行して常に正確なデータを得られるようにしておきましょう。
①自社アクセスを除外する
必須の設定です。スタッフが自社サイトに検索からアクセスした場合など、社内からのアクセスがデータに含まれると実際のユーザー行動のデータがブレてしまいます。IPアドレスによる除外フィルタを設定し、社内や開発環境からのアクセスを除外しましょう。リモートワークが増えている現在では、従業員の自宅IPアドレスも除外対象に含める必要があるかもしれません。
②スパムトラフィックに対処する
ボットによる自動アクセスや、リファラースパム(偽の参照元からのアクセス)がデータに混入することがあります。これらは実際のユーザーではないため、フィルタ設定で除外する必要があります。GA4では、「ボットのフィルタリング」機能を有効にすることで、ボットを自動的に除外できます。
③クロスドメイントラッキングを設定する
複数のドメインを運営している場合に重要になる設定です。適切な設定をしないと、メインサイトとショッピングカートが別ドメインの場合などにユーザーの行動が分断されて計測されてしまいます。クロスドメイントラッキングを設定しておけば、ドメインをまたいだユーザー行動を一連の流れとして把握できるようになります。
④データを正しく解釈する
数値だけを見て判断するのではなく、背景にある要因も考慮しましょう。たとえば、特定の日に急激にアクセスが増えた場合、メディアで紹介された・キャンペーンを実施した・競合サイトに問題が発生したなど、様々な要因が考えられます。これらの外部要因を記録しておくことで、後からデータを振り返る際に正しい解釈ができるようになります。
アクセス解析にお困りの方はお気軽にご相談ください
アクセス解析は継続することが重要です。一度設定して終わりではなく、定期的にデータを確認・トレンドを把握して、常に状況を把握しておきましょう。
月次レポートを作成する、重要な指標の推移をグラフ化する、異常値が出たらアラートを受信する設定をしておくなど、継続的に活用するための仕組みづくりも大切です。
継続的なアクセス解析を行うリソースが足りない
Web広告の運用とアクセス解析をセットで任せてしまいたい
配信中の広告の成果がわからず不安
など、お困りの方は下記ボタンよりお気軽にお問い合わせください!ご相談やお見積りは無料で承っております。状況にあわせて最適な戦略・ネクストアクションをご提案いたします。