医療広告ガイドライン規定違反となるかもしれない「よくある広告」例
医療に関わる広告文を作成する際、普段よく目にしている広告フレーズや、インターネット上で掲載されている広告文作成のすすめを参考にするのはNG。
よく見るフレーズであっても、医療広告ガイドラインでは規定違反となることも少なくはありません。では一体どんな広告文が規定違反となるのでしょうか。
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目次
「◯◯◯円引き」はユーザーの目に留まる前に審査落ちする
競合他社よりも金額がお得な点を訴求したい!となると、まず最初に思いつくのが価格の訴求。
ですが、こういった「○○円引き」などの割引訴求は「品位を損ねる広告」として医療広告ガイドラインで規制の対象となっています。
その他にも、
・キャンペーン実施中
・○%オフ
・初来院割引
などのフレーズも、費用を強調しているため「品位を損ねる広告」となってしまうため注意してください。
また、価格を記際する際は費用を強調しない場合でも標準金額の記載(最低、最高金額等)を併せて広告文の中に入れる必要があります。
サービスの最低金額=分割後の金額ではない
1章でも触れたように、金額の訴求をする際は「標準金額」の併記が必要となります。
通常、1人あたりの平均的な利用金額を記載するのですが、施術金額が多岐に渡る場合は最低金額、最高金額を記載することで標準金額とすることも可能です。
その際気をつけておきたいのが「最低金額」の基準。最低金額はあくまで施術の最低金額のため、分割後の金額は最低金額とはなりません。
①一番金額の低い施術金額が2万円
②30万円の施術の分割金額が1万円
上記の場合、①がここでいう最低金額となります。少しでも安い金額を訴求したいところではありますが、②は施術金額ではなく、あくまで分割後の金額のため最低金額として記載することはできませんので気をつけましょう。
自由診療の場合は広告文に「自由診療」の明記が必須
広告する内容が自由診療の場合は、その旨の記載も必須。LP内や公式HP内にはしっかり記載されているのに、広告文では記載がされていないということがよくあります。
自由診療とは、公的医療保険(健康保険、国民健康保険、後期高齢者医療制度)が適用されない診療のことであり、美容整形や歯のホワイトニング等がこれに該当します。
長い注釈を入れる必要はなく、「自由診療」という文言を組み込むだけで基本的に問題はありません。説明文等にしっかりと記載しておきましょう。
1章から3章の内容を網羅すると下記のような広告文になります。
医療広告ガイドラインに則った上記のような形であれば、金額を広告文に記載することも可能となるので、なかなか媒体の審査が通らないという場合は、今一度基本的な事項が守れているか確認してみてください。
「うちは他院よりここがすごい!」ということは広告では伝えられない
「競合他社と広告文で差をつけたい!」という依頼は広告主さまよりよくいただきます。通常の広告では料金のほかにもサービスの独自性や企業のすぐれた点を訴求することができますが、医療広告では他院と比較をすること自体がNG。他と比較して優良である旨を訴求した時点で比較優良広告となってしまい、医療広告ガイドラインに抵触していまいます。
そのため、上記の説明文にあるような「施術が早い!」という文言は「他院と比べて施術が早い」と取れるためNG、そして「日本最多」という文言も他院と比較した中で最多となるためNGとなるのです。
審査落ちしてびっくり。意外にもNGな王道広告フレーズ
医療広告ガイドラインを読み込んでしっかりと理解したつもりでも、媒体の広告審査に落ちてから実は医療広告ガイドラインを違反していた!と気づくことも少なくはありません。
医療広告ガイドラインの中で言及されていなかったり、うっかり見落としがちな王道だけれどNGな広告フレーズをご紹介していきます。
「開院記念」訴求
クリニックをオープンした際についつい訴求してしまいがちな「開院記念」。新しいユーザーを取り込むにはとても魅力的な訴求ではあるのですが、こちらも医療広告ガイドラインに抵触してしまいます。
「キャンペーン」や「割引」とは銘打っていなくても、開院を記念して割引が実施されたり、なにか特典が付与されたりする場合は、キャンペーン訴求と同等の扱いとなってしまうので注意しましょう。
「お気軽」「お手軽」訴求
「安い」や「お得」等の直接的に費用を強調した訴求を避けて、「お気軽」や「お手軽」等の訴求でやんわりとお得感を出すことも残念ながらNG。直接的な表現でなくても、解釈として費用を強調している場合は漏れなく医療広告ガイドラインに抵触してしまいます。
実際に「お気軽」や「お手軽」の文言を広告文やLPに記載したところ、媒体の審査も落ちてしまいましたので、費用に関する訴求は事実のみを記載することをおすすめします。
「珍しい」「レア」訴求
「珍しい機械を導入している」「レアな施術方法」と、これらが例え事実であったとしても、訴求としては医療広告ガイドラインに違反しています。4章にもあるとおり、これらも比較優良広告となってしまうため、例え事実であっても広告としては記載することができません。「どういった機械を導入しているのか」や「どういった施術なのか」ということは記載することができるので、「珍しい」や「レア」等の比較に該当する文言は使用しないようにしましょう。
「◯◯さんも来院!」著名人訴求
インフルエンサー等の著名人を使用した訴求もNG。こちらも比較優良広告として、医療広告ガイドラインに抵触してしまいます。
著名人本人や、事務所等に承諾を得ていたとしても、著名人訴求の広告を目にしたユーザーが「他院より優れている」と認識し、クリニックを選択する基準となってしまうためこれらは禁止事項となっています。
「特典・プレゼント」訴求
特典やプレゼントがある旨を訴求することも医療広告ガイドラインでは禁止されています。提供される「医療」意外のものや、医療に直接関係のない二次的な情報は訴求することができません。
「今なら来院した人全員に○○をプレゼント!」等の訴求は通常の広告ではよく目にしますが、医療広告では禁止されているのでLPにも広告のテキストにも記載しないように気をつけましょう。
医療広告ガイドラインを今一度確認してください
気をつけているつもりでも、普段見慣れているために、王道広告フレーズを使用してうっかり医療広告ガイドラインを違反してしまうことも多いかと思います。
ここまでで紹介してきた例と併せて今一度医療広告ガイドラインを確認してみてください。
また下記の記事では、なぜ医療広告ガイドラインを守る必要があるのか、医療広告ガイドラインとはそもそもどういったものなのかをまとめています。こちらも、ぜひ一度目を通してみてください。
医療広告ガイドラインにしっかりと則った形で広告を掲載しましょう。