ROASが低いと売れていても赤字に!費用対効果を上げるための6つの秘策
ROASは広告配信において重要な指標。アパレルなど店舗やオンラインショップで販売する商材の場合は特に重視すべき指標です。
この記事でわかること
・ROASの概要
・ROASを改善する方法
・ROAS重視で広告を配信する方法
目次
ROASとは
広告費用対効果(利益率)のことで、使った広告費用に対してどの程度売上があったかを表す指標です。ROASは次の計算で求められます。
ROAS(%) =売上÷広告費用×100(%)
ROASが500%の場合は売り上げが広告費用の5倍になったことを表します。
100%以上であることが通常の状態とされ、100%を切ると赤字です。
ROASと似ている指標との違い
下記はROASと間違えやすい指標です。
・ROI
・eCPA
・COS
それぞれの特徴を覚えて混同しないようにしましょう。
ROI
使った広告費用に対してどれだけの利益を上げられたかを示す指標です。
次の計算で求められます。
ROI(%) = 利益 ÷ 広告費用 × 100
ROASは売り上げに対する広告投資効果を表しているのに対し、ROIは利益に対する投資効果を表している点が異なります。
eCPA
有効なアクション(商品の購入など)1回あたりから生じた収益(円)のことです。
ROASが低くeCPAが高い場合はアクション1回あたりに多くの費用を投じていることになるため改善が必要です。
COS
Cost of Salesの略で、売上に対する広告コストが占める割合を指します。
次の計算で求められます。
COS=広告費用 ÷ 売上
または
COS=100÷ROAS
例えばROASが500%の場合、100÷500=0.2となりCOSは20%になります。
ROASの改善方法
まず、「ROASがどこまで下がったら危険なのか」を知っておく必要があります。
下限のROASは次の計算で求められます。
下限ROAS(%)= 平均顧客単価 ÷ 粗利×100
平均顧客単価が1,000円の商品で、粗利が500円(1,000円‐500円)だった場合、下限ROASは200%になります。200%を切ると利益が見込めなくなってしまうことを表します。
この下限ROASを切ってしまいそうなときの対策として、下記のような改善方法が考えられます。
①CVR(クリック数に対するCV数の割合)を上げる
②ターゲットを見直す
③クリエイティブを見直す
④客単価を増やす
⑤リピーターを増やす
⑥媒体を見直す
①CVRを上げる
CVRを上げるためには、CVに至るまでの導線を明確にすることが最も有効です。
購入や予約などを行うフォームがある場合は、項目数が多すぎると面倒だと感じたユーザーが途中で離脱してしまいます。
エントリーフォームの項目数や入力内容をより簡潔にすることでCVに至るユーザー数を増やせば、CVRの上昇につながります。
また購入ページや予約ページなどに誘導するボタン(CTA)の「購入する」「予約する」といった文言を工夫することでもCVRが上昇する可能性があります。
「詳細を見る」「購入はこちらから」など、広告主が期待するアクションを促すわかりやすい文言にするとボタンをクリックしてもらいやすくなります。
②ターゲットを見直す
商材に合ったターゲットにリーチできているか見直すことでCVRの改善につながる場合があります。
CVにつながらなさそうなユーザーの流入が多くなっていないか定期的に確認し、キーワードの除外やユーザー属性や地域、興味関心などの変更などでCVに至りやすいターゲットに絞りましょう。
CV獲得効率の悪い属性や地域の入札単価調整率を引き下げる対応も有効です。
③クリエイティブを見直す
クリエイティブもROASに影響します。
商材のターゲットと同じ年代・同じ性別の人物を用いるなど、ターゲットを意識したクリエイティブにするとCVに至る可能性が高いユーザーの流入が見込めます。
④客単価を増やす
広告費用に対して売上が上がればROASが改善するため、顧客一人あたりの購入単価を高めることも有効です。
下記のような方法が客単価の増加につながります。
・購入した商品の関連商品も勧める
・まとめ買いを促す(”◯円以上の購入で送料無料”など)
・より上位のプランに変更を促す(アップセル)
⑤リピーターを増やす
商品を購入したことがある顧客には再度購入してもらえる可能性が高いため、既存顧客にアプローチすることも有効です。
下記のような方法があります。
・商品を購入済みの顧客にメルマガでおすすめ商品の情報を送付する
・ポイント制を導入する
・リマーケティング広告を配信する
⑥媒体を見直す
売上がなかなか改善しない場合は媒体の特徴と商材が一致していない可能性があります。
商材を最も良く見せることができるフォーマット(画像・動画・カルーセルなど)が利用でき、かつターゲットとなるユーザーが多く利用している媒体を選ぶようにしましょう。
下記記事で主要な広告媒体のターゲティングを比較しています。媒体選びの参考にご利用ください。
ROASを重視して配信できる媒体
Google広告とYahoo!広告では「目標広告費用対効果(広告費用対効果の目標値)」という入札戦略が利用可能です。
目標とするROASを設定するとその数値をもとに自動で入札が行われるため、目標ROASを維持したままコンバージョン獲得を最大化することができます。
ROASを重視して広告を配信したいときにおすすめです。
Google広告の場合、この入札戦略を利用するには下記の数のコンバージョンを獲得している必要があります。
・ディスプレイ キャンペーン
→過去 30 日間に 15 件以上(コンバージョン値が有効なもの)
・アプリ キャンペーン
→毎日 10 件(または 30 日間で 300 件)以上
・ファインド キャンペーン
→過去 30 日間に 75 件以上(10 件以上は過去 7 日間に発生したもの)
・動画アクション キャンペーン
→過去 30 日間に 30 件以上
また学習期間が2~3週間必要な点も注意が必要です。
参考ページ:Google広告ヘルプ 目標広告費用対効果に基づく入札について
Yahoo!広告ヘルプ 自動入札タイプ「広告費用対効果の目標値」【検索広告】
目標広告費用対効果の配信事例
弊社の過去の配信事例です。
■商材:アパレル
■配信キャンペーン:P-MAX(Google広告)
■入札戦略タイプ:コンバージョン値の最大化(目標広告費用対効果)
キャンペーン | 表示回数 | クリック数 | 費用 | CV | CV単価 | CV率 | クリック単価 | クリック率 | 目標広告費用対効果 | 広告費用対効果 |
P-MAX① | 5,142,643 | 78,818 | ¥1,161,988 | 863 | ¥1,347 | 1.09% | ¥15 | 1.53% | 910% | 1246% |
P-MAX② | 5,585,425 | 75,132 | ¥1,316,425 | 1,134 | ¥1,161 | 1.40% | ¥18 | 1.35% | 1609% | 1342% |
P-MAX②のキャンペーンは目標費用対効果を少し下回っていますが、いずれも目標に近い数値を保ちながら運用されています。
目標費用対効果を決めて売上を安定させるべし
クリック単価やコンバージョン単価だけでなく、費用対効果をみることで売上の状況をより確実に把握することができます。
現在のROASと下限ROASを計算し、改善を重ねることで安定した売上を目指しましょう!
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