【現役採用担当が解説】ESの「ガクチカ」完成までの5つのステップ?
「ガクチカって、どこの会社でも聞かれるけど、何を書けばいいのかよくわからんな~。」
就職活動を進める中で、エントリーシート(ES)の「ガクチカ(学生時代に力を入れたこと)」で何を書くかに悩んでいる学生の方は多いでしょう。
この記事では、Web広告代理店の現役採用担当者が思わず評価をしたくなるガクチカを完成させるために重要な5つのステップを具体的な例文を交えながら解説します。
このフレームワークに沿ってご自身の経験を整理すれば、採用担当者から高評価を得られやすいガクチカが完成し、ES作成にも面接にも自信を持って臨めるようになります。ぜひ最後まで読んで、あなたの就職活動にお役立てください。
目次
採用担当者が考えるガクチカ作成の5ステップ
それでは早速、ガクチカを作成するための具体的な5つのステップをご紹介します。この流れに沿って、ご自身の経験をまとめることで採用担当者が本当に知りたい情報を網羅したガクチカが完成します。
【ステップ1】結論:私が学生時代に最も頑張ったことは〇〇です
まず、ガクチカは「結論」から書き始めてください。 あなたが学生時代に最も力を注いだ経験が何なのかを、冒頭で簡潔に、そして明確に伝えましょう。
<書き出しの例>
「私が学生時代に最も力を入れたことは、居酒屋でのアルバイトです。」
「学生時代に力を入れたことは、軽音サークルで主催ライブの企画と運営をしたことです。」
ステップ1で重要なことは、とにかくシンプルに書くことです。どのような役割で、どんなに大変だったか、といった具体的な状況説明は後のステップで詳しく書けば問題ありません。
また、アピールしたい経験は必ず1つに絞ってください。1つの経験を深く掘り下げて説明することで、他の人では経験できなかったあなただけのストーリーになり、採用担当に評価されやすい内容になります。
【ステップ2】目標:どんな目標を立てて活動したか
結論を述べたら、次はその活動において「どのような目標を掲げていたか」を具体的に説明します。 採用担当者は、ただ漫然と活動していた経験よりも、「何を目指して」取り組んでいたのかを知りたいと考えています。
目標を記述する上で最も重要なのは、誰が読んでも達成度がわかる客観的な目標であることです。 特に、具体的な数値を入れた目標は、あなたの貢献度や成果が明確に伝わるため、非常に効果的です。
<数値目標の例>
- 「アルバイト先店舗の月間売上を先月より10%アップさせる」
- 「所属するバンドのワンマンライブで、観客動員数を50人から100人に増やす」
- 「ゼミのグループ研究発表会で、15チーム中、成績上位3チーム以内に入賞する」
ガクチカで、この「目標」の記載が抜けている方が見受けられます。 「特に数値目標なんて立てていなかった…」と思っている方もいるかもしれません。その場合でも、ご自身がどのようなゴールを描いて活動していたのかを記載することが重要です
例えば、「アルバイト先店舗の売上向上に貢献したいと思った」「ゼミのグループ発表で、先生から高評価を得ることを目標とした」といった目標でも構わないです。
ビジネスでは必ず会社やクライアントから目標を課せられてその達成に向けて業務を遂行します。そのためどんな目標だったとしても、達成に向けてご自身で考え、行動した経験こそ、採用担当者がガクチカを通して最も知りたいポイントなのです。
【ステップ3】課題:目標達成のために、どんな壁にぶつかったか
明確な目標を掲げたら、次は目標達成を阻んでいた「課題」について説明しましょう。
どんな活動においても、目標達成を阻む障壁があったはずです。その「障壁」は何だったのかを教えてほしいです。あわせて「障壁」が何なのかに気づいた理由・背景もあると、よりわかりやすいです
課題というと難しく感じてしまうかもしれませんが、「ここが変わればうまくいくだろう」というポイントをシンプルに考えてみてください。
<課題の例>
- (目標:アルバイト先の売上10%UP) → 「ランチタイムは満席になるものの、14時~17時の集客数が極端に少ないことが売上停滞の課題でした。」
- (目標:ライブの観客100人) → 「これまでの観客はサークルの友人や先輩後輩ばかりで、外部の学生に全く宣伝できていないことが課題でした。」
- (目標:ゼミで上位3位入賞) → 「発表準備に必要な文献調査の量が膨大でした。ところが、メンバー間のモチベーションに差があり、協力体制を築けていないことが課題でした。」
やみくもに行動するのではなく、「課題」を見つけてそれを解決するために行動したという経験は、ビジネスにおいても非常に重要なスキルです。課題をどこに置いて活動したのか教えてください。
【ステップ4】施策:その壁を、どうやって乗り越えたか
課題が明確になったら、その壁を乗り越えるために「どのように行動したか」を具体的に記述します。
ここでのポイントは、「頑張りました」「説得しました」で終わらせず、課題解決までのプロセスを説明することです。なぜその行動を取ろうと思ったのか、その背景にあるあなたの「仮説」まで踏み込んで書けると、より説得力が増します。
<施策の例>
- (課題:アイドルタイムの集客減) → 「店舗の近隣には大学が複数あるため、授業を終えた学生を取り込めれば売上が伸びるのではないか、と仮説を立てました。そこで、学生限定で『15時以降の来店でドリンク1杯無料』という学割サービスの導入を店長に提案し、実行しました。」
上記のように、「課題」に対して「仮説」を立て、「具体的な行動」を起こした、という一連の流れを記述することで、採用担当者は「この学生は順序立てて考え、論理的に思考できる人だ」と評価します。仮説までは考えていなかったという方は、課題解決のために具体的に行動したことを説明してください。
【ステップ5】成長:この経験を通じて、何を学んだか
5ステップの最後は、当初立てた目標が達成できたかどうかと、そこからあなたが何を学び、どう「成長」できたかで締めくくります。
まずは、ステップ4で実行した施策の結果、目標を達成できたのかを正直に書きましょう。 ここでのポイントですが、目標を達成できたかどうかは、実はそれほど重要ではないです。
重要なのは、その結果を受けて、あなた自身が何を学んだかです。
<学び・成長の例>
「結果として、売上は5%アップにとどまり、目標とした10%には届きませんでした。しかしこの経験から、1つのアプローチ方法だけ考えるのではなく、複数の戦略を同時並行で実施しないと大きく数値を変化させることはできないと学ぶことができました。」
現状を分析して課題を特定し、解決のための仮説を立てて行動に移すという、課題解決のプロセスを実践的に学ぶことができました。」
このように、今後に活かせる学びを自分の言葉で語ってください。「〇〇というスキルが身についた」や、「〇〇の大切さを学んだ」といった成長したこと、学んだことを記載してください。
5ステップ通りに書けない場合はどうするの?
ここまで読んで、「自分の経験は、こんなに綺麗なストーリーにならない…」と思った方、ご安心ください。誰もが上記の5ステップを完璧に押さえたエピソードを持っているわけではありません。要点を捉えていれば、あなたの魅力は必ず伝わります。
具体的な数値目標がなければ、掘り下げた目標を記載する
「数値目標を立てて活動していなかった」という方も多いでしょう。その場合は、目標の解像度を上げることを意識してください。 つまり、「どんな状態になること」を目指していたのか、具体的な行動レベルまで掘り下げて記述するのです。
自己満足で終わってしまいがちな、あまり良くない目標の例を見てみましょう。
<ESで記載するには適していない目標の例>
- 「自分が主催したライブで、良い演奏をする」
- 「スーパーのアルバイトを通じてコミュニケーション力を磨く」
これらの目標は、評価基準が自分の中にしかなく、達成できたかどうかが客観的に分かりません。 これを、以下のように言い換えてみましょう。
<改善後の目標の例>
- 「主催ライブで、終演後のお客様アンケートで10名以上から『また来たい』という評価をもらえるように、演奏スキルを向上させる」
- 「スーパーのアルバイトを通じて、困っている様子のお客様がいたら、躊躇せず自分からお声がけできるコミュニケーション力を身につける」
このように目標を具体的に記述するだけで、あなたが何を目指して行動していたのかが、格段に伝わりやすくなります。
課題が見つからないときは、自分が経験した壁を記載する。
明確な目標を立てていなかった場合、課題も特定しにくいかもしれません。 その場合は、「課題」という言葉に固執せず、活動の中で「最も苦労したこと」や「試行錯誤した経験」を記入しましょう。
どんな活動でも、最初からすべてが順風満帆に進むことはないはずです。 その壁を乗り越えるために、あなたがどのように考え、工夫し、行動したのかを説明できれば、それも「課題解決」のエピソードといえるでしょう。
重要なのは目標を達成したかではない
繰り返しになりますが、採用担当者が最も知りたいのは、「どういう経験をしたか」、「そこで何を考えどういう行動したか」、そして「何を感じたか」です。 華々しい成功体験である必要は全くありません。 むしろ、失敗から学んだ経験や、目標達成のために諦めずに努力を続けた経験がある方が、ビジネスの場において活躍できる素養があると思います。
採用担当者は「既に完成された人材」ではなく「入社後に様々な壁を乗り越えて成長し続ける人材」を探しています。ですから、成功エピソードにこだわらず、あなたが最も時間をかけ、情熱を注いだ経験を、自信を持って語ってください。
そもそもガクチカって何で聞くの?
ここで少し、採用担当者の裏側をお話しします。そもそも、新卒採用でなぜ企業はガクチカについて質問するのでしょうか。
正直な私の考えをお伝えすると、他にこれといって聞くことがないからというのが本質的な理由の一つです。
社会人経験のある方の採用であれば、前職での業務内容や実績を聞くことで、その人が自社で活躍できるかをある程度判断できます。 しかし学生時代の経験を、社会人の経験と同じ指標・同じ水準で優劣をつけることはできません。なぜなら置かれた条件がまったく異なるからです。
そこで私たちは、仕事の経験の代わりとして、あなたが学生時代に力を入れたことをお聞きします。そして、そのエピソードから見えるあなたの行動特性(主体性、順序立てて考える力、粘り強さなど)を理解し、「この人は、入社後も同じように考えて行動し、活躍してくれそうか」を見極めているのです。
つまり、採用担当者はガクチカを通して「何をしたか」よりも「どんな考えで行動したか?」そして「何を感じたか?」を知ろうとしています。
ガクチカは5ステップに沿って、具体的にかつ正直に記載しましょう。
これまで5つのステップを解説しましたが、全体を通して最も重要なのは『具体的に、そして正直に書く』ことです。
- 経験したことはすごくなくてもいい。ただし具体的に書く。それが採用担当者に刺さる。
派手なエピソードや、誰もが驚くような実績は必要ありません。ありきたりに見える経験でも、あなた自身が考え、悩み、行動し、感じたことを記載すれば、それはあなただけのオリジナルストーリーになり、採用担当者から高評価を得られます。
ちなみに、我々Web広告の仕事は、まさにこの記事で解説した「目標設定→課題発見→仮説設定→改善」を日々繰り返すお仕事です。
この記事を読んで、「こんなに正直な記事を書いている人に興味を持った」という方はぜひ一度、私たちの会社説明会にお越しください。この記事を書いた採用担当者が登壇して、広告業界のこと、Web広告代理店の具体的な仕事内容について、詳しくそして正直にお話しさせていただきます。
お気軽にご参加ください。
▼会社説明会の予約・エントリーはこちらから (マイナビのリンクを挿入)







