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2025.10.16 更新
2025.10.16 更新

インスタグラム(Instagram)広告の成果を下げる9つの要因 AIの機械学習を阻害しないためにすべきこと

Written By
N.F.

コンテンツプランナー

Instagram広告(インスタ広告)の成果が良くない場合に考えられる要因は、クリエイティブやターゲティング・アカウント設計などたくさんあります。中でも多い要因は「MetaのAIの学習を阻害している」ことです。
本記事では、Instagram広告の成果を改善する際に確認すべき9つのポイントをまとめました。

なにを「成果」と捉えるかは広告の目的によって異なりますが、今回はコンバージョン獲得目的のアカウント設計をメインに解説します。

記事に掲載していない要因とその改善案も含む20項目のチェックリストを、下記より無料でダウンロードいただけます。あわせてご活用ください。

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前提:Instagram広告アカウントの基本構造

Instagram広告のアカウント構造を理解しましょう。アカウントは以下の3つの階層で構成されています。それぞれの役割を把握しておくと、問題点の特定が容易になります。

  1. キャンペーン
    広告活動全体の「目的(例:売上、リード獲得)」や予算(キャンペーン予算の最適化利用時)を設定する最上位の階層
  2. 広告セット
    ターゲットオーディエンス、配信期間、予算(広告セット予算利用時)、配信面(配置)などを設定する
  3. 広告
    ユーザーが実際に目にする画像、動画、テキスト、リンク先などを設定する最下層

要因➀キャンペーンの「目的」がビジネスのゴールと一致していない

Instagram広告の成果を最大化する上で、キャンペーンの「目的」設定は最も重要です。ここで想定しているゴールと異なる目的を選択してしまうと、MetaのAIは想定とは異なる方向に最適化を進めてしまいます。

例えば、「商品の購入」を増やしたい場合に「トラフィック(ウェブサイトへのアクセス)」目的でキャンペーンを実施してしまうケースがあります。「トラフィック」目的では、リンクを最もクリックしやすいユーザーに広告が配信されますが、そのユーザーが商品を購入する可能性が高いとは限りません。

現在、コンバージョン獲得を目指しているにもかかわらず「トラフィック」や「エンゲージメント」目的のキャンペーンを運用している場合は、直ちに「売上」または「リード」目的のキャンペーンを新規に作成して切り替えることをおすすめします。

キャンペーン目的については下記の記事で詳しく解説しています。自社に合った目的を選択する際の参考としてお役立てください。

要因②機械学習に必要なデータが分散している

目的が同じであるにもかかわらず、ターゲットの性別や年齢、興味関心などでキャンペーンを複数作成したり、一つのキャンペーン内に多数の広告セットを作成したりすると、予算とデータが分散してしまいます。その結果、機械学習に必要なデータが蓄積されなくなり、Metaの強みであるAIによる最適化を活かしきれなくなってしまうおそれがあります。

Meta広告のAIが広告の最適化を進めるには、1つの広告セットで「1週間に50件程度」のコンバージョンデータが必要とされています。アカウント構成が複雑すぎると各広告セットに十分なデータが蓄積されず、AIはどのユーザーに配信すれば成果が出るのかを判断できません。

現在運用中のアカウントで、同一目的のキャンペーンが複数存在する場合や、コンバージョン数が週に50件に満たない広告セットが多数ある場合は、アカウント構成の見直しをおすすめします。

アカウント構造改善のコツ
①キャンペーンの統合
同一目的のキャンペーンは、原則として1つにまとめましょう。 ターゲットの違いは、広告セットレベルで管理します。
広告セットの統合
ターゲット設定が細かすぎる広告セットは、より大きなオーディエンスグループに統合しましょう。(例:「20代女性・ファッション好き」「30代女性・コスメ好き」を「20~30代女性・美容好き」にまとめる)
③キャンペーン予算の最適化
キャンペーンを統合した上でこの機能をONにすると、最も成果の良い広告セットに対して予算が自動的に多く配分され、キャンペーン全体の成果を最大化できます。

要因③クリエイティブのテストと改善が不足している

Instagramは写真や動画の共有がメインのSNSであるため、クリエイティブの良し悪しが大きく成果を左右します。
同じクリエイティブを長期間配信し続けると、ユーザーに飽きられ、広告効果が徐々に低下するいわゆる「クリエイティブの摩耗」が起きます。また、1つの広告セットに1〜2種類の広告しか入稿していない場合、AIがテストできる選択肢が少なく、最適化の機会を逃してしまいます。
成果を継続的に出すためには、定期的にクリエイティブをテストし、常に成果が良いものを中心に配信できるようにしましょう。

テストのコツ
①複数のフォーマットを用意する
静止画(バナー)、動画、カルーセル、コレクションなど、多様なフォーマットの広告を入稿しましょう。AIが各フォーマットのパフォーマンスを評価し、最も効果的なものを自動的に優先します。
広告数は3〜5点が目安
1つの広告セットあたり、3〜5点の異なるクリエイティブを入稿することをおすすめします。広告数が多すぎると、学習に必要なデータが分散してしまう可能性があるため要注意です。
③定期的に入れ替える
パフォーマンスが低下したクリエイティブは停止→新しいクリエイティブを追加する、というサイクルを作りましょう。成果の良いクリエイティブの要素(例:キャッチコピー、画像構成)を分析し、それを基に新しいパターンを作成することをおすすめします。

要因④オーディエンスを過度に絞り込みすぎている

コンバージョンする可能性の高いユーザーにだけ広告を届けたいという思いから、興味関心や年齢、地域などでターゲットを細かく設定してしまうことがあります。これはかえってAIの能力を制限し、成果を悪化させている可能性があるため非推奨です。
ターゲットを過度に絞り込むと、配信対象となるユーザー数が減少し、CPAが高くなります。また、AIが「コンバージョンする可能性のある優良顧客」を見つける機会も減ってしまいます。

Instagram広告の配信では「ブロードターゲティング」を積極的に活用しましょう。年齢や性別、地域といった基本的な設定のみを行い、興味関心などの詳細ターゲット設定を一切行わない手法です。そのうえで、どうしても成果が悪い配信先を停止するなど”引き算”で運用することをおすすめします。

【コラム】ターゲティングは結局ブロード!

広告運用コンサルタント W.S.

細かい設定は行わず年齢・性別・地域のみを指定する「ブロード配信」が一番おすすめです!興味関心ターゲティング・ライフステージターゲティング・ブロード配信の3パターンで広告を配信していますが、ブロードの成果が最も良いです。MetaのAIは非常に優秀なので、特に一定数以上のコンバージョンを安定して獲得している(=機械学習に必要なデータが集まる)ような広告はブロード配信の成果が良くなりやすいです。逆に、月に獲得できるコンバージョンが少ないときはある程度絞ったほうがいい場合もあります。

要因⑤広告設定を頻繁に編集している

成果がすぐに出ないからといって、頻繁にターゲットやクリエイティブを変更するのは非推奨です。
広告セットは配信開始後、「学習期間」と呼ばれる段階に入ります。この期間中にAIは”どのようなユーザーに広告を配信すればコンバージョンにつながるか”をテストしながら学習します。この重要な期間に設定を頻繁に変更すると、学習がリセットされてしまい、いつまで経っても最適化が完了しません。

目安として、1つの広告セットで7日以内に約50件のコンバージョンが獲得されると、学習期間が終了し、パフォーマンスが安定期に入る傾向にあります。大きな設定ミスがない限りは、それまで設定を変えずに待ちましょう。

また、広告マネージャの「配信」列を見れば、広告セットが学習中かどうか確認できます。「学習中」のステータスが長く続く場合は、予算やコンバージョン数が不足しているかもしれません。

要因⑥コンバージョンイベントの設計が不適切

コンバージョン獲得を目的とするキャンペーンにおいて「何をコンバージョンとするか」というイベントの定義は極めて重要です。この設定が曖昧だと、AIは間違ったゴールに向かってしまいます。

例えば、ECサイトの最終ゴールが「購入完了」であるにもかかわらず、「カート追加」をコンバージョンイベントとしているケースがあります。”カートには追加するものの購入には至らないユーザー”が多く集まり、売上に繋がりません。ECサイトなら「購入」、BtoBサービスなら「問い合わせ完了」や「資料請求完了」など、広告主の目標に直結するアクションを最適化の対象にしましょう。

もしコンバージョン数が少なく、学習に必要な週50件の獲得が難しい場合は、その一つ手前のアクション(例:「購入手続き開始」「フォーム入力ページ到達」)をコンバージョンポイントとすることを検討しましょう(=マイクロコンバージョン)。学習が進み、結果として本来の目的であるコンバージョンの件数も増加する可能性があります。

要因⑦予算が不十分

当たり前ではありますが、広告配信に使う予算が足りないと配信される範囲が狭くなり、コンバージョンを1件獲得する前に使い切ってしまうおそれがあります。
目標コンバージョン単価(=コンバージョン1件あたりいくらで獲得したいか)がわかれば、おおよその月に必要な予算額が算出できます。目標コンバージョン単価×コンバージョン50件=1週間に必要な金額です。目標CPAが5,000円であれば、1週間に必要な予算は 5,000円×50件=250,000円、1日あたり約36,000円の予算が必要、ということになります。
目標コンバージョン単価は、商品の価格やROASなどを考慮して設定します。

要因⑧コンバージョンAPI(CAPI)が未導入

iOSの利用者がターゲットに含まれている場合、iOS14.5以降のプライバシーポリシー変更により、ブラウザ経由のデータ計測(Metaピクセル)だけでは正確なコンバージョンデータを捉えきれなくなっています。Metaピクセルのみでは、Cookieをブロックしているユーザーや、iOSデバイスのユーザーからのコンバージョンデータが計測されません。実際のコンバージョン数よりも少ない数値が報告され、AIは不完全な情報で学習を行うことになってしまいます。

イベントマネージャで現在の設定を確認し、もしコンバージョンAPIが未導入であれば導入を進めましょう。導入には専門的な知識が必要な場合もありますが、Shopifyなど一部のプラットフォームでは比較的簡単に設定できます。自社での対応が難しい場合は、下記よりプライムナンバーズまでお問い合わせください。

要因⑨「Advantage+ 配置」を活用していない

Instagram広告に絞って配信するのも悪くはない戦略ですが、MetaのAIは優秀なので、FacebookやMessenger、Audience Networkといった他の配信面を含めて最適化すると成果が改善する可能性があります。
「Advantage+ 配置」は、入稿した広告をInstagram以外を含むMeta広告のあらゆる面に配信を試みてくれる機能です。Metaの広告配信システムは、すべての配置(配信面)の中からその時々で最も安くコンバージョンを獲得できる可能性が高いと判断した面に広告を自動で配信します。その結果他の面で安くコンバージョンが獲れたのであればそれを活用すればよいですし、やはりInstagramのみが成果が良い場合はInstagramのみの配信に戻せばよいです。

【コラム】成果が出やすい配信先はある?

広告運用コンサルタント W.S.

商材にもよりますが、たいてい獲得しやすいのはフィードです。ただ、だからといってフィードだけに絞って配信するのはおすすめしません。
Advantage+配置を使って、Instagram、Facebook、ThreadsなどMetaのすべての面に出したほうがよいです。MetaのAIは非常に優秀なので、配信先の選定も任せてしまうのがおすすめです。

Instagram広告ではとにかくAIを活用すべし!

MetaのAIは非常に優秀で、AIによる配信の最適化を最大限に活用できるかが成果を左右します。豊富な配信データが得られる状態にして、AIの動きを阻害しないことが重要です。
自社の広告設定の多くを手動で行っている場合は、少しずつ緩和してAIの最適化を活用しましょう。

プライムナンバーズでは、Instagramを始めとするSNS広告やWeb広告全般の運用・成果改善を承っております。

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N.F.

コンテンツプランナー

広告運用コンサルタントとして新卒入社後、コンテンツプランナーに変身した。運用経験を活かしたコンテンツを制作できるよう日々奮闘中。好きなお菓子は知育菓子、好きなしらすは釜揚げ。右利き。「文中に余計な挿絵を入れたい」という衝動を常に抑え、真面目に執筆している。入ってたら抑えられなかったんだなと思ってください。