GDNとYDA (YDN)の違いとは?配信面・ターゲティング・クリエイティブを徹底比較
WEBサイト閲覧時に画像・動画形式で広告が表示されるのが「ディスプレイ広告」です。ディスプレイ広告の主要な媒体として、Googleディスプレイネットワーク(以下、GDN)とYahooディスプレイネットワーク(以下、YDN。現在は「Yahoo!ディスプレイ広告(YDA)」)が挙げられます。
2つあるのはわかったけどどっちがいいの?どっちに広告出すべきとお悩みの広告主の方向けに、当記事で両者の大まかな違いを解説いたします。これからディスプレイ広告を始めてみたいと広告主の方は、是非ご一読ください。
※補足※
GDNはGoogleディスプレイネットワーク、YDNはYahoo!ディスプレイアドネットワークの略称です。またYDNは現在Yahoo!ディスプレイ広告(YDA)に媒体呼称が変更されておりますが、YDNの呼称の方が一般的なため、当記事ではYDNと表記させていただきます。
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目次
広告の配信面の違い
GDN・YDNとはアドネットワークと呼ばれる広告配信システムの一種になります。
アドネットワークとは「複数の広告配信媒体(Webサイトやソーシャルメディア、ブログ等)を集めて広告配信ネットワークを形成することで、複数のサイトに同時に配信する仕組み」です。アドネットワークができるまでは、希望する広告の配信先一つ一つに広告出稿依頼をするのは、多くの手間と労力が必要でした。広告配信先を一まとめにしたアドネットワークの登場によりその手間が解消され、広告主は気軽に広告配信を行うことができるようになりました。
GDN・YDNはそれぞれ独自のアドネットワークを持っておりますので、広告の配信先に違いが生じるようになります。以下でそれぞれの代表的な配信先を紹介いたいます。
■GDNの主な配信先
Googleを母体としたGoogleLCCが運用する以下のサービスを配信先として持っています。
・YouTube
・Gmail
それぞれが世界最大級の動画サイト・メールサービスですので、多くのユーザーが見るメディアが配信先にあるというのはGDNの大きな魅力であるといえます。
Googleのパートナーである以下のWEBサイトにも広告が表示されます。GDNの配信先は200万以上と言われており、世界最大級のアドネットワークになります。
・楽天
・BIGLOBE
・Ameba
・価格.com
・ニコニコ動画 など
また、WEBサイトだけでなくアプリにも広告が配信されます。Google が管理する65万種ともいわれる多種多様なアプリ内にも配信されるため、莫大なスマートフォンでの表示シェアを持っていると言えるでしょう。こちらはアドモブという、モバイルアプリに特化した広告配信サービスを利用して配信されております。
■YDNの主な配信先
YDNの主な配信先はYahooJapanが提供するサイトになります。主なものとしては、
・YahooJapanトップページ
・Yahooニュース
・Yahoo天気
・Yahooメール
Yahoo以外のパートナーサイトでは、以下のサイトが代表的な配信先となります。
※Yahooディスプレイ広告パートナー一覧
一纏めに限定はできませんが、YouTubeやアプリの配信面を多く持つGDNはスマートフォンユーザーへの配信に優位性をもち、YDNはYahooのサービスを日常的に開く(インターネットの標準TOPに設定している)中年齢層~高年齢層のユーザーへの配信することに優れているといえるかもしれません。
ブランドイメージの安全性(ブランドセーフティー)
ブランドセーフティーについては、WEB広告検討時に既に心配されている方もいらっしゃると思います。そもそもブランドセーフティーとは「広告掲載先の品質確保による広告主ブランドの安全性」のことを指します。
アドネットワークの登場により、カンタンに豊富なサイトに広告を配信することができるようになった反面、一つ一つの広告配信先を管理することは難しくなってしまいました。その結果、広告掲載先にある不適切な記事やコンテンツと合わせて広告が表示されると広告主のブランドイメージの毀損につながってしまう危険性が生じるようになりました。例を挙げると、反社会的思想や反政治的な思想の強いページに広告が配信されることで、広告主も反社会的・反政治的な思想を抱いているとユーザーが誤認する可能性があるということです。
そのため、不適切なサイトに広告を配信しないよう、GDN・YDNとしてはそれぞれ固有の対策を取っております。配信面の特徴と対策を一覧にしたものが以下になります。
媒体 | GDN(Google Display) | YDN(Yahoo Display) |
配信先の特徴 | 個人サイト・法人サイト アプリ・Youtube | 法人サイト・アプリのみ |
未対策時の危険性 (相対評価) | 大 | 小 |
掲載面の除外 (プレースメント除外) | 〇 | 〇 |
コンテンツ除外 | 〇 | × |
IPアドレスの除外 | 〇 | × |
■GDNのブランドセーフティー対策
GDNでは個人ブログを含む200万のWEBサイトや、個人で自由に動画がアップロードできるYoutubeがあるため、配信開始時になんの対策も取らないとブランドセーフティーの観点からは非常に危険といえます。その分GDNだけが持つ対策も存在します。
➀掲載面の除外
GDNでは、URL指定による除外のほかYoutube・アプリへの配信も除外することができます。
②コンテンツの除外
Googleがカテゴリ化したコンテンツ分類別で指定することができます。デリケートなコンテンツやアダルト・成人向けのコンテンツなどを除外することができます。
③IPアドレスの除外
こちらは本来、自社スタッフによる検索行動時に広告を表示させなくするといった用途で使用しますが、インターネット上の特定の地域に配信出来なくするといった方法になります。
■YDNのブランドセーフティー対策
YDNはもともと法人のみのサイト・アプリに配信されるため、未対策時の危険性で言えばGDNより小さくなります。現在、YDNで用意されている対策は以下になります。
- 掲載面の除外
GDN同様、指定したURLを配信対象から除外することで対策することができます。
いずれの媒体でも掲載面の除外を使用できますが、掲載したくないWEBサイトないしアプリのURLを決めておく必要があります。広告代理店であれば、著作権などに違反するサイトの除外一覧を持っており対策はされると思いますが、広告主側も配信開始された際は配信先のリストを確認することが望ましいでしょう。
ターゲティングの違い
それぞれのアドネットワークには、特定のユーザーや配信先をターゲットして、条件にあったユーザー。配信先のみに広告を配信することができます。例えば「18歳から30歳までの女性限定に絞った配信」や、「個人宅を建てることに興味を持つ東京都在住の男性」、などです。このターゲティングもGDN・YDNそれぞれで違いがあります。
以下の表は、GDN・YDNで設定できる主なターゲットの一覧です。
結論から申し上げると、海外への配信を行う、もしくは日本国内含め外国語での配信を行うのであればGDN一択、日本国内への配信であればほとんどのターゲットが共通して行える。と考えてよいでしょう。
それぞれの媒体で特徴的なターゲティング
先ほどの表で紹介したGDN・YDNのターゲティングの中で、特徴的なターゲティングの設定ができるものをいくつかご紹介させていただきます。
■GDN:(カスタム)インテント・(カスタム)アフィニティ
Googleには特定の商材・サービスについて、購買意欲の高いユーザー層へ配信する「インテント」と、興味・関心の高いユーザー層へ配信する「アフィニティ」という、ターゲティングがあります。興味・関心は、映画好き・グルメ・ジャズファンのようにおおまかな興味関心をしめすユーザーへの配信となるのに対し、購買意欲の高いユーザー層は、興味関心より一歩進んで実際に購買行動・検索行動をしているユーザーへ配信することができます。Googleが用意してある商材サービスのカテゴリからターゲットを選択できるので、ご自身のサービス近しいカテゴリがあれば試してみるのもよいでしょう。
また、インテント・アフィニティのカテゴリにはない、更にニッチな商材・サービスを宣伝する際は、オリジナルのターゲットをカスタムで作ることができる機能もあります。具体的には、キーワード・URLを指定することで、そのキーワードを検索するユーザー・URLを閲覧するユーザーのリストを作ることができます。こちらも試す価値は高いと言えるでしょう。
■YDN:サーチキーワード
サーチキーワードとは、設定したキーワードをYahoo検索で検索したユーザーにYDNの広告を配信できるシステムです。検索画面ではなく、サイト閲覧時にバナーなどで訴求することができるのが魅力です。検索広告と併用して利用される方も多くいます。注意点として、設定できるキーワードは限りがあります。一定数の検索ボリュームがあるキーワードをYahoo側がリスト化しているので、そのリストにあるキーワードのみターゲットできまっす。つまり、検索ボリュームの少ないニッチなキーワードであれば、この機能ではターゲティングできないことになります。
※サーチキーワードのシステム
参照)Yahoo広告ヘルプ
使用できる画像の違い
それぞれのアドネットワークでは、使用できる画像サイズや容量にも違いがあります。せっかく作った画像が設定できなかったという悲しい結果にならないよう事前に確認しておく方がよいでしょう。
バナー広告画像サイズ一覧
ここでは画像のみで掲載するバナー広告のサイズを一覧で紹介します。GDNは設定できるバナーの数が非常に多いのがわかると思います。黄色部分で占めたものがGDN・YDN共通で使用可能のバナーであり、多くの場合利用されるバナーサイズになります。
レスポンシブディスプレイ広告サイズ・注意点一覧
レスポンシブディスプレイ広告とは、掲載先の広告枠のサイズに応じて自動的に広告の掲載内容を最適化して配信するシステムです。あらかじめ、バナーとテキスト文を入稿しておけば、配信面に合わせてもっともクリックが取りやすい形に広告が自動化されるメリットがあり、バナーを複数作ることが難しい場合は最低限こちらのみ設定することもあります。
このレスポンシブディスプレイ広告の仕様もそれぞれ違いがあります。以下の表はそれをまとめたものです。
基本的には、ピクセルサイズで横長1200×628、正方形300×300を用意すれば、簡単にどちらにも使用できるため先ほどのバナー広告に比べ、ディスプレイ広告を初めて導入する上でおすすめです。
GDN・YDNの成果の違い
GDN,YDNについては、成果でも違いが生じます。ここでは、クリック率とクリック単価の成果の違いについてご紹介させていただきます。
下記の表は、GDN/YDNで同期間、同予算、同ターゲットで広告を配信した際のクリック率とクリック単価の成果レポートです。
■GDN/YDN配信レポート
媒体 | クリック率 | クリック単価 |
GDN | 0.19% | ¥21.9 |
YDN | 0.12% | ¥28.9 |
ご覧の通り、クリック率・クリック単価ともにGDNの方が良い成果となりました。これは程度の差はあれどの案件でも、同傾向の成果となるケースが多いです。この傾向が出る要因の一つとしては、デバイスの配信割合が考えられます。比較的クリック率の多い、スマホやタブレット面への配信比率がGDNの方が高くなる傾向があるため、クリック率またクリック単価が良くなるものと考えられます。
ただクリック率の高いスマホへの配信が多いという事は、決して良い状態とは限りません。PCに比べてスマホ面は誤クリックされるケースも多いからです。気になる方はプレースメントレポートでクリック率の高い配信先を確認のうえ、実際にサイトを確認してください。
GDN・YDNどちらかで悩むならどちらもやってみるのが最適解
GDN・YDNの違いについて解説させていただきました。どちらで配信をするのが良いかという質問に対しての、WEB広告代理店としての回答は「どちらもやってみる」となります。
ここまで記載したように基本的なターゲット方法やバナーなどの下準備に大きな違いはありません。配信先はそれぞれ大きく異なりますが、GDN・YDNどちらの方が良いというのは試してみないとわからない部分があります。むしろ片方の媒体だけ配信するで、もう一方の媒体だけでリーチできるユーザーへの広告配信機会を損失することになります。
GDN・YDNは最低出稿金額とかはなく、いつでも広告予算の変更や広告の停止等の対応ができます。そのため、まずはどちらも配信を行い、成果を見て予算振りを考えていくことが、最適な手法です。
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