Blogブログ
2020.11.02

クリック率(CTR)は下がっても大丈夫。クリック率の正しい見方とは?

 クリック率って、レポートの指標にも必ず出てくるし、数値が下がると気になりませんか?

 広告の成果を見る際に、ついついクリック率の変動ばかり見てしまいがちですが、実はクリック率が下がったからといって、気にしすぎる必要はありませんよ!それどころか、成果を改善するために敢えてクリック率を下げる施策を打つことだってあるのです。

 もっと言ってしまえば、代理店から受ける「クリック率が上がりましたよ!」という報告に一喜一憂しすぎてはいけません。そこには、クリック率が上がったことにフォーカスすることで、とにかく成果を良く見せたいという代理店の思惑が潜んでいるケースも…。

 本記事では、『クリック率の正しい見方』を教えます。

クリック率の変動に一喜一憂し過ぎてはいけない。重要な指標は他にあり

 まず大前提として、広告を打つ際には限られた予算でいかに効率良く目的を達成するかが重要です。

 例えば獲得を目的としたキャンペーンで、以下のような結果の場合はいかがでしょうか。

【検索広告(指名系)】※獲得目的

 クリック率に着目すると、前月よりクリック率が上がったので、広告効果が上がったと思うかもしれません。でも、これは広告の成果が上がったのでしょうか?それとも下がったのでしょうか?

 答えは後者です。この場合の広告目的は獲得ですので、重要な指標はコンバージョン(以下、CV)数または、獲得単価(以下、CPA)になります。CVは前月より低下し、CPAは前月より増加と重要な指標は悪くなっております。もしこの結果を見て、クリック率が上がったから良いというコメントを代理店が言ってきたら、代理店の対応を疑った方がよいでしょう。

 クリック率はちょっとした施策を打つことで数値が変動しやすいため、クリック率が上がっていると一見成果が出ているように思ってしまいがちですが、実際は広告目的に対して成果が悪くなっていることがあります。

 逆に、例えクリック率が下がっていても、CV数が減ったりCPAが高くなっていなければ、広告成果の部分で見るとまったく問題ないと言えます。

クリック率が下がっても成果が改善された施策事例

 成果を改善するために敢えてクリック率を下げる施策を打つこともあると、序文で少し触れましたが、具体的にはどのような施策があるのでしょうか。ここでは、クリック率が下がっても広告全体の成果が改善された施策例を一部挙げてさせていただきます。

【施策①】キーワードの入札金額を下げた

<事例>

■CPAが高いキーワードの入札金額を抑える調整をおこなった。

 獲得目的のキャンペーンにおいて、CPAが高いキーワードの入札を抑えることで、広告全体のCPAを下げることを目的とした事例です。 以下の表で、月ごとの結果を見ながら成果がどうだったのかを考えてみましょう。

【キーワードAの配信成果】

 行った施策は、CPAの高いキーワードAの入札を弱めることで、CPAの抑制を図るというものです。そして上記の表は、コスト面でも大きな割合を占めており且つCPAが高かったキーワードAの2ヵ月間の配信結果例です。

 表のクリック率を比較すると、入札を大きく弱めたことで掲載順位が下がり、その結果大きく下がっております。一方でCPAを比較すると、入札を弱めたことが功を奏し前月より6,667円減少しております。

 このケースではクリック率は下がりましたが、本来の目的であるCPAを下げることには成功したので、施策は成功といえるでしょう。この結果をクリック率の減少に注目してしまうと、間違った判断をすることになるでしょう。

【施策②】新しいキーワードを追加

<事例>

■獲得が見込めるキーワードを新たに追加した。

 検索広告において、競合は多いが獲得が見込めるキーワードを新たに追加することで、CV数の底上げを図った事例です。

以下の表で、月ごとの結果を見ながら成果がどうだったのかを考えてみましょう。

【検索広告全体の成果】

【新規キーワードの広告成果】 

 行った施策は、検索広告においてCVが見込めそうなキーワードを追加することで、CV数の底上げを図ることです。表は、検索広告全体の2か月間の掲載結果の例と、追加したキーワードの掲載結果例です。

 追加したキーワードが競合の多いキーワードであったためクリック率が低くなり、その結果検索広告全体のクリック率も前月より大きく減少しました。しかし新規キーワードで3件のCVが獲得できており、CV数の底上げに成功しております。

 この例ではクリック率は下がりましたが、検索広告全体のCV数が増加したため施策としては成功といえるでしょう。この例もクリック率の減少に着目してしまうと、施策の評価を誤る結果になるでしょう。

【施策③】ディスプレイ広告の配信比率を上げた

<事例>

■ディスプレイ広告の成果が好調だったため、検索広告の配信量を抑えて、その分の予算をディスプレイ広告に回した。

 検索広告とディスプレイ広告の両方を使っている場合で、それぞれの配信比率を調整した場合の事例です。

 結果については以下の表をご覧ください。

【全体成果】

【前月:配信メニュー別全体成果】

【当月:配信メニュー別全体成果】

 行った施策は、CPAの低いディスプレイ広告の配信比率を増やすことで、CPAの抑制を図りCV数の増加を図るというものです。表は検索広告、ディスプレイ広告の前月・当月の配信結果と、広告全体の前月・当月の配信結果です。

 全体成果を見ると、前月より大きくクリック率が下がっております。これはクリック率の高い検索広告の配信比率が下がり、クリック率の低いディスプレイ広告の配信比率が上がったからです。

 そして重要なCV数ですが、CPAの低いディスプレイ広告でのCV数が増えたことにより、前月と同予算で全体のCV数を1増やすことに成功しました。

 この例でもクリック率は下がりましたが、それは配信メニューの配信比率を下げたことが要因であり重要な問題ではありません。全体のCV数が上がったことが重要であるため、この施策も成功といえるでしょう。

 これらの施策例のとおり、クリック率が下がっていても、CVやCPAなどの重要な指標は改善されているケースはよくあります。広告主の皆さまは、クリック率を上げるために広告を打っているわけではありませんよね?ですので、クリック率の変動に惑わされず、本来の目的は何であるかを間違わないようにしてください。

クリック率って何に使うの? クリック率の正しい見方とは

 獲得目的の場合において、クリック率はそれほど重要視する必要はないとお伝えしてきました。では、クリック率はどんな時に使えばよいのでしょうか。

 結論から言うと、クリック率は広告文やクリエイティブの「ABテスト」をする際に使います。

 以下の表は同じ期間で同じ条件のもと配信した広告Aと広告Bの広告別レポートです。

【広告別レポート】

 2つの広告を比較すると、Aの広告の方がBの広告よりも、クリック率が2.0%程度高い結果になっており、CPAで見てもAの方が低くなっており優秀と言えるでしょう。

 リスティング広告において、クリック率は高い方が望ましいです。クリック率が高い=ユーザーにとっての利便性が高いと媒体が判断し、表示機会が増えやすいです。またクリック率が高いほど、媒体から与えられる広告の評価もあがり、クリック単価を低く抑えることができます。

 クリック率が高いと言いことづくしのため、リスティング広告では高いクリック率を維持する必要があります。しかし残念ながらどんな広告のクリック率が良いかは試してみないとわからないです。そのため複数の広告を入稿し、クリック率が良い広告を検証することが必要になります。

 以上の点から、クリック率は広告の検証をする際には非常に重要な指標となります。

クリック率が変動している場合は、注意が必要

 ここまでクリック率そのもの自体は、あまり重要ではないとお伝えいたしました。しかし特に大きな設定変更もしていないのに、クリック率が大きく変動しているという場合は注意が必要です。それは以下のような事象が起こっていると考えられるからです。

① 検索広告のクリック率が大きく低下している場合

考えられる理由=競合の入札状況が変わった。または競合の広告文が変わったなど

 現在入稿しているキーワードにおいて競合が入札を強めたり、クリック率の高い広告文に変更したことなどにより、自社広告の掲載順位が下がっている可能性があります。この状態が続くと、該当キーワードにおいて競合にクリック及びCVを取られてしまうという懸念があります。

<確認すること>

■検索画面で検索して、実際に出てくる広告を確かめる

 Googleの場合は「オークション分析レポート」という、指定したキーワードにおいて競合の入札状況がわかるツールがあります。オークション分析レポートで、確認したいキーワードの競合との広告表示のシェア率が落ちていないかを確認しましょう。

 また、実際に検索することも大切です。該当のキーワードを検索して、競合の広告出稿状況や広告がどんな訴求をしているか確認しましょう。

② ディスプレイ広告のクリック率が大きく変動している場合

考えられる理由=特定のプレースメントの配信が増えている

 ディスプレイ広告でクリック率に変動があった場合は、広告が配信されたプレースメントを確認してみてください。誤クリックを誘発しやすいプレースメントへの配信が増えただけの可能性もあります。

 その場合、有効なクリックとはいえず無駄なコストがかかっているだけなので、注意が必要です。

<確認すること>

■プレースメントレポートの確認

 クリック率の高いプレースメントの配信が増えている場合は、そのサイトを実際にチェックしてみてください。もし、そのサイトが異常に広告枠が多い場合などは、広告をクリックしたくないのにしてしまっているユーザーがいる可能性が考えられます。これは有効なクリックといえないので、そのプレースメントは配信停止した方がよいでしょう。

 クリック率の変動が、競合の入札やプレースメントの変化などの広告配信状況の変化に気づくきっかけになる場合がありますので、重要な指標ではないといえ、数字が変化した場合は原因を突き詰めた方がよいでしょう。

“クリック率”に関連する下記の記事も是非ご参照ください↓

どの広告指標が重要なのか見誤らないこと

 以上クリック率について説明させていただきました。クリック率はちょっとしたことで変化しやすい指標になります。クリック率の変動は注目する必要はありますが、下がったからといって悲観する必要は全くないです。広告を配信する目的を見誤ることなく、結果に対して正しい評価をすることが非常に重要です。クリック率の変動に惑わされないようにしましょう。

 現在の広告代理店がクリック率の変動の報告ばかりしてくる場合などは、本来報告すべき指標から目をそらさせるようにしているかもしれません。思い当たる節があるという広告主や、現状の広告の配信状況について第三者からの意見が欲しいなど、WEB広告に対するお悩みは是非弊社までご相談ください。 画面右の問い合わせボタンよりご連絡ください。