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2020.06.26

月次レポートだけ見ている広告主は費用の8割を無駄にしている

 広告主の皆さまは、代理店からどれくらいの頻度でレポートをもらっていますか?週次でEXCELベースのレポートをもらって、月次で訪問に来てパワポベースのレポートをもらう。このようなケースが多いのではないでしょうか。では広告主の皆さまが代理店から提出される月次レポートを確認する際、どんなところに着目していますか?

「今月は前月よりも獲得率が上がって獲得が増えた。」

 成果が月間で出されていて、先月もしくは昨年同年月と比較して当月成果の良し悪しを判断、それを踏まえて今後の方針決定…。比較検証を行う際には、月間の進捗推移やひと月毎の成果ばかりを用いていませんか?

 しかし、そんな月間で出された成果を確認しているだけでは、実は大きな費用の無駄遣いを見落としている可能性があります。成果を確認する際の項目にも、細かく見て初めて気付ける無駄遣いが潜んでいるのです。

 定められたご予算のなかで的確なWEB広告を実施していくには、無駄になっている費用が多ければ多いほど、その精度に問題が生じてしまいます。そんな状態を脱却するべく、今一度細部までレポートを確認してみませんか?

 WEB広告を行ううえで発生しがちな無駄遣いにはどんなものがあるのか、解説していきます。

塵も積もれば無駄費用の山となる

 広告主の皆さまが、代理店から提出されている月次レポートは、どんな内容で構成されているでしょうか。

・WEB広告全体月間成果の推移(1年分)

・媒体別成果の推移(1年分)

・キャンペーン別成果の推移(1年分)

・キーワード成果(該当月分)

・広告文成果(該当月分)

これらの項目は、皆さまもよく目にしている構成でしょうか?

 WEB広告を実施するうえでは欠かせないこれらの内容も、複数のキャンペーンや訴求軸で実施しているのであれば、広告文やキーワードの数は数百個という膨大な量になってきます。それらを1つ1つ確認するにはあまりにも時間と容量が足りないため、詳細なデータは毎月の月次レポートでは提出されないこともしばしば。

 しかし、そんな細かすぎて記載がされていない、もしくは確認を疎かにしている要素が思わぬ無駄を発生させ、それらが積み重なることで大きな無駄費用になっていることがあるのです。

短期間ではみえない費用の無駄遣い

 ひと月分の成果を確認していると「獲得には繋がっていないけど少しの費用しか遣っていないからこのままで」と気にも留めていない要素はありませんか。しかし、年間を通して確認してみると、そんな『少額』が積み重なり『多額』の無駄費用になっていることがあります。

キーワード・検索クエリ成果は年間での確認が重要

 月間で見れば数百円、数千円程度の費用しか遣っておらず、WEB広告全体の獲得単価に悪影響を与えているようには見えないキーワード。しかし、年間を通して集計したものを見ると、数万円も遣っていて獲得に繋がっていない場合があります。獲得があった、クリック数が多かった。そんな成果のよいキーワードに隠れて、無駄に費用を遣ってしまっているキーワードがあるのです。

 また、着目されやすいキーワードだけでなく、ユーザーの検索語句である検索クエリにも無駄費用は発生しています。特に自社と関連のないクエリの場合は、獲得に繋がる可能性が限りなく低いので注意して確認する必要があります。

▼表1)検索クエリ 月間レポート例

 これはあるオークションサイトのクエリレポート例になります。上記のようなひと月分の検索クエリのレポートの場合は、下2つの検索クエリより上2つの獲得がある検索クエリに着目してしまいませんか?

実は下記2つのクエリは直接サービスと関連ないクエリです。(回収のサービスや中古車販売のサービスがないんです。)明らかに不要なクリックではありますが、費用も少額でクリック数も多くないため見落としてはいませんでしょうか?実はこれが無駄費用が発生するポイントなのです。

▼表2)検索クエリ 年間レポート例)

 集計期間を1年間に延ばした検索クエリのレポートを確認してみましょう。ひと月分のレポートでは、数百円の費用を遣うだけで済んでいた下2つの検索クエリが、なんと合計で8,000円以上も遣ってしまっています。直接サービスと関連のないクエリであるのにもかかわらず…この場合は「回収」「中古車」というクエリを除外して、広告を出ないように設定する必要があるでしょう。

 このような、ひと月分でみると少額のため見逃していたものの、1年間でみると成果に繋がらずに費用のみが嵩張っていく検索クエリは、実は気付いていないだけで多く隠れているのです。1つ1つは小さい費用の無駄でも、積み重なっていった結果の無駄の大きさは、WEB広告全体に悪影響を及ぼすかもしれません。

 キーワードも検索クエリも、1つ1つを見れば費用は『少額』ですが、年間など長い期間でまとめてみると費用は『多額』の無駄になっていることがあります。そのため、一定の間隔で長期間のまとめたデータを確認する必要があるのです。それを以て、キーワード停止・検索クエリ除外を行うことが、無駄費用を削減するチャンスになります。

 成果に繋がらないサイトリンクこそ影の浪費家

 費用の無駄遣いは広告表示オプションの一つである「サイトリンク」も行っている場合があります。WEB広告の要ともなる広告文。その広告文を構成する見出しと説明文の下に表示されるサイトリンクも、ユーザーの検索時に同時に表示されることがあり、同様にクリックの対象となります。

 しかし、月次レポートに取り上げられるのはやはり広告文のメインである見出しと説明文ばかりではないでしょうか。

 多くの場合、広告の表示範囲を広げることに役立ち、ユーザーの利便性も上昇させることから、利用が推奨されるサイトリンクですが、クリック率を上昇させる傍ら獲得単価に悪影響を与えている場合があるのです。

▼表3)サイトリンクレポート例

 上記のようにサイトリンク3つを比較した場合、「料金」ページへのサイトリンクはクリック率が非常に良く、クリックも多く獲得しております。しかし獲得と獲得単価に着目すると、「新規登録」「問い合わせ」のサイトリンクと獲得は同数であるにも関わらず「料金」は獲得単価がかなり高くなっています。同じ獲得数なのに特定のサイトリンクだけ掛かる費用が多い。これが無駄費用の発生ポイントです。

 この場合、検索しているユーザーの目当てが他社との料金比較を行うことであったために、手早く目的を果たせる「料金」のサイトリンクを利用してWEBサイトへ遷移したものの、内容に満足がいかず獲得に至らずに離脱したという理由が考えられます。そのため「料金」ページのサイトリンクを停止するか、可能なら料金の見直しを図ることを検討した方が良いでしょう。

 このように、サイトリンクでリンクしている場所が悪いために、成果に繋がらず無駄な費用を遣ってしまうというケースがあります。広告文の良し悪しを判断するのに加えて、サイトリンクの精査も定期的に行い、停止の判断を行うことが必要です。サイトリンクのレポートが一度も出されたことがないのであれば、広告文に隠れたサイトリンクの無駄費用の見落としがあるかもしれません。

デバイス・プレースメント個々の確認怠りが無駄費用を生み出す

 上述したように、WEB広告の要素として挙げられやすいキーワードや広告文。しかし、それ以外の要素にも無駄費用を生み出しているポイントがあります。WEB広告で配信対象となるデバイスやプレースメントごとの確認が、無駄費用を削減することに繋がります。

配信量が多くなる携帯端末は獲得がなければ大きな無駄費用の発生源

 デバイスごとの配信は確認したことがありますか?多くの配信媒体では、「PC」「SP」「タブレット」などの配信デバイスでレポートが出せます。デバイスのレポートを確認すれば、タブレット・SPへ配信が多く偏っているということもよくあります。特にディスプレイ広告などで、入札単価を低く設定していると、タブレット・SPに配信のほとんどが偏っているということがよくあります。

 そこで着目すべきなのは、配信量が多くなっているタブレット・SPで獲得に繋がっているかということです。配信しているWEB広告全体の成果は確認していても、デバイスごとの成果は確認していないという場合には、費用を多く遣っているタブレット・SPで、獲得が少ないまま費用を無駄にしている可能性があります。

 PCとタブレット・SPを比較するとサイト内の利便性に差異が出ていたり、フォームの登録内容が面倒で、タブレット・SPでは離脱するユーザーが多くなっていたりするなどの、気付いていなかった改善すべき内容を発見するチャンスにもなり得ます。

 費用を効率よく遣って目標の達成を目指すなら、デバイスごとの成果の確認はしておいて損はないですね。

獲得目的のテレビ画面への配信は無駄に直結

 Googleのディスプレイ広告の配信デバイスには、「テレビ画面」というものがあります。「WEB広告を実施しているのに『テレビ画面』?」と疑問に思われる方もいるかもしれません。この「テレビ画面」というデバイスへの配信は、スマートテレビやゲーム機、接続型デバイスを用いてYouTubeを観る際になされるものであり、近年のテレビ画面上でのYouTube視聴者が増加していることから追加されたデバイスになります。

 テレビ画面への配信が行われていることをご理解頂いたところで、大きな声でお伝えしたいことがあります。それは、「獲得目的でテレビ画面へ配信を行っているのであれば、それは完全な無駄費用発生ポイントである」ということです。

 家族や友人など複数のユーザーが集まっている状況では、大きな画面で広告を一度で複数のユーザーの目に触れさせることが可能といったユニークなメリットなどもありますが、テレビ画面に配信される広告はクリックでウェブサイトへの誘導を行えないフォーマットとなっています。そのため、ウェブサイトへの誘導から獲得に繋げる商材などは、フォームまでたどり着くことがないため、完全に無駄な費用となってしまいます。なんて恐ろしいことでしょう。

 獲得目的であるならば、「テレビ画面」への配信はいますぐにでも停止した方がよいです。月次レポートで「テレビ画面」という文字を目にしたことがない場合にも、デバイスごとの成果を検証したことがなければ、その無駄が発生していないか確認してみるのも一手ですよ。

YouTubeの配信占有率は確認しないと損をする

 サイトやアプリ内の広告枠に配信されるディスプレイ広告ですが、その配信面の内訳にも無駄費用の見落としポイントが存在しています。複数のサイトやアプリなどの中でも、動画サイトの代表であるYouTubeは利用者も多く広告が配信されて表示される機会が多くなっています。広告の露出が多いため認知拡大に利用されやすいですが、それと同時に費用も多く遣う広告配信面です。

 そんなYouTubeへの配信が、ディスプレイ広告のどのぐらいを占めているか把握していますか?プレースメントのレポートを確認する際、1つ1つのYouTubeチャンネルへの配信が多くなくても、YouTube面への配信を合算すると想像よりも多く配信されていた、なんてことが起きることも。

 獲得に繋がっていないのに多額の費用をYouTube面で浪費していないかを確認するために、ディスプレイ広告実施の際はプレースメントレポートを気を付けて見てみる価値ありです。

オーディエンスネットワークへの配信はリーチの向上だけを見てはいけない

 広告主の皆様は”Facebookのオーディエンスネットワーク”や、”Twitterのオーディエンスプラットフォーム”、”LINEの広告ネットワーク”はご存じですか。SNSの提携している他アプリ面に広告掲載を広げることができる配信面です。つまり、SNS広告と言いながら、SNS以外の面に広告が出てしまうというわけです。これらを利用して、リーチ数の増加やクリック単価を抑えたサイト誘導が可能になります。

 しかし、そんなSNSの他アプリ面への広告配信は、しっかりと獲得に繋がっているか確認されていますか?オーディエンスネットワークは、SNSの媒体上への配信量と比較すると、その配信量自体はかなり少ないです。

 そのために、直近で獲得に繋がっていなくとも、クリック単価を抑えられていて全体成果への影響は少ないからと見逃されやすく、無駄費用の発生ポイントであるにも関わらず見落とされやすいポイントとなっています。短期間だけで見ていると、その無駄が積み重なっていっていることに気づけていないかもしれません。

 キーワードや検索クエリと同様に、半年から一年といった長期間の成果を確認することで、費用の無駄遣いを防ぐことができます。オーディエンスネットワークなどに配信をしている場合は、是非一度成果をチェックしてみてください。またFacebookやTwitterなどのSNS上だけにしか配信していないつもりでも、代理店との認識が違っており、実はオーディエンスネットワークに配信されていたなんてことも起こり得るので、そちらも要チェックです。

獲得の少ない自動最適化は、費用の無駄遣いを促す可能性がある

 月次レポートや報告で「自動最適化」という言葉を耳にしたことはありますか?広告掲載のデータを日々蓄積することで、そのデータをもとに広告を掲載するプレースメントや入札単価などを自動的に調整し最適化してくれる機能を指します。その内容や適応範囲は媒体によって様々ですが、手動では出来ない、1つ1つの広告配信機会に合わせた調整が行えるため、広告成果の向上に一役買う機能でもあります。

 そんな便利な自動最適化ですが、機械が蓄積したデータを以て配信を行うが故に、注意すべき無駄遣い発生ポイントがあります。始めたばかりのキャンペーンや、獲得の少ないキャンペーンなどがそれにあたります。蓄積されたデータから判断して広告配信を行う際に、そのデータ量と質が十分でないがために、結果として獲得に繋がる配信にならないという場合です。

 各媒体は配信の自動化を推奨しており、効果が出ているキャンペーンも多いです。しかし上記のような理由があるため、万能とは言い切れません。月次レポートなどでそういった内容に触れたことがないのであれば、見落としポイントになっていないか一度代理店に確認することも重要です。

長期間での成果確認・細かい要素の確認が費用の無駄遣いを防ぐ

 いかがでしたでしょうか?代理店から提出されている月次レポートには、当記事で解説してきたポイントは載っていましたか?

 1つ1つは細かく見逃しやすい要素であっても、積もりに積もって多額の無駄遣いになっていたり、詳細を確認できていないために、無駄が発生していたり…。そんな「無駄費用の見落とし」があちこちに転がっているかもしれません。今まで月間でしか成果を確認したことがなかったのであれば、半年や1年間で確認してみる。デバイスやプレースメントごとの成果を確認したことがなければ、細かく確認してみる。そんな少しのことでも、削減できる無駄がたくさんあるはずです。

 今一度、月次レポートの記載に隠れた「無駄」を探してみてください。

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