
リーチプランナーの基礎知識 YouTube広告の効果を最大化する設定と活用法
YouTubeをはじめとするGoogle広告では、ツールを活用することで広告効果を大幅に向上させることができます。
本記事では、Google広告のメインツールの一つ「リーチプランナー」の基礎知識から具体的な設定方法、広告効果を最大化するための実践的な戦略までわかりやすく解説します。
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リーチプランナーでYouTubeメディアプランを作成(Google広告公式)
目次
リーチプランナーとは?
リーチプランナーは、YouTube広告キャンペーンの計画と実行を支援してくれる無料ツールです。目標とするオーディエンスへのリーチを予測し、予算を最適に配分できます。従来の「勘と経験」によるプランニングではなく、データに基づいた科学的なアプローチが可能です。
リーチプランナーでできること
リーチプランナーには下記の機能を利用できます。
1. オーディエンスリーチの予測
設定した条件に基づいてオーディエンスへのリーチを予測します。広告フォーマット、予算、ターゲットデモグラフィックなどを入力すると、どれだけの視聴者にリーチできるかを推定します。
2. フリークエンシー管理
同じ視聴者に何回広告を表示するかを管理する「フリークエンシー」を最適化できます。表示回数が少なすぎると認知効果が低くなり、多すぎると「広告疲れ」を引き起こす可能性があるため、最適な頻度設定が重要です。
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3. 予算シミュレーション
予算の増減がリーチやフリークエンシーにどのように影響するかをシミュレーションできます。これにより、限られた予算で最大の効果を得るための最適なバランスポイントが見つかります。
4. クロスプラットフォーム分析
テレビCMとYouTube広告を組み合わせた場合の効果を分析できます。テレビCMの放映に合わせてYouTube広告も配信している場合に最適です。
この機能により、テレビとデジタルのメディアミックス戦略を最適化できます。
5. デモグラフィック・インサイト
年齢、性別、地域などのデモグラフィック情報に基づいて、オーディエンスセグメントごとのリーチを予測できます。この機能により、特定のターゲット層に対して最も効果的なアプローチを見つけられます。
参考ページ:リーチプランナーについて
リーチプランナーの設定と基本的な使い方
リーチプランナーを効果的に活用するために、正しい設定方法と基本的な操作を理解しましょう。アクセス方法から基本設定、主要な機能の操作方法までキャプチャで解説します。
Google広告アカウントからのアクセス手順
①Google広告アカウントにログイン
② 左側のナビゲーションメニューから「ツール」を選択
③「プランニング」内「リーチプランナー」を選択
必要な権限と前提条件
リーチプランナーを利用するには、以下の前提条件を確認しましょう。
- アカウント権限: 「標準」または「管理者」レベルの権限が必要
- アカウント通貨: 対応通貨で設定されている必要がある(日本円など)
- 広告支出履歴: 一部の機能は、過去の広告支出実績に基づいて利用可能になる
リーチプランナーは全てのアカウントで標準的に利用できるわけではありません。一定の広告支出履歴がある広告主アカウントでのみ利用可能な場合があります。利用できないアカウントでは下記のような画面が表示されます。
プランの作成方法
「新しいプラン」または+マークからプラン作成画面に移ります。
YouTube広告のみの場合そのまま、テレビCMも放映している場合は「追加」して次へ進みます。
プランを確認したい地域と通貨、期間、ユーザー属性、サブエリア、予算を設定します。
サブエリアは都道府県などより細かいエリア、ユーザー属性は年齢と性別を設定できます。
オーディエンス、デバイス、フリークエンシーキャップを選択してYouTubeメディアプランを作成します。
目標に沿って広告タイプを選択します。標準プランと高度なプランから選択できます。その他の形式やマストヘッドなどの純広告を選択する「独自に作成」も可能です。
結果の見かた
プランを作成すると、ダッシュボード形式で結果が表示されます。
リーチプランナーを最大限に活用するには、キャンペーン目標が明確に設定されていることが前提です。YouTube広告の一般的な目標には以下のようなものがあります。
- 認知度向上:新商品やサービスの認知を広げる
- 比較検討促進:商品やサービスの詳細情報を提供し、検討を促す
- アクション誘導:購入やサイト訪問などの具体的なアクションを促す
これらの指標の数値は画面中央で確認できます。「指標」から認知度・比較検討・アクションを選択でき、それぞれの目的に沿った指標に切り替えられます。
その下のグラフでは、予算の増減でリーチ・視聴回数・コンバージョンなどの指標がどのように変化するか予測できます。ユーザー属性やデバイスの内訳の予測も確認できます。
右側の「プランの調整」で予算を変更すると、指標も自動的に増減します。
また、これらの予測データはダウンロードすることもできます。
分析データの活用
リーチプランナーの数値を実際の広告運用に落とし込む方法を解説します。
目標・予測結果・実数値の乖離を確認する
リーチプランナーで予測を算出したら、下記のステップで広告の成果を確認することをおすすめします。
① 具体的なKPI設定
「リーチ○○人以上」「視聴完了率○○%以上」などの具体的な数値目標を立てましょう。
② 設定の再確認
予測のリーチ範囲が目標に満たない場合は、予算増加やターゲットの拡大を検討しましょう。
③ 実測値との比較基準
キャンペーン開始後、実際の数値とこの予測値との乖離を追いましょう。リーチプランナーで予測を確認したら、まず「この数字は良いのか悪いのか?」を判断する必要があります。
例えば「予測リーチ数が10万人」という数字が出たら、それが目標とする市場の何%にあたるのかを考えるとよいでしょう。ターゲット市場が100万人ならそのうち10%にリーチできることになります。目標に対して十分かどうか判断しましょう。
効果的なターゲットオーディエンスを選定する
リーチプランナーでは、オーディエンス設定をいろいろ変えながら成果を予測できます。その予測結果から、下記のステップで適切なオーディエンスを選定しましょう。
①初めは「年齢・性別・地域」程度の基本的な絞り込みから始めましょう。リーチプランナーの画面で、予測リーチ数が極端に少なくなっていないか確認してください。
② 例えば「25-34歳」と「35-44歳」など、異なるターゲット設定で予測値を比較してみましょう。リーチプランナーでは複数のプランを作成して比較できます。
③自社の実際の顧客層に近いオーディエンス設定になっているか確認しましょう。
例えば美容サプリを販売している場合、「全年齢・全性別」ではなく「25-45歳・女性・美容に関心がある」などと設定すると、限られた予算でより高い効果が期待できます。ただしターゲットを絞った場合の予測リーチが極端に狭い場合は、「25歳-60歳」や「健康にも関心がある」のように範囲を広げて再度予測してみましょう。
予算配分の最適化戦略
予算変更によるリーチやフリークエンシーの変化をグラフで確認できるので、最適な配分が見つけやすくなります。
① 予算スライダーを動かしてみる
リーチプランナーの「プランの調整」にある予算スライダーを左右に動かし、リーチ数の変化を確認しましょう。予算を増やしてもリーチが伸びない「頭打ち」ポイントを見つけることが重要です。
▲予算スライダー
例えば10万円の広告予算がある場合、リーチプランナーでシミュレーションすると、8万円を投入した時点でリーチの伸びが鈍化することがわかったとします。この場合、残りの2万円は別のターゲット層や別の広告フォーマットに配分するのが効果的です。
② リーチとフリークエンシーのバランス
同じ予算でも「多くの人に1回見せる」か「少ない人に何度も見せる」かを選べます。商品認知が目的なら前者、購入促進が目的なら後者が効果的です。
様々な広告フォーマットを組み合わせたリーチ戦略
リーチプランナーでは、複数の広告フォーマットを試した場合の予測も可能です。
広告フォーマット選択のポイント
① ユーザーの検討段階に合わせる
商品やサービスを初めて知る「認知段階」のユーザーには短い動画広告、興味を持ってもらった「比較検討段階」には詳しい情報を説明した長い動画広告が効果的です。
② 標準プランを参考にする
リーチプランナーの「標準プラン」は、指定した目標に合わせて広告フォーマットを自動的に最適化してくれます。初心者は、この標準プランをベースにすると失敗が少なくなります。
③ 段階的に組み合わせる
まずはバンパー広告(6秒)で認知を広げ、次にインストリーム広告(長尺)で詳細を伝えるなど、段階的に広告を出し分けるとより効果的です。
具体例:新しいスマートフォンの発売キャンペーンでは、まず「6秒バンパー広告」で製品の外観や特長を簡潔に伝え、次に「スキップ可能なインストリーム広告」で詳細スペックや使い方を紹介し、最後に「ディスカバリー広告」で購入を促すという組み合わせが効果的です。リーチプランナーでは、これらの組み合わせによる合計リーチを予測できます。
キャンペーンの効果測定との連携
「リーチプランナーでの予測と実際の結果を比べ、次回に活かす方法を解説します。
初心者向け効果測定のステップ
①予測値をメモしておく
リーチプランナーで予測したリーチ数、視聴回数、CPM(1000インプレッションあたりのコスト)などの数値をメモしておきましょう。エクセルやスプレッドシートに記録しておくと便利です。
② 定期的に実績を確認
キャンペーン開始後、Google広告の「レポート」タブから実際の数値を確認し、予測値と比較します。週1回程度のチェックがおすすめです。
③ ズレがある場合は調整
例えば予測よりリーチが少ない場合は、広告の表示設定や入札価格を調整します。
具体例:リーチプランナーでは10万人のリーチが予測され、それを目標に運用しているのに、1週間経過して実績が3万人しかない場合
→予測到達まであと7万人必要。このペースだと目標達成が難しそうなので、入札単価を上げるか、ターゲットを少し広げる調整が必要かもしれません。
リーチプランナーで計画的な運用を
リーチプランナーは広告の配信前から成果の目安を把握できるツールです。特に初心者の方は成果が出ないからといってむやみに予算を増やしたりターゲットを変えたりするのではなく、成果の予測に基づいた「地に足つけた運用」を心がけましょう。
プライムナンバーズでは広告運用に関するご相談を無料で承っております。
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