地域ターゲティング手法と配信ユーザーの違いをWeb広告媒体別に解説
広告をどの場所に配信するかは、広告配信を考えるうえで重要な課題の一つでしょう。多くの広告主は地域ターゲティングの機能を思いつくと思いますが、WEB広告の場合、単に地域指定=その地域にいるユーザーというものではありません。実はもっと細かい設定ができる媒体もあります。
広告配信媒体毎に地域ターゲティングの設定方法に違いがあるため、それによっては媒体選定も変わってくると思います。そこで今回は広告配信媒体ごとの地域ターゲティングの違いを徹底解説します!
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目次
Google広告の地域設定
地域ターゲティング手法
Googleの地域ターゲティングで指定できるエリア設定は3種類。 それぞれ、【国】、【国内の地域】、【特定の地点を中心とした一定範囲】です。
【国】
言葉の通りですが、国全体や複数の国を指定する方法です。
国全体や海外にビジネスを展開している広告主におすすめです。
指定した国の中でサービス対象外の地域がある場合は、不要な広告費がかかってしまう可能性があるため注意が必要です。
【国内の地域】
日本国内であれば都道府県、市区町村レベルであるという認識で大丈夫です。
また、空港のような大きな施設もターゲティングで指定できます。
関東圏だけでサービスを展開している広告主や、特定の都道府県のみ店舗展開している広告主は、この方法で地域を絞って配信をするのが良いでしょう。
【特定の地点を中心とした一定範囲】
地名や住所、駅名、バス停名とそこからの距離で地域ターゲティングを指定できます。
また、ターゲティング設定画面でピンモードを選択すれば、地図にピンを落とした地点を指定することができます。
この方法を主に使用するのは実店舗があるローカルビジネスを展開する広告主でしょう。また、不動産業界の広告主ならピンモードを使ってピンを線路に等間隔で落としていけば沿線のターゲティングも可能です。
地域ターゲティング除外方法
ここまでは広告を表示させる地域の指定方法でしたが、広告を表示させたくないときの地域除外の設定も可能です。地域除外では【国】または【国内の地域】のレベルでしか指定はできません。
一部の地域でサービス対象外になってしまう場合はこの除外地域を設定しないと、無駄なコストが発生してしまいます。
更に細かい設定
地域の指定方法をご紹介しましたが、ユーザーの指定については更に細かい設定をすることも可能です。指定できるユーザーは、➀指定した地域に今いるもしくは頻繁に行くユーザー、②指定した地域にいないが関心を示しているユーザー、③上記2つ両方に当てはまるユーザーの3つから選択できます。
それは、「キャンペーン>設定>地域>地域の設定」から設定することができます。それぞれの設定について、以下で解説させていただきます。
【ターゲット地域にいるユーザーと、ターゲット地域に関心を示しているユーザー(推奨)】
Googleでのデフォルト設定です。
指定した地域にいるユーザーや頻繁に訪れているユーザーだけでなく、ユーザーの検索行動などからその地域に関心の高いユーザーにも広告が配信されます。
例えば北海道在住で近日中に関東に引っ越してくるユーザーがいたとします。このユーザーが北海道から引っ越し先の電力会社を調べようと思って「電気料金 東京」と調べたとき、この設定で東京を地域指定していれば、広告は北海道にいるユーザーであっても配信されます。
このように関東圏にありながら遠方のユーザーも見込み顧客となる可能性のある広告主は、この設定を使用するとよいでしょう。
この設定を変更すると、広告の表示回数が大きく減少する可能性があります。そのため、実店舗の広告で近隣の住民にしか広告を出したくないなど設定がビジネスに合わない場合や配信量を絞りたいとき以外は、変更しないことをおすすめします。
【ターゲット地域に所在地があるユーザーと、ターゲット地域を定期的に訪れているユーザー】
この設定ではデフォルトの設定から、地域に対する関心が高いユーザーは省かれています。地域に関する情報を検索したものの、検索時に指定した地域にいなかった場合、またはその地域に頻繁に訪れることがないユーザーには広告が表示されません。
店舗への来店を促したい広告主などが、店舗のある場所の近隣のユーザーのみに配信したい場合などは、こちらの設定をご使用ください。
【ターゲット地域を検索しているユーザー】
この設定を指定すると、指定した地域にユーザーがいなくても検索ワードに地域名が入っていれば広告が表示されます。尚、検索ワードに地域名がない場合はユーザーの所在地に基づいて広告が表示されます。
例えば地方の観光地で土産店を営んでいる広告主には最適の設定だと思います。
近隣の住民より遠方からの観光客がターゲットとなるため、「○○(地名) 土産」と検索している遠方のユーザーのみに配信を絞った方が効果的でしょう。
更に細かい設定は、地域除外に対しても適応することができます。
【除外した地域のユーザー】
地域除外でのデフォルト設定です。
除外した地域にいるユーザーには広告が表示されません。
【除外地域にいるユーザーと、除外地域に関心を示しているユーザー】
除外した地域にいるユーザーだけでなく、その地域に関心の高いユーザーも除外されます。
Yahoo広告の地域設定
地域ターゲティング手法
Yahoo広告はGoogle広告と違って日本国内のメディアであるため、国という単位は存在しません。ですので、デフォルト設定のままだと日本全国すべてのユーザーに広告が配信されます。
また、特定地域を中心とした半径何km以内といった地域設定もできないのが、Googleとの大きな違いになります。 Yahoo!で地域ターゲティングを行う場合は【都道府県、市区町村単位】になります。
【都道府県、市区町村単位で地域指定】
▼Yahoo!スポンサードサーチの場合
Yahoo!スポンサードサーチではキャンペーン単位での設定となります。
キャンペーン>ターゲティング>地域から指定したい地域の「配信」を選択していきましょう。
都道府県名の横にある「+」を押せば市区町村を選択することも可能です。
▼Yahoo!ディスプレイ広告の場合
Yahoo!ディスプレイ広告ではスポンサードサーチと違い、広告グループごとの設定となります。
キャンペーン>広告グループ>地域から指定したい地域に☑をつけていきましょう。
「V」を押せば市区町村が展開されます。
地域ターゲティング除外方法
Yahoo!スポンサードサーチでは除外設定も可能です。
ここでも設定できるのは【都道府県、市区町村単位】です。先ほどのスクリーンショット画面にある「配信」の右にある「除外」を選択してください。
ここで注意が必要です。例えば次のような設定をしたとします。
▼例
配信:東京都新宿区
除外:東京都
このように除外地域に配信地域が含まれている場合、広告が配信されない場合があるので注意しましょう。
例のような設定をしたい場合は、新宿区のみを「配信」に設定し、東京のその他の市区町村を「除外」にすればOKです。
更に細かい設定
更に細かいユーザーの指定方法についてはGoogleの場合とほとんど同じで、【ユーザーの所在地】【検索キーワードに含まれる地域】【ユーザーの所在地、検索キーワードに含まれる地域、ユーザーが関心を示している地域(推奨)】の3種類から選択できます。
【ユーザーの所在地】
ややこしいですが、この設定は地域ターゲティングを行った画面ではなく、キャンペーン>キャンペーン設定情報>設定内容を編集 から設定することになります。
この設定では、指定した地域に所在する可能性があるインターネットユーザーのみに広告が配信されます。「可能性がある」という言葉について詳しい情報が開示されていないのでどこまでのことを指すのかは残念ながら不明です。ですが、Googleで【ターゲット地域に所在地があるユーザーと、ターゲット地域を定期的に訪れているユーザー】を選択した場合はYahoo!でもこちらの選択をするのがベストかと思います。
【検索キーワードに含まれる地域】
この設定では以下のようなユーザーに広告が配信されます。
・指定した地域に関連する語句で検索したインターネットユーザー
・指定した地域に関心を示している可能性があるインターネットユーザー
「関連した語句で検索」や「関心を示している」というものをどこから推定しているかというのが以下です。
・地域を特定できる検索語句
・関心を示している地域を特定できる過去の検索履歴
・ユーザーの過去の所在地
【ユーザーの所在地、検索キーワードに含まれる地域、ユーザーが関心を示している地域(推奨)】
この設定はYahoo!スポンサードサーチのデフォルトで以下のようなユーザー全てに広告が配信されます。
・指定した地域に所在する可能性があるインターネットユーザー
・指定した地域に関連する語句で検索したインターネットユーザー
・指定した地域に関心を示している可能性があるインターネットユーザー
つまり、【ユーザーの所在地】【検索キーワードに含まれる地域】の全てということになります。
また、除外のユーザー設定もGoogleの場合とほとんど同じです。
【ユーザーの所在地】
この設定がYahoo!スポンサードサーチのデフォルトです。その名の通り、指定した地域に所在する可能性があるインターネットユーザーには広告が配信されません。
【ユーザーの所在地、検索キーワードに含まれる地域、ユーザーが関心を示している地域】
更に広義で除外を行いたい場合はこの設定です。以下のユーザーには広告配信がされません。
・指定した地域に所在する可能性があるインターネットユーザー
・指定した地域に関連する語句で検索したインターネットユーザー
・指定した地域に関心を示している可能性があるインターネットユーザー
Facebook広告の地域ターゲティング
地域ターゲティング手法
Facebook広告の地域ターゲティングは広告セットレベルでの設定になります。Google広告と同じく【国】【都道府県】【市区町村】【半径指定】での設定が可能です。また、Facebookだけの機能として【郵便番号】でのターゲティングも可能です。
【国】
キャンペーン>広告セット>編集>ターゲット>地域>参照をクリックすると選択式で国を選ぶことができます。
アフリカ、アジア、ヨーロッパといった大きな地域でまとめて選択することも可能ですし、「▶」を押せば国単位で選択することも可能です。
【都道府県】【市区町村】
都道府県、市区町村単位での設定は全て地域の検索が必要になります。
上記のキャプチャ画面のように地域名で検索して出てきた候補の中から選択しましょう。
【半径指定】
半径指定で設定するには、まず住所を検索して候補の中から正しいスポットを選択します。 候補に出てこない場合は下記のようにピンモードで設定しましょう。
指定した地点からの半径を変える場合は、設定済みのスポット名の横にある「▼」を押して距離を自由に設定しましょう。
【郵便番号】
郵便番号で地域指定する場合は、検索窓に郵便番号をハイフン(-)なしで入力し、候補の中から選択します。
地域ターゲティング除外方法
除外もターゲティングと全く同じ単位で設定可能です。
指定した地域を除外したい場合は、検索窓の左にある「次を含める」を「次を除外する」に変更する操作を忘れずに行いましょう。
【除外】
更に細かい設定
更に細かい設定は、下記のキャプチャ画面の場所から選択することができます。ターゲティング方法は全4種類です。
【この地域に住んでいる人、または最近この地域にいた人】
Facebookアカウントでユーザーが登録している住所の情報、端末から発信される位置情報を読み取り、指定したエリアにいるすべてのユーザーに広告を配信します。
Facebookのデフォルト設定であり、最も配信量が多い設定になります。
【この地域に住んでいる人】
ユーザーが登録している住所の情報だけを読み取ります。
この設定で東京都を指定していた場合、ユーザーが海外にいても自宅が東京にあれば広告は配信されます。 近隣住民に対する広告を配信したいローカルビジネスなどはこの設定がおすすめです。
【最近この地域にいた人】
端末から発信される位置情報だけを読み取ります。
会社で勤務中のユーザーに見てほしい広告などはこの設定は当てはまると思いますが、デフォルト設定よりかなり配信が絞り込まれてしまうため、注意が必要です。
【この地域を旅行中の人】
旅行中の定義は、登録された自宅住所と現在の位置情報が200km離れていることです。その名の通り、観光客向けの広告には最適の設定だといえます。
LINE広告の地域ターゲティング
地域ターゲティング手法
LINE広告の地域ターゲティングは広告グループレベルでの設定になります。
また、Yahoo!と同じく国内メディアですので国外への配信はできません。日本国内であればGoogleやFacebookと同様に【都道府県】【市区町村】【半径指定】が可能です。
【都道府県】【市区町村】
キャンペーン>広告グループ>編集>ターゲット設定>地域>編集 とクリックしていくとキャプチャ画面のようにウインドウが開き、地域名を検索することで【都道府県】【市区町村】を指定することができます。
また、「一括指定」をクリックすると下記のような画面になり、選択式で地域を一気に指定することもできます。
【半径指定】
指定方法を「半径を指定」にあわせて、該当の住所を入力し、半径距離を自由に入力して「配信」を押すことで指定地域に加えることができます。
地域ターゲティング除外方法
除外もターゲティングと全く同じ単位で設定可能です。操作は「配信」ではなく「除外」をクリックするだけと非常にシンプルです。
【除外】
一括指定だけ除外では使えないので、注意しましょう。
また、ターゲティング地域と除外地域がかぶってしまった場合は除外地域が優先されるため、設定の際は注意をしましょう。
更に細かい設定
更に細かい設定は、下記のキャプチャ画面の「配信対象」から選択することができます。全5種類から選択できます。
この配信対象の判断基準は、LINEの位置情報をもとにしたみなし属性になります。
【この地域に住んでいる人、この地域で働いている人、この地域に最近いた人】
指定したエリアにいる時間が長い、または指定したエリアにいた人。
LINE広告のデフォルト設定であり、配信量が最も多くなる設定です。
【この地域に住んでいる人、この地域で働いている人】
指定したエリアにいる時間が長い人。
指定エリアに立ち寄った程度の人には配信されません。
【この地域に住んでいる人】
指定エリアに夜間いる時間が長い人。
日中は会社で働いて、夜に帰宅するという想定をされています。裏を返せば、日常的に夜勤の仕事についている人には職場で広告が配信されてしまいます。
【この地域で働いている人】
住んでいる人の真逆で、指定エリアに日中いる時間が長い人になります。 在宅ワークの方が指定エリアにいる場合は、自宅にいるときに広告が配信されてしまう場合もあります。
【この地域に最近いた人】
GPSで検出できたエリアです。
どんな人でも指定したエリアにいれば広告が配信されます。
【この地域に住んでいる人】も【この地域で働いている人】も地域ターゲティングだけでは思わぬ人に広告を配信してしまう可能性があるため、これらの設定を使うときは、年齢や性別、興味関心やオーディエンスなどでユーザーを絞り込むことをおすすめします。
Twitter広告の地域ターゲティング
地域ターゲティング手法
Twitter広告の地域ターゲティングも広告グループレベルでの設定になります。
設定の単位は【国】【都道府県】の他、【郵便番号】【都市部】という単位もあります。
しかし【郵便番号】は日本国内では機能しないため、今回はその他の3つをご紹介します。
【国】【都道府県】
キャンペーン>広告グループ>オーディエンスの特性>場所 に国名や都道府県名を入力し、候補地に☑を入れれば指定完了です。
【都市部】
Twitter広告だけの機能で都市部のターゲティングがあります。
日本国内で指定できるのは、北海道、東北、関東、東京23区、中部、近畿、関西地区主要都市、中国、四国、九州地区主要都市の10種類です。
更に細かい設定
Twitterでは他の媒体のように指定した地域とユーザーとの関係を詳細に指定することはできません。すべてユーザーの所在地、最近いた場所にのみに基づきます。
ユーザーの所在地、最近いた場所は端末のIPアドレス、GPS、Wi-Fi信号やツイートに含まれる位置情報などから判断されます。いつでもどこでも気軽に操作できるTwitterならではと言ったらそうですね。
便利な地域ターゲティング早見表
地域ターゲティング一つとっても広告配信毎にターゲティング方法の違いや、細かい設定の違いがあることがおわかりになったと思います。ただ指定した地域に広告を配信するというものではなく、自社のビジネスに合わせてしっかりと取捨選択していかなければならないという、非常に奥が深い機能でしたね。
媒体毎に様々な違いがあったがゆえに、長文となってしまいました。
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