鵜呑みは危険!Google広告の最適化案は『最適』ではない? 自動適用をオフにすべき項目とは
Google広告には、媒体が最適と判断した改善案を提案してくれる「最適化案」という機能とそれを自動で適用してくれる「自動適用」という機能があります。
これらを上手く利用すればアカウントを最適な状態に保つことができますが、任せっきりにしていると広告に意図しない変更が加えられるなどトラブルにつながるおそれがあります。
本記事では最適化案の仕様と注意点を解説します。
最適化案の内容、自動適用の推奨/非推奨とその理由を一覧にした資料を下記よりダウンロードいただけます。あわせてご利用ください。
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最適化案とは
アカウントの過去のパフォーマンスやキャンペーン設定、Google 検索のトレンドに基づいて、成果の改善につながる最適化案が自動生成される機能です。Google広告管理画面の左側メニュー「最適化案」から利用できます。
ダッシュボード形式で提案される最適化案を適用または却下する(非表示にする)ことでアカウントの「最適化スコア」が改善する仕組みになっています。
最適化スコアとはGoogle広告アカウントの設定がどの程度最適化されているかを示す推定値で、アカウントの健全性をはかる指標です。最適化スコアが高い・低いことが広告配信に直接影響するわけではありません。
下記が最適化案の一例です。
最適化案の自動適用機能とは
自動で適用したい項目にチェックを入れておくと、その項目に当てはまる最適化案が発生した時に”アカウント全体”に自動で適用される機能です。
自動適用できる項目は下記の22件です。
広告のパフォーマンスを維持する(8件)
広告のローテーションを最適化しましょう | オークション時に最適な広告が自動的に表示されます。 |
レスポンシブ検索広告を追加しましょう | 見込み顧客により関連性の高い広告を表示して、現在と同程度かそれ以上の費用対効果でより多くのコンバージョンを獲得しましょう。広告見出しと説明文のアセットは、広告の最終ページ URL や同じ広告グループ内のアセットなど既存のコンテンツから取得されます。 |
レスポンシブ検索広告を改善 | 広告見出しと説明文を改善して、レスポンシブ検索広告のクリック数を増やしましょう。広告見出しと説明文のアセットは、広告の最終ページ URL や同じ広告グループ内のアセットなど既存のコンテンツから取得されます。 |
キーワードとターゲティング | 重複するキーワードを削除しましょう。重複キーワードを削除すると、アカウントが管理しやすくなります。 |
広告配信に使われていないキーワードを削除しましょう | 広告配信に使われていないキーワードを削除して、アカウントを管理しやすくします。 |
競合する除外キーワードを削除する | 競合する除外キーワードが原因でユーザーに広告が表示されませんでした。広告が表示されるようにするには、そのような除外キーワードを削除しましょう。 |
最適化されたターゲティングを使用する | 現在と同程度のコンバージョン単価で、より多くのコンバージョンを獲得できます。 |
コンバージョン トラッキングをアップグレードしましょう | データドリブン アトリビューションを使用して、コンバージョンへの貢献度を複数の広告インタラクションに割り当てましょう。 |
ビジネスを拡大する(14件)
新しいキーワードを追加しましょう | お客様の商品やサービスを検索しているユーザーに、より多くの広告を表示します。 |
部分一致キーワードを追加する | 既存のキーワードの部分一致バージョンを追加すると、現在と同程度かそれ以上の費用対効果でより多くのコンバージョンを獲得できるようになります。 |
ディスプレイ ネットワーク対応を使用する | 新しい Google ディスプレイ ネットワークの拡張機能で未使用の予算を使用すると、現在と同程度のコンバージョン単価でより多くのコンバージョンを獲得できます。 |
目標インプレッション シェアを使って、広告費用対効果を改善しましょう | 完全に自動化された入札戦略を使って、広告の可視性を最適化。 |
「クリック数の最大化」を使って、広告費用対効果を上げましょう | 完全に自動化された入札戦略を使って、現在と同程度の費用を維持しながらより多くのコンバージョンを獲得しましょう。 |
「コンバージョン数の最大化」を使って、広告費用対効果を改善しましょう | コンバージョン数の最大化を使うと、現在と同程度の費用でより多くのコンバージョンを自動的に獲得できるようになります。 |
「コンバージョン値の最大化」を使って、広告費用対効果を改善しましょう | 価値に基づく入札戦略を使用すると、現在と同程度の費用でより大きなコンバージョン値を獲得できます。 |
目標コンバージョン単価を使用した「コンバージョン数の最大化」で効率的に入札しましょう | 目標コンバージョン単価を使うと、現在と同程度かそれ以下のコンバージョン単価でより多くのコンバージョンを自動的に獲得できるようになります。 |
目標広告費用対効果に基づく「コンバージョン値の最大化」を使って、より効率的に入札しましょう | 価値に基づく入札戦略を使用すると、現在と同程度の広告費用対効果でより大きなコンバージョン値を獲得できます。 |
目標コンバージョン単価の設定 | 目標を設定すると、現在と同程度のコンバージョン単価でより多くのコンバージョンを獲得できます。 |
目標広告費用対効果の設定 | 目標を設定すると、現在と同程度の広告費用対効果でコンバージョン値を高めることができます。 |
目標コンバージョン単価の調整 | 目標コンバージョン単価を調整してより多くのコンバージョンを獲得しましょう。 |
広告費用対効果の目標値を調整する | 広告費用対効果の目標値を調整してコンバージョン値を引き上げましょう。 |
アカウントのデフォルトの目標として「来店」を追加 | スマート自動入札と来店コンバージョンで、合計コンバージョン数とコンバージョン値を増やしましょう。 |
自動適用をオンにしても問題ない項目
次の2点は自動適用されても配信中の広告への悪影響は少ないため、チェックを入れても問題ありません。
・広告のローテーションを最適化しましょう
広告のローテーションとは、機械学習によって最も効果的と判断された広告が都度選択されて配信される機能です。この機能を最適化することでクリックやコンバージョンの改善が期待されます。
自動適用のメリットが大きいためオンにしておくとよいでしょう。
・広告配信に使われていないキーワードを削除しましょう
過去1年以上インプレッションがついていないキーワードが自動で削除される設定です。
使われていないキーワードが削除されるため配信中の広告への影響はなく、キーワードの整理もしやすくなりますが、キーワードの入稿内容には影響するため要確認です。
アカウントのキーワード全体に適用されても問題ないと判断できる場合のみチェックを入れておきましょう。
・アカウントのデフォルトの目標として「来店」を追加
この設定をオンにしておくと、アカウント単位のデフォルトの目標に「来店」が含まれるようになります。来店コンバージョンとは、広告が実店舗への来店促進にどれだけ貢献しているかをはかる指標です。
オンラインショップではなくオフラインの実店舗で商材を販売している場合や、医療サービスなど店舗に行くことが必須の場合は来店コンバージョンが利用できるため、オンにしておくとよいでしょう。
自動適用オフを推奨する項目
上記以外は自動適用されることによって配信中の広告に意図せぬ変更を加えてしまうおそれがあるため、基本的にはオフにしておくことを推奨します。
・レスポンシブ検索広告を追加しましょう
・レスポンシブ検索広告を改善
オンにしていると意図しないレスポンシブ検索広告が勝手に生成されてしまいます。
レスポンシブ検索広告は、リンク先URLや同じ広告グループ内のアセットなどから自動で生成され、自動で追加・変更されます。
「定期的に広告を変えたい」「変更タイミングや内容は機械に任せたい」と考えていない限りはオフにしておくことを推奨します。
・重複するキーワードを削除しましょう
アカウント内に同じキーワードが2つ以上含まれている場合、1つのみになるように重複分が削除されます。
複数の広告グループに意図的に同じキーワードを入れている場合は片方が削除されてしまうおそれがあります。配信中の広告に影響を及ぼす可能性があるため、オフにしておくことを推奨します。
・競合する除外キーワードを削除する
配信設定として入稿しているキーワードが除外キーワードにも登録されている場合、除外設定が優先されるためそのキーワードで広告が配信されなくなります。
この自動適用をオンにしておくと除外キーワードの方が削除されてしまうため、除外設定を優先したくても広告が配信されてしまいます。
キーワードに登録していても除外設定を優先したい場合は必ずオフにしておきましょう。
・最適化されたターゲティングを使用する
最適化されたターゲティングとは、設定したターゲットの外に範囲を拡大して広告を配信する設定です。コンバージョンに至る可能性が高いと判断されたユーザーにターゲティングの設定範囲を超えてリーチします。
リマーケティングにおいてサイトを訪問したことがないユーザーに広告が表示されるなど、意図しないターゲットに広告が配信されてしまうため推奨しません。
”それでもターゲット範囲を広げたい”という場合はオンにしてもよいですが、特に希望がない限りオフにしておくようにしましょう。
・新しいキーワードを追加しましょう
・部分一致キーワードを追加する
これらをオンにしていると、意図しないキーワードが自動で追加されるおそれがあります。
入稿しているキーワード以外に広告を表示したくない場合は基本的にオフにするようにしましょう。
・ディスプレイネットワーク対応を使用する
検索ネットワークで使い切れていない予算をディスプレイネットワークに回す設定です。
検索広告から自動生成されたディスプレイ広告が表示されます。
意図しない形で広告が表示され予算を使ってしまうおそれがあるため、よほど余剰予算に困っている場合でなければオフにしておくようにしましょう。
・目標インプレッション シェアを使って、広告費用対効果を改善しましょう
・「クリック数の最大化」を使って、広告費用対効果を上げましょう
・「コンバージョン数の最大化」を使って、広告費用対効果を改善しましょう
・「コンバージョン値の最大化」を使って、広告費用対効果を改善しましょう
・目標コンバージョン単価を使用した「コンバージョン数の最大化」で効率的に入札しましょう
・目標広告費用対効果に基づく「コンバージョン値の最大化」を使って、より効率的に入札しましょう
・目標コンバージョン単価の設定
・目標広告費用対効果の設定
・目標コンバージョン単価の調整
・広告費用対効果の目標値を調整する
これらは入札戦略が勝手に変更されてしまう設定です。
意図しない入札戦略に自動で切り替わってしまうとかえって成果が悪化してしまったり管理しきれなくなってしまうおそれがあります。
基本的には全てオフにしておくようにし、入札戦略の変更は自動適用ではなく手動で行うようにしましょう。
トラブルを防ぐためにもう一度設定を見直そう
Googleの提案だからといって、必ずしも成果が改善するわけではありません。
本記事を参考に、意図しない設定が加わるおそれがある項目がオンになっていないかもう一度お確かめください。
自動適用の各項目を利用したい場合は、アカウント全体に変更が加わることを考慮し、悪影響がないことを確認してからオンにするようにしましょう。
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