【超初心者向け】リスティング広告のレポートで見るべき3つのKPI
ネット広告について全くの未経験者なのに大した引き継ぎもなく突然リスティング広告の責任者を任せられるケースは少なくありません。もしかしたらこの記事を見ているあなたもそんな一人ではないでしょうか。
「知識がないまま代理店からレポートをもらったものの意味がわからない」
「代理店の担当者が話している内容もさっぱりわからない」
そんな超初心者向けに、最低限知っておきたい主なKPI(指標)と、Web広告のレポートを理解するために最低限確認したい3つのKPIを解説します。
どのようなWeb広告を配信しているとしても、ほぼ必ずレポートに含まれる重要な指標は以下のとおりです。まずはこれらの名前と意味を確実に把握しておきましょう。
指標 | 読み | 意味 |
IMP | インプレッション | 表示回数。広告が表示された回数を表す。 |
COST | こすと | 費用。レポート対象の広告にかかった費用総額を表す。 |
クリック数 | 広告がクリックされた回数を表す。 | |
CTR | しーてぃーあーる | クリック率。表示された広告のうち、何%がクリックされたかを表す。 クリック数÷表示回数で算出。 |
CPC | しーぴーしー | クリック単価。1クリックあたりいくらの費用がかかったかを表す。 COST÷クリック数で算出。 |
CV | コンバージョン | 問合せ、資料請求、商品購入など、広告ごとに定められた目的を果たした数を表す。 |
CVR | しーぶいあーる | コンバージョン率。広告をクリックしたユーザーの何%がコンバージョンにいたったかを表す。 CV÷クリック数で算出。 |
CPA | しーぴーえー | コンバージョン単価。1CVあたりにかかった広告費用の総額。 COST÷CVで算出。 |
その他のよく使われるKPIについては、以下の記事で詳しく解説しています。上記のリストに知りたいKPIが含まれていなかった方は、こちらもあわせて確認してください。
また、「KPIを知ってもWeb広告の改善施策を考える余裕がない…」とお困りの方は、ぜひ以下のボタンから弊社にご連絡ください。貴社のWeb広告の状況をくまなくチェックし、成果が改善する運用施策をご提案します。ご相談は無料ですので、お気軽にお問合せください。
CV・CPA・コストだけチェックしよう
広告配信のそもそもの目的を思い出しましょう。もっとも大事なのは表示回数を増やすことですか?それともクリック率を上げることですか?
違いますよね。
多くの場合、リスティング広告を運用するのはCV獲得が目的だと思います。CV獲得が目的であれば、まずはCVに絞ってチェックしていくべきです。そのためCVの成果に大きく関わる「CV」「CPA」「コスト」の3つだけを、まずは注視しておけばよいと言えます。
【CV・CPA・コストだけ見ればよい理由】
広告予算が一定の場合、CPAを引き下げることがCVの最大化につながるからです。
ちなみにCVは「CV=コスト÷CPA」で算出できます。
コストが毎月一定の場合、分母であるCPAが下がればCVが増えていきます。そのため、CV数とCPAが改善されていればよいのです。コストが増えた場合は、その分CVも増えなければなりませんので、CPAをどれだけ維持できているかが重要です。
クリック率やクリック単価など他の指標は変動があったとしてもこれらの数値が改善されていれば全く問題ないのです。逆にクリック率やクリック単価だけ改善されていても全くもって意味がありません。
リスティング広告で認知は不要、獲得のみで評価するべき
リスティングの仕組みをよく知らず、テレビCMのようにとにかく注目を集めて反応(クリック率)がよければ効果がよいと勘違いしているご担当者様がいらっしゃいます。
広告種類 | 目的 | 課金形式 | 効果を上げるポイント |
リスティング広告 | 獲得 | クリック課金(変動) | 反応(クリック率)よりも質(CV)が大事 |
テレ広告 | 認知 | 放映量に応じて事前に決定(固定) | 反応が良いほど効果が高い |
リスティング広告とテレビCMは目的や料金システムが全く違うため混同しないようにしてください。リスティング広告は獲得のみで評価しましょう。
クリック率やクリック単価の変化は大した問題ではない
事例①「クリック率が下がった!大変。」
代理店から下記レポートを渡されたらどう思いますか?CVは増えてCPAが安くなっているものの、クリック率が下がってクリック数が減ったことによって効果が下がった印象を受けていないでしょうか?
■リスティングレポート①
月 | 表示回数 | クリック数 | クリック率 | クリック単価 | コスト | CV | CVR | CPA |
2020年4月 | 124,523 | 3,425 | 2.75% | ¥143 | ¥488,383 | 43 | 1.26% | ¥11,358 |
2020年5月 | 135,767 | 3,400 | 2.50% | ¥144 | ¥490,503 | 45 | 1.31% | ¥10,900 |
結論、クリック率は気にしなくてよいです。CVが増えてCPAが安くなっているという結果だけみれば十分です。ただし、クリック率が下がった要因くらいは聞き出しておきましょう。ご担当者様が把握しておく必要はないですが、代理店は把握していなければいけません。
<例:クリック率が上がった要因>
・クリック率は高いがCVに繋がらないキーワードの露出を減らした
・クリック率は高いがCVに繋がらないデバイスの露出を減らした
・クリック率は高いがCVに繋がらない時間帯の露出を減らした
などなど、上記以外にも例を上げればキリがありません。これらは効果を上げるための適切な対応ですので、理由さえ把握していればクリック率が下がったところで全く問題ないのです。
事例②「クリック単価が上がった!大変。」
次は下記レポートをご覧ください。今度はクリック単価が上がってクリック数が減ったことによって効果が下がった印象を受けていないでしょうか。
■リスティングレポート②
月 | 表示回数 | クリック数 | クリック率 | クリック単価 | コスト | CV | CVR | CPA |
2020年4月 | 122,598 | 5,798 | 4.73% | ¥173 | ¥1,002,609 | 52 | 0.90% | ¥19,281 |
2020年5月 | 104,523 | 4,998 | 4.78% | ¥201 | ¥1,003,359 | 59 | 1.18% | ¥17,006 |
こちらもクリック単価は気にしなくてよいです。クリック単価は上がっているものの、それ以上にCVRが上昇しているので、結果としてCVが増えてCPAが安くなっていいます。ここが最も重要です。ただし、クリック単価が上昇した理由は把握しておきましょう。
<例:クリック単価が上がった要因>
・クリック単価は低いがCVに繋がらないキーワードの露出を減らした
・クリック単価は低いがCVに繋がらないエリアの露出を減らした
・競合が入札を強化し始めたためクリック単価が上がった
などが挙げられますが、理由さえ把握していればクリック単価が上がったところでCV・CPAが改善されていれば問題ありません。
他の指標は経験値が増えてから覚えればOK
指標 | 変動が合った場合のチェックポイント |
表示回数 | 理由を把握しておけばOK。 |
クリック数 | 表示回数かクリック率のどちらに変動があったのかを確認。 |
クリック率 | 他にメリットがなくクリック率が下がった場合は品質スコアが下がりクリック単価が上昇してしまうため要注意。 |
クリック単価 | クリック単価の上昇以上にCVRが上昇していてCPAが改善されていれば問題なし。 |
CVR | CVRが低下してもそれ以上にクリック単価が低下すればCPAが改善されるため問題なし。 |
上記は「CV」「CPA」「コスト」以外の主な指標です。最初から覚える必要は無いですが、「クリック単価」と「CVR」の変動はCPAに直結するため優先して覚えていくとよいと思います。
CPA以外の指標を見ないといけない例外ケース
ここまでCV,CPA,コストの3指標を見れば良いと説明しましたが、CPAが重要指標とならず、他の指標を見ないといけない例外ケースもあります。それは、広告配信目的が売上である場合です。ECサイトなどがこれに当てはまります。売上が目的の場合はCPAではなくROASの指標を見ないといけません。
ROAS…(Return On Advertising Spendの略。)広告費に対して得られた売上を%で表したものです。
売上÷コスト×100(%)で算出
ROASが100%以下だと、広告費用が売上を上回っており「赤字」の状態です。ROASが100%以上になれば利益が出たということになります。このように、広告配信目的が売上の場合は、「コスト」「CV」「ROAS」を見るようにしてください。
正しい判断をするための2つの方法
良い代理店と組む
最も現実的なのは良い代理店と組むことです。チェックポイントは下記のとおり。
・報告やレポートはCVを中心にされているか?
・論点をクリック率など関係ない話にそらしていないか?
・そもそも担当者の経験やスキルは十分なのか?
・担当者の稼働に余裕があるのか?←レスは基本一時間以内にくるかで判断
自身がしっかり勉強する
最も間違いないのは担当者自身が勉強して知識を上げることです。教材はネット記事や書籍でたくさん出ていますし、Googleも無料提供しているので簡単に始めることができます。ただし、十分な知識を得るには数ヶ月~一年は掛かるので時間がかかり、常に情報もアップデートしていくため勉強を継続していく必要もあります。
自社サービスの担当をしながらリスティングの勉強を行うのはとても大変だと思いますので、まずは代理店の選定から見直すことをおすすします。
リスティング広告のレポートの見方やレポート作成のご相談は、下記よりお問い合わせください。
広告運用初心者の方は下記の記事も合わせてご参照ください。