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2025.02.03 更新
2025.02.03 更新

広告代理店の仕事内容とは|採用担当が伝える仕事の魅力と選考でアピールすべきポイント

Written By
Y.F.

HR担当兼コンテンツプランナー

就職活動を行っている方の中で、広告代理店に興味を持っているよという方は多いのではないでしょうか。しかし広告代理店の業務内容について、詳しく理解できている方はどれほどいるでしょうか。

私は広告代理店の採用担当を長く務めていますが、広告代理店の業務内容を正しく把握できている方はほとんどいないと感じています。せっかく広告代理店に入社できたのに「思っていた仕事と違う」と感じてしまう方が、毎年一定数いるのではないでしょうか。

そこで当記事では、広告代理店に就職したいとお考えの方に向けて、広告代理店の業務の内容や広告代理店で働く魅力について紹介します。

さらに選考を受けてみたいと思った方に向けて、選考時にアピールすべきポイントについても採用担当の目線で解説します。

広告代理店への理解を深めて、興味を持っていただけたら、是非弊社へのエントリーもお願いいたします。

広告代理店とは|広告主と広告媒体の間に立ち施策を提案するお仕事

まずは広告代理店の定義についてお伝えします。広告代理店とは「新聞社・TV局・Googleなど広告を出す媒体社(メディア)の代わりに、広告枠を広告主(企業)に販売する会社」です。

カンタンに図解すると以下のような構図になります。

<広告代理店のビジネスモデル図>

広告代理店は「広告を出す」会社から「成果を出す」会社に

上記のような広告枠の販売が広告代理店の主な業務でしたが、ここ20年間で広告代理店の仕事内容は大きく変化しました。その要因は「インターネット広告」の登場です。

下の表は2023年の日本の媒体別広告配信比率の割合を示したものです。つまり、日本の企業は広告費の約半分をインターネット広告に使っているということです。

【広告媒体別構成比率】

媒体
構成比(%)
新聞4.8
雑誌1.6
ラジオ1.6
テレビ23.7
インターネット45.5
その他22.8
(出典:2023年 日本の広告費
参照URL:https://www.dentsu.co.jp/news/release/2024/0227-010688.html)

TVや新聞が広告配信比率の高いメディアであった時代、これらのメディアに広告を配信するには、企業は広告代理店を経由して広告枠を購入しないといけませんでした。しかしGoogleやFacebookなどのネットメディアの登場により、広告代理店を経由しなくても、企業が直接広告を配信することができるようになりました。

これらは「運用型広告」と呼ばれる、新しい形式の広告です。 

運用型広告とはなんぞや?という説明は別記事で紹介しています。

運用型広告が躍進するにつれ、広告代理店に求められるものも徐々に変わりました。今求められていることは、「広告成果を出す」ことです。

インターネット広告は、売上や申込数などの広告成果がはっきり数値化されるという特徴があります。この数値を増やし続けていくには、多くのデータや広告配信実績が必要です。そこで何百社ものインターネット広告の配信を行い、配信実績やデータが豊富にある広告代理店の存在が重要になります。 
広告代理店も時代とともに役割が変わってきていますが、現在は「インターネット広告を利用して広告成果を伸ばすことができる代理店」の重要性が増しています

広告代理店の3分類

ヒトコトに広告代理店と言っても、販売している広告の種類や広告を販売する相手によって大きく3つに分けられます。それぞれについて解説します。

①総合広告代理店|どんな広告でも配信する

総合広告代理店は、テレビ・新聞・雑誌・Webメディアなどすべての広告媒体を取り扱っている大規模な広告代理店を指します。またメディア対応だけでなく、広告制作やマーケティング戦略を提案する部署などを自社もしくはグループ会社で抱えているため、広告主の要望に合わせて様々な広告施策を提案できます。

広告主からすると、総合広告代理店に頼めばあらゆる施策を提案してくれるというメリットがあります。一方で広告代理店側は、対応できる企業の数は限られてきますので、広告費を多く支払える大企業でないとなかなか取引してもらえません。

<代表的な総合広告代理店>

電通グループ、博報堂DYホールディングス、ADKホールディングス

②専門広告代理店|特定のメディアに強い

専門広告代理店は、特定のメディアの広告に特化して販売する広告代理店です。近年ではインターネット広告に絞って販売する専門広告代理店の数が増えています。

取り扱う広告媒体を限定しているため、その媒体への専門知識や配信実績が豊富です。一方でクライアントから、YouTube、テレビ、ラジオ、複数のメディアに一斉に広告を配信したいと相談を受けた場合、専門広告代理店1社ですべてを請け負うことができないために、提案の機会を逃す場合もあります。

日本の広告代理店のほとんどは、この専門広告代理店に当てはまります。

<代表的な専門広告代理店>

サイバーエージェント、トランスコスモス、セプテーニ

③ハウスエージェンシー|大企業のグループ会社

ハウスエージェンシーとは、特定企業の専属広告代理店のことです。大企業のグループ会社であることが多く、親会社の広告戦略を一手に担っています。

親会社の広告配信で得た実績をもとに、他の企業にも広告配信戦略を提案するというハウスエージェンシーが増えています。

<代表的なハウスエージェンシー>

ジェイアール東日本企画、東急エージェンシー

以上が広告代理店の分類です。前章でも説明しましたが広告代理店の定義は「メディアの代わりに広告枠を販売する会社」です。この機能がなければ広告代理店とは呼ばれません。

一方で、広告制作を専門的に行う「広告制作会社」、マーケティング戦略を提案する「マーケティング会社」、企業の広報活動を代行する「PR会社」など広告代理店ではないものの、広告業界に属する会社もあります。

ご自身が興味のある仕事内容を行っている企業かどうかを確認してから、応募するとよいでしょう。

広告代理店の主な職種5種

広告代理店は、多様な業務を担っているため、職種も様々です。ここでは広告代理店の主な職種と仕事内容をご紹介します。

広告代理店の職種①営業担当

営業担当は、広告主に対して広告枠や広告施策の提案を行う部署です。アカウントプランナーと呼ぶこともあります。

広告代理店が提案するものは、広告枠、動画・静止画などの広告制作物、マーケティング戦略など多岐に渡ります。自分ひとりで提案を行うことが難しいため、社内の別部署や社外の協力会社など、専門知識を持っている方と協力して提案内容を固めていきます。

案件の受注が決まったら、営業担当が広告主との窓口を担い、広告制作のスケジュール進捗の管理や、広告成果の報告など継続的に交渉を行います。

広告主の悩みをヒアリングしたり、広告施策をプレゼンするコミュニケーション力や、スケジュール管理を行う調整力が必要となるポジションです。

広告代理店の職種②メディア担当

新聞社・出版社・TV局・ネットメディアなどとの交渉を担当する部署です。主な仕事は、各メディアから広告枠を仕入れることです。

メディアの情報を多く所有して、営業担当からの依頼に応じて、広告配信媒体やメニューを紹介します。

インターネット広告が登場した昨今では、Googleなどのメディアから最新の広告メニューのトレンドや、新機能などの情報をいち早く収集することも重要です。

なるべく有利な条件で広告枠を仕入れる交渉力や、最適な媒体を選別する専門知識が必要となります。

広告代理店の職種③制作担当

文章・画像・動画など出稿する広告を企画・制作する部署です。クライアントの要望を伺いながら、制作物を納品する役目を担います。

ユーザーの目を引く文章を作るコピーライティングや、画像のデザインセンス、動画の制作技術など、専門的な知識やセンスが必要になる部署です。

クリエイター、デザイナーと呼ばれる仕事は、制作の部署に含まれることが多いです。

広告代理店の職種④マーケティング担当

広告主のマーケティング戦略を考える部署です。マーケティングとは、市場の分析を行い、商品が選ばれる仕組みを考えることです。

企業でもマーケティング部署を置いていることが多いですが、広告戦略にかかわるマーケティングの相談は広告代理店が受けることがあります。

市場の動向や競合他社の商材をもとに広告配信するターゲットや広告配信メディアのプランニングを行い、戦略が固まり広告配信を行った後は配信成果を集計・分析し次の施策を考えます。このサイクルを繰り返して、クライアントの業績を増やし続けることがミッションです。

数値を読み解く分析力や、次の施策を考える企画力が求められるポジションです。

広告代理店の職種⑤広告運用担当

広告運用部門は運用型広告の管理や、営業担当とともに広告媒体を提案する部門です。具体的な業務は、広告の設定や配信量の調整、予算管理、広告成果の集計などです。インターネット広告で成果を出すには、広告運用担当の力が欠かせません。インターネット広告のシェアは増え続けているため、現在広告業界で最も重視されている職種です。

設定や広告成果集計などの仕事を早く的確に行う能力が必要です。また、マーケティング担当と同様、数値を読み解く分析力、次の施策を考える企画力も求められるポジションです。

以上が広告代理店の主な職種です。ご注意いただきたい点は、すべての広告代理店で上記の職種を募集しているとは限らないことです。制作部署がない広告代理店、営業担当しかいない広告代理店などもあります。自分がやりたい職種がある場合は、応募する広告代理店にその職種の採用があるか、確認してくださいね。

広告代理店の仕事の魅力

広告業界で勤務している採用担当者の経験をもとに、広告業界での働き方についてご紹介します。まずは、広告代理店の仕事の魅力についてです。

①様々な業界の人と関われる

広告は業界の制限なく配信されます。そのため、様々な業界の方とお仕事する機会があります。広告の提案を通じて、各業界のビジネスの仕組みや、成功しているビジネスモデルを学ぶことができるので、自身の知見も広がるという魅力があります。

②成果が明確で、達成感を得やすい

近年の広告配信で重要な役割を担うインターネット広告ですが、これには申込数・売上数などの広告成果が明確にわかるという特徴があります。

自分のアイデアで広告施策を試した結果、広告成果が向上すると達成感を得ることができます。自分が実施したことの成果が目に見えてわかる点にやりがいを感じられると思いますよ。

③クライアントの事業成長をサポートできる

広告の配信は、クライアントの事業成長に密接に関わるものです。自分たちが考えた施策で広告成果が向上し、その結果クライアントの業績を向上するという経験は何よりの喜びです。

クライアントが望む結果を達成して、クライアントから喜ばれた瞬間や、クライアントの会社規模が大きくなるなど成長する様子を見られたときは、大きなやりがいを感じられるでしょう。

上記で挙げたものは一例にすぎません。働くなかで様々なやりがいを感じられるはずです。中でも私が考える広告代理店の仕事の魅力は、クライアントの成長に携われることだと思います。他社のために頑張りたい、お客様に喜んでもらえると自分も喜びを感じるというような方は、広告代理店で働くことが向いていると思いますよ。

広告代理店の仕事の辛さ

魅力があれば、反対に辛さを感じることもあります。具体例を4つご紹介します。

①スケジュールの進捗管理

広告代理店の営業担当になると、特に大変だと感じる点です。広告施策の提案は、社内の他部署や社外の人とチームを組んで行われます。各部署の業務内容やスケジュールを把握し、進捗を管理しなければなりません。どこかの部署で少し作業が遅れると、他の部署の作業進捗も停滞し、納期に遅れる可能性もあります。ときにメンバーに発破をかけながら、全体のスケジュールを管理する必要があります。

②数値と向き合う必要があること

やりがいとして成果が明確という点を挙げましたが、これは辛い点とも言えます。広告代理店で勤務していれば、成果が伸びないばかりか減少していくこともあります。自分の提案が成果に結びつかなかったときに、責任を感じてしまうこともあるでしょう。数値と向き合い、数値を向上する施策を考え続けることが求められる点は、人によっては辛いと感じるかもしれません。

③常に勉強が必要になること

新しいSNSやWebメディアは常に増え続けています。GoogleやInstagramなど既存のメディアもアップデートを続けています。今の常識は、数年後には古いものになっているということはよくあります。

日々アップデートされる広告メディアの情報をキャッチして、情報を刷新していくことが広告代理店には求められるので、日々勉強を続けることが大事です。

④ミスできないこと

広告配信にミスは許されません、例えば商品の料金が誤っていたり、終了したキャンペーンの情報を掲載しているなどのミスがあれば、それは誤報となります。もし誤った広告を配信した場合、消費者からの信頼度が落ちるのは、広告代理店ではなくクライアントです。クライアントに代わって広告配信することは、負う責任も大きいです。小さいミスを許さない姿勢で業務を行わなければなりません。

以上が、広告代理店の業務で考えられる大変な部分です。とはいえ上記を辛いと思うかどうかは、個人の考え方によって変わります。

勉強を続けなければいけませんが、その分新しい知識を常に吸収でき自己成長に繋がる。ミスの許されない責任ある仕事をやり遂げて、大きな達成感を得たいなど是非前向きにとらえていただきたいです。

広告代理店の仕事に向いている人の特徴と選考時にアピールすべきポイント

最後に「採用担当が考える広告代理店の仕事に向いていると思う人の特徴」を紹介します。 

また具体的にどういう経験をしたことがある方が、向いているかについても紹介します。広告代理店の採用面接を受ける際に何をアピールすればよいか迷っている方は、参考にしてください。

①コミュニケーション(意思疎通)力が高い

社内、社外問わず様々な方とやり取りを行うため、高いコミュニケーション力があるとよいです。コミュニケーション力といっても意味が広いので、さらに具体的にいうと「意思疎通する力」です。

やり取りをする相手が、自分と同程度の広告に関する知見を持っているとは限りません。時には全く知見のない方に、専門的な話をすることもあります。その際は、専門的な用語を使わない、わかりやすい例を加えるなど相手が理解できるように工夫して説明することが必要になります。

また相手が感じている悩みをヒアリングで引き出す力も必要です。「何故クライアントはこんな相談をしたのか?」という背景を理解することで、提案内容が変わることがあるからです。

接客などの仕事で、お客様のお悩みを聞いたうえで商品を提案した経験がある方は、その経験をアピールするといいでしょう。

②数値をもとに論理的に考えられる

クライアントは、成功するかわからない広告施策に対しては広告予算を出してくれません。「この施策を行えば、この数値が何%上昇する」といった数値に基づいた提案が必要になります。

「アルバイト先の店舗売上を向上させるために、客層を分析して来客の多い層をターゲットとした新規メニューを提案した」「イベントの来場者数を増やすために、どのSNSを使ってどれくらい投稿を行えばよいか数値を算出した」などの経験があるという方はこれに当てはまるでしょう。

③新しいことを苦にせず挑戦できる

SNSや動画サービスなど新しいメディアが次々生まれています。またGoogleやInstagramなど既存のメディアでも、新しい広告メニューが誕生します。広告代理店は、それら新しいメディアや広告メニューをいち早くキャッチして、概要を理解したうえで提案しなければなりません。

新しいことを実行する際は、不安や失敗するかもという怖さを感じることもありますが、それに臆せず挑戦できる力が必要になります。

アルバイト先や部活などで、既存のやり方にとらわれず新しいことにチャレンジした経験がある方はこれに該当するでしょう。

④目標達成能力が高い

ビジネスでは個人に目標が与えられ、それの達成に向けて行動しなければいけません。会社からは売上や利益の目標が与えられ、クライアントからも売上や申込数などの目標が与えられることが多いです。この目標達成を強く意識したうえで、日々の行動を考えていくことが求められます。

アルバイト先の売上目標、イベントの来場数目標など、設定された目標数値の達成に向けて行動した経験がある方は、目標達成能力が高いといえるでしょう。

以上が広告代理店に向いている人の大まかな特徴です。ただ具体的にどういう人材を必要としているかは、広告代理店ごとに異なります。自分が応募したい会社がどういう人材を必要としているかは、会社説明会やHPなどを確認してください。

上記の能力や経験がないと広告業界に就職するのは難しいと諦める必要もないですよ。あくまでひとつの参考として考えてくださいね。

広告業界にチャレンジしたい方は、ネット広告に強い弊社にエントリーを

以上、広告代理店の業務内容や、やりがいなどを広告代理店で勤務している採用担当の目線で解説しました。

広告代理店とひとことで言っても、担当している業務範囲や、得意な内容、募集している職種などは会社によって様々です。広告制作の仕事をしたいと思って広告代理店に入社したけど、制作の部署が会社になかったといったことが起きないよう、事前にしっかり調べてから応募するといいでしょう。

現在の広告代理店は、インターネット広告の需要が増えているため、その成果を向上させる「広告運用者」の重要度が増え続けています。

数値を分析することが好きだ、マーケティングを仕事にしたいという方は、広告業界にチャレンジしてみてください。

当記事を見て、広告業界に興味を持った方は、是非弊社にエントリーください。

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Y.F.

HR担当兼コンテンツプランナー

言わずと知れた鶏先輩。広告運用をはじめ、採用、担当、品質管理、メディア媒体交渉、マーケティングなど様々な業務を担当し、今自分が何担当なのか?見失う。実はプライムナンバーズ最古参メンバーのひとり。特技は1~1,000までの数字をもらえば、その図鑑番号のポ〇モンを当てられること!