ビュースルーコンバージョンとは?デマンドジェネレーションで“見えない成果”を可視化する評価のコツ
「動画広告やディスプレイ広告を配信しているのに、管理画面の直接コンバージョン(CV)がほとんどつかない」「CPAだけ見ると効果が悪そうに見えるけど、配信を止めていいのか判断に迷う」など、Web広告の運用現場ではこうした悩みが日常的に出てきます。クリック経由のCVだけで広告の価値を判断してしまうと、本来評価すべき施策を見落とすおそれがあります。
本記事では、広告を見たもののクリックせず、後日別の経路でCVに至った「ビュースルーコンバージョン(VTC)」について、基本の定義から運用での見方までわかりやすく解説します。
また、Google広告の「デマンドジェネレーションキャンペーン」でビュースルーコンバージョンをどう評価するか、弊社内の運用現場で起きた「直接的なCPAだけでは見えなかった施策」の事例もあわせてご紹介します。
プライムナンバーズでは、Google広告のデマンドジェネレーションキャンペーンをはじめ、認知~CVまで一気通貫で設計するWeb広告運用を、豊富な実績にもとづいてサポートしています!
ビュースルーコンバージョンを含めた評価設計を見直したい
デマンドジェネレーションの運用に困っている
媒体間の数字のズレをクライアントに説明する材料がほしい
などお悩みの方は、下記ボタンよりお気軽にプライムナンバーズまでご相談ください。お見積り・シミュレーションも無料でお出しいたします。
目次
ビュースルーコンバージョン(VTC)とは?
ビュースルーコンバージョンの定義、クリックスルーコンバージョン(CTC)との違い、Google広告での計上ルールや計測期間、「視聴」との混同しやすい点まで、運用前提として知っておきたい基礎知識を整理します。
ビュースルーコンバージョンの定義
ビュースルーコンバージョン(View-through Conversion)とは、広告が表示されたもののクリックされず、その後ユーザーが別の経路でサイトを訪れてコンバージョンに至った回数を指します。
たとえば、こんな行動の流れがビュースルーコンバージョンとして計測されます。
①ユーザーがYouTube広告やDiscoverのフィードで商品の動画・画像広告を見る(クリックはしない)
②その場ではスルーしたが、なんとなく頭に残る
③数日後、思い出してGoogleで指名検索し、公式サイトから購入する
最後の流入経路は「自然検索(オーガニック)」ですが、購入のきっかけ(アシスト)を作ったのは、間違いなく最初に見た広告です。ビュースルーコンバージョンを計測することで、広告がユーザーの記憶に残り、後の行動を後押しした影響を数値で”見える化”できます。
クリックスルーコンバージョン(CTC)との違い
私たちが普段、広告管理画面の「コンバージョン数」として目にする数字の多くは、クリックスルーコンバージョンです。
クリックスルーコンバージョン:広告を「クリックした」ユーザーが達成したCV
ビュースルーコンバージョン:広告を「見ただけ(クリックしていない)」ユーザーが、後日達成したCV
検索広告のように「今すぐ欲しい」ユーザーにアプローチする場合は、クリックスルーコンバージョンを軸に評価して問題ありません。一方、動画広告やディスプレイ広告のように「認知を広げ、後で思い出してもらう」ことを狙う広告では、ビュースルーコンバージョンを見ないと貢献度を見落としてしまいます。
Google広告でのビュースルーコンバージョンの基本ルール
Google広告でビュースルーコンバージョンを理解するうえで、押さえておきたい仕様が2つあります。
①どこの列に計上されるか
Google広告では、ビュースルーコンバージョンは原則としてビュースルーコンバージョン列とすべてのコンバージョン列に計上されます。通常のコンバージョン列には含まれません。
キャンペーン画面で項目をカスタマイズし、「ビュースルーコンバージョン」にチェックを入れると表示されます。


ただし、P-MAX、アプリ、デマンドジェネレーションの3つのキャンペーンで「ビュースルーコンバージョン最適化」をオンにしている場合に限り、ビュースルーコンバージョン列の数字がコンバージョン列にも合算されてしまいます。これらのキャンペーンでビュースルーコンバージョンを“成果”として扱いたいときは要注意です。※クリックしていないユーザーも「1コンバージョン」とカウントされるため、CPAが改善したように見えるが実態はそうではない
②計測期間(ルックバックウィンドウ)
ビュースルーコンバージョンを「広告を見てから何日以内のCVまで計測するか」は、コンバージョンアクションごとに設定できます。Google広告では「1日/3日/7日/14日/21日/30日」から選択でき、最長30日です。

③Cookieの制約
サイト間のCookieを許可しないブラウザでは、ビュースルーコンバージョンはレポートできません。SafariのITP(Intelligent Tracking Prevention)など、ブラウザ側のトラッキング制限が強くなっているここ数年では、ビュースルーコンバージョンも完全な数字ではなく「測れる範囲の数字」だという前提を持っておくことをおすすめしています。
「視聴」と「ビュースルー」は別物
混同されがちですが、Google広告における動画広告の「視聴(View)」とビュースルーコンバージョンの「ビュー(インプレッション)」は別の概念です。
公式ヘルプでも「インプレッションは動画広告の『視聴』とは異なります」と明記されていて、広告が「視聴」されてからのCVは通常のコンバージョン列に計上されます。一方、ビュースルーコンバージョンの母数となるのは、視聴の有無に関係なく「広告が表示されたインプレッション」です。
ビュースルーコンバージョンの評価が必要な理由
検索広告による獲得が伸びにくくなっている環境や、直接的なCVだけで成果を判断することで起こりやすい運用ミス、さらに媒体側でもビュースルーコンバージョンを活用した最適化が進んでいることなど、複数の背景があります。
潜在層へのアプローチの必要性
Web広告業界では長年、検索広告のような「顕在層を狙う広告(=CV獲得が目的の広告)」が主流でした。しかし、競合が増加したことでクリック単価(CPC)が高騰し、成果が頭打ちになってしまうことが増えました。
そこで次の施策として、YouTube広告やSNS動画広告、ディスプレイ広告などを活用し、潜在層へアプローチする動きが広がりました。しかしここで運用担当者が直面するのが「認知目的の広告で取れた成果をどうやって正しく評価するのか?」という問題です。
直接CVだけでは成果が正しく測れない
認知系の動画・ディスプレイ広告を配信したとき、管理画面でいう「直接CV(クリック経由)」はほとんど発生しません。ユーザーは自分が見たい動画や記事を見ているのに、わざわざ広告をクリックして別サイトに遷移して商品の購入手続きまで進むモチベーションが低いからです。
ここで「直接CVがゼロだから効果がない!もう配信やめよう!」と判断して広告を止めると、本来その広告を見て後日検索してくれていたはずのユーザーがいなくなります。結果として指名検索のボリュームが落ち、全体の獲得数が下がるという機会損失につながります。
「動画広告を止めたら、なぜか検索広告のCV数まで落ちた」というあるあるは、認知広告の効果を正しく測れていなかったときに起こりがちです。だからこそ、広告の貢献度を正しく測るためにはビュースルーコンバージョンを評価軸に組み込む必要があるのです。
ビュースルーコンバージョン最適化について
Google広告のビュースルーコンバージョン最適化とは、ビュースルーコンバージョンに至ったユーザーの行動データをAIの入札学習に直接組み込む機能のことです。
通常、ビュースルーコンバージョンはあくまで参考値として別の列で管理されますが、P-MAXやデマンドジェネレーションなどの特定のキャンペーンでこの最適化を有効にすると、ビュースルーコンバージョンがメインの「コンバージョン」列に合算され、AIはそれを「正解のデータ」として追いかけるようになります。これにより、動画やバナーなど視覚に強い形式の広告において、クリックという直接的な反応がなくても「広告を見て影響を受けたユーザー」を効率よく探せるようになります。ただし、クリック経由の成果と合算されることで見かけ上のCPAが大幅に安くなるため、純粋なクリックによる獲得効率と混同しないよう、レポートの解釈には注意が必要です。
デマンドジェネレーションキャンペーンとビュースルーコンバージョン
ビュースルーコンバージョンの評価がもっとも効果的なGoogle広告のキャンペーンが「デマンドジェネレーションキャンペーン」です。
デマンドジェネレーションキャンペーンとは
デマンドジェネレーションキャンペーン(旧:ファインドキャンペーン)は、Googleの下記の配信面に画像・動画広告を出せるキャンペーンです。
YouTube(ショート、インフィード、ホームフィード、「次のおすすめ」、YouTube検索)
Discover(Googleアプリのフィード)
Gmail(プロモーションタブ)
Google ディスプレイ ネットワーク(GDN)
検索広告ではリーチできない潜在層に需要(=デマンド)を作り出すことが目的のキャンペーンです。認知拡大からCVまで一気に狙えるのが強みです。

【コラム】デマンドジェネレーションはビュースルーCVで評価すべき
広告運用コンサルタント K.T.
Googleのデマンドジェネレーション広告は認知拡大や間接的なコンバージョンに強く、通常の管理画面上のCPAが悪く見えても、後日別経路でコンバージョンしたかを示す「ビュースルーコンバージョン」で見ると優秀な成果を出しているケースが多々あります。直接的な獲得だけでなく、ビュースルーを含めた総合的な指標で評価することが重要です。
デマンドジェネレーション特有の「ビュースルーコンバージョン最適化」
デマンドジェネレーションキャンペーンでは、ビュースルーコンバージョンの最適化を有効化できる仕様になっています(YouTube面のみ対象。デフォルトはオフ)。

ビュースルーコンバージョン最適化を有効にすると、Google広告のAIが「広告を見たけどクリックはせず、後日CVに至ったユーザー」の情報も学習し、より広い意味でのコンバージョンを獲得しに行きます。さらにこの場合、最適化対象のビュースルーコンバージョンはコンバージョン列にも反映されるため、入札を管理するAIにも正しく情報を渡せます。
通常、ビュースルーコンバージョンはビュースルーコンバージョン列とすべてのコンバージョン列にしか表示されません。デマンドジェネレーションだけは(ビュースルーコンバージョン最適化を有効にすれば)コンバージョン列にも入るという違いを理解しておくと、レポーティングがスムーズです。
動画キャンペーンとビュースルーコンバージョン
動画広告の効果指標としてよく使われる「視聴回数」「再生回数」ですが、媒体ごとに「何秒見たら1視聴か」の定義は下記のようにバラバラです。
YouTubeのスキップ可能インストリーム広告:30秒以上または最後まで視聴で1視聴
X(旧Twitter)の動画再生数:画面の50%以上が表示された状態で2秒経過
Meta(Facebook/Instagram)の3秒動画再生数:3秒以上再生
TikTokのVideo Views:再生開始でカウント
「何百万回再生されました」と言っても、「で、売上にどう貢献したの?」と聞かれてしまえばそれまでなんですよね。視聴数“だけ”ではクライアントを納得させられないというのが現場感覚です。
そこで役立つのが、ビュースルーコンバージョンです。
各媒体で「1再生」の定義がバラバラなのは、あくまで「動画がどう見られたか」という”入り口”の指標だからです。対してビュースルーコンバージョンは「広告を見たユーザーが、クリックせずに後日コンバージョンに至った」という”出口”の成果を捉える指標です。
再生定義のズレに振り回されるのではなく、「最終的にその動画がユーザーにどれだけの影響を及ぼしたか」という共通のゴールで比較することで、媒体をまたいでフラットに優劣を評価できるようになります。
「何秒見られた」という曖昧な議論を「動画を見た結果、これだけの人が動いた」という売上貢献への直接的な議論に引き上げられるのが、動画広告におけるビュースルーコンバージョンの最大のメリットです。

【コラム】動画広告の間接貢献を見るならビュースルーCVも確認する
広告運用マネージャー I. H.
動画広告で認知拡大を狙う案件が増えていますが、視聴数だけでは売上への貢献度が測りづらいのが実情です。ブランドリフト調査を実施しても効果は微々たるものになりがちです。そのため、動画を見てすぐにはクリックしなかったユーザーが、後日別経路でCVしたかを測る「ビュースルーコンバージョン」の指標を確認することが、動画広告の貢献度を正しく評価するカギになります。
【社内事例①】直接CPAでは見えなかった成果
弊社で扱う不動産関連のクライアントで、Microsoftのオーディエンス広告(ディスプレイ面)にて「資料請求」を目的とした配信を行ったときの話です。複数のターゲティングを並走させて成果を比較したところ、直接CVだけで判断するのと、ビュースルーコンバージョンを含めて判断するのとで、成果の良し悪しが逆になるという現象が起きました。
検証したターゲティング
配信したターゲティングは次の4種類です。
ブロード配信(年齢制限のみで広くリーチ)
インタレストターゲティング(不動産や金融に興味がある層)
リマーケティング(トップページを訪れたことがある層)
CV類似(コンバージョンユーザーに似た層)
直接CPAだけで判断
配信後、管理画面の「直接CPA」を比較すると、下記の順で成果が良くなりました。
| 順位 | ターゲティング | 直接CPA |
| 1位 | ブロード配信 | もっとも安い |
| 2位 | インタレスト | 安い |
| 3位 | リマーケティング | やや高い |
| 4位 | CV類似 | もっとも高い |
数字だけ見れば、「CPAが高いリマーケティングは予算を絞ってその分ブロード配信に寄せよう!」と判断したくなります。
ビュースルーコンバージョンを含めると、順位が逆転
しかし、運用担当者が「ビュースルーコンバージョンも含めた総コンバージョン数」で再計算したところ、リマーケティングからの貢献度がもっとも高かったという事実が判明しました。
過去にサイトを訪れたことがあるリマーケティング層は、再度広告を見せられることで(その場でクリックはしなくても)強く後押しされている可能性があります。後日、検索で戻ってきてCVするのです。
直接CPAだけで判断してリマーケティングを停止していたら、全体のCV数は落ち込んでいたはずです。指標の見え方ひとつで、運用の判断は大きく変わります。
認知系の広告は「総コンバージョン」で見る
この事例からは下記がわかります。
認知~検討フェーズの広告は、直接CV以外の評価軸を必ず用意する
ターゲティング比較も、直接CPAだけでなくビュースルーコンバージョン込みのCPAで横並びにする
リマーケティングは「直接CV」ではなく「アシスト効果」で測る
直接CVが少ないからといって、すぐ配信停止に動かないことが重要です。
このように、同じ「再生数」でも中身がまったく違うため、媒体をまたいだ単純比較はできません。さらにクライアントは「自社オーガニック投稿の再生数」と「広告の視聴数」を同列で比較してしまいがちです。
【社内事例②】計測のズレを理解する
ビュースルーコンバージョンや広告効果を語るうえで避けて通れないのが、「媒体の管理画面の数字と、Googleアナリティクス(GA4)の数字が合わない」問題です。
弊社内でも、クライアントから「媒体のクリック数とGA4のセッション数が全然違うけどどっちが正しいの?」と聞かれることがあります。結論から言うと「測っているものが違うだけでどちらも正しい」というのが答えです。

【コラム】「GA4のセッション数」と「媒体のクリック数」がズレる理由
広告運用コンサルタント W.S.
「広告の管理画面のクリック数とGA4のセッション数が合わない」いう事象はよく起きます。媒体はクリックした瞬間にカウントしますが、GA4はサイトに到達して読み込まれるまでの離脱や、プライベートモードによる計測漏れを拾えないためです。根本的な定義が違うという前提を理解する必要があります。
なぜ数字がズレるのか
主な原因は次の3つです。
①定義の違い
広告媒体はユーザーが広告を「クリックした回数(アクション)」をカウントしますが、GA4はサイトに到達して計測タグが発火した「セッション(訪問)」をカウントします。「クリックされても、ページ読み込み前に離脱した」場合、媒体ではクリック1としてカウントされる一方、GA4ではセッションが立ち上がらないため計測されません。
②ブラウザ側のトラッキング制限
SafariのITPやプライベートブラウザの利用、サードパーティCookieのブロックなど、ブラウザ側では近年”計測を制限する仕組み”が強化されています。GA4側で計測タグが発火しなかったり、Cookieが付与されなかったりするため、媒体側よりGA4側で数字が少なくなる傾向があります。
③媒体間の重複計測
たとえば、ユーザーがMeta広告を見たもののクリックせず、その後Google検索でクリックしてCVに至ったとします。このとき、下記のようになります。
Meta広告は「おれが見せた広告がCVに貢献した!」と主張しビュースルーコンバージョンとして1件カウント
Google広告(検索)は「最後にクリックされたのはおれだ!」とクリックスルーCVとして1件カウント
つまり、媒体ごとのCV数を単純合算すると重複カウントになります。一方、GA4のラストクリックモデルでは「最後にクリックされた経路」(この例ではGoogle検索)にのみCVが付きます。
クライアント説明のコツ
媒体のCV数とGA4のCV数を比較すると、原則としてGA4の方が数値は少なくなるのが普通です。次のように整理して伝えると、認識のズレが減ります。
媒体管理画面のCV数:媒体ごとの貢献度(ビュースルーコンバージョン含む)を広めに見るための数字
GA4のCV数:実際のサイト訪問・行動に基づき、ラストクリックなどの基準で集計した数字
→どちらも見るべきだが、目的が違うので単純比較しない
特にビュースルーコンバージョンは「媒体自身の貢献度の主張」が含まれている数字です。「GA4と合わない=間違い」ではなく「測っている軸が違うから合わなくて当然」という前提を共有しておきましょう。
ファネル全体で広告を評価すべし
広告媒体のAIによる自動化(デマンドジェネレーション、P-MAXなど)が進む中で、運用担当者に求められているのは「管理画面の表面的な数字のみで一喜一憂すること」ではなく、「この広告はユーザーのどの心理フェーズに効いているのか?」「見えないところでどう売上に貢献しているのか?」を読み解く力です。
ビュースルーコンバージョンを正しく解釈し、ファネル全体で広告を評価する視点を持ちましょう。
プライムナンバーズでは、Google広告のデマンドジェネレーションキャンペーンをはじめ、認知~CVまで一気通貫で設計するWeb広告運用を、豊富な実績にもとづいてサポートしています。
ビュースルーコンバージョンを含めた評価設計を見直したい
デマンドジェネレーションの運用に困っている
媒体間の数字のズレをクライアントに説明する材料がほしい
などお悩みの方は、下記ボタンよりお気軽にプライムナンバーズまでご相談ください。お見積り・シミュレーションも無料でお出しいたします。






