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2025.09.10 更新
2025.09.10 更新

【リスティング広告】キーワードのマッチタイプとは?使い分けを徹底解説

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N.F.

コンテンツプランナー

リスティング広告では、ユーザーが”どのような検索クエリで自社の広告を目にするか”を制御するために、キーワードに「マッチタイプ」を設定します。マッチタイプは広告主が設定したキーワードとユーザーが検索したクエリの一致範囲を決めるもので、適切な設定により不要なクリックの抑制・費用対効果の向上につながります。

本記事では、主なリスティング広告媒体で提供されている3種類のマッチタイプの概要と使い分けを解説します。例としてGoogleでご説明しますが、Yahoo!やMicrosoftなどほかのリスティング広告媒体も共通です。(※細かいシステムの差が生じる可能性はあります)

「どのマッチタイプを使ったらいいのかわからないから、プロに考えてもらいたい…」とお考えの方は、以下のボタンから弊社にご連絡ください。プライムナンバーズの広告のプロが、貴社の状況に応じた広告プランをご提案します。無料でご相談可能ですので、いつでもお気軽にお問い合わせください。

リスティング広告のマッチタイプは3種類

リスティング広告は、広告主が設定したキーワードそのものに対してだけでなく、関連していると判断された別のキーワードに対しても表示される可能性があります。この拡張度合い(もとのキーワードとの相違度合い)を決めるのがマッチタイプです。

リスティング広告で利用できるマッチタイプには「完全一致」「インテントマッチ(部分一致)」「フレーズ一致」の3種類があります。それぞれ拡張される範囲は下記のとおりです。

■完全一致(拡張範囲:狭)
指定したキーワードがそのまま含まれる場合に表示される。同じ意味または意図を持つ検索に対しても広告が表示される場合がある。リーチできる範囲は最も狭い。

インテントマッチ(部分一致)(拡張範囲:広)
指定したキーワードに「関連する内容」の検索が広告の表示対象になる。内容で判断されるため、指定したキーワードそのものが入っていない場合も表示対象になりうる。幅広いユーザーにアプローチできる。

■フレーズ一致(拡張範囲:中)
指定したキーワードと「同じ意味の内容」を含む検索が広告の表示対象になる。語順や意味が大きく変わらなければ、前後に単語が追加されても対象になる。

キーワードのマッチタイプについて-Google広告ヘルプ より

表示対象が拡張される範囲は、完全一致<フレーズ一致<部分一致の順に広くなります。

一見、拡張される範囲が広いほど多くのターゲットに広告が表示されるので良いように思えますが、広告を出している目的や獲得したいユーザーの属性などの条件に合わせ、マッチタイプを適切に使い分けることが大切です。

完全一致でカバーできる範囲

完全一致は、設定したキーワードとユーザーが検索した検索語句が全て一致した場合、または同じ意味を持つ語の場合に、広告が表示されるマッチタイプです。

設定したキーワードがほぼ拡張されることがないため、非常にわかりやすいですね。例えば、「女性用ぼうし」でキーワード設定した場合に、広告表示される検索語句の例です。

掲載される語句:「女性用ぼうし」「レディースぼうし」
掲載されない語句:「女性用ぼうし セール」「男性用ぼうし」

設定したキーワードと全く同じ「女性用ぼうし」という検索語句や、同じ意味である「レディースぼうし」という検索語句の場合に広告が表示されます。一方「女性用ぼうし セール」など、その他のキーワードが一緒に検索されている時は広告が表示されません。

Google広告で完全一致の設定をするには、[女性用ぼうし]のように、設定したいキーワードを[](角カッコ)で囲む必要があります。

この図は、完全一致キーワードを使用すると、キーワードと同じ意味の検索に対して広告が表示される可能性があることを説明しています。
キーワードのマッチタイプについて-Google広告ヘルプ より

フレーズ一致でカバーできる範囲

フレーズ一致とは、設定したキーワードと同じ意味を含む言葉での検索に対して広告を表示するマッチタイプです。「女性用ぼうし」をキーワードに設定した場合、次のような検索語句で表示されます。

掲載される語句:「女性用 ぼうし セール」「女性用 青い ぼうし」「女性用 ニットキャップ」
掲載されない語句:「女性用シューズとぼうし」

フレーズ一致の場合、設定キーワードよりも具体的な検索語句であっても広告が表示されます。

「女性用 ぼうし」の前、後、間に別の語句が入っても広告は掲載されます。Google広告でフレーズ一致の設定をする際は、”女性用ぼうし”というように、””(半角二重引用符)で設定したいキーワードを囲む必要があります。

この図は、フレーズ一致キーワードを使用すると、キーワードの意味を含む検索に対して広告が表示される可能性があることを説明しています。
キーワードのマッチタイプについて-Google広告ヘルプ より

インテントマッチ(部分一致)でカバーできる範囲

部分一致とは、設定したキーワードに関連した語句で検索した場合にも、広告が表示されるマッチタイプです。マッチタイプの中で、最も拡張性の高いものです。マッチタイプに部分一致を設定した場合、キーワードの語句そのものが入っていない検索も表示対象になる可能性があります。

例えば「女性用ぼうし」でキーワード設定した場合に、広告表示される検索語句には次のようなものがあります。

掲載される可能性のある語句:「婦人用 ぼうし」「婦人服」「女性用 スカーフ」「レディース ファッション」

広告出稿の設定をする際に、キーワードがどこまで拡張されるかハッキリと明示されないため、実際にどんな検索語句で広告が表示されているかは、管理画面の「検索語句のレポート」を見て確認する必要があります。

部分一致を設定する場合は設定キーワードに特定の記号を付ける必要はありません。単語をそのまま入力すれば、自動的に部分一致設定となります。

この図は、部分一致キーワードを使用すると、キーワードに関連する検索で広告が表示される可能性があることを説明しています。
キーワードのマッチタイプについて-Google広告ヘルプ より

完全一致の特徴

完全一致は広告が表示される範囲が狭いため表示対象とする広告を意図的にコントロールできますが、その分有効なキーワードを取りこぼすおそれもあります。

メリット:意図しない検索への表示をコントロールできる

完全一致は、他のマッチタイプに比べてキーワードの拡張範囲が最も狭く、登録したキーワードと検索意図が完全に一致すると判断された検索語句にのみ広告を表示します。

これにより、例えば「プライムナンバーズ」という社名キーワードを登録した場合、「プライムナンバーズ 評判」のように意図が近い検索には表示される可能性がありますが、「プライムナンバーズ データベース」といった自社サービスと関係ない語句や、「プライムナンバーズ 解約」といった新規顧客獲得の意図とは異なる検索への広告表示を最大限防ぐことができます。

結果として、獲得につながりにくい検索語句への無駄なクリックを効果的に減らすことができます。

メリット:広告費の無駄を抑制しやすい

他のマッチタイプと違い、キーワードの拡張が限定的なため、広告を表示する対象を厳密に絞り込めます。想定外の検索語句への表示が大幅に抑えられるため、クリックの質が高まり、結果的に広告費用全体の無駄を抑制しやすくなります。

デメリット:有効なキーワードを取りこぼすおそれあり

キーワードの拡張範囲が限定的なため、ユーザーが使う別の言い回しや関連語句など、広告の運用スタート時には想定していなかった有効なキーワードへの広告表示機会を逃してしまう可能性があります。

部分一致であれば、こうした想定外の検索語句から新しいユーザーニーズを発見できるケースも少なくありませんが、完全一致のみで設定していると機会損失のリスクが高まります。

熟練の運用者でも最初から獲得につながるキーワードを100%想定することはできないため、完全一致だけで設定することは推奨されません。他のマッチタイプと併用して機会損失を防ぐのが一般的です。

完全一致を使うべきケース

キーワードの拡張範囲がされない完全一致は、以下のような重要なキーワードに絞って設定するのが望ましいでしょう。

ただし完全一致のみ設定しておければ良いという意味ではありません。他のマッチタイプでの設定も行い、広告が表示される機会を増やした方がよいでしょう。

①ブランド名キーワード

社名・商品名・ブランド名のキーワードは最も成果が見込めるキーワードです。他社サイトに誘導されることを防ぐためにも、検索結果の最上位に自社の広告を表示させたいですよね。完全一致で登録し入札を高めに設定することで、ブランド名を含む最も確度の高い検索に対して(意図しない表示を避けつつ)最大限の表示機会を確保しましょう。

②過去に獲得があったキーワード

管理画面の検索語句レポートで実際にユーザーが検索した語句を確認し、獲得に繋がった検索語句も完全一致で登録することを推奨します。過去に獲得があった検索語句は今後も獲得が期待できる重要なキーワードであり、広告の上位表示を狙いたいところです。
これらのキーワードを完全一致で登録することで、実績ある検索意図と完全に一致するユーザーに対して入札を強化し、広告を上位表示させられます。

フレーズ一致の特徴

フレーズ一致は、広告の関連性を保ちながら表示機会を拡大できるメリットがある一方で、システムの「意味」の解釈によっては意図しない検索にも表示されうるというデメリットもあります。

メリット:ビッグワードを安価に狙える

ビッグワードとは検索ボリュームが大きい(=多くの人が検索している)キーワードのことです。ビッグワードで広告配信すると多くのユーザーに広告を見てもらいやすい一方、競合が多く出稿するため必要な費用が高騰しがちです。リスティング広告の掲載はオークション形式で決まるため、多くの企業が出稿を狙うキーワードであるほど価格が高くなってしまうのです。

ある程度コストを抑えつつビッグワードにも配信するためには、”ビッグワードに他の言葉を掛け合わせたキーワード”をフレーズ一致で登録するとよいでしょう。フレーズ一致は登録したキーワードの意図を保ちつつ、部分一致より表示範囲を絞り、完全一致より柔軟に表示できるため、このようなコントロールに最適です。

フレーズ一致を使った方が良いキーワードとケース

多くの検索ユーザーの中から「特にCV(購入、申し込み、会員登録など)見込みの高い人」を狙いたいときに活用しましょう。
結婚指輪を購入してほしい場合に「結婚指輪」のような意味の広いキーワードで広告を出しても、広告を目にするのは「結婚指輪が欲しい人」に限らず「結婚指輪と調べた全員」です。単に言葉の意味を知りたい人やイラストを描く参考にしたい人なども含まれ、購入に至るのはそのうちごくごく少ない人のみです。
そこで、「結婚指輪」という広いキーワードに「高品質」のような「自社の強み」をプラスし、フレーズ一致で設定する戦略が有効です。大勢いる検索ユーザーの中から、「品質の良い指輪が欲しい」と考えている、特に見込みの高いお客様だけに狙いを定めて広告を届けられるため、購入の可能性がぐっと高まります。
完全一致でも見込みのある人に絞ることはできますが、絞られすぎて機会を逃す可能性があります。フレーズ一致を使うと「見込み客の取りこぼし」を最小限に抑えつつ、広告の関連性は高く保てます。

インテントマッチ(部分一致)の特徴

配信範囲を絞りすぎると機会損失につながるため、多くの媒体ではこのマッチタイプを推奨しています。想定外の成果が良い”お宝キーワード”が見つかるなどのメリットがある一方、その効果を最大化するには特にGoogle広告の場合はスマート自動入札」と組み合わせ、AIに成果を学習させながらコントロールするのが現代の主流です。

メリット:想定外のキーワードが見つかる

部分一致マッチタイプを使うと、登録したキーワードに関連する検索語句まで広告が配信されるため、広告スタート時には想定していなかった検索語句が見つかることも珍しくありません。
ユーザーが実際にどのような語句で検索しているかを事前に100%把握することは難しいため、広範囲に広告を配信できかつ新たにユーザーを獲得しやすい検索語句を見つけられるのが、部分一致の大きなメリットです。キーワードを部分一致で入稿し、検索語句レポートで新たに有効な語句を発見→それを新たにキーワード登録する、という流れを繰り返すのが、リスティング広告運用のよくある運用法です。

デメリット:関連の低い検索語句にも配信される

拡張性の高さは、意図しない検索に広告が表示されるリスクも伴います

例えば、「人事評価 システム」というキーワードを登録したとします。これは「システム導入」を検討している企業向けのキーワードですが、部分一致の拡張により、情報収集段階の「人事評価 テンプレート 無料」や、全く目的が異なる「人事評価 資格」といった検索語句に広告が表示される可能性があります。これらは単語自体は関連していますが、ビジネスの成果には直結しにくい検索と言えるでしょう。
これらの関連性の低いキーワードは見つけ次第「除外キーワード」に登録しましょう。

デメリット:予算を多く使用してしまう

部分一致キーワードは拡張範囲が広いため、想定よりも多く広告が表示され広告予算を早く使い切ってしまうというケースもあります。本来なら獲得効果の高い完全一致のキーワードで配信機会を増やしたいのに、よく見れば部分一致キーワードで確度の低そうな検索語句ばかりに予算を使っていたというのは、「広告運用失敗あるある」のひとつです。
このようなデメリットへの最も効果的な対策は、「コンバージョン数の最大化」などの目標を設定するスマート自動入札と組み合わせることです。これにより、AIが「成果につながりにくい」と判断した検索への入札を自動で抑制してくれます。

その上で、明らかに不要な検索語句を「除外キーワード」として設定していくことで、より無駄のない効率的な広告配信ができるようになります。

部分一致を使った方が良いキーワードとケース

①初めてリスティング広告を実施する場合

リスティング広告を始める前から獲得キーワードを予想することは、ベテランの広告運用者でも難しいこと。

初めてリスティング広告を実施する場合は、主要キーワードは必ず部分一致の設定も行いましょう。

メリットで説明した通り、当初想定していなかったキーワードで獲得ができるという可能性も大いにあります。

キーワードの設定はいつでも追加・変更・停止ができます。最初は広い範囲で配信し、徐々に効率の良いキーワードに配信を絞っていくとよいでしょう。特に「コンバージョン数の最大化」などの自動入札戦略と組み合わせることで、AIに「どのようなユーザーが成果につながるか」を素早く学習させ、自動で配信を最適化していくのがおすすめです。

②複数の呼び方がある商材を扱う場合

例えば「スニーカー」を販売している会社を想定します。顧客となるユーザーは「スニーカー」「シューズ」「靴」「運動靴」「ランニングシューズ」「ジョギングシューズ」「トレーニングシューズ」などなど…、「スニーカー」に限らずさまざまに言い換えられた語句で検索る可能性がありますこれらの用語を事前に全部リストアップするのは大変ですし、今後新しく使われる言葉が生まれる可能性もあります。
このようなさまざまな呼び方がある商材は部分一致で登録しておくことで、最初にリストアップした際に漏れていた語句を見つけるきっかけになります。

部分一致は、これらの無数の言い換えや関連語句の中から、過去のデータに基づき最も成果につながりやすいと判断された検索に対して広告を配信してくれるため、機会損失を最小限に抑えることができます。

マッチタイプを使い分けることが、成果を上げる必須条件

「マッチタイプがよく分からないからひとまず部分一致で設定している」「代理店に任せているからどんな設定になっているか知らない」という方は、今一度入稿しているキーワードとそのマッチタイプを確認して、適切に設定できているかチェックしましょう。

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Written By
N.F.

コンテンツプランナー

広告運用コンサルタントとして新卒入社後、コンテンツプランナーに変身した。運用経験を活かしたコンテンツを制作できるよう日々奮闘中。好きなお菓子は知育菓子、好きなしらすは釜揚げ。右利き。「文中に余計な挿絵を入れたい」という衝動を常に抑え、真面目に執筆している。入ってたら抑えられなかったんだなと思ってください。