【リスティング広告】キーワードのマッチタイプとは?使い分けを徹底解説
リスティング広告では、どんなワードで検索したユーザーに自社の広告を配信するかを指定するために、キーワードを設定します。キーワードの設定をする際「マッチタイプ」を同時に設定する必要があります。
マッチタイプとは、指定したキーワードに対してどの程度一致している検索ワードまで広告を表示するかを決めるためのものです。マッチタイプを適切に設定することで、不要な検索ワードに広告を配信することが減り、費用対効果を大きく高めることに繋がります。
リスティング広告を配信するうえで知っておきたいキーワードのマッチタイプ3種について、概要と使い分け方を解説します。
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目次
リスティング広告のマッチタイプは3種類
マッチタイプとは設定したキーワードに対して、どのような検索語句まで広告を表示させるか、その拡張範囲を決める設定のことを指します。このマッチタイプには「完全一致」・「フレーズ一致」・「部分一致」の3種類があります。それぞれ拡張範囲について説明した図が以下になります。
[2022.3.7追記]Google広告・Yahoo!広告の両方で、「絞り込み部分一致」は2021年7月に「フレーズ一致」に統合され、現在では利用できなくなりました。
▲キーワードのマッチタイプについて-Google広告ヘルプ より
表示対象が拡張される範囲は、完全一致<フレーズ一致<部分一致の順に広くなります。
一見、拡張される範囲が広いほど多くのターゲットに広告が表示されるので良いように思えますが、広告を出している目的や獲得したいユーザーの属性などの条件に合わせ、マッチタイプを適切に使い分けることが大切です。
完全一致でカバーできる範囲
完全一致は、設定したキーワードとユーザーが検索した検索語句が全て一致した場合、または同じ意味を持つ語の場合に、広告が表示されるマッチタイプです。
設定したキーワードがほぼ拡張されることがないため、非常にわかりやすいですね。例えば、「女性用ぼうし」でキーワード設定した場合に、広告表示される検索語句の例です。
- 掲載される語句:「女性用ぼうし」「レディースぼうし」
- 掲載されない語句:「女性用ぼうし セール」「男性用ぼうし」
設定したキーワードと全く同じ「女性用ぼうし」という検索語句や、同じ意味である「レディースぼうし」という検索語句の場合に広告が表示されます。一方「女性用ぼうし セール」など、その他のキーワードが一緒に検索されている時は広告が表示されません。
Google広告で完全一致の設定をするには、[女性用ぼうし]のように、設定したいキーワードを[](角カッコ)で囲む必要があります。
フレーズ一致でカバーできる範囲
フレーズ一致とは、設定したキーワードと同じ意味を含む言葉での検索に対して広告を表示するマッチタイプです。「女性用ぼうし」をキーワードに設定した場合、次のような検索語句で表示されます。
- 掲載される語句:「女性用 ぼうし セール」「女性用 青い ぼうし」「女性用 ニットキャップ」
- 掲載されない語句:「女性用シューズとぼうし」
フレーズ一致の場合、設定キーワードよりも具体的な検索語句であっても広告が表示されます。
「女性用 ぼうし」の前、後、間に別の語句が入っても広告は掲載されます。Google広告でフレーズ一致の設定をする際は、”女性用ぼうし”というように、””(半角二重引用符)で設定したいキーワードを囲む必要があります。
部分一致でカバーできる範囲
部分一致とは、設定したキーワードに関連した語句で検索した場合にも、広告が表示されるマッチタイプです。マッチタイプの中で、最も拡張性の高いものです。マッチタイプに部分一致を設定した場合、キーワードの語句そのものが入っていない検索も表示対象になる可能性があります。
例えば「女性用ぼうし」でキーワード設定した場合に、広告表示される検索語句には次のようなものがあります。
- 掲載される可能性のある語句:「婦人用 ぼうし」「婦人服」「女性用 スカーフ」「レディース ファッション」
広告出稿の設定をする際に、キーワードがどこまで拡張されるかハッキリと明示されないため、実際にどんな検索語句で広告が表示されているかは、管理画面の「検索語句のレポート」を見て確認する必要があります。
部分一致を設定する場合は設定キーワードに特定の記号を付ける必要はありません。単語をそのまま入力すれば、自動的に部分一致設定となります。
完全一致マッチタイプの特徴
完全一致マッチタイプには、下記のようなメリット・デメリットがあります。
不要なキーワードで配信せずに済む
成果の悪いキーワードやネガティブなキーワードへの広告配信を事前に止めることができます。これにより、獲得につながらないKWからの無駄クリックを減らすことができます。例えば、「プライムナンバーズ」という社名キーワードを完全一致で登録したとします。
そうすると、「プライムナンバーズ データベース」といった自社サービスと関係ない語句や、「プライムナンバーズ 解約」といった新規顧客でないキーワードに配信することを防げます。
広告費が抑えられる
他のマッチタイプと違い、キーワードの拡張がされず、広告を表示するキーワードを絞りこむことができます。これにより想定外のキーワードへの配信が抑えられるため、結果的に広告費用を抑えられるというメリットがあります。
有効なキーワードを取りこぼすかもしれない(デメリット)
キーワードの拡張ができないため、広告の運用スタート時には想定していなかったけれども有効なキーワードへの広告配信ができません。
部分一致キーワードを登録しておくと、想定していなかったユーザーのニーズが見つかるというケースはよくあります。しかし完全一致キーワードのみで設定していると、新しいニーズを発見する機会を失うかもしれません。
熟練の運用者でも最初から獲得につながるキーワードを100%想定することはできないため、完全一致キーワードだけで設定することはまずありません。必ず他のマッチタイプも併用しましょう。
完全一致を使った方が良いキーワードとケース
キーワードの拡張範囲がされない完全一致は、以下のような重要なキーワードに絞って設定するのが望ましいでしょう。
ただし完全一致のみ設定しておければ良いという意味ではありません。他のマッチタイプでの設定も行い、広告が表示される機会を増やした方がよいでしょう。
①ブランド名キーワード
社名・商品名・ブランド名のキーワードは最も成果が見込めるキーワードです。他社サイトに誘導されることを防ぐためにも、検索結果の最上位に自社の広告を表示させることが必須のキーワードでもあります。
完全一致で登録し入札を高めに設定する必要があります。
②過去に獲得があったキーワード
管理画面の検索語句レポートで実際にユーザーが検索した語句を確認し、獲得に繋がった検索語句も完全一致で登録することが望ましいでしょう。
過去に獲得があった検索語句は今後も獲得が期待できる重要なキーワードとなりえるため、広告の上位表示を狙いたいキーワードです。そのため完全一致で登録する方が良いでしょう。
フレーズ一致の特徴
キーワードを掛け合わせればビッグワードでも配信できる
ビッグワードとは検索ボリュームの大きいキーワードのこと。
ビッグワードで広告配信すると多くのユーザーに広告を見てもらいやすい一方、多くの企業が広告を出したいと考えるキーワードであるため、オークション形式で広告の掲載権を決めるリスティング広告では必要な費用が高騰しがちです。
ある程度コストを抑えつつビッグワードにも配信するためには、2語以上を掛け合わせたキーワードをフレーズ一致で登録するとよいでしょう。
絞込部分一致と比べて汎用性が低かった(アップデート済)
2021年7月に「絞り込み部分一致」がフレーズ一致に統合されるまでは、フレーズ一致でできることは絞り込み部分一致でも実現できたため、フレーズ一致の使い勝手は正直微妙なものでした。
そのため以前は「絶対にフレーズ一致を使った方がよい」というケースはあまりありませんでしたが、現在ではフレーズ一致が絞り込み部分一致の機能も持ち合わせるようになったため、使いにくさが改善されています。
フレーズ一致を使った方が良いキーワードとケース
➀ビッグワード×訴求したいポイントの掛け合わせキーワードで配信する
指輪メーカーが「結婚指輪」というキーワードで広告を配信したいと考えた場合、結婚指輪という言葉は検索ボリュームの大きいビッグワードです。これを部分一致で設定すると検索ボリュームが非常に大きく、結果的にそのキーワードだけで予算を使い過ぎてしまうという可能性があります。
獲得に至るケースが多ければそれでもいいかもしれません。しかしビッグワードを検索するユーザーはさまざまなWebサイトを見ながらどの会社で商品を購入するか検討している段階のユーザーであるため、獲得率が高くなりにくい傾向にあります。
そこで「ビッグワード+自社の強みとなるキーワード」を掛け合わせたワードをフレーズ一致で設定するという戦略が考えられます。例えば「付け心地が良い」など品質の良さがウリの指輪メーカーであれば、「結婚指輪 高品質」という2語を掛け合わせたキーワードをフレーズ一致で登録します。
これによりビッグワードを検索するユーザーの中でも、自社が強みとしているポイントを求めているユーザーに広告が届き、購入に至りやすくなる可能性が高まるでしょう。
部分一致の特徴
想定していなかったキーワードが見つかるかもしれない
部分一致マッチタイプを使うと、登録したキーワードに関連する検索語句まで広告が配信されるため、広告スタート時には想定していなかった検索語句が見つかることも珍しくありません。
ユーザーが実際にどのような語句で検索しているかを事前に100%把握することは難しいため、広範囲に広告を配信できかつ新たにユーザーを獲得しやすい検索語句を見つけられるのが、部分一致の大きなメリットです。
主要キーワードは部分一致でも必ず入稿し、検索語句レポートで新たに有効な語句を発見できれば、それを新たにキーワード登録するという流れを繰り返すのが、リスティング広告運用のよくある運用法です。
関連の低い検索語句に配信されるかもしれない(デメリット)
拡張性の高さはデメリットに繋がるケースもあります。その一つが、ビジネスと全く関連のない検索語句にも広告配信されるケースです。
例えば、「バッグ」とキーワード登録するとしましょう。
しばらく運用していて検索語句を調べたら「バグ」「バックナンバー」など商品と関連のない単語にまで拡張されて広告が配信されていた、ということもよくあります。
予算消費スピードが想定を上回ることも(デメリット)
部分一致キーワードは拡張範囲が広いため、想定よりも多く広告が表示され広告予算を早く使い切ってしまうというケースもあります。
本来なら獲得効果の高い完全一致のキーワードで配信機会を増やしたいのに、よく見れば部分一致キーワードで確度の低そうな検索語句ばかりに予算を使っていたというのは、「広告運用失敗あるある」のひとつです。
上記2つのデメリットに対しては、この検索語句には広告を出さないでくださいという“除外キーワード“の設定をすることで、改善することができます。
除外キーワードの設定についての詳細はこちらの記事で解説しています。
関連記事:リスティング広告のキーワード選定は“掛け合わせ”で決まる
部分一致を使った方が良いキーワードとケース
➀初めてリスティング広告を実施する場合
リスティング広告を始める前から獲得キーワードを予想することは、ベテランの広告運用者でも難しいこと。
初めてリスティング広告を実施する場合は、主要キーワードは必ず部分一致の設定も行いましょう。
メリットで説明した通り、当初想定していなかったキーワードで獲得ができるという可能性も大いにあります。
キーワードの設定はいつでも追加・変更・停止ができます。最初は広い範囲で配信し、徐々に効率の良いキーワードに配信を絞っていくとよいでしょう。
②複数の呼び方がある商材を扱う場合
例えば「スニーカー」を販売している会社を想定します。顧客となるユーザーは、どんな言葉で検索するでしょう。
「スニーカー」「シューズ」「靴」「運動靴」「ランニングシューズ」「ジョギングシューズ」「トレーニングシューズ」などなど、「スニーカー」に限らずさまざまに言い換えられた語句で検索される可能性があります。これらの用語を事前に全部リストアップするのは大変ですし、今後新しく使われる言葉が生まれる可能性もあります。
このようなさまざまな呼び方がある商材は部分一致で登録しておくことで、最初にリストアップした際に漏れていた語句を見つけるきっかけになります。
フレーズ一致に統合された絞り込み部分一致(2021年7月)
2021年7月、キーワード設定を簡潔にし目的の顧客層にリーチしやすくするために、フレーズ一致と絞り込み部分一致が統合されました。この変更はリスティング広告の2大プラットフォームであるGoogle広告・Yahoo!広告の両方で実施されました。
▲フレーズ一致と絞り込み部分一致の変更について-Google広告ヘルプ より
アップデート後のフレーズ一致マッチタイプでは、以前は絞り込み部分一致でのみ広告表示されていた範囲までキーワードが拡張されるようになります。
たとえばフレーズ一致キーワード「東京から神奈川までの引っ越しサービス」の場合、従来の拡張範囲である「格安 引越しサービス 東京から神奈川まで」という検索語句ではもちろん、従来は絞り込み部分一致でしか表示されなかった「東京の企業 引越しサービス 神奈川まで」などにも一致するようになります。
しかし設定キーワードと語順が変わると意味が変わる検索(「東京から神奈川まで」が「神奈川から東京まで」になるとユーザーの現在地が変わってしまう)などには広告が表示されません。
マッチタイプを使い分けることが、成果を上げる必須条件
リスティング広告を成功させるうえで、キーワードは非常に重大な要素の1つです。マッチタイプの設定一つで、大きく効果改善を出来る可能性もあります。
「マッチタイプがよく分からないからひとまず部分一致で設定している」「代理店に任せているからどんな設定になっているか知らない」という広告主は、今一度入稿しているキーワードとそのマッチタイプを確認して、適切に設定できているかチェックしましょう。