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2022.10.06 更新
2022.10.06 更新

Web広告KPI(重要業績評価指標)をわかりやすく解説!覚えておきたい単語リスト

Written By
M.R.

アカウントプランナー

運用型広告において、明確かつ正しい目標を設定することは何よりも重要です。達成すべき目標がなければ、すべての施策は「実施しただけ」で終わってしまいます。それだけではなく、運用担当者たちの腕の見せどころである「結果をもとに改善を繰り返していく」という、極めて重要な作業が機能不全に陥ることになります。

目標設定の考え方や方法論については、多くの有益な記事や情報がすでに存在しています。そういった記事をいくつか熟読していけば、目標設定に関する必要最低限の知識はインプットすることが可能です。

本記事では、「運用型広告のKPI(重要業績評価指標)」に関連する用語を一つずつ丁寧に解説していきます。この記事を読めば、KPIを考える時に理解しておくべき用語をおさえられるでしょう。さらに、本記事の内容をまとめた資料のダウンロードも可能です。ぜひお手元に保存していただき、スキマ時間の学習などにお役立てください。

KPIに関する用語

KPIとは、Web広告だけではなく、あらゆる場面で使われる目標設定には欠かせない用語です。当然、Web広告に取り組む際にもしっかりと理解をしておくべき用語です。

目標設定の際のキーポイントとなるKPIですが、KPIのことをしっかりと理解するには関連する用語についても理解をしておく必要があります。順を追って解説します。

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Web広告の成果を表すには多くの指標が用いられます。指標の意味や分析方法がわからなければ、広告の成果が良いか悪いかもわかりません。世の中には広告主が指標に無頓着であることを逆手に取り、本当は悪い成果を良く見せたり、成果が出ないまま放置したりする悪徳代理店も残念ながら存在します。このような代理店に騙される前にKPIの適切な見かたを知りたい方は、以下のボタンから弊社にご連絡ください。貴社が運用するWeb広告の状況を確認し、誠実に必要なKPIの情報をお伝えします。無料でご相談を承りますので、お気軽にお問合せください。

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KGI(Key Goal Indicator)

KGIとは「会社組織やそのプロジェクトの最終的な目標」を表す指標のことです。日本語に訳すと、「重要目標達成指標(達成しなければいけない重要な目標数値)」です。

Web広告を実施する際にも、まずはこのKGIを明確にするようにしましょう。KGI(最終的な目標)が明確に定まっていなければ、「Web広告で何を行なっていくべきか」という具体的な施策を立てることができません。

KGIを設定するときは、「売上を拡大する」や「会員数を増やす」といったフワっとした設定の仕方は望ましくありません。

「来期の売上を昨対比で130%にする」や「9月末までに会員数を1,500人純増させる」といった、定量的かつ誰が見ても分かりやすい目標を設定することが重要です。

余談ですが、KGIは個人単位でも活用することができる指標です。筆者の場合はプライムナンバーズで営業を担当しているので、「12月末までに粗利〇円を達成する」というKGIを設定しています。

この最終的な目標があるからこそ、達成するために必要なタスクが明確になっていきます。

KSF(Key Success Factors)

KSFとは「事業やプロジェクトを成功させるために必要だと思われる要因」のことです。日本語に訳すと、「重要成功要因(目標達成に良い影響を与える要因)」です。

例えば、KGI(最終的な目標)が「ウェブサイトを通して1,000件の新規申し込みを獲得する」という設定だった場合、どのようなKSF(成功するための要因)が考えられるでしょうか。

想定できるKSFとしては、「サイトへの流入数を増加させる」「サイト訪問したユーザーの成約率を上げる」「サイトのSEOを上げる」といったものが挙げられます。「これをやればKGIが達成できる」といった要因を考えていくのがKSFです。

KSFは定量的にではなく定性的に設定するのが一般的です。

KPI(Key Performance Indicator)

KPIは、簡単にいうと「KGIの達成に繋がる中間目標」として設定する指標です。

KGIが「ウェブサイトを通して1,000件の新規申し込みを獲得する」という目標であれば、それを達成するためにはどういった中間目標が必要になるでしょうか。

前項で想定したKSF(成功のための要因)をベースに考えてみると、「サイトの流入数を1,000,000以上にする」「成約率を1%以上にする」「月に記事を10本更新する」といった中間目標が想定できます。KPIは中間「目標」なので、KGIと同じく定量的に設定をするようにしましょう。

KPIは、単に「目標」という意味合いで使われることも多い用語ですが、KGI(最終的な目標)とKSF(成功のための要因)に基づいて設定されている状態が望ましいです。あくまでも、KGI(最終的な目標)を達成するために設定するのがKPI(中間目標)ということになります。

詳細は後ほど解説していきますが、Web広告においてはインプレッション数やコンバージョン数といった、「広告指標」をKPIとして設定します。

KPIツリー

▲KPIツリーの例

KGI、KSF、KPIはそれぞれ密接な関係であるとともに、目標を立てる上で必要不可欠な要素です。この3つを分かりやすく整理する方法が、KPIツリーです。

目標を立てる際は、KGI、KSF、KPIがしっかりと紐づいていることが重要です。KPIツリーはそれぞれの関連性が一目で分かる整理法ですので、目標を設定する際には活用するとよいでしょう。

広告指標に関する用語①:認知施策編

広告指標とは、広告の成果を定量的に評価/判断するための数値のことです。広告指標を参照すれば、「1ヶ月の間にどれだけのアクセス数があったか」「サイトに訪問したユーザーのうち何%のユーザーが申し込みに至ったか」などの数値を把握することができます。

Web広告の運用において、広告指標はKPIとして用いられます。

ここからは、KPIとしてよく用いられる広告指標とそれに付随する用語を、「認知施策編」と「獲得施策編」に分けて解説をしていきます。まずは「認知施策編」の解説です。

インプレッション数(imp)

インプレッション数とは、「広告が何回表示されたか」を表す指標です。日本語で「表示回数」、アルファベットで「imp」とも表記されます。

インプレッション数は、「とにかく多くのユーザーにサービス/商品を認知してもらいたい」という場合にKPIとして使われる指標ですが、「とりあえず100万impを目標に..」といった設定の仕方は望ましくありません。そもそも、インプレッション数を認知施策のKPIとして設定すること自体、適切ではないとも言えるかもしれません。

その理由はシンプルで、「広告を見ただけでは認知が獲得できたとは言えないから」です。それにもかかわらず、とりあえずのKPIとしてインプレッション数を設定してしまっているケースは珍しくありません。

「ユーザーがどういう状態になったら認知したと定義するか、またそれを計測する方法はどうするか」といった点は、認知施策の非常に難しい部分です。

その点については別の項目でも少し触れていきますが、ここでは「インプレッション数は実は適切なKPIでない可能性が高い」ということを理解しておきましょう。

ビューアブルインプレッション数(vimp)

ビューアブルインプレッション数とは、「広告がユーザーの視認領域内(見える範囲内)に表示された回数」のことです。アルファベットで、「vimp」とも表記されます。

前項で解説したインプレッション数は、実は「広告がブラウザにロードされた(読み込まれた)回数」のことを指します。視認が不可な位置に広告が表示されている場合であっても、ブラウザが広告を読み込んでさえいれば、インプレッション数はカウントされていくということです。

つまりインプレッション数のうち、「実際に広告が見られている可能性が高い回数」を示す指標がビューアブルインプレッション数です。インプレッション数をもとに広告の評価を行なう場合、ビューアブルインプレッション数を参考にした方がより正確な判断に繋がりやすいといえるでしょう。

ちなみにビューアブルインプレッション数の定義は媒体によって異なります。

参考までにGoogleとYahoo!の定義を紹介すると、「ディスプレイ広告の場合は1秒以上、動画広告の場合は2秒以上にわたって50%以上の範囲が表示された広告」が”視認可能な広告”として定義されています。

インプレッション単価(CPM)

インプレッション単価は、「広告が1,000回表示されるごとに発生した費用」のことです。Cost Per Mile(コスト・パー・マイル)の頭文字を取って、CPMとも表記されます。

なぜ広告が”1回”表示されるごとではなく”1000回”表示されるごとの費用なのかというと、主要な広告媒体が「広告が1,000回表示されるごとにお金が掛かりますよ」という課金形式を採用しているためです。

計算方法は、「費用÷表示回数×1,000=CPM」です。

ビューアブル・インプレッション単価(vCPM)

vCPMは、お察しの通り「視認可能な広告が1,000回表示されるごとに発生した費用」のことです。CPMだけではなく、vCPMを知っておくとKPIを設定する際の幅も拡がりやすくなるので覚えておくようにしましょう。

計算方法は、「費用÷ビューアブルインプレッション数×1000=vCPM」です。

リーチ数

リーチ数とは、「広告が表示されたユーザーの総数」を示す指標です。

例えば、Aさんに対して同じ広告が5回表示された場合、インプレッション数は5になりますが、リーチ数は1というカウントになります。

「インプレッション数の目標も達成したし、これでたくさんの人にウチのサービスを知ってもらえたね!」なんて思っていても、実際に広告に接触したユーザー数はインプレッション数とイコールにはなりません。認知施策において、「どれだけの人に広告を届けることができたか」=「リーチ数」は重要な指標の一つとなり得るので念頭に置いておきましょう。

ちなみに「リーチ数」は、Google広告内においては「ユニークユーザー数」、Yahoo!広告内においてはそのまま「リーチ数」と呼称されています。混同しないように注意しましょう。

フリークエンシー数

リーチ数と関連した指標として、フリークエンシー数についても解説をしておきます。フリークエンシー数とは、「一人のユーザーに対して同じ広告が表示された回数」のことです。

例えば、Aさんに対して同じ広告が5回表示された場合、リーチ数は1になりますが、フリークエンシー数は5というカウントになります。

フリークエンシー数が多すぎると、「この広告もういいよ…」とユーザーにネガティブな印象を与える要因になりかねません。逆にフリークエンシー数が少なすぎても、ユーザーの記憶や印象に残らず、認知に至らないということが考えられます。

「認知施策においてフリークエンシー数は何回程度が適切か」については別の議論が必要ですが、認知施策を実施する際には考慮すべき指標であることは覚えておきましょう。

クリック数(CT)

クリック数は、「広告がクリックされた回数」を表す指標です。アルファベットで、CTとも表記されます。クリック数も、認知施策におけるKPIとして設定されることの多い指標です。

「クリック→サイト訪問」というユーザーの能動的なアクション数を目標にするので、インプレッション数をKPIとした場合に比べて、「より認知している可能性の高いユーザー数」を計測できる傾向があります。

とはいえ、「クリック=認知獲得」と定義付けるのもまだ無理があります。そもそも、もし仮にサイトへ流入したユーザーが自社のことを認知したとしても、「認知しただけ」で終わってしまってはあまり意味がありません。

そこで考えなければいけないのは、「広告をクリックしてサイトに訪問してくれたユーザーのうち、何%くらいが次のアクションに移ったか」という点です。次のアクションとしては、「サイトから問い合わせをする」「自然検索をする」「SNSをフォローする」など様々な想定ができます。

最終的にユーザーをどこに導きたいのか、またそこに至るまでの行動フローが明確になっているかという点で、認知施策の実施クオリティは変わってきます。フワっとしたKPI設定では、「施策を実施した」という事実だけが残ってしまうことになります。明確な仮説や効果検証の方法を精査した上で、取り組んでいきましょう。

クリック単価(CPC)

クリック単価は、「1クリックごとに発生した費用」を表す指標です。アルファベットで、CPC(Cost Per Click)とも表記されます。

「クリックされたら費用が発生する仕組み」=「クリック課金」は、どの媒体も採用している課金体系です。クリック課金の場合、どれだけ広告が表示されてもクリックされなければ費用は発生しません。

このクリック単価も、認知施策の際のKPIとして想定することができます。「クリック=サイトへの流入」と定義するならば、「サイト流入単価を100円以内に収める」といった目標設定が考えられます。

計算方法は、「費用÷クリック数=クリック単価」です。

【補足】

一般的に、ディスプレイ広告のクリック単価は安くなる傾向にあり、検索連動型広告のクリック単価は高くなる傾向にあります。これは需要と供給の関係が要因です。

▲広告枠の需要量が供給量を下回るとクリック単価は下がる。逆に需要量が供給量を上回ると価格は上がる。

広告枠(在庫)が豊富に存在するディスプレイ広告は、比較的低単価で広告を配信することが可能です。反対に、ユーザーの検索キーワードを指定して広告配信を行なう検索連動型広告においては、掲載できる広告枠(在庫)の数が限られるため、価格が高騰する傾向にあります。

ディスプレイ広告検索連動型広告
広告枠(在庫数)多い少ない
クリック単価低い高い

クリック単価は業界・業種によっても相場が変動しますが、基本的には需要量(広告掲載をしたい)と供給量(広告枠)の関係で価格が決まるということを覚えておきましょう。

クリック率(CTR)

クリック率は、「広告が表示された回数に対して、実際に広告がクリックされた割合」を表す指標です。アルファベットで、CTR(Click Through Rate)とも表記されます。

クリック率を参照すると、ユーザーからの反応が良い広告文・クリエイティブを分析することができます。クリック率を上昇させることで、クリック単価の抑制に繋がる可能性もあるので、運用の際には必ず確認したい指標です。

計算方法は、「クリック数÷表示回数=クリック率」です。

クリック率については、下記の記事でも詳しく解説を行なっています。

▲「クリック率(CTR)低下=成績悪化」じゃない!クリック率の正しい見方

視聴回数

視聴回数とは、動画広告で使われる広告指標で「動画が視聴された回数」を表す指標です。

「一定の秒数以上再生されたら」「動画が最後まで再生されたら」など、媒体や広告の種類によって視聴回数カウントのルールが異なっている点に注意してください。

YouTube広告の場合、「動画が30秒間再生された時(30秒未満の場合は再生が完了された時)」に視聴回数がカウントされます。

動画広告における視聴回数の注意点については、下記の記事でも詳しく解説を行なっています。

▲動画広告は再生数で比較してはダメ!複数媒体配信時の意外な落とし穴

視聴単価(CPV)

視聴単価とは、「動画が1回視聴されるごとに発生した費用」を表す指標です。アルファベットで、CPV(Cost Per View)とも表記されます。

CPVは「視聴回数」をベースとして計算をするため、「多くのユーザーに広告を見てほしい=認知目的」の際に重要となる指標です。動画をスキップした場合は費用が発生しないためムダコストが削減できているような気がしますが、前提としてユーザーが魅力を感じるようなスキップされない動画を目指すべきでしょう。

計算方法は、「費用÷再生回数=視聴単価」です。

完全視聴単価(CPCV)

完全視聴単価とは、「動画が最後まで視聴されるごとに発生した費用」を表す指標です。アルファベットでCPCV(Cost Per Comleted View)とも表記されます。

前項の視聴単価(CPV)と類似した指標ですが、完全視聴単価(CPCV)は「動画が最後まで視聴された回数」をベースに算出されます。そのため、商品やサービスの理解促進、ブランディング目的で広告を実施する際にKPIとなり得る指標です。

計算方法は、「費用÷完全視聴数=完全視聴単価」となります。

エンゲージメント数

エンゲージメントとは、「広告を見たユーザーからの好意的な反応のこと」を指します。

エンゲージメントの解釈は広告の目的や出稿する媒体によって異なりますが、SNS広告の場合は「いいね」や「リツイート」などユーザーからの好意的な反応のことを指す場合が多いです。

エンゲージメント数は、Twitterのフォロワーを増やして認知を拡大させていきたいという場合などにKPIとして想定できる指標です。

エンゲージメント単価(CPE)

エンゲージメント単価は、「ユーザーの1エンゲージメントを得るために発生した費用」を表す指標です。アルファベットで、CPE(Cost Per Engagement)とも表記されます。

CPE課金の場合、広告が何回表示されてもエンゲージメントが発生しなければ費用は掛かりません。Twitterを例に出すと、広告に対して「いいね」や「リツイート」などユーザーからのアクションが発生しない限り、費用は一切掛からない仕様となっています。

CPE課金を採用している代表的な媒体はTwitter、Googleです。導入している媒体が少ない課金形式ではありますが、エンゲージメント単価も認知施策の際にKPIとなり得る指標といえるでしょう。

計算方法は、「費用÷エンゲージメント数=エンゲージメント単価」です。

広告指標に関する用語②:獲得施策編

次に、獲得施策を実施する際にKPIとしてよく用いられる広告指標と、それに付随する用語を解説します。獲得施策の場合、定義が明確で解釈のブレも生じにくい指標が多いですが、注意点なども添えていくのでご参考ください。

コンバージョン数(CV)

コンバージョン数とは、「広告を通してウェブサイトに訪問したユーザーが、最終的な成果地点(CV地点)に到達した数」を表す指標です。打ち合わせや会議の場では、「CV」と呼称されることが多いです。

CV地点は商材や提供しているサービスによっても異なりますが、「資料請求」「商品購入」「お問い合わせ」「来場予約」などが代表的なCV地点として挙げられます。獲得施策を実施する際のKPIとしては、「広告経由で資料請求を100件獲得する」といった目標設定のされ方が多いかと思います。

ただし、コンバージョンの”数”を目標とする場合には注意点があります。

資料請求をCVとした場合を例に解説をすると、資料請求(=CV)をしただけではまだ自社の売上には繋がっていないという点に注目です。つまり、「資料請求はたくさん獲れたけど、その先のステップまで進んだユーザーはごく僅かだった」というケースも決して少なくないということです。資料請求が大量に獲得できたとしても、マネタイズポイントまで至ったユーザーが極めて少ない場合などは、広告成果の評価も変わってきます。

コンバージョン数を追っていくのも重要ですが、「自社にとって質の高いユーザーをどれだけ獲得できたか」という視点も持っておくようにしましょう。

コンバージョン率(CVR)

コンバージョン率とは、「広告経由でウェブサイトに訪問したユーザーのうち、何%のユーザーがコンバージョンに至ったか」を表す指標です。アルファベットで、CVR(Conversion Rate)とも表記されます。

獲得施策において、コンバージョン率は広告の成果を左右する重要な指標です。「クリックはされているけどコンバージョンが全然されていない…」という場合には、ユーザー導線のどこかに欠陥が生じている可能性が高いといえます。様々な仮説を持ってコンバージョン率の改善を図るようにしていきましょう。

計算方法は、「クリック数÷コンバージョン数=コンバージョン率」です。

コンバージョン単価(CPA)

コンバージョン単価とは、「1件のコンバージョンを獲得するために掛かった費用」を表す指標です。アルファベットで、CPA(Cost Per Action/Acquisition)とも表記されます。

コンバージョンの定義は広告出稿の目的ごとに異なりますが、獲得を目的とした施策の場合、コンバージョンポイントによって許容できるCPAにも違いが生まれてくるという点に留意しましょう。

例えば住宅メーカーが広告を出稿する場合、想定できるコンバージョンポイントとしては「資料請求」「来場予約」などが挙げられます。この2つのコンバージョンでは、単に「資料請求」をしたユーザーよりも、「来場予約」をしたユーザーの方がより成約に近いユーザーだと仮定することができます。そうなると、当然「資料請求」と「来場予約」では許容できるCPAにも違いが生まれてくるはずです。

「見込み度の高いユーザーを効率的に獲得できる」という点は運用型広告の大きなメリットですが、成約地点から逆算された最適なCPAを設定するようにしましょう。

計算方法は、「費用÷コンバージョン数=コンバージョン単価」です。

すでに広告を運用してるけどなかなかCPAが改善されないという広告主の方は、下記の記事がお役に立つかもしれません。

▲CPA改善の近道!コンバージョンユーザーの除外を徹底する方法

注文獲得単価(CPO)

注文獲得単価とは、「新規顧客の注文を獲得するために掛かった費用」を表す指標です。アルファベットで、CPO(Cost Per Order)とも表記されます。

CPOは、「新規顧客の獲得単価」と言い換えることもできます。そのため、ECサイトやサブスクリプション形態のサービスなど、リピートによって収益を得るビジネスモデルのKPIとして用いられることが多い指標です。

CPAと混同して用いられることも往々にあるCPOですが、知っておくとKPI設計の幅が拡がりやすくなる指標ですので、ぜひおさえておいてください。

計算方法は、「費用÷注文件数(受注件数)=注文獲得単価」です。

レスポンス獲得単価(CPR)

レスポンス獲得単価とは、「ユーザーからのレスポンスを1件獲得するために発生した費用」を表す指標です。アルファベット表記で、CPR(Cost Per Response)と表記されます。

CPRは、「まずはお試しセットを販売したい」「初回無料プランへの登録を増やしたい」といった場合にKPIとして設定されます。

通販やサブスクリプションにおいては、まずはお試しコースなどに登録してもらい、そのあと通常または上位のプランへ切り替えてもらうというビジネスモデルが多く見られます。こういったビジネスモデルを採用している場合には、CPRは重要な広告指標です。

CPRはあくまで「新規顧客からの反応をいくらで獲得できたか」という指標になるので、「反応を獲得できたユーザーのうち何%のユーザーが実顧客に切り替わったか」という点も計測・分析するようにして下さい。

計算方法は、「費用÷レスポンス数=レスポンス獲得単価」です。

リード獲得単価(CPL)

リード獲得単価とは、「1件のリードを獲得するために発生した費用」を表す指標です。アルファベットで、CPL(Cost Per Lead)と表記されます。

リードとは、見込み顧客のことを指します。リード獲得のための広告といえばFacebookのリード獲得広告が広く知られていますが、e-bookなどのダウンロードを促し顧客情報を取得する方法もあります。

資料請求もリード獲得に該当します。「ナーチャリングには自信があるので、とにかくリードを獲得したい」という場合には、CPLをKPIとして設定することが考えられます。

計算方法は、「費用÷リード数=リード獲得単価」です。

インストール単価(CPI)

インストール単価とは、「アプリを1件インストールしてもらうために発生した費用」を表す指標です。アルファベット表記で、CPI(Cost Per Install)とも表記されます。

アプリインストール広告の場合、費用が発生するタイミングは「アプリがインストールされた時」です。広告がクリックされただけでは費用は発生しません。そのため、検索広告などに比べてムダコストを掛けずに広告配信を実施できる傾向があります。

CPIが安ければ安いほど効率的にインストール数を増やせたことになりますが、本当に大事なのは「インストールしたあと実際にアプリを使ってもらうこと」です。「広告を見てなんとなくアプリをダウンロードした」というケースも多いかと思いますが、インストール後のユーザーフローを踏まえた広告設計が重要だといえるでしょう。

計算方法は、「費用÷インストール数=インストール単価」です。

広告費用対効果(ROAS)

広告費用対効果とは、「広告費に対してどれだけの売上を得られたか」を表す指標です。アルファベットで、ROAS(Return On Advertising Spend)とも表記されます。

ROASは、コンバージョン1件ごとに購入金額の大小が発生するECサイトなどでよく用いられる広告指標です。同じコンバージョンでも、「5万円のTシャツ」と「500円のTシャツ」では売上に与えるインパクトは大きく異なります。そのため広告の成果を評価する際には、コンバージョン数ではなく売上金額で成果を測るのが適しているといえます。

計算方法は、「広告経由の売上÷広告費×100=ROAS」です。ROASが100%を越えていれば、広告費に対して売上はプラスとなっています。ただし、あくまで売上がプラスになっているだけであって、「利益はプラスになっているとは限らない」という点に注意してください。

投資利益率(ROI)

投資利益率とは、「広告費に対してどれだけの利益を得られたか」を表す指標です。アルファベットで、ROI(Return On Investment)とも表記されます。

前項のROASは売上をベースに広告の成果を評価する指標ですが、ROIは売上から販管費や必要経費を引いた”利益”をベースに広告の成果を評価するための指標です。

計算方法は、「広告経由で発生した利益÷広告費×100=ROI」です。ROIが100%を越えていれば、広告費に対して利益はプラスとなっています。

入札戦略に関する用語

ここからは媒体が用意している入札戦略の種類について、解説を行なっていきます。

オークション形式で広告掲載が決まる運用型広告では、「入札」が非常に重要な作業です。入札とは、「その広告枠なら〇〇円まで出せます!」と入札額を調整していく作業のことを指します。

入札の方法には、手動で金額を調整していく「手動入札」と、AI機能を用いた「自動入札」が存在しますが、近年ではAIの進化もあり「自動入札」を活用することが非常に多くなっています。

自動入札には、広告の目的に合わせて様々な機能が用意されています。この機能は「入札戦略」と呼ばれていますが、KPIに適した入札戦略を活用していくことが求められます。入札戦略の呼称は媒体によって異なることもありますが、意味合いは同じなのでGoogle広告の呼称に沿って解説をしていきます。

「どんな入札戦略があるのか」を把握しておけば、KPIを考える際の材料にもなるので参考にしてみてください。

目標コンバージョン単価(CPA)

「目標コンバージョン単価」は、コンバージョン1件あたりの獲得単価を重視する際に役立つ入札戦略です。あらかじめ設定した目標コンバージョン単価に収まるように、自動的に入札を行なってくれます。

注意しておきたい点は、目標コンバージョン単価を安く設定しすぎると、広告の配信量がグッと減ってしまう可能性がある点が挙げられます。

コンバージョン単価はクリック単価が下がれば下がるほど安く抑えられますが、そもそもの入札額(1クリックに出せる金額)が低すぎると広告表示すらされないという事態が起こってしまいます。

同様の理由で、コンバージョン単価を高く設定しすぎると、クリック単価の不必要な高騰にもつながります。

業界や商材によってコンバージョン単価の相場は変わりますが、「イマイチ相場感が分からない」という場合には、代理店に相場を尋ねてみることをおすすめします。

コンバージョン数の最大化

「コンバージョン数の最大化」は、設定した予算内でコンバージョンの数を最大化させたい時に役立つ入札戦略です。コンバージョン単価よりも、コンバージョンの数を重視する場合に活用したい機能です。

注意点としては、機械学習による最適化が完了するまでの間はコンバージョン数が減る可能性がある点です。期間としては約2週間前後になることが多いですが、この期間は配信量やクリック単価が不安定になり成果に影響を及ぼす場合があります。

また、「コンバージョン数の最大化」においては過去のコンバージョンデータが重視されます。そのため、過去のコンバージョン数が多いほど最適化の精度が上昇する傾向があります。あくまで体感値になりますが、月に20件前後のコンバージョンが発生していれば最適化が機能しやすくなるといえそうです。

目標広告費用対効果(ROAS)

「目標費用対効果」とは、目標として設定した広告費用対効果(ROAS)に基づく入札戦略です。コンバージョンよりも、「売上」が重視されるECサイトなどでよく活用される入札戦略です。

この入札戦略を活用すると、自社にとって価値の高いコンバージョンに至る可能性が高いとAIが判断した場合、自動で入札金額が高くなります。逆に、価値が低いと判断した場合には入札金額は低くなります。

ECサイトなどにおいては、価値の高いコンバージョン=高価な商品購入ということができるので、AIが「この人は高い商品を買ってくれそうだな!」とか「この人はあんまり買ってくれそうにないなー」というのを自動で判断してくれるということです。

そんなAIの健気さが魅力的な「目標費用対効果」ですが、無茶なROAS目標を設定するとAIがパニックを起こしてしまうこともあるので注意が必要です。

例えば、ROAS目標を高く設定しすぎると、さすがのAIでも「こんなROAS無理です! もうやめます!」という状態になって広告の配信量が抑制されてしまう場合もあります。そうなるとAIが可哀想ですし、本来の目標達成ができなくなってしまうので、まずは適切なROAS目標を設定することからはじめましょう。

コンバージョン値の最大化

「コンバージョン値の最大化」は、予算内で最大限のコンバージョン値を得たい時に役立つ入札戦略です。

コンバージョン値とは、コンバージョンごとに割り振られた価値のことを指します。1件のコンバージョンでも、金額やユーザーの質が異なる場合に使用されます。

ECサイトでいえば、「1,000円のTシャツ」を購入したコンバージョンより、「1万円のTシャツ」を購入したコンバージョンの方が価値が高いといえます。この場合、前者のコンバージョンには「1」、後者のコンバージョンに「2」を割り振ることで、コンバージョンごとに価値を付けることができます。

「コンバージョン値の最大化」は、上記で説明したコンバージョンの価値を最大化させるための入札戦略です。売上を最大化させたい時などに有効な機能だといえるしょう

拡張クリック単価(eCPC)

「拡張クリック単価」は、コンバージョンが発生すると判断された場合に、自動で入札金額を引き上げてくれる機能です。また、コンバージョンが発生しにくいと判断された場合には、自動で入札金額を引き下げてくれます。

AIが状況に応じて入札金額を調整してくれる「拡張クリック単価」ですが、あくまで手動で設定した入札金額がベースとなります。そのため、完全な自動入札ではないという点が特徴的です。コンバージョンを重視しつつも、ベースとなる入札額は自分でコントロールしたいという場合におすすめです。

クリック数の最大化

「クリック数の最大化」は、予算内で最大限のクリックを獲得したい場合に役立つ入札戦略です。「上限クリック単価(CPC)」を設定することで、1クリックあたりの上限金額内でクリック数を最大化させることができます。

クリック数の最大化は、運用の初期段階によく用いられる傾向があります。多くの企業はCV数やCPAを目標に運用を行なうことがよくありますが、広告配信の初期においてはコンバージョンデータが乏しく「コンバージョン数の最大化」などの入札戦略が適切に機能しづらい状態にあります。

そのため配信初期においては、まずはクリック数を最大化させることが優先事項となりやすく、入札戦略も「クリック数の最大化」が適切な選択となるケースが多いです。

目標インプレッションシェア

「目標インプレッションシェア」は、「検索結果の最上部」「上部」「任意の場所」に広告が表示されるように入札が調整される機能です。

最上部(検索結果ページの一番上)、上部(検索結果ページの上部)、任意の場所(左記2つ以外のいずれかの広告枠)の3つから掲載したい場所を選び、何%の割合でその場所に表示させたいかを指定することができます。

「広告を常に上位に掲載させておきたい」という場合に活用できる入札戦略ですが、あくまでもインプレッションシェアのみが最適化される機能です。場合によっては費用対効果が悪くなるケースもあるので注意が必要です。

ポートフォリオ入札戦略

ここまで紹介した自動入札はキャンペーンごとに個別で設定していく仕様となっていますが、ポートフォリオ入札戦略は複数のキャンペーンにまたがって自動で入札金額を最適化することができます。

ポートフォリオ入札戦略の詳細については、下記の記事を参考にしてみてください。

▲ポートフォリオ入札戦略とは?初心者でもわかる、簡単かつ効率的に成果向上させる自動入札

用語がわかればKPIも考えやすい

これまでKPIについてよく分からなかった方も、本記事の内容を参考にしながら自社にとって適切なKPIを考えてみてください。

「KPIの意味はわかったけど、これを運用に活かす方法を教えてほしい」という方は、以下のボタンからご連絡ください。貴社の広告の内容や競合他社の状況などを踏まえ、さらに成果を出せる運用方法のアドバイスをいたします。ご相談は無料です。

広告運用について無料で相談する

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M.R.

アカウントプランナー

異色の経歴を持つ歴戦の営業職。軽妙な語り口で聴く人の心をつかむトークスクリプトは、営業業界では「言い値で買う」「これを使ったら目標三倍達できました!」などのレビューが後を絶たないともっぱらの噂。「パッと見怖そう」と言われるとちょっと落ちこむ。