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2025.03.25 更新
2025.03.25 更新

フリークエンシーとは?効果的なWeb広告表示回数の設定方法

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N.F.

コンテンツプランナー

Web広告運用において「フリークエンシー」は無駄なコストを削減するために欠かせない機能です。本記事では、フリークエンシーの基本的な知識から実践的な活用方法まで、わかりやすく解説します。

フリークエンシーの定義

Web広告業界では、フリークエンシーは「ユニークユーザー1人あたりが広告に接触する回数」と定義されます。例えば、1人のユーザーに対して1日合計3回広告が表示された場合、フリークエンシーは3です。多くの場合、「同じユーザーに表示するのは1日3回まで」というようにフリークエンシー設定して広告を配信します。

フリークエンシーは単なる数値ではなく、ユーザーの心理や行動に大きな影響を与える要素です。適切なフリークエンシーを設定すれば、広告の認知から行動までの効果を最大化できます。一方制限せずに広告を配信すると、同じ広告が何度も表示されるストレスからブランドイメージを損ないかねません

最適なフリークエンシーの考え方

フリークエンシーが高すぎる(=1日あたりに表示する回数が多すぎる)と「アドファティーグ(広告疲れ)」を引き起こし、ブランドへのネガティブな印象を与える可能性があります。また、すでに行動済みのユーザーに広告を配信してしまうことでコストを浪費するおそれもあります。
一方フリークエンシーが低すぎる(=1日あたりに表示する回数が少なすぎる)と広告が印象に残りにくく、ブランドを認知されづらくなります。

上記のいずれにも当てはまらない最適な値を設定する必要がありますが、最適なフリークエンシー値は以下の要素によって大きく変動します。

・広告の目的(認知拡大・コンバージョン獲得など)
・商材の特性(消耗品か否か・高額か低額かなど)
・ターゲットの購買検討段階
・広告のクリエイティブ種類と質
・広告を配信するプラットフォームの特性

フリークエンシーの具体例

フリークエンシーの考え方と具体的な推奨回数を業界・商材別にご紹介します。

アパレル(ECサイトなど)

アパレルは日常的に購入される商材で、検討期間の短い低関与商材です。
衝動買いをするユーザーも多く、検討から購入までの期間が短いため、短期間に高頻度の露出で購買を促進しましょう。特に商品ページを閲覧した後やカートに追加した後はリターゲティングで配信し、決断を後押しする集中的なアプローチが効果的です。

推奨の頻度: 週3〜5回
リターゲティング時: 週7〜10回(最初に閲覧してから3〜7日間)

不動産(マンション販売、賃貸物件など)

不動産は非常に高額かつ生活に重要な商材で、購入を決定するまでに1〜3ヶ月程度はかかります。頻繁に配信するとユーザーにプレッシャーを与えかねないため、認知段階では控えめに設定するべきです。
またユーザーとの信頼構築が重要なので、質の高い情報を適度な頻度で提供し、長期的に関わることを意識しましょう。検討期間が長いため、物件情報の変更や価格改定など更新情報も含めた継続的な訴求が効果的です。

推奨の頻度: 週2〜3回
リターゲティング時(物件閲覧者): 週4〜6回(最大60日間)
リターゲティング時(資料請求者): 週3〜4回(最大90日間)

弁護士事務所(風評被害対策など)

法律サービスは必要であると認識するまでは興味を持たれにくい特殊な商材です。
過剰に配信するとかえって不信感を招くため、認知段階では低頻度で専門性・信頼性を印象づける内容にすべきです。
一方、必要性を認識した人はすぐに行動を起こす可能性が高いため、リターゲティングでは問題の緊急性と解決策を強調しつつ、プライバシーに配慮した適度な頻度設定が重要です。

推奨の頻度: 週2〜3回
リターゲティング時: 週4〜5回(7〜14日間)

イベント集客(家族・子ども向けイベント)

家族向けイベントは、家族の予定を計画する親の特性を考慮して頻度を設定することが重要です。
この場合、イベント日に近づくにつれて段階的に頻度を上げる「波状的アプローチ」が効果的です。イベント1ヶ月前からは認知拡大、2週間前からは魅力訴求、数日前には「今週末どうする?」という家族の話題に入り込むための高頻度露出というように段階的に調整しましょう。

推奨の頻度(1ヶ月前〜): 週2〜3回
推奨の頻度(2週間前〜): 週4〜5回
推奨の頻度(数日前〜): 週6〜8回

食品(健康食品など)

食品、特に健康食品は習慣として摂取することが前提であることが多く、それを促す頻度設定が効果的です。
日常的に消費される商材で購入サイクルが短いため、認知段階からやや高めの頻度設定が必要です。特にカートに追加してそのままになっているユーザーには短期間に集中的なアプローチを行い、サイトを閲覧したユーザーには商品の異なる魅力(味、栄養素、利便性など)を多角的に訴求する中〜高頻度の露出を維持しましょう。

推奨の頻度: 週4〜6回
リターゲティング時(カートを放棄): 3日間で8〜10回
リターゲティング時(サイト閲覧のみ): 週5〜7回(14日間)

映画、アニメの宣伝

映画やアニメの宣伝は公開時期に向けて段階的に盛り上げる頻度で配信すると効果的です。
公開2〜3ヶ月前のティザー期には認知してもらうための低頻度露出、予告編公開後はストーリーや出演者など魅力を伝えるための中頻度露出、公開直前には「公開初日に見に行く」という即時行動を促すための高頻度露出というように、マーケティング段階に応じて明確に頻度を変えることが重要です。

推奨の頻度(ティザー期): 週2〜3回(公開2〜3ヶ月前)
推奨の頻度(予告編公開期): 週4〜6回(公開1〜2ヶ月前)
推奨の頻度(公開直前期): 週8〜12回(公開1〜2週間前)
推奨の頻度(公開後): 週3〜5回(初週のみ)

教育関連(生徒募集など)

教育機関を選択することはユーザーにとって重要な意思決定で、信頼の構築が重視される商材です。
過度に配信すると商業的な印象を与えてしまい、教育理念や品質への信頼を損ないかねません。通常の配信では低頻度で質の高い内容にすることを意識しましょう。
資料を請求したユーザーにはカリキュラムの特徴や卒業生の進路など多角的な情報を中程度の頻度で提供し、募集締切前には時間的な制約を意識して頻度を増やし、最終決断を促しましょう。

推奨の頻度(通常期): 週2〜3回
推奨の頻度(資料請求者向け): 週3〜4回(30〜60日間)
推奨の頻度(募集直前期): 週5〜7回(募集締切の2週間前)

BtoBサービス(SaaS、法人向けサービスなど)

BtoBサービスは最終決定までに複数の部署や担当者が関わる長期的な検討プロセスが特徴です。
検討期間が長く、複数の関係者による合議を重ねる必要があるため、短期的な高頻度露出よりも長期間にわたる一貫したメッセージの低〜中頻度露出が効果的です。
特に役職や部門ごとに異なる訴求点を用意し、専門性と信頼性を損なわない控えめな頻度設定を心がけましょう。

推奨の頻度: 週2〜3回
リターゲティング時: 週3〜4回(30〜90日間)

フリークエンシーの設定方法

主要なWeb媒体でフリークエンシーを設定する方法をご紹介します。

Google広告

広告管理画面の「キャンペーン」から「キャンペーン設定」を開きます。

「その他の設定」内「フリークエンシーの管理」から頻度を設定します。Googleに最適化を任せることもできます(推奨設定)。

Yahoo!

広告管理画面の「キャンペーン」から「キャンペーン設定」に進み、「編集」を開きます。

「フリークエンシーキャップ」で回数を指定します。

Meta

広告編集画面の「広告セット」階層に「フリークエンシー管理」という項目があります。Metaでは最大の表示回数を制限する「キャップ」だけでなく平均の表示回数を指定する「ターゲット」も選択できます(期間が7日以上で、通算予算を使用しており、入札コントロールが設定されていないキャンペーンに限る)。

たくさん出せばいいわけじゃない!露出頻度に要注意

広告をたくさん出せば印象に残りやすいというわけではなく、イメージを下げずに適度に印象に残すことができる頻度が存在します。
ご紹介した事例を参考にフリークエンシーを制限し、成果を見て調整しましょう。

プライムナンバーズではWeb広告に関するご相談を無料で承っております。
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N.F.

コンテンツプランナー

広告運用コンサルタントとして新卒入社後、コンテンツプランナーに変身した。運用経験を活かしたコンテンツを制作できるよう日々奮闘中。好きなお菓子は知育菓子、好きなしらすは釜揚げ。右利き。自宅の給湯器に棲みついた鳩を昨年追い出したが、最近帰ってきた。なんで?