【全種一覧Excelつき】Instagram広告のターゲティングとは?全種まとめ&精度を高める設定方法
本記事では、Instagram広告で設定できる全てのターゲティングを整理してご紹介します。手動で設定するターゲティングやAdvantage+ターゲティングなど多岐にわたります。全体像を把握して、商材に興味を持ちうるユーザーに効率よくアプローチしましょう。
興味関心・行動・利用者層のターゲティングは大量のカテゴリの中から選択する形で設定します。それらを含め、設定できるターゲティングをすべて一覧にしたExcel資料を下記より無料でダウンロードいただけます。そのまま使えて便利なエクセル形式です。
目次
Instagram広告の「ターゲティング」とは?
「ターゲティング」とは、広告を配信する対象(ユーザー)や掲載場所を特定の条件で絞り込むことを指します。不特定多数に広告を見せるのではなく、自社の商品やサービスに関心を持つ可能性の高い層に絞って配信することで、広告費用の無駄をなくすことを目的とします。
Instagram広告のターゲティングは、Meta社が保有する膨大で高精度なユーザーデータを活用できる点が最大の特徴です。ユーザーが登録した実名や年齢、性別などのプロフィール情報に加え、日々の投稿や「いいね!」、フォローといったプラットフォーム上での行動データに基づいているため、非常に精度の高いターゲティングが可能です。

Instagram広告ターゲティングの全体像
Instagram広告のターゲティングは、大きく分けて下記の3種類から成り立ちます。
コアオーディエンス
年齢、地域、興味・関心といった基本的な属性でターゲットを指定する方法です。幅広い層へのアプローチや、新規顧客の開拓に適しています。
カスタムオーディエンス
すでに自社と何らかの接点があるユーザー(ウェブサイト訪問者、既存顧客など)に再度アプローチするためのオーディエンスです。リピート購入の促進や、見込み顧客の育成に強力な効果を発揮します。
類似オーディエンス
既存の優良顧客と似た行動や興味・関心を持つ、新しいユーザー層にリーチするためのオーディエンスです。効率的に新規顧客を開拓する上で非常に有効な手法です。
これらのオーディエンスを単体、あるいは組み合わせて活用することで、広告の目的やターゲットに応じて最適なユーザーにアプローチできます。まずは最も基本となる「コアオーディエンス」から見ていきましょう。
【基礎編】コアオーディエンスの設定
ターゲティングの土台となる最も基本的な設定です。ユーザーの属性や興味・関心に基づいて、広告を届けたい層を定義します。
地域
広告を配信する地理的な場所を指定・除外します。国のような広域から、特定の住所周辺といった狭い範囲まで、柔軟な設定が可能です。
商材の特性(例:実店舗への来店が必須 or ECサイト等でも買える)に合わせて、配信エリアとユーザーの所在地条件を設定しましょう。
設定単位
国、都道府県、市区町村、郵便番号、住所など
設定方法
地名を検索、リストから選択(地域は「自由貿易地域」など主に海外向け)、地図で選択
対象ユーザー
この地域に住んでいる人、または最近この地域にいた人
※指定した場所に居住地が登録されているか、直近で滞在したユーザーに配信

年齢
ターゲットとなる顧客層の年齢が明確な場合は、その範囲に絞り込むことで無駄な配信を抑制しましょう。ただし18歳未満のユーザーをターゲットに設定する場合、一部のターゲティングオプションが制限されます。
設定単位
13~65歳位上までの範囲を1歳刻みで設定
※デフォルトは18~65歳

性別
商材が特定の性別に特化している場合は絞り込みましょう。性別を問わない商材の場合は「すべて」を選択し、範囲を狭めすぎないようにしましょう。
設定単位
すべて、男性、女性

詳細ターゲット設定(利用者層、興味関心、行動)
詳細ターゲット設定は、ユーザーの「利用者層」「興味・関心」「行動」に基づいて、より具体的に絞り込むターゲティングです。あらかじめ用意されているカテゴリを選択する形で設定します。
利用者層
学歴、ライフイベント(記念日、転職など)、子供の有無、交際ステータスなど、ユーザーの属性情報に基づいたターゲティングです。
例:婚約中のユーザーに結婚式場の広告を配信する
興味・関心
ユーザーがInstagramやFacebook上で「いいね!」やフォローをしたコンテンツ、参加したグループなどから推測される興味・関心に基づいてターゲティングします。
例:スポーツに興味があるユーザーにスポーツ関連イベントの告知を配信する
行動
購入行動や特定のモバイルデバイスの利用状況、旅行の頻度など、プラットフォーム内外でのユーザーの行動履歴に基づいたターゲティングです。
例:ネット上で頻繁に買い物をするユーザーにECサイトの広告を配信する
また、これらを選択したうえで「Advantage+ 詳細ターゲット設定」をオンにすることもできます。
これを利用すると、パフォーマンスが向上できると判断された場合に選択した範囲を超えたユーザーに自動でリーチされます。「あのカテゴリを設定していたら穫れていたのにもったいない!」と悔しがらなくて済む機能です。ただし、配信したくなかったユーザーにも意図せず表示されてしまう可能性もあるので、設定した範囲”のみ”に限りたい場合はオフにしておきましょう。(後述の”Advantage+ターゲティング”とは別物です)

設定できるカテゴリをすべて一覧にしたExcel資料を下記より無料でダウンロードいただけます。そのまま使えて便利なエクセル形式です。
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言語
特定の言語を話すユーザーにターゲットを絞りたい場合に設定します。配信地域の主要言語と対象の言語が一致している場合(例:日本に配信する日本語の広告)であれば特に設定する必要はありません。配信地域では少数派の言語を話すユーザー層(例:日本在住の英語話者)にアプローチしたい場合に有効です。

【応用編①】「Advantage+ターゲティング」でリーチを最大化
「Advantage+ターゲティング」は、MetaのAIと機械学習を活用して広告のパフォーマンスを自動で最適化する機能です。
手動で設定した詳細ターゲットの条件をベースにしつつ、AIが「より高い成果が見込める」と判断した場合には設定した条件以外のユーザーにも広告の配信範囲を自動で広げてくれます。
Advantage+ ターゲティングのメリット
精度の高いMetaのAIを活用できることが主なメリットです。広告主が想定していなかった”金脈”のようなターゲット層が見つかる可能性があります。
機会損失の防止
広告運用者が見落としていた潜在顧客層にもリーチを広げ、取りこぼしを防ぐ
CPA(獲得単価)の改善
AIがコンバージョンしやすいユーザーを優先的に見つけ出すため、結果的にCPAが下がる傾向にある
運用の効率化
細かいターゲティング調整をAIに任せることで、運用工数を削減できる
また、AIに完全に任せきりにするわけではなく広告主がある程度指定(提案)することもできます。広告主が持つ商材や業界への知見とAIの分析力を掛け合わせられる点も大きなメリットです。

活用すべき場面
基本的にはどんな場合でもオンにすることが推奨されています。「ブランドイメージの観点から特定の層には絶対に配信したくない」など厳密なコントロールが求められる場合以外は利用しましょう。
特に下記の場合で活用すると成果の改善が見込めます。
広告配信の初期段階で、どのような層に響くかを探りたい場合
手動設定のターゲティングで成果が頭打ちになっている場合
コンバージョン数の最大化を最優先の目的とするキャンペーン

【コラム】Advantage+ターゲティングは効果的?
広告運用コンサルタント W.S.
オンにしたほうが成果が良いです!私の経験上、オンにして配信して、オフに戻したことがないくらいです。どうしても決められたターゲット以外に出したくない場合を除き、一度試してみることをおすすめします。
【応用編②】「カスタムオーディエンス」で既存顧客にアプローチ
カスタムオーディエンスは、自社が持つ顧客情報や自社コンテンツと接点を持ったユーザーをリスト化し、特定のグループに広告を配信する機能です。 新規顧客の獲得だけでなく、既存顧客との関係性を深めるのにも重要な設定です。
カスタムオーディエンスは様々なソース(情報源)から作成します。「自分のソース(=広告主が持っているデータに基づく)」のほか「Metaのソース(=Instagram/Facebook上の行動に基づく)」からも選択できます。項目は下記のとおりです。
自分のソース(広告主が持っているデータ)
ウェブサイト
Facebookピクセル(Webサイトに設置するコード)を利用し、サイトにアクセスした人や、特定の商品ページを見た人、商品を購入した人などの行動を元にオーディエンスを作成します。リターゲティング広告の基本です。
カスタマーリスト
広告主が持つ顧客リスト(メールアドレス、電話番号、氏名、住所など)をアップロードします。Facebookがその情報をユーザーと照合し、当てはまる人々でオーディエンスを作成します。既存顧客へのアプローチや、最近サービスを利用していない”休眠顧客”の掘り起こしなどに活用できます。
アプリアクティビティ
自社アプリをインストールした人や、アプリ内で特定のアクション(例:ゲームで特定のレベルをクリア、アイテムの購入など)を実行した人を元にオーディエンスを作成します。アプリユーザーにアプリのさらなる活用を促すのに効果的です。
オフラインアクティビティ
実店舗での購入履歴や電話での問い合わせなど、オフラインでの顧客の行動データをアップロードしてオーディエンスを作成します。オンラインの施策とオフラインの顧客行動を結びつけるターゲティングです。
カタログ
カタログ内の特定の商品セットの商品を閲覧・カートに追加・購入した利用者をターゲティングします。リターゲティングや潜在顧客へのアプローチ、すでに商品を購入した利用者の除外など幅広く活用できます。

Facebookのソース(Instagram/Facebook上の行動データ)
動画
FacebookやInstagramに投稿した動画を再生したユーザーをリスト化します。「3秒以上再生した人」「95%再生した人」など、視聴時間で関心の高さを絞り込めます。
リード獲得フォーム
リード獲得広告のフォームを開いたが送信しなかった人・送信完了した人を元にオーディエンスを作成できます。フォーム入力の段階に応じて、異なるメッセージで再アプローチできます。
インスタントエクスペリエンス
「インスタントエクスペリエンス(スマートフォン向けにフルスクリーンで表示される広告フォーマット)」を開いた人や、その中のリンクをクリックした人を元にオーディエンスを作成します。
ショッピング
FacebookページやInstagramアカウントのショップ機能で商品を閲覧した人、カートに商品を追加した人、購入した人などを元にオーディエンスを作成します。購買意欲の高いユーザー層にアプローチできます。
Instagramアカウント
広告主のInstagramビジネスプロフィールにアクセスした人、投稿や広告に「いいね!」やコメント、保存などのアクションをした人、DM(ダイレクトメッセージ)を送信した人などを元にオーディエンスを作成します。
イベント
作成したFacebookイベントに対して、「参加予定」や「興味あり」と回答した人を元にオーディエンスを作成します。イベントへの関心が高いユーザーにリマインダーや関連情報を届けられます。
Facebookページ
広告主のFacebookページにアクセスした人、投稿に「いいね!」やコメント、シェアなどのアクションをした人、CTA(コールトゥアクション)ボタンをクリックした人などを元にオーディエンスを作成します。ページへの関心が高いファン層(顕在層)が対象です。
On-Facebookリスティング
Facebook Marketplaceに出品した商品(リスティング)を閲覧した人や、出品者にメッセージを送った人などを元にオーディエンスを作成できます。

参考ページ:カスタムオーディエンスについて

【コラム】InstagramもFacebookも同じ「Meta広告」
広告運用コンサルタント W.S.
InstagramとFacebookがそれぞれ別の広告媒体だと思われることも多いのですが、どちらも”Meta広告”として同じ管理画面から配信します。もちろんどちらかのみ配信することもできます。
Instagram広告はアプリから簡単に配信できますが、ただ投稿のリーチが拡大するだけでキャンペーンを分けた管理はできません。しっかり運用するにはやはりビジネスアカウントが必須です。
【応用編③】「類似オーディエンス」で新規顧客を開拓
類似オーディエンスは、カスタムオーディエンスを基に、そのソースオーディエンスと共通の特徴を持つ新しいユーザーを探し出して広告を配信する機能です。 特徴が似ているということはその新規ユーザーも自社の商品やサービスに興味を持つと考えられるため、効率よく新規顧客を開拓できます。
類似オーディエンスの仕組み
基となる「ソースオーディエンス」を選択し、そのソースに対してどれくらい類似度が高いオーディエンスを作成するかを「1%〜10%」の範囲で指定します。まずは1%から開始し、配信ボリュームを広げたい場合に2%、3%と段階的に広げていくことをおすすめします。
1%
ソースオーディエンスに最も特徴が似ているユーザー層。リーチできる人数は少ないが、精度は最も高くなる。
10%
ソースオーディエンスとの共通点は薄まるが、リーチできる人数は最大になる。

利用できるソース2種
情報源としては「カスタムオーディエンス」のほか「カスタマーバリューを元にしたカスタムオーディエンス」も利用できます。後者を活用すると、オーディエンスの中でも価値が高い(頻繁に購入する、購入金額が大きいなど)人に類似するオーディエンスを作成できます。
【応用編④】「オーディエンスの保存」で設定をラクに
よく使用する地域、年齢、詳細ターゲット設定の組み合わせなどを「保存済みのオーディエンス」として名前を付けて保存しておくことで、新しい広告セットを作成する際にすぐに呼び出せます。細かくカテゴリを設定したキャンペーンを定期的に作成する場合などに便利です。

保存したオーディエンス情報は、設定画面の「保存済みのオーディエンスを使用」からオーディエンス名で検索して紐づけられます。

Instagram広告のターゲティング精度を高めるコツ
これまで解説してきた機能を最大限に活用するための実践的なポイントをご紹介します。
①ペルソナを明確にする
ターゲティング設定を行う前に、まず「誰に広告を届けたいのか」というペルソナを徹底的に具体化しましょう。 年齢や性別といった基本的な属性だけでなく、ライフスタイル、抱えている悩み、価値観、情報収集の方法まで深く掘り下げることをおすすめします。
ペルソナの解像度が高ければ高いほど、詳細ターゲット設定で選択すべき興味・関心や行動が明確になり、より的確なオーディエンスを設計できるようになります。
このペルソナ作成の作業は、AIを活用すると簡単です。下記の記事もあわせてご参照ください。
②A/Bテストで最適解を見つける
いくら商材への知見が豊富な広告主であっても、「おそらくこのターゲット層が最適だろう」という仮説だけで判断するのは的確ではありません。A/Bテストを実施し、データに基づいて最適なオーディエンスを見つけ出すことをおすすめします。Instagram広告にはABテスト機能があるため、それを活用するとよいでしょう。
また、ABテストで比較すべき項目の整理にもAIが活用できます。具体的な方法とプロンプトは下記にまとめています。
まとめ
ターゲットを的確に定めることができれば、無駄な広告費を削減し、本当に製品やサービスを必要としているユーザーにメッセージを届けられます。
また、Metaの推奨どおり、AIによる自動ターゲティング(Advantage+)を活用することをおすすめします。使ったことがない方は、ぜひ一度試してみてください。
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