【で、結局いくら?】Google広告の適正費用・予算の決め方を解説
運用型広告には「定価」という概念がなく、どれだけ費用をかけるかは広告主が決められます。運用型広告の代表的な媒体であるGoogle広告も同じく、一定の予算は決まっていません。
それだけに、
「Google広告を始めたいけど、相場がわからないと上司に提案もできない!」
「自社の予算だと何ができるのか知りたい」
「代理店が提案してきた費用が適正かどうか確かめたい」
といったご相談がよく寄せられます。実際、「いくらかかるのかわからない広告」と言われたら怖すぎて手が出せませんよね…!
そんな皆さんのために、本記事ではWeb広告の費用の出し方や、広告目的別の費用相場について、具体的な例を挙げて紹介します。ぜひ記事を読み、自社の広告予算の算出にお役立てください。
本記事の内容を含む、Google広告の基礎知識を資料にまとめました。下記より無料でダウンロードいただけます。あわせてご利用ください。
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目次
Google広告の必要予算の例
Google広告を始めとする運用型広告は、広告主が自由に予算を設定できます。極端な話ですが、予算1円でも広告を始めることは可能です。
ただし成果が出るかどうかは別問題。せっかく広告を出すのであれば、目的に応じた成果を得なければ意味がありませんよね。
ここでは中小企業でよくある予算帯「月額50万円以下」と「月額100万円前後」に分けて、各予算帯で何ができるかを解説します。
月額50万円以下の少額運用の場合
月額50万円以下で運用する場合「検索(リスティング)広告」だけを利用するなど、広告メニューを限定するのがおすすめです。
Google広告を始めとした運用型広告の多くは、ターゲットや広告別に細かな数値が確認できる仕様になっています。例えば、検索広告の場合、検索キーワード、広告、性別・年齢などでそれぞれ広告の表示回数やクリック数、申し込みに至った数などが数値として表示されます。
▲Google広告の成果レポート画面の例(ぼかしは編集による)
これらのデータから反響の悪いキーワードや広告を見つけたり、成果の傾向から新しいターゲットを追加したりといった対策を実施することで、広告の成果を改善していきます。
1メニューにかける予算が十分でないと、正確な分析ができるだけの成果が集まらない可能性が高いです。データが乏しいとGoogle広告の自動入札機能の学習も進まず、成果が出しにくい状態になってしまうことも…。
まずはWeb広告の王道とも言える検索広告に絞って出稿し、自社商材に対するユーザーの傾向をつかんでから他のメニューに展開すると、費用・時間の無駄を避けつつ成果を出しやすい環境を整えられるはずです。
月額100万円前後での運用の場合
月額予算が100万円を超える場合も、考え方は50万円以下のときと変わらず「十分な成果が確保できるだけのメニューを実施する」ということになります。
ビジネスの目的が「販売」「申し込み」など、サイト誘導後の獲得である場合は、まずは「検索広告」を中心に運用。その上でリマーケティング(※1)を活用した「ディスプレイ広告」や、ECサイトであれば「Googleショッピング広告(※2)」などを同時に運用するのがおすすめです。
▲Google広告の配信メニューの例
予算が100万円を超えたあたりで取り扱うメニューや媒体の数が多くなり、自社で運用しきれなくなるケースが多いです。効率の良くない方針のまま予算を使ってしまう可能性もあるため、このタイミングで広告代理店に扱うメニューや予算の適正判断を一度相談してもよいでしょう。
プライムナンバーズも無料でご相談をお受けしています。弊社は成果がなかなか出ない広告の立て直しや、他代理店で「難しい」と言われた広告の改善策提案などを得意としています。
「ずっと自社で運用してきたけど、このまま続けていいかわからない」「代理店で成果が出ないのに、どこが悪いか指摘できない」「これからWeb広告を出そうと思っている」というお悩みがありましたら、ぜひ弊社の無料相談をご利用ください!
※1 リマーケティング
一度サイトに訪れたことのあるユーザーに対し広告を出すことができます。ディスプレイ広告に設定できるターゲティングの中でも問い合わせ獲得などの成果が得られやすい傾向にあります。
https://primenumbers.co.jp/blog/googleads/dsp-remarketing/
※2 Googleショッピング広告
Google検索結果画面の右上や画像検索結果画面などに表示される広告で、商品の画像だけでなく価格や在庫状況なども表示させることができ、多くのECサイト運営者が取り入れている広告です。
https://primenumbers.co.jp/blog/googleads/google-shopping-ads/
予算に対する考え方
広告予算の考え方は目的や商材、競合状況などによって大きく変動しますが、今回は二通りの設定基準をご紹介します。
ひとつめは「おおよその成果獲得率が分かっている場合の予算設定」、ふたつめは「全く成果が読めない場合の予算設定」です。
1.獲得率がわかっている場合
既にサイトに訪れたユーザーの何パーセントが成果につながるか(獲得率)が分かっている場合、どれだけのユーザーをサイトに誘導すればよいか計算することで予算の目安を判断することができます。
たとえば、100人のサイト訪問者に対し約5人程度が商品を買っているなら、獲得率は5%です。商品を30個売るには、600人をサイトに誘導する必要があります。
【計算式】
目標販売個数30個÷獲得率5%=サイト誘導数600人
算出したサイト誘導数に、1人を誘導するのにかかる単価(クリック単価)を掛ければ、大体の月予算がわかります。仮にクリック単価が500円だとすると、月予算は30万円です。
クリック単価はキーワードごとに異なりますので、予算を組む段階でGoogleキーワードプランナーなどを使って大体の単価を把握しておきましょう。
参考ページ:キーワード プランナーを使う – Google 広告 ヘルプ
2.成果の予測が立たない場合
売上UPや認知拡大など成果向上のためには、広告の良し悪しを判断し修正を加えることが必要です。
しかし過去の運用実績などの材料がない場合、成果獲得を目指しつつ「この広告は成果が出にくい」「この広告は比較的獲得できる」といったデータを集めることになります。
最初は月間100クリックを目指して広告を改善していくとよいでしょう。
Google広告の費用は基本的にオークションで決まるため、競争率の高い業界ほど予算がかかる傾向にあります。
▲低単価商材と高単価商材の費用の差の例
たとえば低単価の商材なら、広告費をかけ過ぎると原価割れして赤字になってしまうため、競合他社も広告費をあまりかけられません。すると競争率が下がり、結果として費用が安くなる傾向にあります。
反対に、不動産やマンションなど単価の高い商品を宣伝する場合は、ある程度広告費をかけても顧客を獲得すればペイできるため、費用も高くなりがちです。
つまり同じ100クリック獲得という目標でも、100万円で達成できる商材もあれば、1000万円かかる商材もあるということです。どのくらいの予算が自社商材に適切かは、定期的に予算を調節しながら探っていくことになるでしょう。
商材・目的別予算例
下記の記事では異なる3つの商材・目的での予算例を記載しています。いずれのパターンでも言えることですが、広告によって自社サイトへの誘導を行っても、必ずしも成果につながるわけではありません。
広告掲載を始めたものの100クリックを超えても成果が出ず、既に損益分岐点を大幅に下回っている場合は、一度キーワードや広告テキストなどの見直しを検討してみると良いでしょう。
▼アパレルECサイトの売上アップ目的の場合
▼ホテルへの集客目的の場合
▼映画の認知拡大目的の場合
Google広告メニュー別相場
Google広告には目的に合わせた複数のメニュー(キャンペーン)があります。下記は健康食品ECサイトの弊社運用実績より抜粋したおおまかなデータです。同じキャンペーンでも時期やキーワードなどによって費用は変わります。
キャンペーン種別 | クリック単価相場 | 100CV獲得に必要な予算 |
検索 | 50~150円 | 20~40万円 |
動画 | 60~200円 | 40~60万円 |
P-MAX | 30~60円 | 30~60万円 |
ショッピング | 60~200円 | 20~40万円 |
※その他のキャンペーン種別は、該当案件では実施していません。
参考ページ:適切なキャンペーン タイプを選択する – Google 広告 ヘルプ
獲得目的の広告に最も効果的とされる検索広告のサイト誘導単価(広告のクリック単価)は、数千円を超えることもあります。一方、認知拡大に効果的とされているディスプレイ広告は数円~数百円で収まる場合が多く、比較的安価です。
ただし、メニューによってユーザーの購入確率は大きく異なります。一般にディスプレイ広告はあまり顧客獲得にはつながりません。そのため顧客獲得を目指しているなら、クリック単価が多少高くても検索広告を使いましょう。
Google広告費用の計算方法
商品の購入数や申し込み数増加を目的とした場合の費用は、以下の式で求められます(いずれも月間)。
【計算式】
月間広告費用=月間目標CV数×月間目標CPA
CV=商品の購入数や申し込み数
CPA=CV1件当たりの広告費用
たとえば、目標売上個数(目標CV)を100個、1個あたりにかけられる広告費(目標CPA)を3,000円とすると、月間広告費の上限は「100個×3,000円=30万円」となります。
予算を抑えつつ成果を上げる方法
広告予算を抑えつつ成果改善をすることは可能な場合が多いです。ここでは次の3つの手段を紹介します。
- クリック率を上げる
- リマーケティングを活用する
- LPを見直す
ただし、費用を下げるのにも限界はあります。「これをやればいくらでも予算が下がる」というものではありませんので、ご注意ください。
1.クリック率を上げる
広告運用を始めたばかりのころは成果予測が立たないため、ある程度広い層にアプローチする必要があります。運用を続けるうちに成果の出やすいターゲットや広告の傾向が見えてきたら、最も効率の良いターゲットに配信を絞れば、広告費用を抑えつつ成果改善につながる可能性があります。
また、Google広告では、各広告やキーワード単位で評価がされる仕組みがあります。評価が高い広告はクリック単価が安価になり、結果的に成果改善につながりやすくなるはずです。
一般的に「クリックされやすい広告」は高評価を受けやすいとされているため、「いかにクリックさせるか」という視点で広告を修正していくと費用を抑えつつ成果を改善できるかもしれません。
クリック率を改善するための3つのアイデアを、以下の記事で紹介しています。
2.リマーケティングの活用
検索広告で成果が出てきたら、リマーケティングの導入を検討してみるのもおすすめです。リマーケティングは、一度サイトに誘導したユーザーに対しもう一度広告を配信するターゲティング方法です。
ECサイトなどリピーターが期待できる場合は、検索広告よりも費用対効果が高くなる場合もあるため、試してみると良いでしょう。
3.LPを見直す
広告だけでなく、誘導先のサイト(ランディングページ・LP)の内容を見直すことも成果改善につながる可能性があります。
どんなに良い広告からユーザーを獲得しても、誘導した先のランディングページに問題がある場合は成果は出ません。サイトの読み込みが遅くないか、商品の魅力やサービス内容が伝わりやすいか、申し込みボタンが分かりにくいことがないかなど、LPそのものに改善点がないか定期的にチェックが必要です。
【よくある改善点】
・ページの読み込み速度
・キャッチコピーなどの訴求内容
・ボタンなどCTAの導線
・埋め込みフォームの構成
・画像のクオリティ
など
また、Google広告は「品質スコア」という指標でLPを評価しています。品質スコアを基準にして、LPを見直してみてもよいかもしれません。品質スコアについては、以下の記事で詳しく解説しています。
費用の正確な算出は専門家にご相談を!
今回紹介した方法でもGoogle広告の予算は大まかに算出可能です。しかし算出した費用と実際の費用が異なることも多いため、より正確な費用を知りたい方は広告運用会社などの専門知識を持った相手に相談するとよいでしょう。
プライムナンバーズでは、皆さまのご相談を無料でお受けしています。
弊社では過去の実績をもとに、他媒体も含め運用シミュレーションをおこなっています。これから広告掲載を始めたい方、広告掲載を始めたけど適正予算が分からないなど、広告予算に関するお悩みの方は、ぜひお気軽にプライムナンバーズへお問い合わせください。