【初心者向け】Google広告の目標広告費用対効果(目標ROAS)とは?仕組み・設定方法・注意点を解説
目標広告費用対効果とは、使った広告費に対してどれくらいの売上(成果の価値)を得たいかを「%」で決めると、その目標に近づくようにGoogleが自動で広告費の支払額をコントロールしてくれる機能です。この記事では、その仕組みや他の方法との違い、使うために必要な準備、具体的な設定手順、運用するときの注意点を初心者の方にもわかりやすく解説します。
目次
目標広告費用対効果(目標ROAS)とは?
目標広告費用対効果とは、Google広告のスマート自動入札の1つで、目指したい「広告費の回収率」を保ちつつ、売上などの成果(=コンバージョン値)を最大化できるように、広告費の入札額を自動でコントロールしてくれる機能です。
管理画面では「目標広告費用対効果」と表示されますが、現場では「目標ROAS」や「tROAS」と呼ばれています。まずは前提となる「広告費用対効果(ROAS)」と「コンバージョン値」の考え方からご説明します。
そもそも「広告費用対効果(ROAS)」とは?
広告費用対効果(ROAS)は、広告費に対してどれだけの売上を得られたかを表す指標です。計算式は「コンバージョン値÷広告費用×100%」です。
たとえば500円の売上を得るために100円の広告費がかかっている場合、「500円÷100円×100%=500%」となり、目標広告費用対効果は500%になります。
| 項目 | 例1 | 例2 |
| 広告費用 | 100円 | 10万円 |
| コンバージョン値(売上) | 500円 | 30万円 |
| 計算式 | 500円÷100円×100% | 30万円÷10万円×100% |
| 広告費用対効果 | 500% | 300% |
つまり、目標広告費用対効果を500%に設定すると、「広告費1円あたり、平均5円のコンバージョン値を得る」ことを目指して入札が行われます。
入札の基準になる「コンバージョン値」
目標広告費用対効果では、CVの「件数」ではなく「値(金額)」をもとに入札を最適化します。そのため、CVごとにどれだけの価値があるかを、コンバージョン値としてGoogle広告に教える必要があります。コンバージョン値の測定方法には、次の3種類があります。
| 測定方法 | 内容 | 向いているケース |
| 異なる値を使用 | CVごとに異なる値を記録する | ECサイトのように、注文ごとに購入金額が変わる場合 |
| 同じ値を使用 | すべてのCVに同じ値を設定する | 設定を簡単に済ませたい場合 |
| 値を使用しない | CVの件数だけを計測する | CV数だけで成果を判断する場合 |
ECサイトでは販売額に合わせて「異なる値」を使うことが推奨されています。リード獲得の場合も、見込み顧客の質に差があるなら、質の高いリードに高い値を割り当てるのがおすすめです。
目標広告費用対効果の仕組み
目標広告費用対効果では、オークションごとにGoogleがリアルタイムで入札単価を決めます。流れをシンプルに整理すると、次のようになります。
- 過去のコンバージョン値のデータを分析する
- 過去のデータをもとに、将来得られるCVと価値を予測する
- 設定した目標広告費用対効果を平均で達成しながら、コンバージョン値が最大になるように入札単価を設定する
人が手動で入札単価を調整する場合と違い、オークションごとに細かく判断してくれるのが特徴です。一方で、判断のもとになるのは過去のデータなので、コンバージョン値が正しく計測されていることが前提になります。
参考ページ1:目標広告費用対効果に基づく入札について
参考ページ2:コンバージョン値について
入札戦略の選び方や目標値の設定でお悩みの場合は、お気軽にご相談ください。
ほかの入札戦略との違い
Google広告には、目標広告費用対効果のほかにも複数の自動入札戦略があります。ここでは、特に混同しやすい「目標コンバージョン単価」と「コンバージョン値の最大化」との違いを整理します。
「目標コンバージョン単価」との関係
目標コンバージョン単価(目標CPA)は、「CV1件あたりの費用」を目標にしてCV数を増やす入札戦略です。一方、目標広告費用対効果は「広告費に対するコンバージョン値の割合」を目標にして、コンバージョン値を増やす入札戦略です。
| 比較項目 | 目標コンバージョン単価 | 目標広告費用対効果 |
| 重視するもの | CVの件数 | コンバージョン値(売上などの金額) |
| 設定する目標 | CV1件あたりの費用(円) | 広告費に対するコンバージョン値の割合(%) |
| 向いているケース | CVごとの価値がほぼ同じ場合 | CVごとに価値が異なる場合(ECサイトの購入など) |
たとえば、1件1,000円の商品と1件5万円の商品を扱うECサイトでは、CV数だけを追うと単価の低い商品ばかり売れてしまう可能性があります。売上の大きさまで考えて入札したい場合は、本記事の「目標広告費用対効果」が候補になります。目標コンバージョン単価については、Google広告「目標コンバージョン単価」でCPAを制御!仕組み・挙動・活用方法まとめで詳しく解説しています。
「コンバージョン値の最大化」との関係
「コンバージョン値の最大化」は、予算の範囲内でコンバージョン値をできるだけ大きくする入札戦略です。この戦略では、目標広告費用対効果を任意で設定できます。「コンバージョン値の最大化」で目標広告費用対効果を設定すると、本記事で紹介している「目標広告費用対効果」入札戦略と同様に動作します。
目標広告費用対効果を設定しない場合は、予算を使い切ることを目指して入札されます。現在の費用が予算を大きく下回っているキャンペーンでは、費用が大幅に増える可能性があるため注意しましょう。コンバージョン値の最大化については、コンバージョン値の最大化とは?導入のタイミングや注意点について解説!もあわせてご覧ください。
参考ページ:「コンバージョン値の最大化」入札戦略について
目標広告費用対効果を使うための条件
目標広告費用対効果は、どのキャンペーンでもすぐに使えるわけではありません。導入する前に、次の3つの条件を確認しておきましょう。
コンバージョン値を計測していること
目標広告費用対効果は、成果の「金額(価値)」をベースにして広告費を調整する仕組みです。そのため、成果(CV)をカウントする設定に加えて、CVごとに金額や価値の数値を割り振っておく必要があります。この数値が正しく測れていないと、Googleも「どの広告枠が価値の高いチャンスなのか」を正しく見極めることができなくなってしまいます。
必要なコンバージョン数の目安
目標広告費用対効果を使うには、一定数以上のCVを獲得している必要があります。キャンペーンの種類ごとの条件は次のとおりです。
| キャンペーンの種類 | 必要なコンバージョン数 |
| 検索・ショッピング | コンバージョントラッキング単位で、過去30日間に15件以上 |
| ディスプレイ | すべてのキャンペーン全体で、過去30日間に15件以上(コンバージョン値が有効なもの) |
| アプリ | 毎日10件以上(または30日間で300件以上) |
| デマンドジェネレーション | キャンペーンで過去35日間に50件以上 |
| 動画アクション | 過去30日間に30件以上 |
| ホテル | キャンペーン単位で週に50件以上 |
| 旅行 | キャンペーン単位で過去7日間に50件以上 |
また、価値にもとづく入札戦略に切り替える前は、目標コンバージョン単価などで4週間、またはコンバージョンサイクル1〜2回分のうち長いほうの期間、価値のデータを蓄積しておくことが推奨されています。
対応しているキャンペーンの種類
目標広告費用対効果は、検索、ショッピング、ディスプレイ、アプリ、デマンドジェネレーション、動画アクション、ホテル、旅行の各キャンペーンで利用できます。
ただし、複数のキャンペーンをまとめて管理するポートフォリオ入札戦略は、アプリインストール、ショッピング、デマンドジェネレーション、ホテル、旅行の各キャンペーンの目標広告費用対効果には適用されません。これらのキャンペーンでは、キャンペーンごとに目標値を設定します。
目標広告費用対効果の設定方法
目標広告費用対効果は、次の3つの場所から設定できます。新しくキャンペーンを作るときだけでなく、既存のキャンペーンで入札戦略を切り替えることも可能です。
設定できる場所は3つ
目標広告費用対効果は下記のタイミング・場所で設定できます。
- 新しいキャンペーンを作成するとき
- 既存のキャンペーンの設定を変更するとき
- 共有ライブラリの[入札戦略]ページ(ポートフォリオ入札戦略)
新しいキャンペーンで設定する手順
検索キャンペーンを新しく作成する場合は、予算と入札単価の設定画面で入札戦略を選びます。基本的な流れは以下のとおりです。
- キャンペーン作成画面で1日の予算を入力する
- [入札単価]のプルダウンメニューから[コンバージョン値]を選択する
- 目標広告費用対効果を設定し、目標値(%)を入力する
- 設定内容を確認し、[保存して次へ]をクリックする

既存のキャンペーンで変更する手順
すでに配信しているキャンペーンの入札戦略を変更する場合は、キャンペーン一覧から操作できます。
- Google広告の管理画面で[キャンペーン]を開く
- 変更したいキャンペーンのチェックボックスをオンにする
- 上部の[編集]をクリックし、[入札戦略を変更]を選択する
- 新しい入札戦略を作成するか、既存のポートフォリオ入札戦略を選ぶ
- [適用]をクリックする


目標値の決め方
初めて設定するときは、画面上に表示されている推奨値を参考にするのが安心です。新しい設定を作るときや改善案を取り入れるときには、直近数週間の実際の実績をもとに算出した目標値を提案してくれます。
あわせて、これまで達成してきた目標や実際の売上実績もチェックしておきましょう。実績とかけ離れて高すぎる目標を立ててしまうと、広告がほとんど出なくなってしまい、かえって全体の売上(成果の価値)が減ってしまうことがあります。
参考ページ:スマート自動入札を設定する
目標広告費用対効果を運用するときの注意点
目標広告費用対効果は、設定したら終わりではありません。成果を安定させるために、運用中に気をつけたいポイントを5つ紹介します。
目標値が高すぎると配信量が減る
目標広告費用対効果(目標ROAS)を高く設定しすぎると、Googleは「確実に高い費用対効果が見込めるチャンス」だけに絞って広告を出そうとします。その結果、広告を見てもらえる機会自体が減ってしまい、全体で得られる売上(成果の合計値)が落ちてしまうことがあります。
獲得する件数を増やしたいときは目標の数字を少しずつ下げ、売上(成果の価値)をもっと伸ばしたいときは目標の数字を引き上げるのがおすすめです。極端に大きな変更は避け、数値を少しずつ動かしながら調整していくのが基本です。
目標値を変えてから結果が出るまで時間がかかる
目標値を変更すると、入札システムにはすぐに反映されます。ただし、新しい目標値を達成するまでにはコンバージョンサイクル1〜2回分の時間が必要とされています。
入札戦略を変更した直後は、ステータスに「学習中」と表示されることがあります。学習期間の目安や、学習中に気をつけたいことはGoogle広告のスマート自動入札とは?仕組み・シグナル・成果を安定させる機能を解説で解説しています。
入札単価調整は使われない
目標広告費用対効果では、リアルタイムのデータにもとづいて入札単価が調整されるため、キャンペーンに設定している既存の入札単価調整は使用されません。例外として、デバイスの入札単価調整を-100%に設定し、特定のデバイスへの配信を止めることはできます。
成果はCVの遅れも考えて評価する
広告がクリックされてからCVが計上されるまでには、数日から数週間かかることもあります。直近の数値だけで判断せず長い期間で評価しましょう。評価期間やCV数の目安はGoogle広告のスマート自動入札とは?仕組み・シグナル・成果を安定させる機能を解説で詳しく紹介しています。
2026年8月の入札システム更新
2026年8月17日から、予算によって制限されているキャンペーンを対象に入札システムが更新され、パフォーマンスやトラフィックが一時的に変動する可能性があるとされています。詳しくはGoogle広告のスマート自動入札とは?仕組み・シグナル・成果を安定させる機能を解説をご覧ください。
参考ページ:スマート自動入札のパフォーマンスを測定する際のヒント
Google広告のご相談はプライムナンバーズまで
目標広告費用対効果は、広告費に対して得たいコンバージョン値の割合を目標にして、Googleが入札単価を自動で調整する入札戦略です。CVごとに価値が異なるビジネスでは、売上の大きさまで考えた入札ができる一方で、コンバージョン値の正しい計測と、実績にもとづいた目標値の設定が欠かせません。
プライムナンバーズは、豊富な配信実績にもとづき、入札戦略の選定からコンバージョン値の設計、目標値の調整まで、Google広告の運用改善をサポートしています。ご相談は無料です。
・どの入札戦略を選べばいいかわからない
・目標広告費用対効果に切り替えたら成果が不安定になった
・売上につながる配信ができているか不安
などのお悩みがあれば、ぜひ下記ボタンよりお気軽にお問い合わせください。
Google広告の入札戦略を目的別に整理した資料も、無料でダウンロードいただけます。入札戦略を選ぶ際にお役立てください。
Google広告運用代行サービスの詳細
検索広告・ディスプレイ広告・YouTube動画広告・ショッピング広告・P-MAX・デマンドジェネレーション・アプリ広告まで対応し、バナーや動画のクリエイティブ制作、LP制作・改善、GA4の設定やレポートも承ります。「配信面を効率よく広げたい」「計測が正しく取れているか不安」といった課題もまとめて解決できます。現在の運用に不安がある場合は、無料アカウント診断をご依頼ください。現状のアカウントを拝見し、改善の余地をお伝えします。
料金
サービス料金の目安は下記のとおりです。お問い合わせいただきましたら、商材や状況に合わせて個別でお見積りいたします。






