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2024.03.22 更新
2024.03.22 更新

【一覧DL可能】Google広告の入札戦略|種類と特徴、選び方を簡単解説

Written By
N.F.

コンテンツプランナー

Google広告には入札戦略が11種類あります。
本記事ではそれらの入札戦略の特徴や選び方をわかりやすく解説いたします。

記事内でご紹介した入札戦略の概要・メリット・注意点を一覧にまとめた資料は下記より無料でダウンロードいただけます。いつでもパッと確認できるようダウンロードしてご利用ください!

Google広告の入札戦略

Google広告で利用できる入札戦略は下記の11種類です。

・目標コンバージョン単価(CPA)
・コンバージョン数の最大化
・コンバージョン値の最大化
・ 拡張クリック単価(eCPC)
・ 目標広告費用対効果(ROAS)
・クリック数の最大化
・個別クリック単価制
・目標インプレッション シェア
・インプレッション単価制(CPM)
・目標インプレッション単価(tCPM)
・視認範囲のインプレッション単価制(vCPM)

これらを分類すると下記の図のようになります。

手動入札とは、希望する入札額を手動で入力し、それに応じてインプレッションやクリックが獲得される入札方法です。競合や予算の状況に応じて入札額を手動で調整する必要があります。

自動入札とは、過去の配信実績をもとに入札額が自動で設定・調整される入札方法です。入札額を調整する手間が省けますが、過去の配信実績やコンバージョンの獲得実績がないとうまく最適化されないため、新しいアカウントでの利用や過去に獲得したコンバージョン数が十分でない場合の利用は推奨されていません。

また赤枠は「ポートフォリオ入札戦略」と呼ばれる機能を利用可能な入札戦略です。
ポートフォリオ入札戦略については下記の記事で詳しく解説しています。あわせてご参考ください。

コンバージョン獲得を目的とする入札戦略

下記の入札戦略はコンバージョン獲得を最大化することを目的としています。

・目標コンバージョン単価(CPA)
・コンバージョン数の最大化
・コンバージョン値の最大化
・ 目標広告費用対効果(ROAS)
・ 拡張クリック単価(eCPC)

目標コンバージョン単価(CPA)

概要メリット注意点
目標内の単価でコンバージョン数を最大化するように自動で入札が調整される。手動で入札を調整する手間が省ける。
コンバージョン単価を維持しやすい。
クリック単価が高くなるおそれがある。

自動入札の一種です。
目標とするコンバージョン単価を設定し、その単価内でコンバージョンを最大限に獲得できるように入札単価が自動で調整されます。

自動入札全体に共通することですが、工数を削減できる点がメリットとして挙げられます。
入札額を手動で設定した場合、毎日コンバージョン単価の状況を確認しながら入札額を調整しなければなりません。目標コンバージョン単価を利用すれば、コンバージョン単価の目標値を手動で設定した後は入札額を調整する必要がなくなります。

またコンバージョンの獲得が見込めると判断すると入札が強化されて広告が配信されるため、クリック単価が高くなる可能性があります。コンバージョンの獲得に繋がるのであればデメリットとも言い切れませんが、クリック単価が変動する可能性は高いため注意が必要です。

コンバージョン数の最大化

概要メリット注意点
予算内でコンバージョン数を最大化するように自動で入札が調整される。手動で入札を調整する手間が省ける。クリック単価が高くなるおそれがある。

自動入札の一種です。
目標コンバージョン単価を設定することも可能なため、実質「目標コンバージョン単価」と同じ機能です。特徴もほとんど同じですが、「コンバージョン数の最大化」では目標コンバージョン単価を設定せずとも一日の予算の設定のみでコンバージョンを最大化することができます。

目標コンバージョン単価が決まっていない場合は利用するとよいでしょう。

コンバージョン値の最大化

概要メリット注意点
予算内で価値の高いコンバージョンを最大化するように自動で入札が調整される。手動で入札を調整する手間が省ける。
”売上”を考慮した広告運用が可能。
コンバージョンの数は考慮されない。

自動入札の一種です。
コンバージョンには、広告主側で価値を割り振ることができます。
例えば商品が2つあり、それぞれ「300円」「1,000円」と値段が異なる場合、その値段を「コンバージョンの価値」として設定できます。

コンバージョン値の最大化を利用すると、「300円」のコンバージョンを3件獲得するよりも「1,000円」のコンバージョンを1件獲得する方が優先されるように最適化がおこなわれます。
そのため、コンバージョンの数自体は減少する可能性があります。またそれに伴いコンバージョン単価が上昇するおそれがあります。

売上金額を最大化したい場合には有効な入札戦略ですが、獲得効率を重視しており具体的なコンバージョン単価の目標がある場合は「目標コンバージョン単価」を利用するとよいでしょう。

目標広告費用対効果

概要メリット注意点
設定した費用対効果(ROAS)で最も効率よくコンバージョンを獲得するように入札が調整される。手動で入札を調整する手間が省ける。配信ボリュームが制限される可能性がある。

自動入札の一種です。
目標とする費用対効果を設定し、その数値を維持しながらコンバージョンを獲得するよう入札額が調整されます。
費用対効果とは広告を配信するのにかかった費用に対する純利益の割合のことで、費用対効果が”500%”であれば、かかった広告費の5倍の売上があったことを表します。

この入札戦略では、例えば目標費用対効果を”500%”と設定すると500%の費用対効果を保つように入札額が調整されます。
このとき、設定した目標費用対効果が高すぎると配信ボリュームが抑制され、かえってコンバージョン数が減少するおそれがあります。

過去の費用対効果の実績から判断し、実現可能な目標値を設定するようにしましょう。

拡張クリック単価

概要メリット注意点
入札額は手動で設定できるが、状況に応じて自動で金額が引き上げ・引き下げられる。コンバージョン数を最大化しながら無駄なコストを抑制できる。ほかの自動入札に比べて工数がかかる。特定のキーワードを上位表示させるなどの調整が難しい。

自動入札の一種ですが、自動入札と手動入札の両方の要素を含んでいる入札戦略です。

入札額は手動で設定できますが、コンバージョンの獲得が見込めると判断された場合は設定した入札額が自動で引き上げられて広告が配信されます。反対に獲得が見込めない場合は入札額が自動で引き下げられます。入札額の平均は手動で設定した金額を上回らないように調整されるため、無駄なコストの発生を防ぎつつ着実にコンバージョンを獲得することができます。

比較的調整しやすい入札戦略ですが、入札額を手動で設定する分ほかの自動入札よりも工数がかかります。また成果が悪い場合は入札額が引き下がるため、「成果はよくないが、このキーワードでは上位に表示したい」などの調整は効かなくなります。

クリック数の最大化を目的とする入札戦略

下記の入札戦略はクリック数を最大化することを目的としています。

・クリック数の最大化
・個別クリック単価制

クリック数の最大化

概要メリット注意点
予算内でクリック数を最大化するように自動で入札が調整される。手動で入札を調整する手間が省ける。キーワード単位の入札調整は不可。コンバージョンは考慮されない。

自動入札の一種です。
目標とするクリック単価を設定し、その単価内でクリックを最大限に獲得できるように入札単価が自動で調整されます。

キャンペーン単位で目標クリック単価を設定できるため、キーワード単位などの細かい入札調整を行う手間を省くことができます。
その一方で、細かい調整が効かない点はデメリットにもなり得ます。
また、あくまでクリックの獲得に特化した入札戦略であり、コンバージョンの獲得は考慮されません。コンバージョンの獲得よりもサイトへの流入を重視したい場合に利用するとよいでしょう。

個別クリック単価制

概要メリット注意点
入札額を手動で設定する。単価が設定した金額を上回らないように広告が配信される。特定のキーワードを上位表示させるなど意図的な調整が可能。成果の分析や入札額の調整など工数がかかる。

手動入札の一種です。
広告グループやキーワードなどにおいて、クリック1回あたりの入札額を手動で設定します。クリック単価は設定した入札額の範囲内におさまります。

入札額を設定したあとも手動で調整を行わなければならないため工数がかかります。
しかし特定のキーワードで検索された場合に広告を常に上位に表示したい(特定のキーワードの入札を強めたい)などの意図的な調整が可能です。

また自動入札を実施する場合はそれまでに十分な配信実績が必要なため、しばらく手動入札で実績を作ってから自動入札に移行する方法が推奨されています。
クリック目的のキャンペーンで新たに広告を配信する場合は、個別クリック単価制でしばらく配信してからクリック数の最大化に切り替えるようにしましょう。

インプレッション数の最大化を目的とする入札戦略

下記の入札戦略はインプレッション数を最大化することを目的としています。

・目標インプレッションシェア
・インプレッション単価制(CPM)
・目標インプレッション単価(tCPM)
・視認範囲のインプレッション単価制(vCPM)

目標インプレッションシェア

概要メリット注意点
検索結果の最上位(任意の場所)に表示される割合を設定し、表示回数と表示位置がその割合になるように入札額が調整される。競合が多く表示位置が下がってしまう場合でも上位表示を狙うことができる。クリック単価が高騰しやすい。

自動入札の一種です。
検索広告のみ利用可能な入札戦略で、検索結果の最上位や上部など、任意の場所に広告が表示される割合を指定することができます。

例えば”100回広告が表示されるうちの50回は最上位に表示したい”という場合、目標インプレッションシェアは50%になります。”ページ最上部のインプレッションシェアを50%”と設定すると、50/100回(2回に1回)最上位に表示されるように入札額が調整されます。

競合を抑えて最上位に自社の広告を表示することができるため有効な入札戦略ですが、その分クリック単価が高騰しやすくなります。
予算が十分にあり、クリック単価よりもインプレッションシェアを優先したい場合に利用するとよいでしょう。

目標インプレッション単価

概要メリット注意点
予算内でユニークリーチを最大化するように自動で入札額が調整される。より広い範囲にリーチできる。クリックされても費用が発生しない。必ずしもクリックに結びつくとは限らない。細かい調整が効かない。

自動入札の一種です。
広告1,000回表示あたりに支払える金額を設定すると、その金額内でユニークリーチ(広告が表示されたユーザーの人数)を最大化するように入札額が自動で調整されます。

ただ、リーチしたユーザーが必ずしも広告をクリックするとは限りません。クリックされなくても料金は発生するため、とにかく多くの人に広告を見せることを重視する場合に利用するとよいでしょう。

インプレッション単価制

概要メリット注意点
表示回数 1,000 回あたりに対する入札額を手動で設定する。より広い範囲にリーチできる。クリックされても費用が発生しない。必ずしもクリックに結びつくとは限らない。

手動入札の一種です。
広告1,000回表示あたりの入札額を手動で設定します

あくまで”表示”によって課金されるため、目標インプレッション単価と同じように広告がクリックされても費用は発生しません。多くクリックされれば結果的にクリック単価は安くなりますが、全くクリックされなかったとしても表示された分の費用は発生します。

クリックは目的とせず、とにかくたくさん広告を表示させることを重視する場合に利用するとよいでしょう。

視認範囲のインプレッション単価制

概要メリット注意点
表示回数 1,000 回あたりに対する入札額を手動で設定する。ユーザーが”視認した”と判断されたインプレッションに対してのみ費用が発生する。ただ表示されただけではなく”見たかどうか”も考慮できる。必ずしもクリックに結びつくとは限らない。

手動入札の一種です。
ディスプレイ広告のみ利用可能な入札戦略で、課金の仕組みはほとんど”インプレッション単価制”と同じです。

ただ、”視認範囲のインプレッション単価制”は広告費の支払対象が”ユーザーが視認したと判断されたインプレッション”に限られます。判断基準は下記のとおりです。

広告面積の 50% 以上が画面に表示され、かつディスプレイ広告では 1 秒以上の表示、動画広告では 2 秒以上の継続再生があった場合

”インプレッション単価制”よりも多くのユーザーに広告をしっかりと見せることができます。

目標に合った入札戦略を選択することが大事

入札戦略はそれぞれにメリットやデメリットがあり、選択を誤ると予算を無駄にしてしまうおそれもあります。「なんとなく」で決めるのではなく、目標に合わせて適切に選ぶようにしましょう。

入札戦略の選定に迷っている方や広告の配信に関してお困りの方は、ぜひプライムナンバーズまでお問い合わせください。

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N.F.

コンテンツプランナー

広告運用コンサルタントとして新卒入社後、コンテンツプランナーに変身した。運用経験を活かしたコンテンツを制作できるよう日々奮闘中。子どもの頃からブラジル音楽をこよなく愛しており、演奏もする。好きなしらすは釜揚げ。右利き。