うっかり違反を防ぐ!Google広告のポリシー実務ガイド|要注意商材を解説
2026年8月、Googleは広告配信の制限ポリシーの対象を「すべてのGoogle広告」へ拡大すると発表しました。2028年までに完了する予定とされています。
これまで「広告ポリシー対応」といえば、審査に落ちないための作業でした。しかしこの改定以降は、審査に通ったうえで配信量を絞られないことまでが対応範囲に入ります。広告が「有効」と表示されているのに表示回数が伸びない、という状態が、ポリシーが原因で起こり得るということです。
この記事では、広告代理店として日々審査と向き合っている立場から、Google広告のポリシーの全体像を整理したうえで、実務でうっかり起きてしまいそうな違反ケースと、案件を受ける前に確認しておきたい商材別の注意点をまとめます。
目次
2026年8月の改定で何が変わったのか
今回の改定は、「誰の広告をどれだけ表示するか」を広告主の信頼性で調整する仕組みの適用範囲が広がった、という内容です。まずは前提となる「広告配信の制限」の考え方から整理します。
「広告配信の制限」は審査落ちとは別のしくみ
Googleでは、ユーザーに不快感や不利益を与える可能性が高い広告について、表示できる範囲を制限することがあります。これが「広告配信の制限」です。制限するかどうかは、ユーザーからのフィードバックや不正行為の発生状況、業界全体の動向などをもとに判断されます。Googleが定める一定の条件を満たした広告主は通常どおり広告を配信できますが、条件を満たしていないと判断された場合は、広告の表示機会が制限されます。
注意したいのは、広告自体が不承認になるわけではない点です。管理画面上では広告のステータスが「有効」と表示されたままでも、実際には表示回数が増えないことがあります。そのため、「入札単価を上げてもインプレッションが増えない」「同じ設定なのに新しく作ったアカウントだけ広告がほとんど表示されない」といった形で問題が発生します。エラーや不承認の表示が出ないため原因に気づきにくく、予算を使い切れないときに入札単価や広告内容だけを見直しても改善しない場合があります。その原因の一つとして、この広告配信の制限を確認する必要があります。
対象が「すべてのGoogle広告」に拡大
これまで広告配信の制限は「広告主と広告内で紹介されているブランドとの関係が分かりにくい場合」など、限られたケースを対象としていました。今回の改定により、この仕組みはすべてのGoogle広告に適用されるようになります。また、ポリシーページの構成も見直され、広告の掲載面ごとに分かれていた推奨事項がまとめて確認できる形に変更されました。
| 比較項目 | 従来 | 2026年8月の改定後 |
| 適用対象 | 特定のシナリオに限定(ブランドとの関連性が不明確な広告など) | すべてのGoogle広告 |
| 対象となる面 | Google検索を中心に段階的に適用 | Google検索、YouTube、Gmail、Playストア、Discover |
| 展開スケジュール | 順次適用 | 段階的に展開し、2028年までに完了予定 |
| ポリシーの記載 | シナリオごとの説明 | 面ごとのベストプラクティスを統合した新レイアウト |
「2028年までに段階的に」と示されているため、すぐに全アカウントが影響を受けるわけではありません。ただし、影響が出たときに気づきにくい性質のポリシーなので、問題が見えてから対応するより、先に適格性側を整えておくほうが確実です。
「適格性」は何で判断されるのか
広告主が制限なく広告を配信できるかどうかを判断する際、次のような要素がGoogleに確認されます。どれか一つだけで判断するのではなく、アカウント全体の状態を総合的に見て評価されます。
アカウントの種類や登録情報などの基本情報
広告を見たユーザーの行動や、ユーザーから寄せられた報告
アカウントをどのくらいの期間、継続して運用しているか
画像広告や動画広告など、利用している広告の種類
過去にGoogle広告のポリシーを守って運用してきたか(違反歴)
広告主がどのような業種・業界に属しているか
Googleによる広告主の本人確認が完了しているか
また、不正行為が多く確認されている一部の業種では、通常の条件に加えて、Googleが定める認定の取得など追加の要件が求められる場合があります。広告主が配信対象として不適格と判断された場合は、Google広告のアカウント内に通知が表示されます。判断に異議がある場合は、専用の再審査請求フォームから再度審査を依頼できます。
参考ページ:Update to Limited Ad Serving Policy (August 2026)
:広告配信の制限
影響が出やすいのは「立ち上げ直後」と「ブランドが見えない出し方」
Googleが適格性を判断する項目を実際の広告運用に当てはめると、配信制限の影響を受けやすいアカウントには一定の傾向があります。特に、アカウントの運用歴や、広告を出している企業・ブランドが明確かどうかが評価対象になっているため、次のようなケースは注意が必要です。
- 新しく作ったばかりのアカウントで、最初から大きな予算を使って広告を配信する
- Googleによる広告主の本人確認が終わっていない状態で広告を配信する
- 比較サイトや情報メディア、販売代理店など、広告を出している会社と広告内で紹介しているブランドの運営会社が異なる
- 「最安値で予約」「今すぐ無料相談」などの一般的な表現だけを使い、広告内に会社名やサービス名を表示していない
- 1つの会社が複数の広告アカウントやWebサイトを使い、同じ商品・サービスの広告を重複して配信している
対策として、まず広告主の本人確認を早めに完了させることが重要です。そのうえで、広告文とリンク先のWebサイトの両方に会社名やサービス名を明記し、誰が出している広告なのかを分かりやすくします。また、広告に表示されるWebサイトのドメインと、クリック後に移動するページのドメインも一致させるようにしましょう。新しく作ったアカウントでは、最初から大きな予算を使うのではなく、少額から配信を始めて運用実績を積み上げるほうが、安定した配信につながりやすくなります。
Google広告のポリシーは4つの分類で押さえる
Google広告のポリシーは項目数が多いため、すべてを個別に覚えるのは現実的ではありません。公式ヘルプでは大きく4つの分類に整理されているため、まずは全体の枠組みを把握し、そのうえで自社が扱う商品やサービスに関係する項目だけを詳しく確認する方法が効率的です。
| 分類 | 位置づけ | 代表的な項目 |
| 禁止コンテンツ | Googleネットワークで宣伝そのものが禁止されている | 偽造品、危険な商品やサービス、不正行為を助長する商品やサービス、不適切なコンテンツ |
| 禁止行為 | 広告掲載の手法として禁止されている | 広告ネットワークの不正利用、データの収集および使用、不実表示 |
| 制限コンテンツと機能 | 宣伝は可能だが条件・認定・地域制限がある | アルコール、ギャンブル、ヘルスケアと医薬品、金融商品およびサービス、暗号通貨、マッチング、商標、政治に関するコンテンツ、広告配信の制限 |
| 編集基準と技術要件 | 広告・サイト・アプリの品質基準 | 編集基準と表現、リンク先の要件、技術要件、広告フォーマットの要件 |
禁止コンテンツ:そもそも出せない領域
偽造品や武器・爆発物、ドラッグ、不正行為を手助けする商品・サービスなどは、Google広告で宣伝することが禁止されています。この範囲は、広告の表現や設定を工夫すれば配信できるものではなく、対象となる商品・サービス自体が広告掲載の対象外だと考える必要があります。
実際の運用で注意したいのは、広告で宣伝する商品・サービスには問題がなくても、Webサイト内の別のページがポリシーに抵触するケースです。たとえば、アフィリエイトを行っているメディア内に、広告掲載が禁止されている商品の紹介やレビュー記事が含まれている場合があります。広告から直接その記事へ誘導していなくても、リンク先だけでなくWebサイト全体の内容が確認され、広告配信に影響することがあります。
禁止されている行為:内容ではなく「やり方」の違反
商品やサービス自体には問題がないのに広告が不承認になる場合、この分類に該当しているケースが多くあります。特に注意が必要なのが「不実表示」です。不実表示には、料金や追加費用を十分に説明していない、実際には関係のない企業との提携を示す、根拠がないのに効果を断定する、必要以上に興味をあおってクリックを促すといった表現が含まれます。意図的にユーザーをだまそうとしていなくても、広告文やリンク先ページの表現が該当することがあります。
また、「データの収集および使用」にも注意が必要です。たとえば、問い合わせフォームで取得している個人情報と、プライバシーポリシーに記載している利用目的や取得情報の内容が一致していない場合、それだけでもポリシー上の問題になることがあります。
制限されているコンテンツと機能:認定・地域・ターゲティングの制約
この分類は、広告掲載そのものが禁止されているわけではありませんが、一定の条件を満たさなければ配信できない領域です。たとえば、事前にGoogleの認定を受ける必要があるもの、配信する国や地域によって掲載できるかどうかが変わるもの、ユーザーの属性や興味関心を利用したターゲティングに制限があるものなどが含まれます。今回改定された「広告配信の制限」も、この分類に該当します。
また、同じ商材でも国や地域によって適用されるルールが異なり、日本向けに独自の条件が定められているケースもあります。そのため、広告運用を始める前に、扱う商品やサービスがどの規定に該当するかを公式ヘルプで確認しておく必要があります。
編集基準と技術要件:細かいが落ちやすい
この分類では、広告文の書き方や画像・動画の見やすさ、リンク先が正常に表示されるかといった広告の品質が確認されます。具体的には、記号や大文字を不自然に多く使っていないか、不要なスペースが入っていないか、画像や動画が見づらくないか、広告をクリックした先のページが正しく開くかなどが対象です。
参考ページ:Google 広告のポリシー
一つひとつの問題は細かいのですが、広告を大量に入稿するキャンペーンでは、不承認になる広告の数も増えやすくなります。修正や再審査が重なるとキャンペーン全体の配信開始が遅れるため、よくある不承認項目をあらかじめチェックリストにまとめ、入稿前に確認できるようにしておきましょう。下記の無料資料では、Google広告以外の媒体のポリシーを比較して確認できます。ぜひご活用ください。
不承認・「有効(制限付き)」・アカウント停止はどう違うか
Google広告のポリシー違反は、すべて同じ重さで扱われるわけではありません。広告だけが不承認になる場合もあれば、配信が制限されたり、アカウント全体に影響が及んだりする場合もあります。状況によって対応の優先度や必要な対処が変わるため、まずは管理画面を確認し、どの範囲で問題が起きているのかを切り分けることが重要です。
| 状態 | 起きている問題 | 対処 |
| 広告が不承認 | 該当する広告が配信されない。修正して再審査に出せば再開できる | 広告単位の修正。原因が構成全体にある場合は入稿ルールを見直す |
| 有効(制限付き) | 広告は有効だが、地域やターゲティングなどが制限された状態で配信される | アルコール・ギャンブル・ヘルスケアなど、該当ポリシーの条件や認定を確認 |
| 広告配信の制限 | 不承認ではなく、広告主の適格性を理由に表示回数が抑えられる | 適格性確認の完了、ブランドの明確化、ポリシー遵守実績の積み上げ |
| アカウント停止 | アカウント内のすべての広告が停止する | 再審査請求。重大な違反の場合は復旧が難しい |
違反警告は同一ポリシーで最大3回
同じポリシーへの違反を繰り返すと、警告が段階的に重くなり、最大3回の警告を経てアカウントごと停止されてしまいます。重大な違反を除き、アカウント停止の少なくとも7日前には通知が行われます。一方で、法令違反やユーザーに深刻な被害を与えるような重大な違反は、事前の警告なしでアカウントが停止される場合があります。
実務で注意したいのは、警告が広告単位ではなくアカウント全体に影響する点です。問題のある広告を修正して再入稿しても、同じ種類の違反が残っていれば警告は進んでしまいます。そのため、最初の警告が出た時点で該当する広告だけを直すのではなく、同じ表現や構成を使っている広告やリンク先ページがほかにないか、アカウント全体を確認して修正する必要があります。
決済手段が同じ「関連アカウント」も止まる
アカウント停止で特に注意したいのは、影響が停止された1つのアカウントだけにとどまらない点です。同じ決済手段を使っている関連アカウントも停止の対象になることがあり、停止後に新しくアカウントを作っても、自動的に停止される場合があります。また、広告配信に使っていたリマーケティングリストが利用できなくなることもあります。そのため、「別のアカウントを作って広告を出し直す」という方法では回避できません。
複数のブランドや商材を同じ決済手段で運用している場合は、1つの商材で起きたポリシー違反が、ほかのブランドの広告配信にも影響する可能性があります。アカウントや決済方法をどのように分けて管理するかは、広告運用を始める段階から意識しておく必要があります。
参考ページ:ポリシーに違反した場合
「うっかり破ってしまう」8つのケース
ここからは、通常どおり作った広告でも不承認になるケースを紹介します。どれも、ルールを知っていれば簡単に防げる一方、知らないと原因を特定しにくいものです。
| ケース | 該当しやすいポリシー |
| 料金・手数料の総額がLPに書かれていない | 不実表示(不当な価格設定) |
| 「No.1」「業界最安」を出典なしで書く | 不実表示(信頼できない申し立て) |
| 計測用リダイレクトで表示URLとドメインが変わる | リンク先の要件 |
| 広告文の記号・スペース・大文字の使い方 | 編集基準と表現 |
| 広告文に電話番号を直接入れる | 編集基準と表現 |
| LPが特定の地域・デバイスで開けない | リンク先の要件 |
| 顧客リストのリマーケティングがデリケートなカテゴリに触れる | 制限付きターゲティング |
| 広告主名とサイト運営者名が一致していない | 不実表示/広告配信の制限 |
1. 料金や手数料の総額をLPに書いていない
「不実表示」のポリシーでは、ユーザーが支払い条件を正しく理解できない表示も問題になります。たとえば、「月額980円〜」だけを目立たせ、初期費用や解約手数料を別ページにしか載せていない場合や、サブスクリプションサービスで「無料」と強調しながら、いつから料金が発生するのかを分かりやすく示していない場合です。
金融商品ではさらに厳しい基準が設けられており、事業者の所在地や発生する手数料などを、ユーザーがすぐに確認できる場所に表示することが求められます。
申込み前に必要な費用がすべて分かる状態にすることで対策できます。できればページを開いて最初に見える範囲、遅くとも申込ボタンの直前までに、支払う総額、支払いの頻度、追加で発生する費用を明記します。「詳細はお問い合わせください」として料金を伏せるのではなく、ユーザーが申込み前に判断できる情報を提示する必要があります。
2. 「No.1」「業界最安」を根拠なしで書く
「不実表示」には、事実と異なる内容や、実現する可能性が低い結果を確実に得られるように見せる表現も含まれます。たとえば、「顧客満足度No.1」「必ず痩せる」「誰でも月30万円」といった表現です。こうした訴求は、景品表示法だけでなく、Google広告のポリシーにも抵触する可能性があります。
実務では、「No.1」などの実績を広告で使う場合、誰が、いつ、どのような対象に対して行った調査なのかをリンク先ページに明記し、広告文もその根拠から外れない表現にします。これは審査を通すためだけでなく、広告掲載後のクレームや広告主とのトラブルを防ぐうえでも重要です。
3. 計測用リダイレクトで表示URLとドメインが変わる
Google広告では、広告に表示されるURLと、クリック後に実際に表示されるページのURLが正しく対応している必要があります。また、広告に表示しているドメインとは別のドメインへ、途中で自動的に転送する仕組みも問題になります。たとえば、ASPの計測URLや外部の効果測定ツールを経由した結果、最終的に表示されるページのドメインが広告の表示URLと異なっているケースなどです。
対策として、広告の最終ページURLには自社サイトのURLを設定したままにし、計測に必要な情報はトラッキングテンプレートなどを使って付与することをおすすめします。
4. 広告文の記号・スペース・大文字の使い方
編集基準では、意図に沿わない大文字の使用、不必要な記号の使用、名前や単語の不自然な繰り返し、スペースの省略や過剰な使用が禁止されています。「\今だけ/」のような装飾、「無 料 相 談」のようなスペースを多用した書き方、「!!!」「★」の多用、(ブランド名や社名でもないのに)全部大文字にする書き方が典型例です。誤字脱字や文法の誤りも対象に含まれます。
レスポンシブ検索広告では見出しを15本入稿することも多いので、1本だけ紛れた装飾表現が原因で不承認になり、それに気づかないまま配信が始まっていることがあります。入稿後は必ず広告単位でステータスを確認しましょう。
5. 広告文に電話番号を直接入れる
Google広告では、見出しや説明文などの広告テキストに電話番号を直接記載することは認められていません。電話番号を表示したい場合は、電話番号を表示するための専用アセットや、電話での問い合わせを目的とした広告形式を利用します。
特に店舗型ビジネスでは、「お電話は0120-…まで」といった案内をそのまま広告文に入れてしまいがちですが、これは不承認の原因になります。電話での問い合わせを促したい場合でも、広告文に直接番号を書くのではなく、Google広告が用意している電話番号表示オプション(アセット)を使う必要があります。
6. LPが特定の地域・デバイスで開けない
Google広告のリンク先ページは、一般的なブラウザやスマートフォン・パソコンで正常に表示され、広告を配信している地域からアクセスできる状態である必要があります。たとえば、海外からのアクセスを制限している、特定のブラウザでフォームが正しく動かない、ページがメンテナンス中になっている、404エラーやサーバーエラーが発生しているといった場合は、不承認の原因になります。また、広告を表示することだけを目的に作られたページや、他サイトの内容をコピーしただけで独自の情報がほとんどないページも認められません。
対策として、キャンペーンを開始する前に、実際のスマートフォンや主要なブラウザでリンク先ページを開き、配信対象地域から問題なくアクセスできるか確認します。特に、サイトのリニューアルやサーバー移行の後は注意が必要です。URLの変更や一時的なエラーによって、これまで承認されていた広告がまとめて不承認になることがあるため、公開後に既存広告のリンク先もあわせて確認する必要があります。
7. 顧客リストのリマーケティングがデリケートなカテゴリに触れる
これは見落とされやすい一方で、広告の配信設計にも大きく影響するルールです。Googleのパーソナライズド広告では、健康や経済状況、宗教、人種・民族、性的指向など、個人のプライバシーに関わる「デリケートな興味・関心のカテゴリ」が定められています。これらに該当する商品やサービスでは、広告主が保有する顧客リストやサイト訪問者のデータ、そこから作成した類似ユーザーなどを広告配信に利用できません。一方で、Googleがあらかじめ用意している購買意向やアフィニティ、ユーザー属性などのセグメントは利用できます。
対象には、「健康、経済的困窮、犯罪行為、ギャンブル、宗教的信念、人種・民族、性的指向、社会的に弱い立場にある人、人間関係の悩み、虐待やトラウマ、臨床試験への参加募集」などが含まれます。たとえば、クリニックの来院者リストを使って再度広告を表示したり、債務整理サイトを訪れた人だけに広告を出したりするようなターゲット設計は、この制限に該当します。
このルールの厄介な点は、広告そのものが不承認になるのではなく、設定したオーディエンスが使えなくなることです。そのため、配信直前になって初めて気づくと、ターゲティング設計を大きく組み直す必要があります。デリケートな分野の商材を扱う場合は、広告作成前の段階で利用できるオーディエンスを確認しておく必要があります。
8. 広告主名とサイト運営者名が一致していない
Google広告では、広告の中で、どの商品・サービスを、どの事業者が宣伝しているのかを明確にする必要があります。広告主名には実際の事業者名を使用し、関係のない名称や別の会社名を使うことはできません。特に、広告代理店が複数のクライアントをまとめて管理している場合や、比較サイト・メディアを経由して送客する場合は、広告主名、広告文に出てくるブランド名、リンク先ページの運営者名が一致しないケースが起こりやすくなります。
このような不一致は、広告の不承認だけでなく、「広告配信の制限」の判断にも影響します。誰が出している広告なのか分かりにくい状態は、Googleが制限対象として重視しているポイントの一つです。そのため、広告主名、広告内のブランド表記、リンク先サイトの運営者情報をできるだけ一致させ、ユーザーが広告主をすぐに判断できる状態にしておく必要があります。これは審査を通すためだけでなく、広告の表示機会を確保するうえでも重要です。
参考ページ:不実表示
:編集
:リンク先の要件
:制限付きターゲティング(パーソナライズド広告の場合)
案件を受ける前に確認したい要注意商材
商品やサービスによっては、広告の内容に問題がなくても、Googleが定める認定や登録を完了していなければ広告を配信できない場合があります。広告文や画像を修正して解決できる問題ではないため、提案や見積もりの段階で確認しておく必要があります。
| 商材 | 主な論点 | 提案前に確認すること |
| 医療・美容医療・オンライン診療 | ヘルスケア関連のポリシー、認定要件、デリケートなカテゴリ | オンライン診療は所定の登録・認定が必要。顧客リストの利用可否 |
| 医薬品・健康食品・サプリ | 処方薬関連用語の扱い、効果効能の表現 | 一般用医薬品は許可番号の表示。医療専門家向けかどうか |
| 金融・ローン・投資・暗号資産 | 手数料や所在地の開示、認定プログラム | 免許・登録の有無、Googleの認定取得状況、LPの開示項目 |
| ギャンブル・ゲーム | 認定と地域制限 | 配信対象国での許認可、Googleの認定申請の可否 |
| マッチング・コンパニオンサービス | 制限付きビジネスに該当する可能性 | サービス内容がポリシー上の定義に触れないか |
| 人材・不動産・与信 | パーソナライズド広告のターゲティング制限 | 使えるオーディエンスの範囲。除外設定の設計 |
| 副業・情報商材・スクール | 不実表示、信頼できない申し立て | 収益実績の根拠、返金条件、価格の総額表示 |
| 政治に関するコンテンツ | 政治広告としての確認手続き | 該当判定と、必要な本人確認・開示の準備 |
参考ページ:ヘルスケア、医薬品
:金融商品およびサービス
審査落ちと配信制限を防ぐ運用チェックリスト
最後に、実際の広告運用に取り入れたいチェック項目を整理します。Google広告のポリシーは範囲が広いため、担当者個人の知識や経験だけに頼ると確認が漏れるおそれがあります。記憶頼みではなく、入稿前の手順に組み込み、毎回同じ項目を必ず確認する運用にしておくことをおすすめします。
アカウント開設・出稿前
この段階での確認漏れは、その後の広告作成や審査、配信開始にまで影響します。特に広告主の本人確認は完了まで時間がかかることがあるため、できるだけ早い段階で着手しましょう。
- Googleによる広告主の本人確認を完了させる
- 広告する商品・サービスに配信制限があるか、事前の認定や登録が必要かを公式ヘルプで確認する
- LPに料金の総額、追加手数料、事業者情報、特定商取引法に基づく表記が掲載されているか確認する
- 「No.1」「満足度○%」などの効果や実績を訴求する場合、調査を行った主体や時期など、その根拠が確認できる注記を掲載する
- 広告に表示するWebサイトのドメインと、クリック後に実際に表示されるページのドメインが一致しているか確認する
- 実際のスマートフォンや主要なブラウザを使い、広告の配信対象地域からLPが問題なく表示されるか確認する
- 健康や金融などのデリケートなカテゴリに該当する場合、利用できるターゲティングやオーディエンスの範囲を事前に確認する
配信開始後
広告を入稿したら終わりではなく、配信開始後も広告のステータスやGoogleからの通知を定期的に確認します。今回の改定以降は、広告が不承認になっていないからといって、問題なく配信できているとは限りません。
- 広告ごとのステータスを確認し、「不承認」なのか「有効だが一部制限されている」のかを区別する
- Google広告の管理画面に表示されるポリシー関連の通知や違反警告を定期的に確認する
- 入札単価や広告内容に大きな問題がないのに表示回数が増えない場合は、広告配信の制限がかかっていないか確認する
- サイトのリニューアル、サーバー移行、料金変更などを行った際は、既存の広告とLPに問題が出ていないか再確認する
- 最初の違反警告が出た時点で、同じ表現や構成を使っている広告がほかにないか、アカウント全体を確認する
不承認や配信制限が出たとき
広告が不承認になった場合は、まずGoogle広告の管理画面で違反しているポリシーを確認し、該当する広告文やLPを修正したうえで再審査を申請します。一方、「広告配信の制限」がかかっている場合は、広告文を修正するだけでは解決しません。広告主の本人確認やアカウントの運用状況、ブランド表記など、広告主としての適格性に関わる部分を見直し、Googleの判断に問題がある場合は専用フォームから異議申し立てを行います。
Google広告に限らず、主要な広告媒体で審査に落ちた場合の基本的な対処方法については、主要媒体の審査完全ガイドでも解説しています。
ポリシー対応は配信量を守るために重要
2026年8月の改定により、「広告配信の制限」の対象がすべてのGoogle広告へ広がりました。この制限は、広告が不承認になるのではなく、広告の表示回数が抑えられる形で影響が出るため、問題が起きてから原因を特定するのが難しい点に注意が必要です。
また、広告の不承認は、商品やサービス自体に問題がある場合だけに起こるものではありません。料金の表示不足、効果や実績を示す根拠の不足、広告とリンク先URLの不一致、LPの表示エラーなど、基本的な確認漏れが原因になるケースも多くあります。入稿前のチェック項目を決めて毎回確認するだけで防げる場合もある一方で、商品やサービスによっては、そもそも広告配信に認定や登録が必要なこともあります。担当する商材が「制限付きコンテンツ」に該当するかどうかは、案件を始める段階で必ず確認しましょう。
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商材や配信目的、予算に合わせた個別のお見積りを無料でお出しいたします。現在配信中の方はもちろん、これから配信を検討している段階でのご相談も歓迎です。まずは下記ボタンよりお気軽にご連絡ください。
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