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2023.06.29 更新
2023.06.29 更新

ライターが選ぶ面白いキャッチコピー10選

Written By
S.T.

コンテンツディレクター

街を歩けば毎日目に飛び込んでくるキャッチコピーの数々。ポスター、CM、Webサイト…ありとあらゆる場面で、さまざまなキャッチコピーが使われています。

キャッチコピーとは、いわば広告の「顔」。

どれだけセンスの良いポスターでも、キャッチコピーがダサければすべて台無しです。同様にコーポレートサイトやLPなどのWebサイトにおいても、ユーザーがまず最初に目にするキャッチコピーのクオリティによって、そのサイトの効果は大きく変わってきます。

この記事では10年ほどライターとして仕事をしてきた僕が「面白い」と感じたキャッチコピーを紹介します。LPやWebサイトのコピーを書く場合でもよいコピーライティングには、よいキャッチコピーをたくさん見ることが重要です。アイデアが出ないな…と思った際、インスピレーションを得るための参考にしてください。

正月やることなさすぎて草-WOWOW

▲広告主:WOWOWオンデマンド(2023年1月1日・新聞広告)

元旦、どの店も休みで家で寝正月を過ごすくらいしかない日に、この広告を見たらついQRコードを読み取ってしまいそう。こたつでダラダラしながら「正月やることなさすぎて草」とツイートしている様子が目に浮かぶし、多くの人が「私のこと見てる⁉」と思いそうな良いキャッチコピーだと思います。

「ウケる」「おもろい」といった意味で使われるネットスラング「草」。「笑」を省略した「w」を雑草に見立てて「草」と呼ぶが、WOWOWの社名の「W」が草に見えることと掛けている。

参考ページ:事例紹介|産経メディアラボ(SANKEI Media Labo)

それもありでしょ?バレンタイン-ブラックサンダー

▲広告主:有楽製菓株式会社(2022年2月・Webキャンペーン)

2013年、「一目で義理とわかるチョコ」と銘打ったキャンペーンで大きな話題となったブラックサンダー(有楽製菓株式会社)の2022年バレンタインキャンペーンのキャッチコピーです。

2013年以来、義理チョコとしてのブランドを確固たるものにしていましたが、2022年には大きく方向転換。「義理」や「本命」といった概念にとらわれず、もっと自由にバレンタインを楽しむべきだという考えのもと、「世界一自由なバレンタインコレクション」を発表しました。

ブラックサンダーが展開してきたバレンタインキャンペーンを下敷きにしつつ、みずから従来のイメージを崩す大胆なコピーです。

参考ページ:有楽製菓株式会社のプレスリリース

もうどう広告したらいいのかわからないので-大日本除虫菊(KINCHO)

▲広告主:大日本除虫菊株式会社(2020年5月・新聞広告)

蚊取り線香などの殺虫剤製品メーカーの大日本除虫菊(KINCHO)の新聞広告は、遊び心があることで有名です。コロナが猛威をふるっていた2020年初頭、1か月先の状況も分からないなか「時勢に合った広告ってなんだ…?」とキンチョウの皆さんが頭を悩ませた様子がよく伝わってきます。

各QRコードを読み取ると、想定される状況に応じた広告のPDFが表示されます。「どうすればいいか分からない」と広告そのものを放り投げつつ、最終的には1広告で6パターンもの広告を出せているところが面白い。

今の状況に合わせた広告だけでなく、結局全部確かめたくなるところもうまい。キンチョウは公式サイトで過去の広告を紹介しているので、興味があったら見てみてください。

参考ページ:もうどう広告したらいいのかわからないので。 | 新聞広告 | CM情報 | KINCHO 大日本除虫菊株式会社

オレ達、実は漏れている…!!!!!-キープガード

▲広告主:クロスプラス株式会社(商品LP)

「尿漏れ」というデリケートかつ当事者にとっては深刻な話題を、ユーモアたっぷりに扱ったコピー。衛生面にかかわる製品はどうしても生々しさが出やすいが、不快感がなく、すんなり受け入れられるように感じます。

ターゲットユーザーである40代以上の男性にも「そうなんだよ…実はさ…」と親しみを持たせることに成功しています。男性特有の悩みに寄り添い、それでいてアパレルメーカーとして「ダサくない」商品を提案しているよい広告です。

参考ページ:Life Style by cross marche キープガードボクサーパンツ | CROSS PLUS

3階の娘の部屋は、会社より遠い。-ヘーベルハウス

▲広告主:旭化成へーベルハウス(1998年・新聞広告)

「娘の部屋」と「会社」を対比させ、会社よりも、家族であるはずの娘の方に隔たりを感じている父親の哀愁がよく表現されている。20年前のコピーなので若干家族観に当時のステレオタイプはあらわれているものの、一文で見た人に裏のストーリーまで想像させるよいコピーだと思います。

キャッチコピーで哀愁を搔き立てたのち、「へーベルハウスの家を買えば孤立感からも救われるよ」と解決策を提案しているところがニクイ。本来、家のつくりと家族の状況に関係はないはずなのに、ついそこに救いを求めてしまいそうになりますね。

ユニクロはなぜジーンズを2900円で売ることができるのか-ユニクロ

▲広告主:ユニクロ

テキスト以外の要素がなく、非常にシンプルな画面構成でありながらしっかり意味が伝わるレジェンド級のコピー。多くのキャッチコピー紹介記事で取り上げられているので、見たことがある人もいるかもしれませんね。

言葉の力だけでユニクロの哲学を伝えきっており、コピーライティングの重要性がよくわかる広告だと思います。文章としても「問題提起→答えの提示→今後の展望→ユニクロ哲学の開示」と構成されており、見た人が自然とユニクロの考えまで理解できる作りになっています。

参考ページ:株式会社ファーストリテイリング アニュアルレポート2005

それはまだ、流行っていない。-サントリー翠

▲広告主:サントリー(2020年)

サントリーのジン「翠」発売当初のキャッチコピー。ビールや清涼飲料水のイメージが強いサントリーがスピリッツを発売するにあたって、「イメージがない」ということを逆手にとっているところがうまいですね。

商品の強みや特徴、味などではなく、「まだ流行っていない」という普通ならネガティブに思える状態を前に出したことで、逆に「これから流行るんだ」と見た人に予感させます。ちなみに数年経った現在は「それはもう、流行ってますか?」に変化した。

ちょっとずつ言い回しを変えていくコピーって、エモいですよね。

参考ページ:https://youtu.be/l5N4z9uKNzU

ごはんが先か、お風呂が先か。命にかかわる問いでした。-神戸市消防局

▲広告主:神戸市消防局(2021年・ポスター)

「ごはんにする?お風呂にする?」という馴染みのあるフレーズで親しみを持たせたあと、「命にかかわる」とシリアスになる緩急の付け方で、グッと引き込まれるコピー。「何の話やねん」と疑問がわき、先まで読みたくなるのではないでしょうか。ちなみに内容は「ヒートショック対策」の啓蒙ポスターです。

弊社の取締役が、3人のおじさんだった件について。-サイボウズ

▲広告主:サイボウズ(2022年・新聞広告)

kintoneなど、社内システムのDXサービスを提供するサイボウズは、ユニークな人事システムを多数採用する革新的な会社……だと思われていたのに、この多様性・コンプラ意識の求められる時代に実は「役員が全員おじさん」でした……。という若干風刺のきいたコピーです。

「3人のおじさん」という童話のような言い回しや、「~だった件」というネット掲示板風の言い回しで、シリアスな内容をユニークな印象で中和しています。

参考ページ:「一部上場企業なのに全員取締役」って、さすがに無茶じゃないですか? 副社長に疑問をぶつけてみた | サイボウズ式

番外編「おつとめ品」

▲おつとめ品のイメージ図

スーパーなどの生鮮食品コーナーで、夕方以降よく見かける「おつとめ品」。キャッチコピーではありませんが、個人的に考えた人のセンスに感心するネーミングです。

言ってしまえば「売れ残り」ですが、そう言うと非常に印象が良くありません。その点「おつとめ品」と言えば「ずっと売り場でがんばってくれてたんだ…」とほっこりしてつい手に取りたくなります(なりませんか?)。

まとめ

キャッチコピーは広告の顔だけど、あくまで一部です。他のクリエイティブも合わさって、ひとつの素晴らしい広告が生まれます。

たくさんの名作コピーを見て、多くの視点を蓄えることが、良いコピーを書く最初のステップではないでしょうか。キャッチコピーを勉強したい人は、たとえばこんなサイトを見るのもありかもしれません。

弊社では、企業公式HPやLP、印刷物などご要望の媒体に合わせたコピーライティングを承ります。ご相談は無料ですので、ぜひお気軽に以下のボタンからお問い合わせください。

Written By
S.T.

コンテンツディレクター

コピーライティングから校正まで、文章にかかわることならなんでもマルチに引き受けるコンテンツディレクター兼ライター。プライムナンバーズ編集部の中の人1号でもある。永遠の猫派。フリー素材としても活動している。