【資料あり】SNS広告とは?主要4媒体の基本をまとめて解説
スマートフォンの普及により生活に欠かせないツールとなっているSNS(ソーシャルネットワーキングサービス)は、Web広告市場においても重要性が高まっています。
特にX(Twitter)、Facebook(フェイスブック)、Instagram(インスタグラム)、LINEの4つは日本国内の利用者数が多く、「4大SNS」に数えられることもあります。これらSNSを媒体としてユーザーに配信される広告をSNS広告と呼びます。今回はSNS広告全体の特徴や4大SNS広告の概要、各SNS広告を利用すべき業種を解説します。
概要についてまとめた資料を下記よりダウンロードいただけます。併せてご利用ください。
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目次
「バズる」と想定以上に拡散されるSNS広告
Tiktokなど今後もSNS広告を出稿できる媒体が増える可能性はありますが、現在SNS広告で主に利用されている媒体はX(Twitter)、Facebook、Instagram、LINEの4種類です。
SNSごとに特徴は異なりますが、「バズる」ことで広告主が想定している以上にユーザー間で拡散される可能性があるという点はいずれも共通しています。その他、SNS広告に共通する特徴を見てみましょう。
運用型広告だから低予算でも配信ができる
SNS広告はほとんどの広告メニューにおいて、Web広告で主流である運用型広告を採用しています。運用型広告はオークション形式で広告媒体から高く評価された広告から順に掲載される形式です。
広告費用は広告の表示回数やクリック数など、広告の成果に応じて都度課金されます。運用型広告は広告の成果を見ながら比較的低予算で継続的に広告を出し続けられるというメリットがある反面、費用のコントロールが難しいというデメリットもあります。
しかし運用型広告の中でもSNS広告は予算上限を設定できるため、設定を越えて広告費用を使いすぎることを防ぐことができます。
「広告っぽくない広告」を出すこともできる
X(Twitter)、Facebook、Instagramはユーザーの投稿と同じ形式で広告を配信できます。広告投稿に含まれる内容の自由度はかなり高く、本文に絵文字を使うことや画像・動画を載せることも可能です。
いわゆる「広告っぽくない広告」といわれる他の広告媒体では配信できないユニークな広告を作成・配信できるので、一般の投稿を見るのと同じ感覚でユーザーに広告を届けられます。
クリック、CV以外の目的でも利用できる
リスティング広告など他のWeb広告は、サイトに誘導するための「クリック獲得目的」、または広告誘導したサイト内で予約申込などのアクションを起こさせる「コンバージョン(CV)獲得目的」で配信することが大半です。
一方SNS広告ではクリック、CV以外でもさまざまな目的で広告配信ができます。たとえばX(Twitter)で行われるフォロー&リポストキャンペーンへの応募を集めるために出す広告がこれに該当します。
通常のWeb広告とちがってWebサイトに誘導しなくても広告配信目的が達成できるので、会社やブランド名・商材名などを広く認知させたい時には高い効果を期待できます。
配信面が決まっているという安心感
SNS広告は各SNS限定で配信されるため、配信先をコントロールしやすい媒体です。内容が広告に合わないサイトに表示されるおそれがなく、多くのユーザーに広告を表示させられる点はSNS広告のメリットと言えるでしょう。
一方、Web広告で利用されるバナーを使った広告であるディスプレイ広告は、さまざま々なWebサイトやアプリに広告を配信できる反面、広告を掲載するにはあまり望ましくないと思われるサイトにも、自社の広告が表示されてしまうというケースもあります。
「バズれば」想定以上の認知効果を得られる
SNS広告を利用するなら「バズった」状態を目指したいところです。バズとは、自分の投稿がユーザーの間で話題となり多くのユーザーに拡散されること。主に投稿を気軽に拡散できるX(Twitter)で起こる現象です。
ポストがバズると想定以上のユーザーに届きます。バズるのはSNSに備わった機能ではなくユーザーが自発的に起こす行動ですので、広告投稿であってもユーザーの目に留まればバズることはあります。
ユーザーのリポストなどで広まった広告は、広告費用の対象にはなりません。つまり広告がバズればバズるほど無料で情報が多くのユーザーに拡散されます。結果として想定以上の広告効果を発揮することもあります。
X(Twitter)広告|拡散力の高さナンバーワン
SNS広告には共通点もある一方、各SNSに特有の性質もあります。ここからは各SNSの性質に加え、配信面やターゲティング設定など広告媒体としての特徴を紹介します。X(Twitter)はポストと呼ばれるつぶやきをユーザー間で発信し共有するSNSです。アカウントが匿名で作成できること、投稿できる文章は140文字以内であることなどの理由から、気軽に自分のつぶやきを発信できるツールとして受け入れられています。
その情報発信の気軽さから「今なにをしているか。なにが起きているか」をポストするユーザーが多く、テレビの感想ポストや電車の遅延情報などリアルタイムの情報を取得することに優れています。
またリポストという他人のポストを拡散できる機能があることや、フォローしているユーザーが「いいね」をしたポストが自分のタイムラインに表示されることにより、SNSの中でも特に情報の拡散力が高く一番バズりやすい媒体です。
X社が発表している情報によれば、X(Twitter)利用者の平均年齢は36歳(2021年10月時点)と決して若年層だけが利用しているSNSではなく、10代から60代以上まで幅広い層が利用しています。
広告配信面の例
X(Twitter)広告の主な配信面は以下の2つです。
➀タイムライン
自分がフォローしているアカウントのポストが表示され、X(Twitter)ユーザーがメインに見ている場所です。ユーザーはタイムラインをスワイプしながら新しいポストを追っていきます。通常のポストの間に、ポストと同じ形式の広告を配信できます。ユーザーが目で追う導線上に広告が表示されるため、認知獲得が期待できます。
②トレンド
今起きているニュースや、ポストでよく使用されるトレンドワードを表示している場所です。この1枠が広告に設定されています。トレンド広告は運用型広告ではなく純広告です。1日1社限定で配信できる枠のため、前もって広告枠を抑える必要があります。トレンド広告を出稿するには数百万円必要となるため、予算を大きく使って大々的に広告を配信したい場合に利用されます。
設定できる主な広告配信ターゲット
X(Twitter)で特徴的なターゲットは「キーワードターゲティング」と「フォロワーターゲティング」の2種類あります。キーワードターゲティングは設定したキーワードを呟いたユーザー・検索したユーザー・設定したキーワードが含まれるポストをいいねしたユーザーをターゲットできます。
ニッチなキーワードもターゲットできるため、使い勝手が非常に良いです。リスティング広告を配信している場合は、リスティング広告に設定したキーワードをX(Twitter)広告にも利用するとよいでしょう。
フォロワーターゲティングは指定したアカウントをフォローしているユーザーをターゲティングできます。
競合他社のアカウントをフォローしているアカウントなどをターゲットとすることで、将来的に顧客になり得るユーザーに絞って広告を配信できます。このようなターゲティングは他のSNS広告では設定できません。
ターゲットとなるアカウントを見つけるのは大変ですが、リストを作れば広告効果を期待できるターゲティングです。その他のX(Twitter)広告ターゲティングの詳細は以下からご確認ください。
関連記事:【Twitter広告】で設定できるターゲット全14種
広告を利用する場面
X(Twitter)広告の一番の武器は先述した通り拡散力の高さにあります。一方でX(Twitter)ユーザーはX(Twitter)内のやり取りをすることが主な目的であるため、ポストからWebサイトに遷移することや、遷移先のWebサイトで購買行動をしにくい傾向にあります。
自社のファンを増やすためX(Twitter)アカウントのフォロワーを獲得したい、キャンペーン情報などのポストを拡散したいなど、サイトに遷移しなくても広告目標を達成できるケースではX(Twitter)を利用するとよいでしょう。
Facebook広告|精密なターゲティングで確実にユーザーに届ける
Facebookの大きな特徴は、実名登録制のSNSであるということ。アカウントを作るのに厳格な本人確認が必要なので、「なりすまし」が難しく信頼性が高いといえるでしょう。
これは広告配信のターゲティングに有利に働きます。たとえば20代女性に広告を出したいとき、プロフィールだけ20代女性になりすましたユーザーに広告を配信してしまう可能性が低くなります。また所属会社名・部署名などの情報が開示されていることから、ビジネス上のコミュニケーションを取るために利用している人が多いのも特徴です。
しかしユーザー数、特に若い世代のユーザー数は減少傾向にあります。20代以下にプロモーションしたい場合は、他の媒体を選ぶ方が望ましいでしょう。
広告配信面の例
Facebook広告の配信面は種類が多いため、今回は代表的な箇所を紹介します。この他の詳細については以下のFacebook広告ヘルプページをご覧ください。
参考ページ:広告マネージャでの配置について-Metaビジネスヘルプセンター
※画像はすべてMetaビジネスヘルプセンターより引用。
➀ニュースフィード
Facebookにログインして最初に表示される場所です。「いいね(フォロー)」したアカウントの投稿が表示されます。X(Twitter)のタイムラインと似ており、ユーザーはスワイプしながら情報を取得します。通常の投稿に混じって、広告用の投稿を表示させることができます。
②ストーリーズ
画像や動画を投稿、シェアできるサービスです。ニュースフィードとの違いは、投稿後24時間で自動的に消えること。投稿履歴が残らないので気軽な気持ちで投稿できます。フォローしたアカウントの投稿の間に、広告を挟むことができます。
③Facebook動画フィード
動画に特化した投稿を閲覧できる場所です。こちらはFacebook Watchから閲覧できます。ユーザーが投稿した動画と動画の間に、広告用の動画投稿を差し込むことができます。
④メッセンジャー
Facebookユーザー同士がチャットのような感覚で、リアルタイムでメッセージのやり取りを行える機能です。Messenger受信箱の広告は受信箱のスレッドとスレッドの間に、Messengerストーリーズの広告は受信箱のストーリーズとストーリーズの間に表示されます。
設定できる主な広告配信ターゲット
Facebook広告はX(Twitter)広告ほど数多くのターゲティング方法はありません。しかし、先述の通りFacebookは実名登録制のため、正確なターゲティングが期待できます。
また特定の業界に所属しているユーザー、特定の役職のユーザーなど職種・業種を絞ったターゲティングも可能です。
「40代女性」「子どもがいるユーザー」「営業職の方」など決まった属性のユーザーに広告配信したい場合は高い効果を発揮できるでしょう。
広告を利用する場面
ビジネスに活用する利用者が多いという観点から、SNS広告の中ではBtoB向けの商材で広告を出すのに適した媒体といえます。
他のSNSは勤務時間外に利用するユーザーが多いですが、Facebookは勤務中でもアカウントを開いているユーザーが少なくありません。BtoB向け商材であれば、認知拡大から商品申込まで幅広い目的で利用できる媒体です。
Instagram広告|購買行動への影響力が高いSNS
他のSNSに比べテキストより画像や動画を使ったコミュニケーションを重視しているのが、Instagram最大の特徴です。X(Twitter)やFacebookとちがい、リポストやシェアによるSNS内拡散ができないという特徴もあります。
Instagram公式のデータによると「Instagramで広告を見るとブランドへの興味が高まると回答した利用者の割合」は50%とされており、SNSの中ではユーザーが購買行動を起こしやすい媒体だと言えるでしょう。
またInstagramは10代・20代の約70%が利用しているとされている(出典:令和2年度情報通信メディアの利用時間と情報行動に関する調査報告書<概要>)ことから、若年層に向けた商品購入促進を目的とする広告と相性がよい媒体です。
なお、InstagramはFacebookを運営しているメタ・プラットフォームズ傘下にあるサービスです。そのため広告のターゲットなどはFacebookと同様のシステムを利用でき、Facebook広告で説明したユーザーの信頼性の高さは、Instagram広告でも適用されます。
Instagram広告については基本情報を下記資料にまとめております。併せてご利用ください。
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広告配信面の例
Instagramの広告配信面は以下の3つです。
※画像はすべてMetaビジネスヘルプセンターより引用。
➀フィード
Instagramユーザーがメインで閲覧する場所です。自分がフォローしたアカウントが投稿した画像・動画を閲覧する場所です。投稿には「いいね」やコメントなどのリアクションをとることができます。ユーザーの投稿の間に広告を挿入できます。
②ストーリーズ
Instagramアプリ内で画像や動画を投稿・シェアできるサービス。ニュースフィードとちがい、投稿が24時間以内に自動で消えます。Facebookと同じ機能にはなりますが、ストーリーズの利用者はInstagramの方が多いです。フォローしているアカウントの投稿の間に、広告用の投稿を挟むことができます。
③発見タブ
フォローしているアカウントやInstagramで検索した履歴からユーザーの興味関心を割り出し、似ている投稿を表示する機能です。発見タブでも投稿の間に広告を挟むことができます。
設定できる主な広告配信ターゲット
InstagramはFacebook広告と同じ管理画面から入稿するため、ターゲティングもFacebookと全く同様です。
FacebookやInstagramの行動にもとづいた興味関心ターゲティングや、ユーザー層・行動履歴によるターゲティングが可能です。
広告を利用する場面
アパレル商材、料理、マンションの内観・外観など、ユーザーにとって見た目が価値判断の大きなポイントになる商材・サービスの宣伝で利用することがあります。
Instagramユーザーのほとんどはスマートフォンで閲覧することから、始業前・終業後の時間帯や休日の利用者が多いため、消費者向け商材の広告に適しています。
広告配信目的としては、ブランド認知から商品購入まで幅広い目的で利用される媒体です。
LINE広告|日本人の使用率ナンバーワンSNS
LINEは日本国内では最大のユーザー数を持つSNSです。LINEの発表によると2021年12月時点で9000万人の利用者がいます。
X(Twitter)やInstagramなど他のSNSは利用していなくてもLINEは利用しているユーザーも多いため、属性問わず多くのユーザーに情報を届けたいときには効果を期待できる媒体でしょう。
2024年におこなわれたアップデートにより、配信面を自由に選択できるようになりました。
商材に合った配信面を選択するようにしましょう。
広告配信面の例
LINE広告の代表的な配信面を3つ紹介します。ここで紹介しなかった広告配信面については以下の記事をご参照ください。
関連記事:【一覧DL可能】2024年最新|LINE広告のターゲティング一覧(2024年3月更新)
※画像はすべてLINE for Business公式ページより引用。
➀トークリスト
トークリストにはメッセージのやり取りをしている友だち(LINEユーザー)や、LINE公式アカウントなどの一覧が表示されます。トークリストはLINE関連サービスの中で最もアクティブな機能です。トーク リスト画面上部に広告枠があります。広告サイズはトークリストに表示される他のアカウントと同じ大きさで、比較的小さめです。
②LINE NEWS
月間ユーザー数6,800万人(2019年7月時点)のニュース閲覧コンテンツです。画面下部にある「ニュース」ボタンから閲覧できます。ニュース記事の間に広告枠があり、ニュースを見ているユーザーに広告を認知させることができます。
③LINE VOOM(タイムライン)
主にショート動画などのコンテンツを投稿・閲覧できる場所です。LINE VOOMでは、お友達登録しているLINEアカウントやレコメンドされたオススメ動画が表示されます。以前はタイムラインと呼ばれる枠でしたが、動画を中心としたコンテンツ配信する新しいプラットフォームとして2021年11月に実装されました。
ユーザーが投稿した動画の間に、広告を挟むことができます。
④ホーム
LINEアプリの画面下部「ホーム」アイコンから閲覧できる、自分や友だちのプロフィールが表示されている場所です。友だちリストやグループ、ファミリーサービスなどLINE内のさまざまなサービスの入り口となっています。画面の下部に広告枠があります。
⑤ウォレット
LINE Payを用いて支払いや送金をしたりギフトを送ったりする際に開くページです。
少し下にスクロールしたあたりに広告枠があります。
⑥LINEショッピング
ファッションや雑貨、スポーツ・インテリア・家電・コスメなど約1,800ショップから、LINEアプリ上で商品を購入できるショッピングサービスです。
ショップの中に広告枠があります。
⑦LINEネットワーク
10,000を超えるアプリ(2022年8月時点)にリーチできるモバイルアドネットワークのことです。
LINE広告を通じて、電子書籍、ゲーム、SNS、ニュース・天気など、さまざまなジャンルの3rd party アプリへ広告を配信できます。
設定できる主な広告配信ターゲット
他のSNS広告に比べるとLINE広告のターゲティングの種類は少なく、「地域」「性別」「年齢」「OS」「興味関心」「ユーザー属性」「行動履歴」などでターゲティングができます。
LINE広告はフリーキーワードでのターゲティングはできないため、ニッチな関心層をターゲティングするのは苦手です。
LINE広告のターゲティングの詳細は以下よりご確認ください
関連記事:【2021年10月更新】LINE広告のターゲティング一覧
広告を利用する場面
LINEは、10代から60代まで幅広い年齢層のユーザーが利用している媒体ですので、対象をあまり絞らずWebを使って多くの方にブランドや商品の認知をしたいという時に、LINE広告を利用するとよいでしょう。
SNS広告で成果を出すには、SNS利用者の理解も必要です
最後に、SNS広告で成果をあげるために重要なことを一つお伝えします。それは「SNS利用者は広告を見るためにSNSを利用しているわけではない」ということです。
SNSユーザーはあくまでユーザー間のコミュニケーションを楽しむために利用しています。
SNS広告は本来ユーザーが期待している体験の間に割り込んでくるものであり、ユーザーから見れば「ジャマなもの」だと言えるでしょう。
ユーザーが意図しているコミュニケーションフローを損なうことなく、思わず共有したくなるような広告を作ることがSNS広告成功への第一歩です。