マイクロコンバージョン(MCV)とは?広告運用における注意点や活用法について解説
マイクロコンバージョン(MCV)は、ユーザーがコンバージョンに至るまでの経路の中間地点に設定するコンバージョンのことです。
本記事では、広告運用において何のためにマイクロコンバージョンを設置するのか、また設置する際の注意点とその対策について初心者でもカンタンにわかるように解説します。
目次
1.マイクロコンバージョン(MCV)とは?
ユーザーがコンバージョンに至るまでの経路の途中に設定するコンバージョンのことです。別称として”中間コンバージョン”と言われたり、”MCV”と略されることもあります。
例えば下図のECサイトで「④購入完了ページの表示」をコンバージョン(CV)ポイントとした場合、①②③はそれぞれの地点にマイクロコンバージョン(MCV)を設定することができます。
2.マイクロコンバージョン(MCV)を設置する目的
基本的には自動入札で配信する際の機械学習データとして活用するためにマイクロコンバージョンを設置します。
自動入札は”過去30日に30件以上のコンバージョン”を獲得している場合の導入が推奨されています。30件に満たないと学習データが足りず、上手く成果がでない場合があります。コンバージョン数が足りないときはマイクロコンバージョンを設置して自動入札の導入に必要なコンバージョン数を確保します。
例として下記図の「⑤購入完了ページの表示」をCV地点とした場合、過去30日のコンバージョン数が15件で30件に満たないとします。その場合は手前の「④入力フォーム」にMCVを設定することで30件以上の40件(25+15)のコンバージョン数を確保することができます。
その他の活用方法:ユーザーの行動を分析し、改善に活かす
マイクロコンバージョンは複数箇所に設定可能で、かつ自動入札の機械学習の対象から外すことができます。そのためユーザーがサイトのどこで離脱することが多いか計測するなど、LPの分析・改善のためのデータとしても活用できます。
またマイクロコンバージョンのタグ発行・設置方法は通常のコンバージョン設定と同様です。タグの発行・設置方法については下記記事をご参考ください。
▼Google広告のコンバージョンタグ設置方法
3.マイクロコンバージョン(MCV)を設置する際の注意点と対策
①コンバージョン率の低い位置にマイクロコンバージョンを設置しない
コンバージョン率の低い地点にマイクロコンバージョンを設置することで、最終的なコンバージョン数が減少してしまう可能性があります。例えばECサイトで”商品をカートへ追加したユーザー”の25%が購入に至りますが、”Webサイトのトップページに到達したユーザー”はそのうち0.1%しか購入に至らないとします。このような場合に”Webサイトのトップページ”にマイクロコンバージョンを設置するとAIに質の低いデータを与えてしまい、コンバージョン率が低下するかもしれません。
対策1.設置する位置を見直す
コンバージョンポイントにより近い地点で発生したマイクロコンバージョンのデータをAIに与えたほうが学習データとしての質が高く、機械学習による最適化の精度が上がりやすいです。そのため現状のマイクロコンバージョンをよりコンバージョンポイントに近い位置に設置し直すことを検討しましょう。下図のように”入力フォーム到達”地点から”支払い情報を入力する”地点へマイクロコンバージョンの位置を変更することで成果が改善できるかもしれません。そのような場合は自動入札の導入に必要なコンバージョン数を確保できるか考慮し、設置位置を変更します。
対策2.マイクロコンバージョンに適切な価値を割り当てる
Google広告、Yahoo!広告の場合、コンバージョンごとに価値を割り振ることができます。MCVとCVを1:1の同等の価値ではなく、適切に差をつけて設定することで、より高い精度で機械学習を最適化できます。自動入札「コンバージョン値の最大化」を用いて配信する場合に上記の対策を推奨します。
例えば、MCV地点(④入力フォーム)からCV地点(⑤購入完了ページの表示)に遷移する人の割合が25%の場合、MCVの価値を「1」、CVの価値「4」のように4倍の差をつけて設定します。
②通常のコンバージョンと合算しない
レポートを作成するとき、「コンバージョン」の指標を選択すると「マイクロコンバージョン」と「通常のコンバージョン」の合算値で集計されてしまいます。
対策
Googleなら「コンバージョン アクション」、Yahoo!なら「コンバージョン名」の指標を確認すると設定したコンバージョン名ごとの成果が確認できます。レポートとして集計する際はマイクロコンバージョンとコンバージョンを分けて計上しましょう。
③機械学習へ反映するか否かを正しく設定する
Googleでは、作成したコンバージョンはデフォルトで機械学習の最適化に含まれます。
そのためマイクロコンバージョンを自動入札の機械学習に含めないつもりが、しっかり設定変更できておらず、機械学習の最適化に活用されていたということが発生しなしように注意が必要です。
対策
管理画面で設定を見直してみましょう。ここではGoogle広告でコンバージョンを自動入札の最適化から外す設定方法を解説します。
▼手順
画像の番号に沿って解説します。
1.Google広告管理画面の左側「目標」をクリック
2.「コンバージョン」タブをクリック
3.「概要」をクリック
4.確認したいコンバージョンアクションをクリック
5.「設定を編集」をクリック
6.アクションの最適化の項目で「入札単価の最適化に使わないサブアクション」を選択
7.「保存」をクリック
以上で設定は完了です。
4.まとめ
本記事では自動入札でのマイクロコンバージョンの活用方法を中心に解説しましたが、ユーザー行動の分析に応用することでLP改善の指標としても活用できます。まだ設置していない方は、本記事を参考にマイクロコンバージョンの設置をぜひ検討してみましょう。
また弊社では無料相談も承っておりますので、お気軽にお問い合わせください!