【初心者向け】失敗しない!リスティング広告 シミュレーション作成方法を解説
広告のシミュレーションは広告を開始する前に「広告の費用対効果」や「必要な予算」を把握するために活用できます。
本記事では初心者の方でもできるシミュレーション作成の手順を紹介します。
目次
シミュレーションの活用方法
広告配信前にシミュレーションを作成することで、以下のことが可能になります。
①広告配信可否の判断
広告配信前におおよその費用対効果や配信に必要な予算を把握することができます。また社内外で承諾を得るための意思決定の材料として用いることができます。
②適切な広告媒体の選定
広告配信目的に合う広告媒体や配信メニューを選定できます。媒体の選定に迷っている場合に、どの広告媒体、配信メニューで成果を最大化できそうか判断することができます。
シミュレーション作成に必要な前提知識
シミュレーション作成に最低限必要な知識を3つご紹介します。
①「課金指標」を把握する
広告配信の費用が発生する課金ポイントを確認します。リスティング広告の場合は広告がクリックされたタイミングで費用が発生します。そのため課金指標はクリック単価(CPC)です。
この課金指標は広告の費用対効果に影響するため、シミュレーション作成において重要な指標です。
②広告指標の関係性を理解する
シミュレーションを作成する際は、指標の関係性を計算式で理解する必要があります。
基本指標の計算式は下記のとおりです。
③課金指標に影響する要素を考慮する
リスティング広告の課金指標はクリック単価です。クリック単価を決める要素のひとつに「ターゲティングの範囲」があります。ターゲティングの範囲が広くなると、掲載できる広告枠が増加します。その結果、相対的な競合性が低下し、クリック単価は安くなります。逆にターゲティング範囲が狭いと、掲載できる広告枠が減少します。その結果、相対的に競合性が上昇し、クリック単価は高くなる傾向にあります。
もうひとつのクリック単価を決める要素として、「1日あたりの投下予算」も考慮する必要があります。
例えば配信期間以外の設定がすべて同じ”A”と”B”の広告キャンペーンがあるとします。Aの配信期間は1ヶ月、Bの配信期間は1週間だとするとBの方がクリック単価は高くなる傾向にあります。なぜなら1日あたりの限られた広告掲載枠に対して、1日あたりの投下予算はAよりも多くなります。結果として、相対的に競合性が上昇し、クリック単価が高くなるためです。
クリック単価と広告掲載枠数の関係は下図のような負の相関関係となります。シミュレーション作成途中でターゲティング範囲や配信期間を変更する際はクリック単価が変動することを考慮しておきましょう。
リスティング広告の主要な広告指標
シミュレーションの作成では下記の指標を利用します。
主要な広告媒体の違い
リスティング広告の主要媒体はGoogle、Yahoo!、Microsoftです。日本の検索エンジン利用者のおよそ75%はGoogle検索が占めています。広告出稿企業も多く競合性も高いため、Yahoo!、Microsoftと比較してもクリック単価が高くなる傾向にあります。
あくまで目安ではありますが、GoogleとYahoo!のクリック単価を比較した場合、Googleの方が1.2倍~2倍程度高い傾向にあります。
Google、Yahoo!、Microsoftのリスティング広告の特徴について、詳しく知りたい方は下記の記事をご参照ください。
リスティング広告のシミュレーション作成手順
シミュレーションの作成手順を予算が決まっている場合と予算が決まっていない場合に分けて解説します。また本手順で算出した数値は成果を保証するものではありません。参考値としてご活用ください。
①予算が決まっている場合
②予算が決まっていない場合
▼シミュレーション作成フォーマットは下記よりダウンロードできます!
Download
①予算が決まっている場合
今回はGoogleリスティング広告のシミュレーションを作成します。
下記の表に沿って解説します。
【前提】
・広告媒体は「Google」とします。
・キャンペーンタイプは「検索」とします。
・配信期間は1ヶ月とします。
・今回は予算を「1,000,000円」とします。
▼手順
1.予算を入力します。ここでは「1,000,000円」を入力します。
指標 | 数値 |
表示回数 | – |
クリック数 | – |
クリック率 | – |
クリック単価 | – |
費用(予算) | ¥1,000,000 |
コンバージョン数 | – |
コンバージョン率 | – |
コンバージョン単価 | – |
2.リスティング広告で配信する想定キーワードを作成します。
キーワードの作成方法は下記記事をご参照ください。
3.Googleキーワードプランナーで想定キーワードを入力します。
キーワードプランナーの使い方は下記記事の「2.Googleキーワードプランナーでクリック単価を調べる方法」をご参照ください。
下図のようにキーワードプランナーの予測機能で「クリック率」「平均クリック単価」「推定コンバージョン率」が算出されます。
4.算出された数値をそれぞれ「クリック率」「クリック単価」「コンバージョン率」として下記の表に入力します。
それ以外の指標は下記の計算式で算出します。
表示回数=クリック数/クリック率
クリック数=費用(予算)/クリック単価
コンバージョン数=クリック数×コンバージョン率
コンバージョン単価=費用(予算)/コンバージョン数
指標 | 数値 |
表示回数 | 365,497 |
クリック数 | 26,316 |
クリック率 | 7.20% |
クリック単価 | ¥38 |
費用(予算) | ¥1,000,000 |
コンバージョン数 | 1,345 |
コンバージョン率 | 5.11% |
コンバージョン単価 | ¥744 |
これでシミュレーション作成は完了です。
②予算が決まっていない場合
こちらもGoogleのリスティング広告のシミュレーションを作成します。
下記の表に沿って解説します。
【前提】
・広告媒体は「Google」とします。
・キャンペーンタイプは「検索」とします。
・配信期間は1ヶ月とします。
・各媒体のクリック数を「1,000」とします。
指標 | 数値 |
表示回数 | – |
クリック数 | 1,000 |
クリック率 | – |
クリック単価 | – |
費用 | – |
コンバージョン数 | – |
コンバージョン率 | – |
コンバージョン単価 | – |
▼手順
1.リスティング広告で配信する想定キーワードを作成します。
キーワードの作成方法は下記記事をご参照ください。
2.Googleキーワードプランナーで想定キーワードを入力する。
キーワードプランナーの使い方は下記記事の「2.Googleキーワードプランナーでクリック単価を調べる方法」をご参照ください。
下図のようにキーワードプランナーの予測機能で「クリック率」「平均クリック単価」「推定コンバージョン率」が算出されます。
3.算出された数値をそれぞれ「クリック率」「クリック単価」「コンバージョン率」として下記の表に入力します。
それ以外の指標は下記の計算式で算出します。
表示回数=クリック数/クリック率
費用=クリック数×クリック単価
コンバージョン数=クリック数×コンバージョン率
コンバージョン単価=費用/コンバージョン数
指標 | 数値 |
表示回数 | 13,889 |
クリック数 | 1,000 |
クリック率 | 7.20% |
クリック単価 | ¥38 |
費用 | ¥38,000 |
コンバージョン数 | 51 |
コンバージョン率 | 5.11% |
コンバージョン単価 | ¥744 |
クリック数は任意で変更可能です。例えば想定よりもコンバージョン数が少なければ、クリック数を増やします。クリック数を増やすと、他の関連する指標も変動します。そのためクリック数をどれだけ増やせば目標のコンバージョン数に達するのか、また予算がいくら必要になるかを推定することができます。
これでシミュレーション作成は完了です。
まとめ
あくまでシミュレーションは参考値です。作成したシミュレーションの成果が悪くても、実際に広告を配信してみるとそれよりも成果が良いことがあります。そのため過度にシミュレーション値を信頼しすぎないよう心がけましょう。
もし広告のシミュレーション作成が必要であれば、弊社にて迅速に作成できます。自社での作成が難しい場合は、無料でご相談・シミュレーションの作成を承っておりますので、下記ボタンからご連絡ください。