
デマンドジェネレーションとは? リードジェネレーションとの違いと実践方法を解説
デマンドジェネレーション(需要創出)はマーケティング施策の一種で、「顧客候補を見つけて、その人が商材に興味を持つような活動をすること」です。
例えば新しいスマホを売りたい会社が「こんな便利なスマホが出ますよ!」と広告を出したり、スマホの使い方教室を開いたり、ブログでスマホの魅力を紹介したりするのは全て「デマンドジェネレーション」の活動にあたります。近年、この概念はBtoB(企業間取引)からBtoC(消費者向け)まで幅広い領域で注目されています。
本記事では、このデマンドジェネレーションの基本から実践方法までを解説します。Web広告を活用して集客したいと考える初心者の広告主様や、そうしたお客様を支援する広告代理店様に向けて、具体的な手法やポイントを初心者にもわかりやすく紹介します。
デマンドジェネレーションは大企業だけでなく、予算規模の小さな中小企業でも工夫次第で実践可能な戦略です。本記事を通じて、効果的なデマンドジェネレーションの考え方と具体的な戦術を学び、自社のマーケティングにお役立てください。
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目次
リードジェネレーションとの違いから見るデマンドジェネレーションの特徴
デマンドジェネレーションとリードジェネレーションは、反響を見込むタイミングが異なります。リードジェネレーションの方がより即効性を求める施策です。
リードジェネレーションが見込み客の連絡先情報(問い合わせや資料請求など)を取得することが目的であるのに対し、デマンドジェネレーションは見込み客に情報提供や教育を行い、見返りを求めず関心を持ってもらうことが目的とされます。まずはデマンドジェネレーションの施策を行い、段階的にリードジェネレーションへと移行するのが一般的です。

例えば、ホワイトペーパーなど資料のダウンロードと引き換えにメールアドレスを取得するのはリードジェネレーションの典型ですが、デマンドジェネレーションではまず無料で有益なコンテンツを提供して潜在顧客層への認知拡大を優先します。
すべてのコンテンツに対し連絡先情報の入力を必須にするのではなく無償で提供するコンテンツも併用すれば、十分に興味を持った見込み客にのみリード情報を求めることができます。デマンドジェネレーションとリードジェネレーションは相互に補完し合っており、「前者で興味関心を引いた上で後者で具体的な商談のきっかけを得る」流れを構築することが重要です。
なぜデマンドジェネレーションが注目されるのか?
デマンドジェネレーションが注目されはじめたのは、顧客の購買行動が変わったからと考えられます。BtoBでは一般的に、見込み客が営業担当者と直接話す時間は全体の約17%しかなく、契約判断までに3〜10回の接点(商材に触れる機会)が必要であるとされています。つまり、営業担当が商材を持ち込む前にマーケティング担当が商材に関する情報を提供し、あらかじめ接点を作っておくこと(=デマンドジェネレーション)が重要なのです。
早い段階で顧客との関係を築き、ニーズを引き出しておけば、見込み客は商材の強みを理解した状態で商談に入れます。その結果信頼感やブランド想起が高い状態でリードを獲得でき、契約を決めるまでの期間が短くなるため、成約率が上がります。
また、新しい顧客層を開拓する上でもデマンドジェネレーションは欠かせません。これを怠ると表面化した「商品を今すぐ買いたい層」だけにしか届かず、潜在顧客を競合に奪われるリスクがあります。
つまり、デマンドジェネレーションは顧客基盤を長期的に安定させるために必須の戦略です。継続的に関心を生み出し続けることで、ビジネスを成長させ続けられます。
効果的なデマンドジェネレーションの実践方法
効果的にデマンドジェネレーションを実践するためのポイントを順を追って解説します。
ターゲットオーディエンスの特定
まず最初に必要なのはターゲットオーディエンス(顧客となるユーザー層)の明確化です。自社が提供する商品・サービスに最も関心を持ち得るのはどのような人々か、徹底的に洗い出します。年齢・性別・地域・職業・役職・抱えている課題・意思決定者か否かなど、可能な限り具体的にターゲット像を定義しましょう。
ターゲットが明確になることで、打ち出す施策すべてに一貫性が生まれます。やみくもに認知拡大を図っても、関心のない層に大量にリーチしてしまっては意味がありません。限られたリソースを「本当に狙いたい層」に集中させることで、効率良く需要を創出できます。予算が限られている場合でもターゲットを明確に絞ってその層に響くメッセージを届けることで、広く広告をばら撒くよりも高い成果を得られます。このようにターゲットを絞った配信ができるのはWeb広告ならではの強みです。
LinkedIn広告やMicrosoft広告はビジネスに関するターゲティング項目があるため、特にBtoBマーケティングにおすすめです。
業界別のWeb広告プランをまとめた記事は下記よりご覧いただけます。
またターゲットオーディエンスを特定する際には、自社の既存顧客の分析や市場リサーチ結果も活用しましょう。顧客同士の共通点を洗い出すことで、有望な見込み顧客の特徴が見えてくることがあります。また、BtoB商材であれば業界・企業規模・職種などで、BtoC商材であれば年代・ライフスタイル・趣味嗜好などでターゲティングするというように、ビジネスモデルによってさまざまな切り口があります。
マーケティング手法を選定
ターゲットが決まったら、情報を届けて興味を高める具体的な方法とチャネルを選びます。デマンドジェネレーションではさまざまな手段を組み合わせ、あらゆる場所で接点を持つことが重要です。主な戦術とチャネルは次のとおりです。
コンテンツマーケティング
ブログ記事やノウハウ資料、ケーススタディ動画など、顧客の課題解決に役立つ情報を配信します。自社メディアやYouTubeなどのプラットフォームを通じて「もっと知りたい」と思ってもらい、長期的に見込み客を集めるベースを作ります。
検索エンジンマーケティング(SEO・リスティング広告)
SEOで検索結果の上位に表示されるようサイトのタイトルや内容を最適化し、リスティング広告で関連キーワード検索時にテキスト広告を出します。どちらか一方でもよいですが、両方試してみることを推奨します。
これらを実施することで、情報を積極的に探しているユーザー(=購入や契約をする可能性が高いユーザー)に自社を認知してもらえます。
SNSマーケティング
LINE、Facebook、Instagram、LinkedInなどのSNSで有益な投稿を続け、フォロワーとの対話を深めます。拡散力のあるコンテンツやSNS広告を使い、関心の高いユーザーにピンポイントでリーチします。
SNS広告を出稿するのもおすすめです。下記の記事を参考にご検討ください。
メールマーケティング
メールマガジンやステップメールで定期的に商材に関する情報を届け、継続的に興味を引き出します。読者の関心に合わせた段階的な配信を行い、既存顧客との関係を深めます。配信対象者を業種や検討段階ごとに分けて別々の内容を送付するなど、売り込み一辺倒にならないよう注意が必要です。
イベント・ウェビナー
オンラインやオフラインのセミナーを開催し、専門知識や商材の情報を直接共有します。関心を持った人が自発的に参加することが多いため、質の良いリードを獲得しやすいです。一方的な情報発信にとどまらず、双方向のやり取りで信頼を築くこともできます。
Web広告
ディスプレイ広告や動画広告で潜在層にリーチします。属性や興味に基づく配信設定を行えば、「興味はあるけれどまだ自社を知らない人」にもアプローチできます。
特にGoogleには「デマンドジェネレーションキャンペーン」があります。認知の拡大に向いているため、下記記事をぜひご一読ください。
また主要なWeb広告媒体であるGoogle、Yahoo!についても下記で詳しく解説しています。
効果測定の基本
どんなマーケティング施策も実施して終わりではなく、適切に効果測定を行って改善し続けることが重要です。特にデマンドジェネレーションは中長期にわたる取り組みのため、ファネル(購買プロセス)の各段階でKPI(成果を示す指標)を定めて測定し続けましょう。
ただ測定できる数値をすべて追うのではなく、本質的な指標に注目します。例えばサイト訪問数やSNSのフォロワー数・「いいね!」数といった表面的な数値ばかり見ていても、適切な判断はできません。重要なのは「狙ったターゲットにリーチできているか」「その層が最終的にビジネス成果(売上)につながっているか」を示す指標です。以下に、デマンドジェネレーションで特に見ておくべきポイントをまとめます。
認知・エンゲージメント指標
Webサイトのアクセス数、ページ閲覧数、コンテンツのダウンロード数、SNS投稿のインプレッションやエンゲージメント率など、見込み客にリーチできているかを示す指標です。これらは認知度の拡大傾向を把握できますが、前述のとおり数値の大小だけで一喜一憂せず「狙った層からの反応が得られているか」を見極めることが重要です。
リード獲得数
問い合わせ件数、資料請求件数、メールマガジン登録者数など、見込み顧客のリード情報を獲得できた数です。デマンドジェネレーション施策によってどれだけの潜在顧客を顕在化できたかを示します。これも数だけでなく、営業的に有望な層のリードかどうか(リードの質)も合わせて考慮すべきです。
育成・転換率
獲得したリードが次の段階に進んだ割合を測ります。例えばメールの開封率・クリック率、セミナー参加率などの指標が該当します。これによりマーケティング施策がリードの質を高められているかを評価できます。
商談・成約指標
営業部門に引き渡されたリードが実際に商談に至った件数、受注件数、成約率(リードから顧客になった割合)などの指標です。デマンドジェネレーションで獲得したリードが最終的に売上に結びついた割合を把握することで、施策全体の質を評価できます。成約率は「成約数 ÷ 商談数 × 100(%)」で求められます。
コスト・ROI指標
マーケティング投資に対して成果がどれだけ出たかを示す指標です。代表的なのはCAC(顧客獲得単価)で、投資コスト÷獲得顧客数で算出します。最終的にはROI(投資利益率)を追い、収益性を評価しましょう。ROIは「(売上 − 投資コスト)÷ 投資コスト × 100(%)」で求められます。ROIを上げるにはなるべく低コストで質の高いリードを集め、営業効率を改善し続けることが必要です。
継続は力なり
潜在顧客の需要に長期的に働きかけて最終的に売上につなげるデマンドジェネレーションは、現代のマーケティングにおいて欠かせません。そのためにはまず、狙うべきターゲットを明確に設定し、それに応じたチャネルを複数組み合わせて活用しましょう。そして施策の効果を定期的に測定し、その結果をもとに改善サイクルを回し続けましょう。
デマンドジェネレーションの施策例として、本記事内でも触れたGoogle広告のデマンドジェネレーションキャンペーンがあります。より詳しく知りたい方は、弊社ブログの記事もぜひご覧ください。
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